リューゼ達と適当に話しながら迷宮を逆戻りする。地下9階くらいからならもうショートカットルートを探す手間のが大変なので、普通に地下1階まで戻る予定で進み、今や地下4階にまで至っているよー。
特に問題なくギルドにまで戦慄の群狼の二人を連れていけそうだとちょっぴりホッとする。いやまあ、ここからリューゼが急に気が変わったとか言い出したらまた一悶着だけど。
いくらなんでもそんなことはしないと信じたいよねー。
「あ、あの! 杭打ちさん、ちょっと良い……?」
「……うん? どうしたのヤミくん」
と、軽くだけどいきなりマントを後ろに引っ張られて何かなー? と振り向く。古代文明人の双子、ヤミくんとヒカリちゃんがそこにはいて、二人とも興味津々の様子で僕を見ている。
なんだろー? と首を傾げると、ヤミくんがちょっぴりと緊張した様子で、僕に尋ねてきた。
「あ、あの! そ、ソウマって今、もしかして杭打ちさんの名前なの!?」
「…………あー。まあ、ね。あんまり他言しないでね?」
しまった、さっきリューゼがしれっとソウマとか言ってたね、そう言えば。レオンくん達にとっては初めて聞く名前だろうし、あの"杭打ち"の名前ってなると目を剥くのも無理からぬことだねー。
キラキラした期待の目で見てくる双子。周囲を見ればレオンくんにノノさんやマナちゃんもめちゃくちゃガン見してきてる。
怖……くはないけど、困るよー。顔と形姿、名前については極力隠してるんだから、不用意に漏らさないでよ、リューゼー。
いやまあ、レオンくん達は良い人達だから僕の個人情報を得たからと言って、それで何か悪さするとは思えないんだけど。それでもなるべくなら秘匿しときたかったものでもあるから、対処に困るー。
とはいえ双子相手に本気で"今見聞きしたことは忘れろ"なんて言えないし、仕方ないなあ。
やむなく僕は頷き、ソウマって名前であることを肯定した。続けて頼むから内密にねってお願いすると、さすが双子はいい子達だよ、こくこく何度も頷いてくれたよー。
はあ、これで一安心かな?
そう思ってると巨体が、リューゼリアがつかつかと近寄ってきた。
妙なものを見る目で僕を見つつ、怪訝そうに言ってくる。
「なんだァ、名前隠してんのか? 女みてーなツラ隠すのは分かっけどよ、何もオメーそんなことまで隠さなくてもいいだろォに」
「いろいろあるんだよ……っていうかまた言ったなお前、そろそろ本当に叩きのめすよ!?」
「ヘッ、何言ってんだ、よっ!!」
性懲りもなく僕を女の子みたいに言う! うがーって吠え立てると、リューゼはそれさえ鼻で笑い、僕の頭に手を伸ばす。
何をするつもりか知らないけどどうせろくなことじゃない、そう思って避けようとすると直前でものすごいスピードと力でガシッと、肩を掴んで固定してきた。
こいつ、やっぱりさっきの戦いは本気じゃなかったな!? 予想はしていたけど想定よりも大分早い動きに対応しきれず、目深にかかった帽子にあいつの指がかかる!
あーっまずいー!! 思うもつかの間、あっという間にリューゼは意外に細っこい指で帽子を器用に手繰り寄せ、僕の頭から取り外してしまった。
さすがにこれには慌てて、割と本気で飛びかかる。
「!? おい、帽子返せ!!」
「お前今年で15だろ? なんで3年前とほぼ変化してねーんだよ、成長期どこ行った。変声期も迎えてねーよな、その声」
必死に手を伸ばすもタッパが違う、手を高く伸ばしたリューゼに届かない!
仕方なし勢いよくジャンプして防止を奪取、何だけどもう遅いよねー……唖然と、ていうか呆然と? してる煌めけよ光の皆さんの視線が痛い。
そしてやらかしてくれたリューゼはリューゼでなんか、化け物を見る目だし。悪かったな15歳にもなってほとんど3年前と変化なくて!
思い切り個人情報をばらまいてくれやがった馬鹿を思い切り睨みつけて僕は叫んだ。
「歳をバラすな!! 真っ最中だよ成長期については! 一応身長伸びてるんだよちょっとだけ、ほっとけよー! ……あと変声期についてはマジで来てなくて自分でもビビってるんだから本当に止めて、話題にさえ出さないで」
「そ、そうかィ……いろいろ大変なんだな、オメーも」
わりーわりー、とここに来て初めて申しわけなさそうに笑うリューゼリア。遅いよー、遅すぎるよー。
……まあ、レオンくん達だけってのは不幸中の幸いだしまだいいんだけどさ。これが不特定多数の衆目の中だったら、本気の本気で殺し合いだったよ。
まったく、憂いに吐息を漏らしてレオンくん達を見る。初めて見る僕の素顔に、彼らは揃って感動気味に興奮していた。
「──子供、それも女の子!?」
「杭打ちの素顔見ちまった……っていうかマジかよ、15歳って」
「ぴぃぃぃ……! し、正体知っちゃいました、消されちゃいましゅぅぅぅ……!!」
「消すわけ無いでしょ!? あと僕は男だ、ダンディな男だよー!!」
失礼すぎるよー!?
