座ろうと思ったらイスがなかった
ぼんやりとその場にしゃがみ込んで
まるで世界から見放されたような
悲しい気持ちになったんだ

絵本を読んでも見えないよ
本物の世界はやさしくはない
お化けや怪獣は出てこないけれど
悩んだり傷付いたりするよ

居場所をいつもさがしている
ガラスのような心はめんどうだ
言わなくてもいいことを言ったりしてる
後味の悪い散歩を繰り返して

さみしい顔なんてしないけれど
ほんとうはどうしようもなくさみしい
きみが悲しい顔をするならば
ぼくはもっともっと悲しいよ

座ろうと思ったらイスがなかった
みんな立派なイスに腰掛けているのに
そう見えるだけだよと誰かが言った
ぼくは平気な振りで空気イスをしてる

誰も初めからうまくなんてできない
年の数だけ重ねた経験もある
あきらめるって言うほどまだ頑張ってないだろう
結果よりその経過に意味があるはずだよ