――……あれから三日後。
司と美咲は椅子に座り庭に置かれているテーブルを挟み話をしていた。
テーブルの上には鳥籠が置かれている。その中には泪が居て二人をみていた。
「やっと片付いたな」
「うん、もっと時間がかかると思ってたけど早く終わったね」
「ああ、あとは内職をしないとな」
そう言い司はテーブルの上に置いてある依頼書へ視線を向ける。この依頼書はハバスが持ってきた物だ。
「結構あるね。みんな創りだす物ばかりなの?」
「そうだな。殆ど俺にしかできない依頼だ」
「そっか……私にできる依頼ないのかなぁ」
そう言い美咲は悲しい表情で俯いた。
「……美咲、まだ全部に目を通してない。もしかしたら……みていない依頼書の中にあるかも」
「そうだね。その中にあるといいなぁ」
「じゃあ探してみるから待ってろ!」
そう言い司は依頼書を一枚一枚じっくり読み進める。
それを美咲は、ワクワクしながらみていた。
片や泪は鳥籠の中から二人の様子をみて色々と考えている。
(前から思ってたけど……司さんって美咲さんのことを本当に好きなんだね。わがままを嫌な顔せず聞いてるし……。
そういえばグレイも……私のわがままを聞いてくれた。ううん……ムドルさんもだ。
でも……だからって、グレイが私のことを好きだって証明にならないよね。ムドルさんは……そうなんだろうけど)
そう考えると泪はグレイフェズ達のことを思い出してしまい涙ぐんだ。
“泪……もう少し我慢してください。これらは後に必要なことなのです……”
(それは前に言われて分かってます……でも……。そういえば前から思ってたんですけど……私は本当に巻き込まれて召喚されたんですか?)
“どうでしょう……貴女が、そう思うのであれば……そうなのでしょうね。全てを話す訳にはいかないのです”
そう言われ泪は、コクッと頷いた。
(分かりました。自分で見聞きして調べるしかないんですね)
“そうなります……では、あと少し過去の光景をみていてください”
泪はそれを聞き再び司と美咲を交互にみる。
(なぜ過去をみせられているのか……それはあとで分かる。それならみせられている光景を、ちゃんとみていよう)
そう思い泪は目の前のことだけじゃなく脳裏に流れ込む光景を集中してみた。
▼△★△▼☆▼△
ここはサイアル城内。この城の二階にあるバイゼグフ王子の部屋の前だ。
この扉の前にはラギルノとガルディスが両脇に立っている。
二人はなるべくみないようにしていた。そう喧嘩になるからである。
なんでこんな組み合わせにしたのかと二人は考えていた。
(最悪だ。なぜ今日に限ってラギルノと同じ場所に配置された?)
そう思いガルディスは戸惑っている。
(うむ……堪えるのがキツイ。だが、そもそも……今更なんで喧嘩をする必要がある? それにこれは同じ依頼主から言われたことだ)
ラギルノはそう考えるとガルディスの方を向いた。
「ガルディス、よく考えてみたんだが……ここは休戦しないか?」
「休戦? どういう事だ。今更……昔のことを何もなかったことにするつもりじゃないだろうな」
「いや、そんなつもりはない。ただ……このままじゃ、いざという時に連携がとれないんじゃないかと思った」
そう言われガルディスは思考を巡らせる。
「…………確かにそうだな。じゃあ仕事が終わるまでの間でいいか? そうでなければ耐えられないからな」
「ああ、それでいい」
そう言うとラギルノは再び正面をみた。
それを確認するとガルディスは、なぜか笑みを浮かべている。
そしてその後も二人は時間まで、ここの警備をしていたのだった。
司と美咲は椅子に座り庭に置かれているテーブルを挟み話をしていた。
テーブルの上には鳥籠が置かれている。その中には泪が居て二人をみていた。
「やっと片付いたな」
「うん、もっと時間がかかると思ってたけど早く終わったね」
「ああ、あとは内職をしないとな」
そう言い司はテーブルの上に置いてある依頼書へ視線を向ける。この依頼書はハバスが持ってきた物だ。
「結構あるね。みんな創りだす物ばかりなの?」
「そうだな。殆ど俺にしかできない依頼だ」
「そっか……私にできる依頼ないのかなぁ」
そう言い美咲は悲しい表情で俯いた。
「……美咲、まだ全部に目を通してない。もしかしたら……みていない依頼書の中にあるかも」
「そうだね。その中にあるといいなぁ」
「じゃあ探してみるから待ってろ!」
そう言い司は依頼書を一枚一枚じっくり読み進める。
それを美咲は、ワクワクしながらみていた。
片や泪は鳥籠の中から二人の様子をみて色々と考えている。
(前から思ってたけど……司さんって美咲さんのことを本当に好きなんだね。わがままを嫌な顔せず聞いてるし……。
そういえばグレイも……私のわがままを聞いてくれた。ううん……ムドルさんもだ。
でも……だからって、グレイが私のことを好きだって証明にならないよね。ムドルさんは……そうなんだろうけど)
そう考えると泪はグレイフェズ達のことを思い出してしまい涙ぐんだ。
“泪……もう少し我慢してください。これらは後に必要なことなのです……”
(それは前に言われて分かってます……でも……。そういえば前から思ってたんですけど……私は本当に巻き込まれて召喚されたんですか?)
“どうでしょう……貴女が、そう思うのであれば……そうなのでしょうね。全てを話す訳にはいかないのです”
そう言われ泪は、コクッと頷いた。
(分かりました。自分で見聞きして調べるしかないんですね)
“そうなります……では、あと少し過去の光景をみていてください”
泪はそれを聞き再び司と美咲を交互にみる。
(なぜ過去をみせられているのか……それはあとで分かる。それならみせられている光景を、ちゃんとみていよう)
そう思い泪は目の前のことだけじゃなく脳裏に流れ込む光景を集中してみた。
▼△★△▼☆▼△
ここはサイアル城内。この城の二階にあるバイゼグフ王子の部屋の前だ。
この扉の前にはラギルノとガルディスが両脇に立っている。
二人はなるべくみないようにしていた。そう喧嘩になるからである。
なんでこんな組み合わせにしたのかと二人は考えていた。
(最悪だ。なぜ今日に限ってラギルノと同じ場所に配置された?)
そう思いガルディスは戸惑っている。
(うむ……堪えるのがキツイ。だが、そもそも……今更なんで喧嘩をする必要がある? それにこれは同じ依頼主から言われたことだ)
ラギルノはそう考えるとガルディスの方を向いた。
「ガルディス、よく考えてみたんだが……ここは休戦しないか?」
「休戦? どういう事だ。今更……昔のことを何もなかったことにするつもりじゃないだろうな」
「いや、そんなつもりはない。ただ……このままじゃ、いざという時に連携がとれないんじゃないかと思った」
そう言われガルディスは思考を巡らせる。
「…………確かにそうだな。じゃあ仕事が終わるまでの間でいいか? そうでなければ耐えられないからな」
「ああ、それでいい」
そう言うとラギルノは再び正面をみた。
それを確認するとガルディスは、なぜか笑みを浮かべている。
そしてその後も二人は時間まで、ここの警備をしていたのだった。