こんな快男児捕まえて何が女の子だよー!!
特に問題なくギルドにまで戦慄の群狼の二人を連れていけそうだとちょっぴりホッとする。いやまあ、ここからリューゼが急に気が変わったとか言い出したらまた一悶着だけど。
いくらなんでもそんなことはしないと信じたいよねー。
「あ、あの! 杭打ちさん、ちょっと良い……?」
「……うん? どうしたのヤミくん」
と、軽くだけどいきなりマントを後ろに引っ張られて何かなー? と振り向く。古代文明人の双子、ヤミくんとヒカリちゃんがそこにはいて、二人とも興味津々の様子で僕を見ている。
なんだろー? と首を傾げると、ヤミくんがちょっぴりと緊張した様子で、僕に尋ねてきた。
「あ、あの! そ、ソウマって今、もしかして杭打ちさんの名前なの!?」
「…………あー。まあ、ね。あんまり他言しないでね?」
しまった、さっきリューゼがしれっとソウマとか言ってたね、そう言えば。レオンくん達にとっては初めて聞く名前だろうし、あの"杭打ち"の名前ってなると目を剥くのも無理からぬことだねー。
キラキラした期待の目で見てくる双子。周囲を見ればレオンくんにノノさんやマナちゃんもめちゃくちゃガン見してきてる。
怖……くはないけど、困るよー。顔と形姿、名前については極力隠してるんだから、不用意に漏らさないでよ、リューゼー。
いやまあ、レオンくん達は良い人達だから僕の個人情報を得たからと言って、それで何か悪さするとは思えないんだけど。それでもなるべくなら秘匿しときたかったものでもあるから、対処に困るー。
とはいえ双子相手に本気で"今見聞きしたことは忘れろ"なんて言えないし、仕方ないなあ。
やむなく僕は頷き、ソウマって名前であることを肯定した。続けて頼むから内密にねってお願いすると、さすが双子はいい子達だよ、こくこく何度も頷いてくれたよー。
はあ、これで一安心かな?
そう思ってると巨体が、リューゼリアがつかつかと近寄ってきた。
妙なものを見る目で僕を見つつ、怪訝そうに言ってくる。
「なんだァ、名前隠してんのか? 女みてーなツラ隠すのは分かっけどよ、何もオメーそんなことまで隠さなくてもいいだろォに」
「いろいろあるんだよ……っていうかまた言ったなお前、そろそろ本当に叩きのめすよ!?」
「ヘッ、何言ってんだ、よっ!!」
性懲りもなく僕を女の子みたいに言う! うがーって吠え立てると、リューゼはそれさえ鼻で笑い、僕の頭に手を伸ばす。
何をするつもりか知らないけどどうせろくなことじゃない、そう思って避けようとすると直前でものすごいスピードと力でガシッと、肩を掴んで固定してきた。
こいつ、やっぱりさっきの戦いは本気じゃなかったな!? 予想はしていたけど想定よりも大分早い動きに対応しきれず、目深にかかった帽子にあいつの指がかかる!
あーっまずいー!! 思うもつかの間、あっという間にリューゼは意外に細っこい指で帽子を器用に手繰り寄せ、僕の頭から取り外してしまった。
さすがにこれには慌てて、割と本気で飛びかかる。
「!? おい、帽子返せ!!」
「お前今年で15だろ? なんで3年前とほぼ変化してねーんだよ、成長期どこ行った。変声期も迎えてねーよな、その声」
必死に手を伸ばすもタッパが違う、手を高く伸ばしたリューゼに届かない!
仕方なし勢いよくジャンプして防止を奪取、何だけどもう遅いよねー……唖然と、ていうか呆然と? してる煌めけよ光の皆さんの視線が痛い。
そしてやらかしてくれたリューゼはリューゼでなんか、化け物を見る目だし。悪かったな15歳にもなってほとんど3年前と変化なくて!
思い切り個人情報をばらまいてくれやがった馬鹿を思い切り睨みつけて僕は叫んだ。
「歳をバラすな!! 真っ最中だよ成長期については! 一応身長伸びてるんだよちょっとだけ、ほっとけよー! ……あと変声期についてはマジで来てなくて自分でもビビってるんだから本当に止めて、話題にさえ出さないで」
「そ、そうかィ……いろいろ大変なんだな、オメーも」
わりーわりー、とここに来て初めて申しわけなさそうに笑うリューゼリア。遅いよー、遅すぎるよー。
……まあ、レオンくん達だけってのは不幸中の幸いだしまだいいんだけどさ。これが不特定多数の衆目の中だったら、本気の本気で殺し合いだったよ。
まったく、憂いに吐息を漏らしてレオンくん達を見る。初めて見る僕の素顔に、彼らは揃って感動気味に興奮していた。
「──子供、それも女の子!?」
「杭打ちの素顔見ちまった……っていうかマジかよ、15歳って」
「ぴぃぃぃ……! し、正体知っちゃいました、消されちゃいましゅぅぅぅ……!!」
「消すわけ無いでしょ!? あと僕は男だ、ダンディな男だよー!!」
失礼すぎるよー!?
こんな快男児捕まえて何が女の子だよー!!