**無職3日目(9月3日)**

心太朗は、朝10時に目を覚ました。無職になってからの生活リズムは、まるで自由なダンスパーティーのよう。彼は「今日こそは!」と気合を入れたものの、布団の中でグダグダしているだけだった。彼の心の中では「布団の中が最強のシェルター!」といった感じで、まるでクマが冬眠しているようだった。

今日も神社に行くことに決めていた。「神様に『無職ライフ、何とかしてください!』とお願いしに行くぞ!」と決意を固めるも、動くのが面倒で、また一時間布団に埋もれていた。

神社に着くと、掲示板に目を引く言葉が掲げられていた。
「子孫が楽しく笑っていると神様ご先祖が喜ばれ、幸せを与えてくれます。笑いは感謝と喜びの表現です。無心に笑えば心の岩戸が開かれ、福がやってきます。」

心太朗は思わずツッコミを入れた。「おいおい、心の岩戸、どこにあるんだ?鍵はどこだ?」そう思いながらも、笑う余裕はまだ見つけられず、むしろ眠気が急襲。「人生の深い意味」を布団の中で考えるのが精一杯という日常だった。

その晩、心太朗の携帯が鳴った。LINEの通知が画面に表示され、心臓がバクバク。「まさか、職場からの『戻ってきてください!』攻撃か?お願いだから、もう勘弁して!」と頭の中で叫んでいた。

だが、心太朗は決めていた。「辞めてからの連絡にはノーリアクションだ!」引き継ぎをお願いしたにも関わらず、誰もそれに応じなかった過去が彼の心の中で燻っていた。今頃、同僚たちは「心太朗、戻ってきて!」とでも思っているのだろうか?

恐る恐るLINEを開くと、画面には母親からのメッセージが表示されていた。両親には仕事を辞めたことを言っていないので、心臓が急に早鐘を打ち始めた。まるで「親バレしたら即アウト!」なスリル満点のゲームのようだった。

心太朗は両親に対して負い目を感じていた。20代から30代半ばまでバンドをしていた彼だが、その頃、両親は「就職しろ!」と迫ってきた。心太朗は「遅めの反抗期モード」で距離を置いていたが、結局バンド活動がうまくいかず、「グラッツィエ」に就職。そこでようやく両親との関係が改善され、「親子の信頼関係バトル」は一時休戦。しかし、正社員から無職になった今、再び関係が悪化するのが怖かった。

心太朗は勇気を振り絞ってメッセージを読み始めた。
「お疲れ様、腰の痛み良くなってる? ステーキ🥩冷凍してるから、肉の腹の時に食べにおいでな。」
お母さん、今、冷凍肉を引き合いに出すタイミングじゃないんだよ〜!心太朗は思わず心の中でツッコミを入れた。

彼は葛藤しながらも、いずれは辞めたことを伝えなければならないと思った。メッセージを返すことに決めた。
「腰はマシになってるわ!でも、連勤続きでストレスがたまりまくって、澄麗に八つ当たりしちゃったりして、精神的にヤバかったから、澄麗と話し合って仕事辞めることにしたわ。今、有休中で、ちょっと休んでからまた仕事探すよ!心配かけてごめんね。」

返信が怖かったが、意外な返事が返ってきた。
「その仕事はキツいわ!いつもこんな時間まで頑張ってるのを見て、ほんまに身体が心配やわ。休みなんてないも同然やもんな。澄麗ちゃんと相談して、安定した仕事を見つけられたらいいな。子供もできるし、無理せず、また連絡してね!」

心太朗は母親に電話しようと思ったが、急に涙が溢れそうになった。このまま電話をかけたら、思わず泣いてしまう気がした。澄麗が「電話しないの?」と聞いてきたが、今の心境を伝えたら泣いてしまいそうだった。

心の中で葛藤していると、突然、涙がポロリと流れた。澄麗は彼の背中を優しく摩りながら、「大丈夫、あなたは頑張ってるよ!」と励ました。まさに心の応援団、彼は感謝の気持ちでいっぱいになった。

心太朗は自分がなぜ泣いているのかわからなかった。ただ、母親の優しさが心に染み込んでいくのを感じた。罪悪感もあったが、ただ二つだけはっきりと理解できていた。一つは、彼がまだ仕事から心が回復していないということ。そしてもう一つは、やっぱりステーキは食べたいということだった。肉の腹の時に、ガッツリ食べたい!

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