転生したら魔法学園の上級生悪女でした!〜原作で処刑される立場!?静かに過ごそうと思ったらいつの間にかヒロインと結ばれるはずの王子が言い寄ってきます!

どうしてこうなった...
「あーねえ、ところで君ってさぁ何級生(なんきゅうせい)?」
「ワ、ワタシハ、ジョウキュウセイデス...」へーと対して興味(きょうみ)も無さそうな相槌(あいづち)を打つレティ。
何でこうなったの!?教室前で突っ立ってただけじゃない!!あー逃げたい...だって今凄い視線集めてるよ...(にら)まれてるよ...まあこんな異次元レベルイケメンと並んで歩くとかありえないか...私も思うよ!だってアリーよ!?
アリー・カリスは金髪のセミロングヘアで紫のぱっちりとした目と形の整った鼻口があるが、それは異次元とは言えずよく居る美人である。だがモテはするだろう。
でもなんで関わりたくない人に絡まれたの!?
「はああああ...」「へぇー」「?」
私のため息にレティは整った眉をやわらかくアーチ型にして私の顔を柔らかい笑顔で歩きながらも少し腰を低くして見つめてる...
「あの...」「ん〜?」「私...ずっと見られるくらいなんか変ですか?」「うん、凄く変だね。」「えっっっ...」眉をアーチ型のまま満面の笑顔でキッパリとレティは言った。
「何が...ですか?」するとレティは足を止めて、「んー...普通はただ頼んだら凄く喜ばれるのにため息つく子なんて変だなーって思ってさぁ?」と彼は左目を(つぶ)り眉を下げ両手を肩の横に持ってくると面白そうに肩をすくめた。
「.........そういう人も居ますよ。」
「え〜?なんか無愛想だね?目くらい見て話してくれてもいいでしょ?」
無理!絶対!第1関わりたくないのよっ!1番関わりたくない人に絡まれる気持ちわかってよぉ!!
「あの...私の気持ち考えてくださいません?」
するとレティは両手を胸の下で組んで「はあ...まあつまり俺とは関わりたくなかったって所だよね?1番イヤな相手だって?」
「へっ...?」「だって心でぜーんぶ筒抜けだよ?」
ああっ!そうだった。レティは魔法を極め過ぎたがあまりに人の心が読める『真実の声』を使っていたんだ!
ただしかし原作ではその能力の出番は少なかったため私も忘れてしまっていた最大の壁。
少し姿勢を低くしてレティが問う。「ねえ?ところでなんで俺の名前とか初めましてで知ってる割には俺のこと知らないのかなぁ?って思うんだけどさぁ?」なんとかしないと...誘導されてる...「ああ...えっと...前にっ!知り合いに聞いて...」通じるかな?「...嘘だよね?」
ああダメだこれ。ああ、神よどうにかしてくれ!
私終わってるって!やばいやばい...ここから仲良くは無理!
私は推しと仲良くなんてなれないよ!最前提としてイケメン過ぎる!眩しい!倒れそう!完璧な体型でもう挨拶だけで恋に落ちるわ!美しいしイケメンだしミステリアス最高なんだから!そんな私にとって神にも等しい存在と対等に話せるとでも!?
「ねぇそれは...どういう事かな?」「...はっ!」
レティは形のいい眉をひそめ組んだ両手のうち右手を顎に当てて不思議そうな顔をする
しまった、いつもの推しのいい所を考えまくる悪い癖がっ!
「『オシ』って何...?」「...」
神様ありがとうございます。
「ちょっと、こっち聞いてるのに神に感謝しないで欲しいよ...」
「えっと推しって言うのは...」
意味として頭の中に「好きな人、憧れの人、結婚したい人」と色々浮かんで...あ、ちょっと待ってこれ...
「ふーん...つまり、君は...」
目を細め納得したようにイタズラっぽい笑顔へと変わる私の推し。ああ、全部筒抜けでした。神よ!感謝を返して!私にもっと融通を!
「あの...」顔が凄く熱い!絶対私は今鮭(さけ)の切り身並に赤いだろう...
「何?」レティはイタズラっぽい笑みを顔から消すことはなくニヤっとしながら聞き返す。
恥ずかしい...!周りの全ての視線に心を読まれてる気分です!睨まないで!見ないでっ!
