ここはセシアズム草原。そしてバールドア城の近くだ。
私とグレイとムドルさんとベルベスクは、一旦ここに転移してくる。勿論、ムドルさんの転移魔法でだ。
「ここから二手に分かれる」
「グレイ、清美のところにも行きたい」
「清美……もしかして聖女のことか?」
そう問われ私は頷く。
「そうだな……だが、状況次第じゃ無理かもしれない」
「そうですね。ですが厄災の魔法陣を解除できれば、その必要もなくなります」
「でも、会えるなら……」
私は城の方を向いた。
「どうだろうな。恐らく、会わせてくれないだろう」
「それは不思議ですね。なぜ合わせてあげられないのですか?」
「それは……」
何か言いかけてグレイは黙り込む。私は、どうしたんだろうって思った。
「言えないという訳ですか。それはルイさんと関係あることですね」
「ああ、そうだ。まぁ言っても問題ないか。ルイが巻き込まれ召喚された訳が分かるまでは、城に近づけるなと言われてる」
「なるほど……用心のためですね」
それを聞きグレイは頷く。
「この国は、他の国よりも小さい。財政もいい訳じゃないからな。それでもなんとかやっている。だから得体の知れない者、国に害ある者かもしれない者を城に置けないってことだ」
「そうだったんだね。確かに国を守るためには仕方ないと、私も思う」
「ルイ、すまない。俺はお前の監視役として……」
グレイはつらい表情でそう言いかける。
「監視役、か。そうだよね、国が心配だから……」
「だけど俺は、今も今までも監視役として……お前と接したことなど一度もない」
グレイの表情は真剣そのものだ。
「ありがとう、グレイ。うん、そうだね。私はグレイの弟子だもん」
「……そ、それは……そうだな。お前は、手の焼ける弟子だ」
そう言いグレイは笑う。私は苦笑いをした。
その後なぜか、私とグレイはみつめ合う……。
「ゴホンッ! 何、自分たちの世界に浸っているのですか……それもこんな時に」
ムドルさんは私とグレイをジト目でみる。
「そうだな。とりあえず、撤去作業からやる。ルイ、頼む!」
「うん、分かった。厄災の魔法陣がある場所を、特定すればいいんだよね」
「そうですね。特定できれば、解除しやすいですから」
それを聞き私は頷き、バッグの中からプレートを取り出し何が有効か考えた。
そうだなぁ……今、覚えているのだと。見極めレベル3の【探し見極めて場所を特定する】と、遠距離サーチを使った方がいいかな。
そう考えがまとまるとグレイとムドルさんをみる。
「使うスキル、決まったよ」
そう言い私はバールドア城の方をみた。
私とグレイとムドルさんとベルベスクは、一旦ここに転移してくる。勿論、ムドルさんの転移魔法でだ。
「ここから二手に分かれる」
「グレイ、清美のところにも行きたい」
「清美……もしかして聖女のことか?」
そう問われ私は頷く。
「そうだな……だが、状況次第じゃ無理かもしれない」
「そうですね。ですが厄災の魔法陣を解除できれば、その必要もなくなります」
「でも、会えるなら……」
私は城の方を向いた。
「どうだろうな。恐らく、会わせてくれないだろう」
「それは不思議ですね。なぜ合わせてあげられないのですか?」
「それは……」
何か言いかけてグレイは黙り込む。私は、どうしたんだろうって思った。
「言えないという訳ですか。それはルイさんと関係あることですね」
「ああ、そうだ。まぁ言っても問題ないか。ルイが巻き込まれ召喚された訳が分かるまでは、城に近づけるなと言われてる」
「なるほど……用心のためですね」
それを聞きグレイは頷く。
「この国は、他の国よりも小さい。財政もいい訳じゃないからな。それでもなんとかやっている。だから得体の知れない者、国に害ある者かもしれない者を城に置けないってことだ」
「そうだったんだね。確かに国を守るためには仕方ないと、私も思う」
「ルイ、すまない。俺はお前の監視役として……」
グレイはつらい表情でそう言いかける。
「監視役、か。そうだよね、国が心配だから……」
「だけど俺は、今も今までも監視役として……お前と接したことなど一度もない」
グレイの表情は真剣そのものだ。
「ありがとう、グレイ。うん、そうだね。私はグレイの弟子だもん」
「……そ、それは……そうだな。お前は、手の焼ける弟子だ」
そう言いグレイは笑う。私は苦笑いをした。
その後なぜか、私とグレイはみつめ合う……。
「ゴホンッ! 何、自分たちの世界に浸っているのですか……それもこんな時に」
ムドルさんは私とグレイをジト目でみる。
「そうだな。とりあえず、撤去作業からやる。ルイ、頼む!」
「うん、分かった。厄災の魔法陣がある場所を、特定すればいいんだよね」
「そうですね。特定できれば、解除しやすいですから」
それを聞き私は頷き、バッグの中からプレートを取り出し何が有効か考えた。
そうだなぁ……今、覚えているのだと。見極めレベル3の【探し見極めて場所を特定する】と、遠距離サーチを使った方がいいかな。
そう考えがまとまるとグレイとムドルさんをみる。
「使うスキル、決まったよ」
そう言い私はバールドア城の方をみた。