最弱のアイテム使いは、最強の竜姫に導かれて自分の万能に覚醒する【プロット】

①物語の設定・主要キャラクターの説明

【物語の世界観】

 中世ヨーロッパ風の剣と魔法のファンタジー世界。

 かつて世界を絶望で包んだ魔王。
 エルフの高度な魔法技術に、ドワーフの強力な武具、身体能力の優れた獣人、そして人間の勇者が互いに協力し合い封印したと、おとぎ話では語り継がれる。
 長きに渡り平和な時代を築いてきた帝国が崩壊して数十年。帝国時代は人間と他の種族たち(エルフやドワーフに獣人など)との共生が保たれていたが、今では彼らを迫害する人類至上主義が台頭する。

 ーーーつまり今の国々は魔王の事など忘れ、復活した場合に対抗する手段を持たない危険な状況にある。

 各国が利権を巡って争いを続ける混沌とした時代。
 どの国にも属さない冒険者ギルドが魔物討伐で隆盛を極める中、各国と通じて利益を上げるギルド支部の腐敗も目立ち、亜人たちの奴隷売買などが横行している。


【登場人物】

名前:ミルザ・ガイヤート(主人公)
性別:男性
年齢:16才
種族:人間
ジョブ:アイテム使い

人物紹介
 誰一人として大成した者のいないと言われる最弱のハズレ職【アイテム使い】にのみ適正があった少年。
 彼の幸運は、チート級の固有スキル『無限収納』を生まれながらに授かった事。
 純朴で心優しい性格から、自らのジョブに誇りを持ち、冒険者としての最低ランクでもめげずに下積みを続ける。
 わかりやすく言えば、誠実だけど騙されやすい。
 経験の浅さから失敗する事もあるが、高い向上心と努力でアイテム開発や強化、神器の劣化版を複製しながら腕を磨いていく。
 絶世の美女クレリスに淡い恋心を抱いている。(年上のおねーさんに憧れる初恋感覚に近い)
 月日が流れる中で、物事を正しく判断する力を付け、責任感の強いしっかりした人間へ成長していく。

チートスキル:無限収納
 目に入るものなら瞬時に広大な亜空間に収納、取り出しが出来る。人や動物の出し入れも可能。自分は入る事が出来ない(出口が消えてしまう為)。
 物と生き物は分けて収納され、物は時間が止まり鮮度も落ちない。生き物は外とは違う時間が流れ、長期間入っていても中での時間は一瞬でしかない(入る意志がない者や敵は入る事は出来ない)。
<活用例>
・致命傷を負った者を救う為に、治療出来る場面までやり過ごす。
・回避不能な敵の攻撃から仲間を守るため、一時的に亜空間に待避させる。
・大軍の弓や魔法攻撃を収納し、反対に撃ち返す。
・人や物資の大量輸送。クレリスの飛竜形態や転移魔法で一気に運ぶことが出来る。


名前:クレリス・フレアロード(ヒロイン)
性別:女性
年齢:ひみつ(人の姿の見た目年齢は16才前後)
種族:神竜(聖属性)

人物紹介
 無邪気で善良な性格で、一時期は天界に暮らしていた。
 人の姿でいる事を好み、容姿は長い銀髪の絶世の美女。
 どんな姿であっても強さは変わらず地上最強クラス。
 趣味は竜らしく財宝集めで、マジックバック(宝物庫くらいの収納力のあるレアな魔道具)の中に様々な神器を多数所有する。その中でも鍛冶や彫金の神などに師事を受け、神々の叡智を記したスキルブックはお気に入り。
 人一倍の向上心を持つミルザを手助けしていく内に、彼の良心に触れて心を通わせていく。
 地上で人や亜人たちと共に時を過ごし、多くの別れを見守る中で、感情が豊かすぎる彼女の中には寂しさが雪のように降り積もっていた。
 ミルザが自分を初めて特別扱いしないの人物だった為、素敵な想い出もたくさん得ていたのだと強く思い返し、忘れない事が彼らの生きた証になると前向きになれた。


