12月…


楓は、できるだけ剣と一緒に帰るようにしたり…

話をするようにしていた。

もっと、近づかないと…

でも、近づき過ぎて嫌われるんじゃないかとも思ったり…



―――恋愛って難しいよね…



でも、昔と同じ過ちを繰り返さないようにしなきゃ…

私には、あと9か月くらいしか残ってないんだもん。



もうすぐクリスマスかぁ

恋愛といえば、クリスマスに一緒に過ごすのは定番だけど…

私と剣ってクリスマスに何かしたっけ?

覚えてない…

ってことは、何もしてないのかな?



でも、今度はクリスマスイベントしたいな…

イベントっていっても、昔はイルミネーションとかも無かったし…

何をすれば?



プレゼント交換?

そんなことするより、一緒に過ごしたい…



クリスマスあたりって休みはどうだったかな…

楓はカレンダーを見た。

え~、クリスマスイヴは水曜日で、クリスマスは木曜日じゃん。

日曜日は28日かぁ。

その前の日曜日が21日…

その辺りで、会えないかな…



楓は、ほとんど剣と一緒に帰っているけど…

いつも誰かが一緒にいるから…

なかなか二人っきりになれない…



だから…遠くに行かなくてもいいから…

二人っきりになりたいな…



そうだ!

クリスマスの夜に、公園で会えばいいんじゃない…



楓のお父さんは、放任主義で…

楓の行動には、あまり口うるさくない。

祥子の家に行ってくるって言えばいいかも?



でも剣は出れるかな?



翌日、剣に聞いてみた。



「剣って、夜出れる?少しでもいいからさ」



「うん、出れるよ。大丈夫だと思う。なんで?」



「いや…たまには二人で会いたいなって思って…クリスマス来るし…」



「いいね。会おうよ」



「ホント⁉やったー!じゃ、24日の水曜日の20時に公園にしようか?」



「いいよ」



楓は、本当はすごく恥ずかしかった…

でも、今しかこの世界にいれないんだって思ったら勇気が出た…



そして…24日。

楓は、少し前に公園に行った。

寒かったけど…

剣に会えるなら、これくらい我慢できる。



少ししたら剣が現れて…



「楓、早いじゃん。待った?」



「ううん、そんなに待ってないよ」



二人で公園のブランコに乗りながら話をした。



楓は、恥ずかしくて…



「次は、すべり台しようかな」



そう言って立ち上がった時に、フラフラっとして…

剣の、膝の上に乗ってしまった…



「あっ、ごめん。重かったでしょ?」

楓は、すぐ立ち上がった…



「いや、大丈夫…」



「恥ずかしいね…私、ドジだから…」



「そういう所も、俺は好きだよ」



「ありがとう。私も剣が大好き」



二人は、寒い中…公園で遅くまで話した…



キャー!

こんなシーン、前には無かったよ…

嬉しい…

もっと、もっとがんばらなきゃね…