「まあまあ。そんなに気を張ってると疲れちゃうよ?話長くなると思うし、座りなよ三葉さん。」
すぐに黙ってしまった那津葉先輩とは違い、昊葉会長はいつもの笑顔で話しかけた。そんな態度の昊葉会長が気に入らないのか三葉さんは顔をしかめて、舌打ちをした。
「っち。分かりました。でも、要件だけ聞いたら帰るんで。」
渋々といった感じで三葉さんがドサっと音を立ててソファに座る。座った事を確認すると昊葉会長が真剣な顔になり、話し始めた。さっきまでニコニコしていた昊葉会長が真剣な表情になったのだからそれほど重要なのだと緊張が走る。
「まず、君たちは主席なので前期生徒会役員になってもらう。」
そう昊葉会長に言われた後、三葉さんがソファから勢いよく立った。
「なんでそれを私がやらなくてはならないのでしょうか?」
だいぶ怒っているように聞こえる。けれどその態度にも動じずに、そのまま昊葉会長は話を進める。
「学園の決まりでね。1年の生徒会は前期と後期で分かれるんだ。前期は選挙もないから首席と次席の子、合計4人が入ってもらうことになってるんだ。分かってもらえたかな?」
「…それって必ずですか?」
三葉さんは相当生徒会に入りたくないみたいだ。昊葉会長がおずおずといった感じで首を縦に振る。
「そうだね。」
そう言われると三葉さんはため息をついて言った。
「分かりました。けれど、それだったらどうして次席の2人は呼ばなかったのですか?」
(確かに…三葉さんすごく鋭い!)
今度は那津葉先輩が答える。
「それはですね…。これは、校長先生に言われているんですけれど、生徒会で主に活動をしていく方で十分な信頼がある方にはこの学園のことをしっかりと理解してもらいたいからなんです。」
少し三葉さんが何かを考えた後、ゆっくりと喋り出した。
「つまり…私達には信頼が十分にあり、この学園の秘密を知る義務があると…?」
昊葉会長と那津葉先輩が驚いたように目を見開いている。それから、昊葉会長が我に返ったように首を振ってからまた話し始める。
「まさに三葉さんの言った通りなんだ。それじゃ、本題に入るね?まずはこの資料を見てほしいんだ。」
そう言って後ろの机の上から2枚の紙を取って、私達の前に置いた。それからその資料に目を通していく。その中には「ヴァンパイア」、「異能力者」、「契約済みの人間」などという驚くような言葉も入っていた。
(そういえば、雨晴さんに初めて会った時に校章が…なんとかとか言ってたような…?)
「目を通せたかな?」
一通り読み終わった後に昊葉会長に聞かれたので、頷いた。
「えっと、恋星さんは学園の事をあまり理解していないようだからまずそれから話すね。」
私が申し訳なさそうに頷く。
「はい。よ、よろしくお願いします…。」
「この学園はね、芸能科と普通科に分かれるんだ。何が違うかっていうと、まず入学方法からだね。普通科は国の推薦を受けないと入学できないけど、芸能科はそうでもないんだ。」
昊葉会長が何かを気にするようにちらっと三葉さんを見てから、こう言う。
「三葉さんはどんな方法で入学したか恋星さんに教えあげてくれないかな?」
(そっか!三葉さんって芸能科だったっけ。)
「…私は意外と人気のある活動者なの。年齢も15歳でちょうどいいからっていうので入学しないかって言われたの。」
意外なことに「悪女と」呼ばれている三葉さんが私に分かりやすく説明をしてくれた。それから昊葉会長の説明が続く。
「特Aのバッチを持ってる人は大体そんな感じだね。あとは特別授業があったりするかな。芸能科とはそんな違いがあるよ。じゃあ次に、資料に書いてあることを説明していくね。」
そう言って、校章についての資料を指差す。
「ここに書いてある通り、生徒達は校章によって分けられているんだ。君たちの校章を貸してくれないかい?」
そう言われて、三葉さんと私は昊葉会長に校章を渡した。その時に、上手く言えないが…違和感を覚えた。
