ショッピングモールに着いたが、休日のこともあって
大盛況だ。普段、学校とバイトでしか外に出ない僕に
とっては、とても苦痛だ。

「着いたねー!!じゃあ服買いに行こうか!!」俺が返事をする間もなく彼女はスタスタと早歩きで歩き始める。

「早いって、、」

俺は、普段運動しないなりに、頑張ってついて行く。

「この店とか似合うんじゃない?」

そこにあった店はいかにも俺とはかけはなれたオシャレな人が着るような服が、ズラリと並べてあった。

「いやーここはちょっと俺には、、」
「そんなこと言ってないで早く行くよ」

どうやら俺には、拒否権がないようだ。

彼女がスタスタ歩く後ろにひよこのようについて行く。

「ねーこの服とか良いじゃん!似合いそう!」
「そうかな、、?」

拒否権をなくした俺はそう返すしか無かった。

「そうだよ!!すみません。これとこれとこれ試着お願いします!」 「はい。かしこまりました。こちらにどうぞ。」

まさかの試着までするとは思わず緊張が走る。普段試着もせず、適当に服を買ってきてもらっているため、おどおどしてしまう。

試着室に入り服を着たが、鏡の自分を見ておどろいた。
「えっ、、」

そう反応したら外から大きい声で
「ねー!!着替えた?開けてよー」と彼女の声が聞こえる。シャー カーテンを開けるど彼女が得意げな顔で立っていた。

「やっぱりー!私のセンス抜群でしょ!」

とても悔しいが彼女の言っていることは覆せないほど、センスがあるなと感じた。俺の、コンプレックスでもあるO脚もこのダボッとしたズボンで改善されている。

そう感じていた矢先だ。
「よーし次は美容室ね!」「えっ聞いてないぞ!?」「だって言ってないもん!さっき予約したから行くよ」

彼女の自由ぶりにはこりごりだ。
美容室に入ると、そこは普段行かないような
オシャレぶりだ。

無駄に、枯れた花が置いてあったりしており、何故それを置くのか彼女に聞きたかったが、笑われそうで引っ込んでおいた。

「こんにちは!」
そこには、オシャレな女性が立っていた。

「こんにちは!こちら由香さん。私の髪をいつも担当してくれてるの!今日は、由香さんにおまかせで涼太かっこよくしてください!」「はい!任せて!」

勝手に、進んでおり追いつけない。もう俺の髪は、ほぼ風鈴の物になっている。

俺は、もう抗いもせず彼女と彼女の美容師さんを信じることにした。

「じゃあごゆっくり!私、カフェでケーキ食べてくるー」「えっ、ちょ、おい」

止めるまもなく彼女は出ていった。

改めて感じる本当に自由だ。