色なき風と共に運ばれてくる甘い匂いに
ふと、手招きされる

澄んだ青の中 静かに輝く太陽
君は落ち葉の毛布にくるまり
銀色のパジャマをまとって 眠っていた

寝ていた所 起こしてごめん

じんわりと伝わるぬくもり
手から伝わり 心の奥まで
沁みていく

口に運ぶと 優しさがふんわり広がっていく
そして 焦げた皮の香ばしさが
少しだけほろ苦くて
秋の深さをそっと教えてくれる

幸せという名の毛布で包んでくれた君に
「ありがとう」とそっと別れを告げて
前に向かって
今日も歩いていく