肆 華陽と白虎さま
後宮を出て初めて蒸気自動車というものを見て乗って外を見ていれば景色が緑いっぱいになっていくのがわかる。
「ここが西の領地・華陽です。皇都とは少し田舎なので景色が綺麗なんですよ」
確かに皇都は建物だらけで人もたくさんいて賑やかな感じだったけど、ここは草木の緑や走っている道のそばには川があって夕陽の光が照らされてキラキラと輝いていた。
外を眺めているといつのまにか大鳥居の前に来ていた。鳥居には木でできた額束と呼ばれるものに【華陽】と彫られているのが見え、しめ縄もかけられていた。
「咲良さま、このしめ縄が結界が張ってある証です。このしめ縄は領民で作るんですよ」
私は玄様の解説で華陽のことが知ることが出来て、屋敷までの道のりはとても楽しかった。
屋敷の前に着くと、自動車で屋敷の門を通った。自動車が止まって降りようとすると、いつ膝に乗っていたのか白虎様が眠ってしまっていておりれない。
「あ、すみません。いつもなら俺以外の人には乗らないんですけど……」
玄様は白虎様を私から引き離そうとするが、お膝が落ち着くのか離れようとしない。
「本当にすみません、本当に躾がなってなくて……!」
玄様は引き離そうとしているが起きないのに可哀想だと私は思って自分が持ってきた紙と筆を取り出してサラサラっと筆を走らせた。
【気持ちよく寝ているところを起こすのは気が引けますので、しばらくはこのまま乗ってます】
「咲良様が疲れてしまいます! あぁ、でも、無理に引っ張ってお着物が傷ついてしまったら申し訳ないし……」
口の動きで途中までは聞こえてきたが、最後の方はブツブツといっていたのでわからなかった。
「……わかりました。ありがとうございます、咲良様。肌寒いかもしれないので何か羽織るものをお持ちいたします」
一度玄様は自動車から離れると、屋敷の中に入って行ってしまった。
私は白虎様をなでなでをする。毛並みが綺麗でちゃんと手入れされていることがわかる。白虎様にはとても失礼だけど、とても可愛らしい。なんだか見ていたらこっちまで眠くなってしまっていつの間にか眠ってしまった。
後宮を出て初めて蒸気自動車というものを見て乗って外を見ていれば景色が緑いっぱいになっていくのがわかる。
「ここが西の領地・華陽です。皇都とは少し田舎なので景色が綺麗なんですよ」
確かに皇都は建物だらけで人もたくさんいて賑やかな感じだったけど、ここは草木の緑や走っている道のそばには川があって夕陽の光が照らされてキラキラと輝いていた。
外を眺めているといつのまにか大鳥居の前に来ていた。鳥居には木でできた額束と呼ばれるものに【華陽】と彫られているのが見え、しめ縄もかけられていた。
「咲良さま、このしめ縄が結界が張ってある証です。このしめ縄は領民で作るんですよ」
私は玄様の解説で華陽のことが知ることが出来て、屋敷までの道のりはとても楽しかった。
屋敷の前に着くと、自動車で屋敷の門を通った。自動車が止まって降りようとすると、いつ膝に乗っていたのか白虎様が眠ってしまっていておりれない。
「あ、すみません。いつもなら俺以外の人には乗らないんですけど……」
玄様は白虎様を私から引き離そうとするが、お膝が落ち着くのか離れようとしない。
「本当にすみません、本当に躾がなってなくて……!」
玄様は引き離そうとしているが起きないのに可哀想だと私は思って自分が持ってきた紙と筆を取り出してサラサラっと筆を走らせた。
【気持ちよく寝ているところを起こすのは気が引けますので、しばらくはこのまま乗ってます】
「咲良様が疲れてしまいます! あぁ、でも、無理に引っ張ってお着物が傷ついてしまったら申し訳ないし……」
口の動きで途中までは聞こえてきたが、最後の方はブツブツといっていたのでわからなかった。
「……わかりました。ありがとうございます、咲良様。肌寒いかもしれないので何か羽織るものをお持ちいたします」
一度玄様は自動車から離れると、屋敷の中に入って行ってしまった。
私は白虎様をなでなでをする。毛並みが綺麗でちゃんと手入れされていることがわかる。白虎様にはとても失礼だけど、とても可愛らしい。なんだか見ていたらこっちまで眠くなってしまっていつの間にか眠ってしまった。