それから、僕たちは付き合うことになった。初めてのデートや手をつなぐことが新鮮で、何気ない日常が一瞬で特別なものに変わっていった。沙紀との時間は、どんな瞬間も幸せに感じた。
しかし、そんな幸せな日々も長くは続かなかった。夏が終わり、沙紀が実家の事情でしばらく町を離れることになった。彼女の告白を聞いたとき、僕は無力感に襲われた。
「また会えるよね?」と不安そうに尋ねる沙紀に、「必ず戻ってくるから」と約束した。
沙紀がいなくなった日々は、とても寂しいものだった。彼女の笑顔や声が思い出され、心に空洞ができたような気がした。だけど、その空洞を埋めるために、僕は自分を成長させようと努力した。勉強に励み、サークル活動にも参加するようになった。
時折、沙紀からのメッセージが心を温かくしてくれた。「アキのことを思うと、頑張れるよ」と。
数ヶ月が経ち、沙紀が戻る日がついに来た。待ちわびた彼女の姿を見つけた瞬間、心が躍った。「おかえり、沙紀!」と声をかけると、彼女も満面の笑みで「ただいま、アキ」と返してくれた。
再会した瞬間、何も言わずに抱きしめ合った。その瞬間、全ての寂しさや不安が吹き飛び、再び二人の関係が戻ったことを実感した。
沙紀と再び過ごす日々が始まり、お互いの気持ちもさらに深まっていった。共に成長し、共に支え合うことで、僕たちの愛は確かなものになった。
「これからも、ずっと一緒にいようね」と沙紀が言ったとき、僕は心から頷いた。「うん、一緒に色々なことを経験していこう。」
四季が巡り、二人の時間はいつまでも続いていく。その中で、僕たちの恋は、まるで季節の花のように美しく咲き誇っていた。