すぐに黙ってしまった那津葉先輩とは違い、昊葉会長はいつもの笑顔で話しかけた。そんな態度の昊葉会長が気に入らないのか三葉さんは顔をしかめて、舌打ちをした。
「っち。分かりました。でも、要件だけ聞いたら帰るんで。」
渋々といった感じで三葉さんがドサっと音を立ててソファに座る。座った事を確認すると昊葉会長が真剣な顔になり、話し始めた。さっきまでニコニコしていた昊葉会長が真剣な表情になったのだからそれほど重要なのだと緊張が走る。
「まず、君たちは主席なので前期生徒会役員になってもらう。」
そう昊葉会長に言われた後、三葉さんがソファから勢いよく立った。
「なんでそれを私がやらなくてはならないのでしょうか?」
だいぶ怒っているように聞こえる。けれどその態度にも動じずに、そのまま昊葉会長は話を進める。
「学園の決まりでね。1年の生徒会は前期と後期で分かれるんだ。前期は選挙もないから首席と次席の子、合計4人が入ってもらうことになってるんだ。分かってもらえたかな?」
「…それって必ずですか?」
三葉さんは相当生徒会に入りたくないみたいだ。昊葉会長がおずおずといった感じで首を縦に振る。
「そうだね。」
そう言われると三葉さんはため息をついて言った。
「分かりました。けれど、それだったらどうして次席の2人は呼ばなかったのですか?」
(確かに…三葉さんすごく鋭い!)
今度は那津葉先輩が答える。
「それはですね…。これは、校長先生に言われているんですけれど、生徒会で主に活動をしていく方で十分な信頼がある方にはこの学園のことをしっかりと理解してもらいたいからなんです。」
少し三葉さんが何かを考えた後、ゆっくりと喋り出した。
「つまり…私達には信頼が十分にあり、この学園の秘密を知る義務があると…?」
昊葉会長と那津葉先輩が驚いたように目を見開いている。それから、昊葉会長が我に返ったように首を振ってからまた話し始める。
「まさに三葉さんの言った通りなんだ。それじゃ、本題に入るね?まずはこの資料を見てほしいんだ。」
そう言って後ろの机の上から2枚の紙を取って、私達の前に置いた。それからその資料に目を通していく。その中には「ヴァンパイア」、「異能力者」、「契約済みの人間」などという驚くような言葉も入っていた。
(そういえば、雨晴さんに初めて会った時に校章が…なんとかとか言ってたような…?)
「目を通せたかな?」
一通り読み終わった後に昊葉会長に聞かれたので、頷いた。
「えっと、恋星さんは学園の事をあまり理解していないようだからまずそれから話すね。」
私が申し訳なさそうに頷く。
「はい。よ、よろしくお願いします…。」
「この学園はね、芸能科と普通科に分かれるんだ。何が違うかっていうと、まず入学方法からだね。普通科は国の推薦を受けないと入学できないけど、芸能科はそうでもないんだ。」
昊葉会長が何かを気にするようにちらっと三葉さんを見てから、こう言う。
「三葉さんはどんな方法で入学したか恋星さんに教えあげてくれないかな?」
(そっか!三葉さんって芸能科だったっけ。)
「…私は意外と人気のある活動者なの。年齢も15歳でちょうどいいからっていうので入学しないかって言われたの。」
意外なことに「悪女と」呼ばれている三葉さんが私に分かりやすく説明をしてくれた。それから昊葉会長の説明が続く。
「特Aのバッチを持ってる人は大体そんな感じだね。あとは特別授業があったりするかな。芸能科とはそんな違いがあるよ。じゃあ次に、資料に書いてあることを説明していくね。」
そう言って、校章についての資料を指差す。
「ここに書いてある通り、生徒達は校章によって分けられているんだ。君たちの校章を貸してくれないかい?」
そう言われて、三葉さんと私は昊葉会長に校章を渡した。その時に、上手く言えないが…違和感を覚えた。