あれからクライスはユリエスをやっとの思いで捕まえる。だが疲れ果ててしまい責め立てる気力をうしなう。
そのためと暗くなってきたのもあり明日、改めて準備と作戦を練り直したうえでまた来ようと言い宿屋にもどる。
そしてルルカは、相変わらず五人のあとをつけ同じ宿屋に泊まるのだった。
___そして翌日。再びリューセイ達は、願望の宝玉を探すべく森へと向かった。
ルルカは五人のストーカーをまだ続けている。
ここは、ランズベール村の近くにある森。
リューセイ達は、願望の宝玉を手に入れるために森の中を歩き洞窟に向かっていた。
すると、五人の目の前に数十体ものゴブリンが現れる。そしてよだれを垂らしながら、今にもリューセイ達を襲おうとしていた。
「おい、って。やっぱ、そうやすやすと行かしてくれそうにないな」
そう言いながらクライスは大剣を構えると、ゴブリンがどう動くか様子を伺っている。
「クッ、まさかこんなとこにゴブリンが」
リューセイは盾と剣を持ち構えると、クライスの前に立ち守りの体勢をとった。
「リュー!? 俺は、心配ない大丈夫だ。それよりもアベル達の方を」
「いや、こっちは問題ない。かえってクライスの方がキケンだ。ゴブリンは凶暴なうえに素早い。だから大剣だと、ヤツらの攻撃を防ぎきれないはずだ」
アベルディオはそう言いながら、いつでも対応できるように水晶を持ち構える。
「それもそうなんだが。リューが近くにいると、攻撃しにくい」
「確かにな。じゃ俺は、少し離れた所から攻撃する」
リューセイはそう言いながら、クライスから少し遠ざかった。
それを見計らったようにゴブリンは、一斉にリューセイ達に襲いかかる。
それを見たクライスは、とっさに剣を斜めに振り上げると思いっきり振り下ろした。
すると、ゴブリンを吹き飛ばす。だがそれをすり抜けたゴブリン達が、怒り狂いクライスに飛びかかった。
ゴブリンを自分から引きはがそうと、クライスは大剣を無我夢中で必死に振りまわす。
「クッ、なんで俺のとこばっかりくる!?」
そばにいたリューセイは、すばやく盾でガードしながら、剣で攻撃していきゴブリンを一体二体と倒していく。
「クソッォォ〜! クライス、今そっちに行く」
だが数が多すぎて、クライスの方までは手がまわらない。
(このままじゃ、クライスが危ない)
そう思うも一体倒すだけでもやっとだ。
クライスは、ゴブリンの攻撃を受けながら必死で抵抗している。
(クッ、まずい。クソッ!!)
一方アベルディオは、どうしたらいいのかと悩んでいた。
(運良くゴブリン達の視界には、リューセイとクライスだけしか入ってない。だけどこのままじゃ、クライスがゴブリンの餌食になる。
……そうなると、強化魔法を付与した方が良さそうだな)
そう思うと、即クライスの方に水晶を向け詠唱する。
《大地を守りし地の精霊よ 岩石の如き強靭なる魂 その一部を分け与えたまえ--肉体強化魔法 ロバスト ソリッド!!》
そう唱えると、コハク色に水晶が染まった。と同時に眩い光を放ったと思った瞬間。その光は、クライスの体を覆いつくす。
クライスはキズを負いながらゴブリンにひたすら抵抗している。だが、いきなり自分の体に魔法が掛かり驚いた。
(これは……。アベルの仕業か? だが、そのおかげで力がみなぎってくる。それに、大剣がそれほど重く感じない。
ん〜それだけじゃないみたいだ。体が強化されているせいか、多少ゴブリンの攻撃を受けてもダメージが軽減されている。
これなら、思いっきり攻撃できそうだ)
そう思いクライスは、大剣を無造作に思いっきり振りまわす。そして、自分にまとわりつくゴブリンを薙ぎ払いながら立ち上がった。
リューセイはそれを見るなり、これなら大丈夫だと安心する。そして、自分の方に向かってくるゴブリンを倒していった。
その様子をみるとアベルディオは、『ホッ』と胸をなでおろす。と同時にユリエスとイシスのことが気になり警戒しながらうしろを向きチラッとみた。
「はぁ?」
アベルディオはユリエスとイシスの方を向くなり、ポカンと口を開けたままその場で固まる。
そうイシスが、大きめの木にビクビクしながら隠れていたからだ。
(イシス……。おまえのその気持ちは、すごく分かる。だけどなぁ、それじゃ意味がないだろうが)
アベルディオは、そう思いながら頭を抱える。
片やユリエスは、いつの間にか木に登っていた。
そしてなぜかワクワクしながらクロスボウを構え、いつでも攻撃できるようにゴブリンに狙いを定めている。
(やっと、この武器が使える。そうだなぁ。リューセイやクライスのそばにいるゴブリンだと、矢が間違って二人にあたっちゃうと危ないし)
そう思いスコープを覗きながら、リューセイ達より先の方に視線を向けてみる。
(ん? って! なんだろう? 似てるけど、ゴブリンより体が大きくって黒っぽい緑色をしてる。ん〜、もしかしてあれがボスなのかな?)