「は、早く実験準備室行きましょう!」無理やり笑顔を作ってそう言う私にレティは「医務室(いむしつ)が先じゃあないかな?顔が真っ赤だよ?熱いし。」と言って左手を私の頬に添える。
この...!誰のせいだとっ!からかうのも大概(たいがい)にしてくれえ!ニヤニヤしよってぇ!原作じゃあそのイタズラ心を好きになったんだけどね!?やられる側としてはハラハラするよ!
「お気遣(きづか)いありがとうございます...でも先輩のお時間をこれ以上無駄(むだ)には出来ませんので!!さあ!早く準備室に行きましょう!案内しますからぁ!」早口でそう言ってスタスタとレティが頬に触れていた手を掴み歩き始める。
推しと手繋いでるっ...!!(繋いでない)
「ククッ...」後ろからレティがクスッと吹いている。
人の心読んで笑ってんじゃねぇぇ!悔しい...
「悔しいなら言い返せばいいのにっ、フフッ...」
私が言い返さない理由はレティが最上級生だからだ。
この学校には上と下で別れる。
最上級生、上級生、中級生、下級生、最下級生。
そしてルールがあるのだ
上の者には反抗ないこと。言う事を聞くこと。この学園は実力主義である。などなどと色々あるが...1番はローマウス家は王族なのである...つまりレティは王子。誰が王族に言い返せるか!とするとレティが掴まれた手を自分の方にぐいっと寄せる。「へっ!?何何!?」レティはクスクス
笑いながら顔を近づけて小声で囁く。
「ププ...心の中で散々嫌だとか関わりたくないとか言ってるのになぁ?それは不問なの?」あ、確かに。「それはっ...ご、ごめんなさいっ!!!」頭を真っ逆さまになるほど腰を折るとレティの顔はジワジワと歪んで、「プッ...アッハハ!傑作!」と爆笑。「へあ?」
「別にそんな事で怒るわけないのにさぁ?そんな必死に謝って...フフ...」「えっ!?許してくれるんですか!?ありがとうございますっ!」怒ってるのかと思った...そしてクスクスと笑うレティを見て推しは笑うと尊い事を再確認したアリー・カリスであった。
あれから1週間ほどずっとレティが何故か執拗(しつよう)に話しかけてくる...関わりたくないんだって!ブロンスというヒロインがあなたには居ますのに...!「ねえ?アリー今日は中庭が何処だか忘れちゃったな?案内してほしいなー?」「...」嘘つけぇぇぇ!昨日は教室一昨日は第3校舎そして中庭は3日前に案内したわっ!わざとじゃん!私以外にしてくれよ!女子の視線が刺さるよぉ!「ね?お願いアリー。」
「...はは、わかりました...」うう...推しじゃ無ければ断るのに...「じゃあ、よろしくっ!」そんな満面(まんめん)の笑みで言われたら断れませんって...
「ねぇアリー?」レティがふわりとした顔で聞く「はい...?」
「アリーってさ、好きな人居るの?」そんな事聞きますか!?いきなり!?「へっ...いやそのそれは...」わかってょ!聞かないでよ!「か、からかわないで貰えますか!?」
するとレティは少し驚いた顔をして「ごめんごめん。アリーにからかいがいがありすぎてさ。」もう勘弁して...
「そ、そういう事言わないでください!恥ずかしいです!」
「ははっ!フフ...そんな事言って。可愛いね、アリー。」ふわっと笑うレティが言う。
「エッ?」ちょっとそんないきなりそんなこと言われても理解出来ないてかなんで可愛いだなんて言葉私なんかに言われてもどうしようも出来ないし何も出ないしあああ...あ!
「先輩!ま、またからかいましたね!?」そうだそうに決まってる!私を可愛いなんて言うはずない!ブロンスちゃん居るし!するとレティはふいっとそっぽを向いて
「ちぇっ、バレたか。」と不満げに一言と舌打ちにならぬ舌打ちをした。「...」そうして1週間が終わり休日を迎える。
今日の占い魔法占いは最下位だ休日なのに...運気upギアは、、帽子?まいいや!外に出るともんもんと熱気が凄い。
「あー暑い...帽子ナイスぅ〜...」それでも暑いって死にそう。「あっ!そうだ帰りはマシュマロクールでも...」
その時大きな風が吹いて帽子が飛ばされた。
「うわぁ!?...あっ!私の帽子っ!待って!オーイ!」
そうして飛ぶ帽子を見上げながら追いかけていると...