②冒頭部分のプロット


第1話

 ミルザは最弱のハズレ職【アイテム使い】にのみ適正があった少年。
 序盤の能力成長が最低な大器晩成型で、誰一人として大成した者のいないと言われる。
 彼の幸運は、チート級の固有スキル『無限収納』を持っていた事。

 そんなミルザに目を付けたA級冒険者一行(パーティー)は、好条件を提示してパーティーに引き入れる。
 ところが彼らは荷物持ちとしてだけミルザを扱い、散々連れ回した上に「活躍してないだろ」と約束の分け前もくれず、挙げ句の果てに最強クラスの竜に遭遇すると、ミルザを置き去りにして一目散に逃げ出してしまう。

 一人残されたミルザは神聖な雰囲気漂う白き竜の美しさにただ見惚れた。
 竜はミルザをじっと見つめる。
 暫しの沈黙の後に彼の能力を見抜いた竜は、ミルザに身の上話を始めた。

 竜の話しでは、天界で人の姿で過ごしていた頃、熱烈に神々から求愛された事がきっかけで、嫉妬した女神たちに巨竜のまま姿を変えられない状態で、このダンジョンに封じられてしまったと言う。
 巨体で身動きも取れずにいたが、地上に出れば人の姿に戻れるらしい。

 気の毒に思うミルザに、彼のスキル無限収納で外に連れ出して欲しいと竜は願う。
 しかも持っている宝物(ほうもつ)は全てあげると。

 ミルザは二つ返事で引き受けると、竜の加護がまばゆい光となってミルザを包み込む。
モンスター達は近寄ることすら叶わず、出口へと導く光球によって無事にミルザはダンジョンを脱出できた。

 吹き抜ける風が気持ち良い陽射しのもとで、長い銀髪の絶世の美女へと姿を変えた竜はミルザに丁寧にお辞儀をする。
 彼女はクレリスと名乗り、ミルザに名前を聞くとお友達になって下さいとその手を差し出す。
 あまりに魅力的な彼女の笑顔にハートを射貫かれたミルザは、照れながらお願いしますと答えた。





第2話

 冒険者ギルドに戻ってみると、ミルザを見つめる人たちの顔が驚きに満ちている。
 なんと逃げ出したA級冒険者たちがミルザの死亡を報告をしていたのだ。

 クレリスが彼らを指さして言う。
「ミルザさんを置き去りにして逃げ出すのを、この目でハッキリ見ましたよ」と。

 ギルドの全員から一斉に白い目を向けられ、罵声を浴びせられるA級冒険者一行。
 彼らにパーティーを抜けると言い放ったミルザは、クレリスと共にギルドを後にする。

 クレリスは過去を思い返すように、人と様々な種族が共存していた頃が楽しかったと微笑を浮かべた。
 ミルザも彼らを迫害する今のやり方には反対で意気投合する二人。
 話が弾む中、クレリスの提案でエルフ領やドワーフ領、獣人領に隣接している辺境の村に向かう事になる。

 強くなりたいと願うミルザの気持ちを察したクレリスは、渡した宝物の使い方を丁寧に教えた。
 巨人の指輪はミルザに力を与え身体を強靱にし、武神の首飾りはミルザを武器と格闘の達人に変えると、アイテム使いの能力でそれらの神器は本来以上の威力を発揮する。

 道中のダンジョンでミルザは、クレリスから効率的(スパルタ)に鍛えられていく。
 手当たり次第にダンジョンを攻略し、通りかかった魔物も残さず狩って行くと、村に着く頃にはミルザは見た目はそのままに別人のような強者へと変わっていた。





第3話

 色んな種族が手を取り合う辺境の村の光景は、ミルザにとっては夢のようであり、クレリスには懐かしい光景だった。

 人と他種族たちの公益場として古くから機能していた村には活気があるが、彼らに二人は訝しげな目を向けられてしまう。
 クレリスが温かで優しい光を発すると、彼らの心にテレパシーのような感覚で彼女の言葉が響く。

ーーーただいま。私の愛した方々の子孫の皆さん。

 村の住人たちが一斉にクレリスに向かって跪いた。彼女は彼らにとって守り神的存在だったのだ。
 普通にして下さいと畏まるクレリス。隣にいたミルザも村に受け入れられ、その日は守り神を祝う宴となる。

 翌日から村の小さな冒険者ギルドに通い始めたミルザは、多くのクエストを難なくこなし、歴代最速のペースでFからAランク冒険者へと昇格!

