階段を駆け上がり、上まで登る。鳥居をくぐりぬけ、
お参りをすることにした。
五円玉を投げ入れ、お参りする。
「涼太とずっと一緒にいられますように。」
「おいー風鈴、口から願い事飛び出てんぞ!」
「うわぁー、聞いちゃった?」
「さずかにな、」
お願い事は。他の人に行ったら叶わない。
そんなことを聞いたことがある私は、とても落ち込む。
「おい!、おみくじひこうぜ」
「ひくひく!」
「せーのであけるよ」
「うわっ俺大吉だ!最高!」
「風鈴は?」
彼は、私のおみくじを覗く。そして次の瞬間。
「えっ笑 凶。」
そうだ私は、また凶を引いてしまったのだ。
最悪だ。終わった。そんなことを思っていた時。
「はいこれ持っとけ。」
私の目の前には、ハートのお守りが突き出された。
どこかで見覚えのある。あのお守りが。
「俺は正直どうでもいいと思う派だけど。
風鈴気にすんだろまた。
それ持っとけば大丈夫だから。」
彼の照れ隠し混じりの優しさ。かわいいな。
「ありがとね、。」
それから神社を後にし、あるところに向かった。
私たちは今日、そこに行くためにここの地域に
来たのだ。
「こんにちは。お久しぶりです。」
「こんにちはー!」
涼太に続き、挨拶をする。
「こんにちは。元気だったか?」
そこには、おじさん、柳 一郎さんがいた。
そうあの寿司屋の人だ。
私たちが困ってた時に、泊まらせてくださった人。
私たちはその人に会いに来たのだ。
「早く入れ。」「はい。おじゃまします。」
私も慌てて、入る。
「はーい。おじゃまします。」
あれから月日がたち、おじさんはきよさん。奥さんを
失ってしまったらしい。病気だったらしいが、それが、心に響き、店を閉じたそうだ。私たちは、その挨拶に
来たのである。
「きよさん。お久しぶりです。
ありがとうございました。」
大切な人がいなくなることの辛さは、痛いほどわかる。
何回も経験したから。
「一郎さん。今日はお話があります。」
「おうなんだ。言ってみろ。」
「俺に修行させてください。」
、、、、本当に静かな沈黙が走る。
一郎さんは、少し考えてから喋り始めた。
「厳しいことも乗り越えるか?」
「はいもちろんです。」
こんなに本気な涼太は、初めて見た、。
目から強い意思が伝わる。
「わかった。その代わり、修行は住み込みだ。彼女とは会えなくなるぞ。」
「大丈夫です。時間を作ります。」
涼太!そこは、修行に専念するっていうんだよーと
叫びたくなったその時。
「あはははは」
「どうしたんですか?」
「おいさっきのは嘘だ。ちゃんと言え。
そしてすぐに会いに行け。大事にしろ。」
凄い。一郎さんの意見はすごく的を得てる。
私たちが言って欲しい言葉を全部くれる。
「じゃあそうと決まれば、今日の夕飯は、寿司だな。
久しぶりに握るか。」
「お願いします。」「楽しみー!!」
厨房に立つ、涼太を眺める。
ずっとここで見ておきたい。
私が、支えてあげたい。ちゃんと。
そんなことを考えていたら、お寿司ができていた。
口に入れると幸せな味が広がっていた。
今日の移動での疲れをすっかり飛んでいく。
それからたくさんお寿司を堪能した。
今日も、2人で布団に入り寝る。
隣にいるだけで、安心して寝てしまう、、。
寝ぼけた目を擦ると、外はもう明るくなっていた。
どうやらもう、朝が来てしまったみたいだ。
「おはようございます!」
「おはよう!」「おはよう。」
そこには、涼太と一郎さんがいた。
「ね、なんで?早くない?」「料理を勉強したいので」
涼太の真剣な眼差し。私にも気合いが伝わってくる。
だし巻き玉子と、お味噌汁と、ほうれん草のおひたし。
とてもおいしい昼食を食べ、お別れすることになった。
「ありがとうございました。また連絡します。」
「了解。こちらこそありがとう。」
一郎さんとおわかれし、2人で静かなみちを通る。
田舎のあの道を。
「ねぇ、風鈴、俺、修行したいんだ。」
「しなよ。」
「でも、離れちゃうんだ。この距離になるんだ。」
私は彼を見てそう呟いた。
「大丈夫。だって私たちでしょ?」
謎の余裕感があるのは、私だけでは無いはずだ。
そこから2人で山江駅まで帰った。
なんか寂しいまたこの気持ちになった。
「ねぇ、花火しない?」
花火をしよう。そうただ思ったのだ。
パチパチパチパチ
花火の音色が鳴り響く。そう私の隣でも。
この大好きな音。
静かに花火を終え、最後に線香花火をすることにした。
「ねぇこれで負けた方が1個お願いごと聞くって
ことで!」
パチ 静かに飛び散る火花。赤い光が弱々しくなって言ったその時。「うわっ」「キャー」
「もうやめてよ!!」「あはは笑」
!?
花火を見るとすっかり、火は消えていた。
「ねぇ反則!」「そんなのルールにない。」
「もう。何お願い事は、??」
「怒んなよ。」
私の唇に君の唇が触れる。鼓動が早くなり高鳴る。
「これだよ。」「もう!!」
私は、再び、彼の唇に唇を重ねた。