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 お風呂は思ったほど広くありませんね。頑張って三人同時といったところです。
 まあ問題ありません。一人ですからね。寂しくありませんよ。ええ。

 ……服を脱がなければですよね。これは仕方ないことです。自分の裸ですから、問題ありませんよね?
 ……うん、よし、えい!

 ――そこには真っ白な二つの果実がたわわと実っていました。特別何かを感じたわけではないです。ただ、なんとなく、私の手には到底収まらないそれを、揉んでしまいます。

「んっ」

 思わず漏らした声は艶っぽく、背徳感を感じてしまいました。

 …………ダメ! これ以上はいけません! さぁ入りますよ! ……ツルツルですね。

「ではなく!」

 深呼吸です。すーはー。よし、落ち着きました。なんでこんな情緒不安定なんですか私……。こんな感じじゃなかったはずなのですが。まあ、まだテンパっているだけですよね。急に異世界転生なんてしちゃったんですから。

 さあ、入りましょうか。

 しかし、異世界でこんなに早くお風呂に入れると思ってませんでした。ラノベ読んでてもそうですからね。
 お、石鹸です。でも質は悪そうですね。全然泡立ちませんし、匂いも微妙です。
 これは研究が必要ですね。脂肪酸を塩基でけん化するんでしたか。植物油と、なにか塩基性(アルカリ性)のものを探さないといけませんね。

 ふぅ、いいお湯です。明日は講習ですし、しっかり疲れをとれそうで良かったです。


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 お風呂から上がると、もう夕食が出来上がっていました。他の人はまだ帰って来ていないようですから混む前に食べましょう。

 出てきたのは何かの肉のステーキに白パン、野菜のスープです。これはリオラさんに感謝ですね。これが銅貨五枚で食べられるとは。非常に美味です。これは聞かねばなりません。