むしろ弱い妖ばかりを割り当てられている気がしてならない。それはきっと龍真が手を回しているに違いなくて、結珠はそれが不満だった。
ひとりで退治して、龍真に一人前だと認められたい。
それが今の結珠の願いだった。
「妖って実は宇宙人じゃね? って思うんだけどさ」
駅から退魔協会に向かうシャトルバスの中で、龍真が言う。
「宇宙人って」
結珠は思わず笑った。
「だってさ、おかしくね? 進化もなにもかも違ってて、変な力まであってさ」
「妖からしたら私たちだっておかしな力を使う存在よね?」
「そうかもだけどさ、そしたら俺たちだって宇宙人じゃね?」
「なんか昔、友達とそういう話をしたことあるなあ。地球って宇宙に浮いてるんだから、自分たちも宇宙人なんじゃない、みたいな」
「そういうんじゃなくてさあ、もっとロマンを持とうぜ」
結珠はまた笑った。
龍真はもう二十歳なのに、たまにこうして子どもみたいなことを言うのがかわいくなってしまう。
退魔協会に着いた結珠は、封印した退魔をATMのような端末で吸い出して、スマホの封印用ストレージを空にする。
その間、龍真は退魔協会の人となにやら話し込んでいた。確かあの人はなにかの部長だった気がする、と思いながらその様子を眺めた。
結珠が作業を終えたことに気が付くと、龍真は話しててる人に断り、いったん結珠のところへ来る。
ひとりで退治して、龍真に一人前だと認められたい。
それが今の結珠の願いだった。
「妖って実は宇宙人じゃね? って思うんだけどさ」
駅から退魔協会に向かうシャトルバスの中で、龍真が言う。
「宇宙人って」
結珠は思わず笑った。
「だってさ、おかしくね? 進化もなにもかも違ってて、変な力まであってさ」
「妖からしたら私たちだっておかしな力を使う存在よね?」
「そうかもだけどさ、そしたら俺たちだって宇宙人じゃね?」
「なんか昔、友達とそういう話をしたことあるなあ。地球って宇宙に浮いてるんだから、自分たちも宇宙人なんじゃない、みたいな」
「そういうんじゃなくてさあ、もっとロマンを持とうぜ」
結珠はまた笑った。
龍真はもう二十歳なのに、たまにこうして子どもみたいなことを言うのがかわいくなってしまう。
退魔協会に着いた結珠は、封印した退魔をATMのような端末で吸い出して、スマホの封印用ストレージを空にする。
その間、龍真は退魔協会の人となにやら話し込んでいた。確かあの人はなにかの部長だった気がする、と思いながらその様子を眺めた。
結珠が作業を終えたことに気が付くと、龍真は話しててる人に断り、いったん結珠のところへ来る。