※ここでは『登場人物紹介①』で紹介できなかった人物を中心に紹介しています。
※年齢は2024年、前田郁恵の慶誠《けいせい》大学入学時。

9、桜井往人(さくらいゆきと)
 175cm 24歳

 慶誠大学卒業生。色覚異常を持った視覚障がい者で、中でも珍しい全色盲(ぜんしきもう)を患っている。
 モノクローム絵画を主体として活動を続け、画家修業を続けながら”喫茶さきがけ”で調理担当をしている。
 得意料理はオムライス。
 師匠である神崎倫太郎のアトリエの上階で共に暮らしている。
 どうせ色が見えないならと、何故か師匠に赤髪に髪染めされていて、遮光眼鏡を付けていると人を寄せ付けない得体の知れない雰囲気を漂わせている。

 色覚異常は父親の影響を受けている。
 直射日光などの眩しい光に目が弱いためサングラスのような遮光眼鏡を着けている。これにより信号の変化などコントラストがはっきり分かりやすくなる。

 先天性障害のため、色が元々見えないが、母親の身体と母親の描く絵画だけは例外で色がついて見えていた。

 大学入試の帰りに札束の入ったアタッシュケースを発見してしまった郁恵を助け、その後、打ち上げパーティーにて再会を果たして親交を深めていく。

10、神崎倫太郎(かみさきりんたろう)
 182cm 28歳

 桜井往人の師匠で若き画家。一階のアトリエで仲間と共に共同作業も行っている。生まれ持ったシルバーカラーのロングヘアが特徴。
 父親は日本人だが母親がイギリス人で欧米人の血を引いている。里帰りも含め、頻繁に海外へ出張に出掛ける。
 青い瞳の色をしていて、高身長で肌も白く無駄な贅肉がついていない。サンドイッチやクッキーなど手でそのまま食べられるものが好き。
 彼の絵画は非凡の神童と呼ばれていたこともあり平均5万ドルで取引されており、コンクール受賞作の場合は20万ドルを超える。投資家人口の増加によりその価値は年々跳ね上がっている。
 桜井往人の母親、桜井深愛とも親交があり、往人をアトリエ兼自宅に招き入れる。

11、川崎翠(かわさきみどり)
 155cm 42歳

 歩行訓練士の資格を持つ郁恵のガイドヘルパー。
 普段から身の回りの手伝いをしたり、買い物の手伝いをしている。
 彼女自身は既婚者で主婦をしながらガイドヘルパーの仕事を空き時間にしている。
 
12、前田吾郎(まえだごろう)

 郁恵の父親、都市計画を中心に行う建築家。
 カトリック神父としての一面もある。
 冷静で落ち着いた性格で感情的になることはほとんどない。
 郁恵とはオーストラリアで四年間共に暮らし、断絶していた二人きりの家族関係は改善された。

13、桜井深愛(さくらいみあ)

 往人の母親。郁恵の父親である前田吾郎に郁恵を描いたサンドアートを送る。郁恵と同じく視覚障がい者である深愛の夫と吾郎が親友関係にあり、その縁によりサンドアートを送った経緯がある。
 多くの風景画を遺した画家として有名。京都を拠点に活動をしていて京都の四季の風景を切り取ったものが多い。有名なものでは現代の哲学の道や嵐山、清水寺などをスケッチして描いていた。
 真美と同じく四年前に他界している。

14、佐々倉奈美(ささくらなみ)

 郁恵が入院していた頃、お世話になっていた看護師。
 現在も勤務を続けていて、真美と郁恵の秘密を知っている数少ない人物。