私、加藤知佳は哀しみに暮れている。中学3年の1月。まさに受験期真っ只中。ジジちゃんは死んだ。ジジちゃんは祖父でおじいちゃんっ子だった私は、絶望を覚えた。ガンで、死ぬことも2週間前にわかっていた。らしい。私は知らなかった。知らせれば、哀しむと思ったらしい。知らせてくれれば、心の準備だってできたのに。泣いて腫れた目を、鏡越しに触れる。そしたら、意識が遠のいた。