エリックが驚いていると男は口を開く。
 
 「今の所何とか難を凌いでおりますが、いつ魔物に襲われるか分からない状態に不安要素が増え続けてまして……」
 
 だから村の人達は家に籠もってるのかと私は納得する。
 
 するとエリックが口を開いた。
 
 「その魔物たちはどこから来てるんだ?」
 
 その問いに男は即答する。
 
 「それが......森の奥から来ていることしか分からないんです」
 
 森の奥と聞いて私の背筋に寒気が走る。

 森の奥には虫が多いから最悪だ。
 
 そんな私にも気づかずに皆話し続けて行くのだった。
 
 「どのような魔物たちなのですか?」
 
 「はい、私が見たのはウルフのような獣でした。ですが他にも魔物が押し寄せてきているようなんです」
 
 ウルフは狼のような魔物。

 数が集まれば大きな戦力になるし、俊敏な動きも相まって並大抵の冒険者では討伐が難しい。
 
 しかも森での戦いで一番厄介な種類である。
 
 そんなことを考えているとリズが口を開く。
 
 「それじゃあまずは魔物の原因を探りに行くしかないね」
 
 「了解~」
 
 「おう!」
 
 3人とも了承しているようだが私は全く乗り気ではない。

 本当に虫は嫌いなのだ。

 でも伯爵の依頼だから仕方ないか……。
 
 そんなことを考えていると男が1つ提案をしてくる。