「11番の奏音さーん!」
薄く開いた目を擦って私は目を覚ます。

昨日…怪獣騒ぎで眠れなかったから…やっぱり眠いや…

〈起眞市総合病院〉

病院で検査をするこになった私。
この前の怪獣騒動で怪我が無いけど一応ってことで、魔法少女連合の負担で一応、来ている。

「んん…行かないと…」
「ほら!奏音!早く行こうよ!」
すると、ポケットの中から一匹のふわふわな動物のような生物が浮きながら出てくる。

「んん…そうだね…」
この生物の名前はレンレン。

レンレンが言うには、私はなぜか魔法少女になったらしいく、魔法少女とは魔法使いとなって戦う少女のことを言うらしいんだけど…

もちろん。私が魔法少女になりたいといったわけでもないし、本当はレンレンに勝手に決められたこと。
私がヒーローになるなんて荷が重いよ…




「特に何も問題ありませんね。怪我もないし、至って健康な状態です」

「そ、そうですか…ありがとうございました…」


「よかったね!!奏音!!怪我が無くて!」
病院を出ると、真っ先にレンレンはくるりと一回転、宙を舞う。
「うん…そうだね…」
怪我とかしてたら魔法少女にならなくてもよかったかな…
「そういえばさ…魔法少女ってどんなことするの?」
「え?奏音は、魔法少女を知らないの!?」
コクリと首を縦に振る。
「あ、でもニュースで、ちょこっとだけ見みてるだけで…別に全然知らないってわけじゃないよ!?その…女の子のヒーロー…的なやつでしょ?」
「ん〜…ちょっと違うかな…そもそもまずヒーローを理解しないとだね…」

近年、異世界人とか怪獣とか違法研究所とか超能力者とかが増えているんだ。
そのせいで、世界的な平均犯罪率がぐんと上がった。
そのせいで、一般人の集まりの警察では、その犯罪を抑えることは警察だけじゃ無理だったんだよね。
だから、警察以上自、衛隊未満の武装組織、HERO(ヒーロー)の設立が決定したんだ!
そこには、いろんな能力者とか、超能力者とかが居て、敵勢力、まとめて指定特殊駆除対象(していとくしゅくじょたいしょう)、訳して特対(とくたい)の駆除とか足どめを自衛隊が来るまでする事になったんだ!!
「そ、そういう組織だったんだ…でもそういうのってどういう風にヒーローたちを集めるの…?」
「そうだね…例えば、スカウトとか、後は試験とかから、なれるよ!」
「じゃ、じゃあ魔法少女は…?」
「それはね、スカウト制かな!魔法少女って所有権のないステッキをセンスのある人が持つことによって魔法少女になれるんだ!魔法のステッキには精霊の力が宿っていてね!実は魔法のステッキにもランクがあるんだ!ちなみに、僕は特級の魔法のステッキなんだ!」

「そ…それじゃあ、私の魔法が強いのって…」

「そう!僕のお陰!!奏音が魔法のステッキに馴染めばもっと強い魔法が出せる様にもなるし!!これから魔法少女として、頑張ってこ!!」

「わ…私!!魔法少女…っていうか、ヒーローになんてなりたくない!!!だって…他の人の命を守る仕事なんて…荷が重いよ!!!」

するとレンレンは、困った様に眉に皺を寄せる。

「で、でも…奏音は強いから、ここでヒーローを辞めちゃうと…これから救われるはずの命が救われないかもしれないんだよ…!?」

「で…でも!!!」

「だって!!実際に奏音は昨日!一人の命を守った!!魔法少女にならなかったら…奏音も昨日の女の人も…死んじゃってたかもしれないんだよ!?」

「そ…そうだけど…」

「とりあえずさ…一回、魔法少女連合の本部に行ってみない?もしかしたら何かあるかもだよ…?」

「ま、魔法少女連合…?」

「うん!全世界の魔法少女を統括してる場所なんだ!ちなみに、今は魔法少女は全世界に500人いるんだよ!」

「そ、そうなんだね…」

もしかしたら…そこだったら…魔法少女になるのを辞めさせてくれるかな…
私は拳を強く握る。
うん!言う!!私は魔法少女になんて…ならないって!!

「わ、わかった…行こう…魔法少女連合の本部に!」

「そう来なくっちゃ!」
そういうと、レンレンは小さな腕を少し振って、「きらきらり〜」と雰囲気だけは魔法の様な言葉を唱えた。