偶然夜野と図書室で会話した翌日
(もう10月か寒いな)
そう思いながら、俺は普段通り教室に入った。昨日と変わらず、夜野の周りに、関係を取ろうとしている奴らが集まっていた。だけど次第に彼女に話しかける人は、隣の席の比野真昼だけになっていた。
「かなでちゃん、もっと周りの人と仲良くしないの?」
「下心丸出しの人たちと仲良くする気はないから、別に良いわよ」
「それもそうね」
何を話しているかは、全くわからないが、比野だけは、彼女と少し仲が良いようだ。
放課後普段通り第二図書室に入ると、夜野が居た。
「今日も本を読みに来たのですね」
「日課だからな、夜野さんも勉強しに?」
「ここ以外落ち着いて勉強できませんからね」
「俺がいるのに?」
「あなたは周りの人たちと違って、私に興味が無いみたいですから、居ても関係ないです」
「左様で」
普段通りの塩対応に苦笑いを浮かべながら、席に座りいつも通り読書を始めた。
本を読んでいる途中、少し小腹が空いた。
(そいえばカバンの中にチョコが入ってたな)
カバンの中からチョコを取り出して食べようとした時。
(ん?)
少し視線を感じた。その視線を辿ると夜野がいた。表情を表に出さないようにしているようだが、僕が手に持っているチョコを物欲しそうに見ている。
「これ欲しいの?」
「いえ、そうゆう訳では」
「欲しいなら最初からそういえ」
そう言って俺は、手に持ってるチョコを、半ば無理矢理、彼女に渡した。
「あ、ありがとう、ございます」
少しぎこちない礼を言い、渡されたチョコを少し躊躇いながら口に入れた。
「ん〜!」
(美味しそうに食べるな)
チョコを食べてる時の彼女の表情は、普段からは想像も出来ないほど、可愛らしい表情をしていた。
「何か顔に付いてましたか?」
視線に気付いたのか、そう質問する彼女に、「何でも無い」
そう答え、再び俺は本に視線を落とした。
その日、夢を見た。
あの子に初めて会った日の夢。
もう名前を忘れてしまったあの子の...
自分の初恋の夢。
(もう10月か寒いな)
そう思いながら、俺は普段通り教室に入った。昨日と変わらず、夜野の周りに、関係を取ろうとしている奴らが集まっていた。だけど次第に彼女に話しかける人は、隣の席の比野真昼だけになっていた。
「かなでちゃん、もっと周りの人と仲良くしないの?」
「下心丸出しの人たちと仲良くする気はないから、別に良いわよ」
「それもそうね」
何を話しているかは、全くわからないが、比野だけは、彼女と少し仲が良いようだ。
放課後普段通り第二図書室に入ると、夜野が居た。
「今日も本を読みに来たのですね」
「日課だからな、夜野さんも勉強しに?」
「ここ以外落ち着いて勉強できませんからね」
「俺がいるのに?」
「あなたは周りの人たちと違って、私に興味が無いみたいですから、居ても関係ないです」
「左様で」
普段通りの塩対応に苦笑いを浮かべながら、席に座りいつも通り読書を始めた。
本を読んでいる途中、少し小腹が空いた。
(そいえばカバンの中にチョコが入ってたな)
カバンの中からチョコを取り出して食べようとした時。
(ん?)
少し視線を感じた。その視線を辿ると夜野がいた。表情を表に出さないようにしているようだが、僕が手に持っているチョコを物欲しそうに見ている。
「これ欲しいの?」
「いえ、そうゆう訳では」
「欲しいなら最初からそういえ」
そう言って俺は、手に持ってるチョコを、半ば無理矢理、彼女に渡した。
「あ、ありがとう、ございます」
少しぎこちない礼を言い、渡されたチョコを少し躊躇いながら口に入れた。
「ん〜!」
(美味しそうに食べるな)
チョコを食べてる時の彼女の表情は、普段からは想像も出来ないほど、可愛らしい表情をしていた。
「何か顔に付いてましたか?」
視線に気付いたのか、そう質問する彼女に、「何でも無い」
そう答え、再び俺は本に視線を落とした。
その日、夢を見た。
あの子に初めて会った日の夢。
もう名前を忘れてしまったあの子の...
自分の初恋の夢。