__そう、ソイツはゴブリンキングだ。って! いきなり、こんなの相手にして大丈夫なのだろうか?
ユリエスは、そのことをリューセイ達に伝えようと思った。
だが、ふと思いとどまる。そうここで声を出したら、ゴブリン達に気づかれると思ったからだ。
(どうしよう? リューセイ達は気づいていないみたいだし。このまま、ほおっておけない。って、やっぱヤルしかないよね)
そう考えがまとまると、なぜか不敵な笑みを浮かべる。
そんな中ルルカは、自分に魔法を付与すると光のベールを纏い結界を張った。そして、ドキドキしながらリューセイ達をみている。
(あらら。いきなりゴブリンが相手かぁ。だけど、あの五人なら心配ないよね。
ん〜でも、あの桃色の髪の彼。木に隠れて、おびえているけど大丈夫かな?)
そう考えながらルルカは、心配に思い少し考えていた。だがやはり気になり、イシスのそばへと向かうことにする。
そしてその後リューセイ達は、ゴブリンとさらなる戦いを繰り広げていくのだった。
そのためと暗くなってきたのもあり明日、改めて準備と作戦を練り直したうえでまた来ようと言い宿屋にもどる。
そしてルルカは、相変わらず五人のあとをつけ同じ宿屋に泊まるのだった。
___そして翌日。再びリューセイ達は、願望の宝玉を探すべく森へと向かった。
ルルカは五人のストーカーをまだ続けている。
ここは、ランズベール村の近くにある森。
リューセイ達は、願望の宝玉を手に入れるために森の中を歩き洞窟に向かっていた。
すると、五人の目の前に数十体ものゴブリンが現れる。そしてよだれを垂らしながら、今にもリューセイ達を襲おうとしていた。
「おい、って。やっぱ、そうやすやすと行かしてくれそうにないな」
そう言いながらクライスは大剣を構えると、ゴブリンがどう動くか様子を伺っている。
「クッ、まさかこんなとこにゴブリンが」
リューセイは盾と剣を持ち構えると、クライスの前に立ち守りの体勢をとった。
「リュー!? 俺は、心配ない大丈夫だ。それよりもアベル達の方を」
「いや、こっちは問題ない。かえってクライスの方がキケンだ。ゴブリンは凶暴なうえに素早い。だから大剣だと、ヤツらの攻撃を防ぎきれないはずだ」
アベルディオはそう言いながら、いつでも対応できるように水晶を持ち構える。
「それもそうなんだが。リューが近くにいると、攻撃しにくい」
「確かにな。じゃ俺は、少し離れた所から攻撃する」
リューセイはそう言いながら、クライスから少し遠ざかった。
それを見計らったようにゴブリンは、一斉にリューセイ達に襲いかかる。
それを見たクライスは、とっさに剣を斜めに振り上げると思いっきり振り下ろした。
すると、ゴブリンを吹き飛ばす。だがそれをすり抜けたゴブリン達が、怒り狂いクライスに飛びかかった。
ゴブリンを自分から引きはがそうと、クライスは大剣を無我夢中で必死に振りまわす。
「クッ、なんで俺のとこばっかりくる!?」
そばにいたリューセイは、すばやく盾でガードしながら、剣で攻撃していきゴブリンを一体二体と倒していく。
「クソッォォ〜! クライス、今そっちに行く」
だが数が多すぎて、クライスの方までは手がまわらない。
(このままじゃ、クライスが危ない)
そう思うも一体倒すだけでもやっとだ。
クライスは、ゴブリンの攻撃を受けながら必死で抵抗している。
(クッ、まずい。クソッ!!)