 武神の首飾りで剣を操るミルザはまるで名のある剣聖のようで、ギルドの受付嬢はジョブやランクが表示される冒険者プレートを見て、「『アイテム使い』って強いんですね」と感激。他の受付嬢たちも彼の元に近寄って来る。

 人生で始めて女の子たちにチヤホヤされるミルザは内心とても嬉しかったが、一目惚れしていたクレリスに違うんだよと誤解を解くのに必死になる。
 少しだけクスクスっと笑って、からかうクレリス。

 この村のギルドが変わっていたのは近隣のギルドと一切繋がりがなく、中立都市にあるギルド本部としか交流を行っていない事だった。

 三つの種族の領地と接する位置にある為、本部同様にこの村も中立が求めらているらしい。
 他のギルドでは人以外の種族を奴隷として国や貴族に売る非道な行為も行われていた。
 帝国時代から存在するギルド本部は、この村のように人と彼らの共生を望んでいる。

 ミルザとクレリスは良き時代の在り方を取り戻すべく、この辺境の村から改革を始めて行く事になる。


③今後の展開

 クレリスの協力で、アイテム使いとしての才能を開花させていくミルザ。
 彼女から受け取った鍛冶神・彫金神・薬神のスキルブックを使いアイテム制作の神髄を知る。

 ミルザは様々な神器の複製に取りかかる。本物に遠く及ばないも複製品が完成が近付くと、クレリスはこう助言する。
「欲深い人達の手に渡らないよう、悪用すると効果を失う付与を付けましょう」と。

 受け取った者は強力な効果に感激。噂を聞き付け、人が人を呼ぶ。

 新発見やより高度な再現を目指し、飛竜となったクレリスはミルザを各地へと運ぶと、共に様々な場所を巡る。
 転移魔法が使える彼女は村と目的地を繋ぐポータルを設置していく。村に集う誰もが鉱石や宝の眠る場所に自由に行き来する為に。

 発展著しい村に工房が完成するとミルザは村人や各種族の職人たちを快く受け入れ、複製品の量産や様々なアイテム開発も始め、ドワーフ製の屈強な装備の強化付与(+1~9など)も進める。

 笑顔で溢れる街の姿をミルザもクレリスも微笑ましく見つめる。

 この頃からミルザはクレリスと共に奴隷にされた者たちの解放を始め、無限収納で無事に街へと連れ帰り、ミルザの評判は広く高まっていく。(心温まるようなイメージで考えています)

 急速に発展していく街は都市となり、各種族との友好は絆へと変わる。

 ミルザが完成させた聖なる指輪は、装備者に聖属性を与え魔物に対し特効を発揮。
 独占せず、ギルド本部を通じて各地の冒険者たちの手に渡るように手配。

 良い変化が訪れた今でも、エルフとドワーフは仲が悪い。それを問題視した獣人たちは、この辺境都市を国として独立させ、新たな国を軸に各種族領を同盟で結ぶことを提案する。両者も賛同を得て、各種族の長たちが都市へと集結。

 誰もがクレリスの信頼厚いミルザを王にと推して来るが、ミルザはその重責からクレリスに相談する。
 彼女はミルザを補佐する事を友として誓い、ここに辺境国家が誕生してミルザは王となる。

 この楽園を広げていこうと、ミルザとクレリスは誓い合いながらハッピーエンドになる予定です。

※以下は、余談ですいません。
クレリスがエルフやドワーフに獣人たちを大切に思うのは、彼らと共にかつての最悪『魔王』に共に立ち向かった絆からです。
魔王の復活が近付いている事を感じた彼女は、それに立ち向かえる為の備えをミルザと共に進めていますが、この辺りを入れると長くなりそうなので伏線止まりになっています。

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