そして一日千秋の思いで日曜日を迎えた。自分の机にあるパソコンを、トニーとメッセージのやり取りをしながら操作していると、パッと彼の顔が映って小雪は慌ててマイク付きのヘッドホンをつけた。
(うわ、髪とかボサボサになってなかったらいいんだけど!)
自身の髪をペタペタと触る小雪の様子を見て、トニーは画面の奥で笑う。
『コユキ、久しぶり! 元気そうだね!』
『うん。おかげさまで。トニーも元気そうで良かった。離れても顔が見れるって嬉しいけど、いきなり映るのは恥ずかしい!』
慌てていた動作が彼に伝わってたことが少し恥ずかしくて小雪はやや口を尖らせたが、トニーの爽やかな笑みは消えることがない。そのまま例によって例のごとく、アニメや推しの話で盛り上がった後に、お互いの簡単な近況報告をする。そしてトニーは何かを思い出したようにポンと手を打った。
『そうだ。コユキにビックニュースがあるんだ。6月にボクは日本に来る予定になってるんだよ。もし良かったら……』
『え! ほんと?! また来てくれるの? 私、空港まで迎えに行くよ! わ、どうしよう……! 今までで一番嬉しいかも!』
小雪は思わず幸運の女神に全裸で土下座したくなった。去年はお互いの気持ちがすれ違っていたのに、つい今日に勘違いが判明したばかりである。それなのに今になって彼と再会できる機会が出てきたとなれば、何かに引き寄せられていると考えても何らおかしくはなかった。
『ボクも同じ気持ちだよ! だって九ヶ月振りの生のコユキと話ができるなんて! 明日から何も手がつきそうにないや。あと二週間だけど待ち遠しいよ!』
『私もレポートとかバイトとか全部投げ出したい。ううっ、二週間は長すぎる! 明日が二週間後だといいのに……!』
その後もひとしきり盛り上がった二人だったが、小雪があくびをしたことでトニーが切り上げる提案をして、名残惜しそうに二人はビデオ通話を終了した。
(トニーに会えたら……あの時の嘘の答え合わせをしよう。それから、私は今度こそちゃんとトニーに気持ちを伝えるんだ……!)
小雪はその日は胸がいっぱいになって中々寝付けず、それなのに翌日からは内心るんるんで大学の授業を受けたりバイトをそつなくこなしていたため、普段それほど感情を表現しない彼女は、大学の友人やバイト仲間から何があったのかとしょっちゅう突かれる羽目になった。
(うわ、髪とかボサボサになってなかったらいいんだけど!)
自身の髪をペタペタと触る小雪の様子を見て、トニーは画面の奥で笑う。
『コユキ、久しぶり! 元気そうだね!』
『うん。おかげさまで。トニーも元気そうで良かった。離れても顔が見れるって嬉しいけど、いきなり映るのは恥ずかしい!』
慌てていた動作が彼に伝わってたことが少し恥ずかしくて小雪はやや口を尖らせたが、トニーの爽やかな笑みは消えることがない。そのまま例によって例のごとく、アニメや推しの話で盛り上がった後に、お互いの簡単な近況報告をする。そしてトニーは何かを思い出したようにポンと手を打った。
『そうだ。コユキにビックニュースがあるんだ。6月にボクは日本に来る予定になってるんだよ。もし良かったら……』
『え! ほんと?! また来てくれるの? 私、空港まで迎えに行くよ! わ、どうしよう……! 今までで一番嬉しいかも!』
小雪は思わず幸運の女神に全裸で土下座したくなった。去年はお互いの気持ちがすれ違っていたのに、つい今日に勘違いが判明したばかりである。それなのに今になって彼と再会できる機会が出てきたとなれば、何かに引き寄せられていると考えても何らおかしくはなかった。
『ボクも同じ気持ちだよ! だって九ヶ月振りの生のコユキと話ができるなんて! 明日から何も手がつきそうにないや。あと二週間だけど待ち遠しいよ!』
『私もレポートとかバイトとか全部投げ出したい。ううっ、二週間は長すぎる! 明日が二週間後だといいのに……!』
その後もひとしきり盛り上がった二人だったが、小雪があくびをしたことでトニーが切り上げる提案をして、名残惜しそうに二人はビデオ通話を終了した。
(トニーに会えたら……あの時の嘘の答え合わせをしよう。それから、私は今度こそちゃんとトニーに気持ちを伝えるんだ……!)
小雪はその日は胸がいっぱいになって中々寝付けず、それなのに翌日からは内心るんるんで大学の授業を受けたりバイトをそつなくこなしていたため、普段それほど感情を表現しない彼女は、大学の友人やバイト仲間から何があったのかとしょっちゅう突かれる羽目になった。