一方アベルディオは、どうしたらいいのかと悩んでいた。
(運良くゴブリン達の視界には、リューセイとクライスだけしか入ってない。だけどこのままじゃ、クライスがゴブリンの餌食になる。
……そうなると、強化魔法を付与した方が良さそうだな)
そう思うと、即クライスの方に水晶を向け詠唱する。
《大地を守りし地の精霊よ 岩石の如き強靭なる魂 その一部を分け与えたまえ--肉体強化魔法 ロバスト ソリッド!!》
そう唱えると、コハク色に水晶が染まった。と同時に眩い光を放ったと思った瞬間。その光は、クライスの体を覆いつくす。
クライスはキズを負いながらゴブリンにひたすら抵抗している。だが、いきなり自分の体に魔法が掛かり驚いた。
(これは……。アベルの仕業か? だが、そのおかげで力がみなぎってくる。それに、大剣がそれほど重く感じない。
ん〜それだけじゃないみたいだ。体が強化されているせいか、多少ゴブリンの攻撃を受けてもダメージが軽減されている。
これなら、思いっきり攻撃できそうだ)
そう思いクライスは、大剣を無造作に思いっきり振りまわす。そして、自分にまとわりつくゴブリンを薙ぎ払いながら立ち上がった。
リューセイはそれを見るなり、これなら大丈夫だと安心する。そして、自分の方に向かってくるゴブリンを倒していった。
その様子をみるとアベルディオは、『ホッ』と胸をなでおろす。と同時にユリエスとイシスのことが気になり警戒しながらうしろを向きチラッとみた。
「はぁ?」
アベルディオはユリエスとイシスの方を向くなり、ポカンと口を開けたままその場で固まる。
そうイシスが、大きめの木にビクビクしながら隠れていたからだ。
(イシス……。おまえのその気持ちは、すごく分かる。だけどなぁ、それじゃ意味がないだろうが)
アベルディオは、そう思いながら頭を抱える。
片やユリエスは、いつの間にか木に登っていた。
そしてなぜかワクワクしながらクロスボウを構え、いつでも攻撃できるようにゴブリンに狙いを定めている。
(やっと、この武器が使える。そうだなぁ。リューセイやクライスのそばにいるゴブリンだと、矢が間違って二人にあたっちゃうと危ないし)
そう思いスコープを覗きながら、リューセイ達より先の方に視線を向けてみる。
(ん? って! なんだろう? 似てるけど、ゴブリンより体が大きくって黒っぽい緑色をしてる。ん〜、もしかしてあれがボスなのかな?)
__そう、ソイツはゴブリンキングだ。って! いきなり、こんなの相手にして大丈夫なのだろうか?
ユリエスは、そのことをリューセイ達に伝えようと思った。
だが、ふと思いとどまる。そうここで声を出したら、ゴブリン達に気づかれると思ったからだ。
(どうしよう? リューセイ達は気づいていないみたいだし。このまま、ほおっておけない。って、やっぱヤルしかないよね)
そう考えがまとまると、なぜか不敵な笑みを浮かべる。
そんな中ルルカは、自分に魔法を付与すると光のベールを纏い結界を張った。そして、ドキドキしながらリューセイ達をみている。
(あらら。いきなりゴブリンが相手かぁ。だけど、あの五人なら心配ないよね。
ん〜でも、あの桃色の髪の彼。木に隠れて、おびえているけど大丈夫かな?)
そう考えながらルルカは、心配に思い少し考えていた。だがやはり気になり、イシスのそばへと向かうことにする。
そしてその後リューセイ達は、ゴブリンとさらなる戦いを繰り広げていくのだった。