自分の声で、目が覚めた。
慌てて辺りを見回すと、見慣れたシミのある天井が飛び込んできた。
「わ、私の部屋よね?」
呟きに答える声はない。一人暮らしなのだから、当然だ。
むしろ、誰かが答えたほうが怖い。辺りを見回す。
机に置いたままの栞を挟んだ赤い本、カーテンを透かして差し込む日光。異変はない、いつもの部屋だ。
私はほっと胸を撫でおろす。
「嫌な夢ね」
ただの夢だった。そう思いたい。だけど、あまりに変な夢だった。
「寝ている間は無意識のうちに記憶を整理しているっていうものね」
本で読んだ内容と重なる部分の多い夢だったから、きっとそうに違いない。
ただ私の脳が正常に働いていただけ、それだけだ。
ホッと私は息を吐いた。
もうすぐ午前十時。昼から倉庫の搬入作業の単発バイトが、夜は居酒屋でのバイトがある。
トマトと目玉焼きをのせたトーストを食べると、わたしは昨日読んだ本の内容と、今朝がた見た妙な夢について、ワードに打ち込んだ。
一通り文章を打ち終えるとネットの銀行口座を確認した。
「嘘、もう振り込まれているじゃない」
五万円の入金を確認して心が躍った。最近、粗食が続いていた。
お昼は久しぶりにピザでも届けてもらおうか。
いや、今日は夕飯が豪華なまかないだから、贅沢するのは後日にとっておこう。
お昼は簡単にカップ麺でいい。
午後の仕事まで時間がある。少しでも本を読み進めておこう。
赤い本を手にソファに沈んだ。
慌てて辺りを見回すと、見慣れたシミのある天井が飛び込んできた。
「わ、私の部屋よね?」
呟きに答える声はない。一人暮らしなのだから、当然だ。
むしろ、誰かが答えたほうが怖い。辺りを見回す。
机に置いたままの栞を挟んだ赤い本、カーテンを透かして差し込む日光。異変はない、いつもの部屋だ。
私はほっと胸を撫でおろす。
「嫌な夢ね」
ただの夢だった。そう思いたい。だけど、あまりに変な夢だった。
「寝ている間は無意識のうちに記憶を整理しているっていうものね」
本で読んだ内容と重なる部分の多い夢だったから、きっとそうに違いない。
ただ私の脳が正常に働いていただけ、それだけだ。
ホッと私は息を吐いた。
もうすぐ午前十時。昼から倉庫の搬入作業の単発バイトが、夜は居酒屋でのバイトがある。
トマトと目玉焼きをのせたトーストを食べると、わたしは昨日読んだ本の内容と、今朝がた見た妙な夢について、ワードに打ち込んだ。
一通り文章を打ち終えるとネットの銀行口座を確認した。
「嘘、もう振り込まれているじゃない」
五万円の入金を確認して心が躍った。最近、粗食が続いていた。
お昼は久しぶりにピザでも届けてもらおうか。
いや、今日は夕飯が豪華なまかないだから、贅沢するのは後日にとっておこう。
お昼は簡単にカップ麺でいい。
午後の仕事まで時間がある。少しでも本を読み進めておこう。
赤い本を手にソファに沈んだ。