【ドンッ】
人にぶつかってしかも乗りかかってるやば....「わわっごめんなさっ...あっ...」そこに居たのは...「痛たた...んー?あれっ、アリー?」レティだった!?やばあああい!王族にぶつかるとか不敬罪で処刑では!?「王子!大丈夫ですか!?」あああやばい!
「ん、大丈夫大丈夫同じ学園の人間だし。あ、着替え家から持って来てよ。これじゃ外は歩けないしね。」「は、はい直ぐにお着替えをお持ちします!」服汚してた!?ああどうしよ...「ああ、そうそうアリー。」「は、はいっ!?」「弁償したい?俺の汚れた服。」「えっと...」絶対したくない!お金ない!「...したくないならーそうだな...次から俺と魔学実践でペア組んでよ。」なるほど!「はい!ペアを...組んで...!ペアを組む!?」本気で言ってる!?、するとレティはふわっと笑って「まだ俺ペア組んで無いし。アリーもまだでしょ?」「まだです...は、はい...組みます。なので弁償は...」「うん、いいよ。」「ありがとうございます先輩!!本当にすみませんでした先輩!」助かった...お金なんて無いし...「ああそれと...レティでいいよ?」...え?「え?」「心も建前もピッタリ同じだよ?アリー...いや、カリス?」え?カリ、カリスって言った?私の下の名、名前!?「...へっっっ?レレ、レティ先輩?」「先輩要らないから。」えええええ!?「あっ、レティ?」恥ずかしい...なんかこれ...「うん。じゃあパートナーとしてよろしくね?カリス。」パートナー...「は、はい。レティ...」これでいいのかな?「ねえカリス。」「?」「もう俺以外とはペアになんないでね?」「...は、はい...?」またからかってるのかな?
「...君に婚約者が居なければな。」
魔学実践が開始してから...
「はあ...ぜぇ...」
「どうしたのカリス?まだ125本目だよ?もっと頑張ろ?」
スパルタ過ぎませんか!?過労で死ぬって!
「とか思いつつ何やかんややってるくせに?」
「うう...」
だって頼まれると断る気にならないし...それにただでさえ視線が痛いし断ると酷くなりそう。イジメられそう。
「頑張る子は俺好きだよ?カリス?」...餌を垂らさないで貰えますか???そんな甘い誘惑に乗るなんて...「これが終わったら冷たくて美味しいアイスを一緒に食べよ?」「はいレティ!早くやろう!早くやってアイス...じゃなく精進(しょうじん)しよう!」「プッ...フフ...心読まなくても丸わかりだよカリス...フフフ...」だって暑いし。アイスだよ?アイス!欲しいに決まってる!「それでは始め!」
「やー!」
【ボカーン】

「ああ...美味しいーアイス美味しい!」
「ホントにわかりやすいねカリス。」
「ははは...」
てか......私関わらないようにしたかった気がするのに____
いつの間にか仲良くなってるー!!?
「ところで...今日は会いに行かないの?」
「え?何が?」
「何がって...」レティは少し困り顔で、
「君にの婚約者のカイドだよ。今日約束してるってカイドが言ってたよ?」
あー婚約者ね!え?...婚約者いたの?
「あー!そうね!うん...カイドの邸宅は何処だったかしらぁ...」
「...その音痴さは俺のアイデンティティじゃない?」
「え?何が?」
「はあ...仕方ないから送ってあげる。今度お礼貰うからね?」え?お礼って何?まあ、いいか!
「ありがとう!」そして私はレティに送って貰い邸宅に向かっていった。
「例え契約でも、心まで婚約者(そいつ)を好きにはなって欲しくないな。」
「なんて?」
「なんでもないよ。」
「?まあいいけど、へーなるほどここが?ここが...」広い!天井高!シャンデリアに肖像画?オシャレね...
「待ってたよ、カリス!」と茶髪の男性が寄ってくる。
「...じゃあ、俺はこれで。」というレティは何故か不機嫌に見えた。どうしてかしら?
「あ、今日はありがとう!」
まあーレティのお陰で助かった...!
「あ、えっとカイド?」
「何だ?」
「お邪魔するわね?」
「ははっ、そんなことわざわざ言うなよ!待ってたよ、俺の愛しいカリス!今日は話が合ってな!」
話?なんだろう?何か大事な?
「カリス、次のダンスパートナーとして俺と踊ろう。君と踊りたい。」
「...えっ?」

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