「そのシュシュ、いい色だね」
 僕は西尾さんの後頭部にあるそれを褒めた。彼女はパッと表情を明るくすると返してきた。
「ほんと? この間藤沢で買ったの」
 藤沢。そういえば彼女あっち方面だっけ。そんなことを思う。僕は微笑む。
「色のセンスいいと思う」
「ありがと」
 ニコッと笑う西尾さんを見て、愛しくなる。
 僕の隣で、ずっとその笑顔でいてくれたらいいのに。