邪神界エンデナールから戻った三人。
それをエイナールが出迎える。
「おかえりなさい。コウル、エイリーン。そして……」
居心地悪そうにしているエルドリーンの方を向く。
「おかえりなさい。エルドリーン」
「フン……」
エイリーンはエルドリーンの手を掴む。
「さあ、今日は一段落解決したのですから、宴会です!」
「宴会!?」
エルドリーンが嫌そうにする。
「宴会。たまにはいいですね」
エイナールも乗り気だ。
「ちょっとあんた。なにか言ってやりなさいよ!」
エルドリーンが、コウルに矛を向ける。
「僕はいいと思うよ。宴会」
エルドリーンは諦めた。
「エイリーン様。既に鍋の用意は出来ています」
「さすがです、ワルキューレ」
神の塔による豪華な宴会が始まろうとしていた。
神の塔の宴会は少人数かと思いきや、多数のワルキューレや他の世界の神様も来る大所帯となっていた。
ワイワイガヤガヤと、皆が騒ぎ立てる。
「コウル様も一杯いかがですか?」
多数のワルキューレに囲まれ、コウルは酒を勧められていた。
「いや、僕、まだ酒飲める歳じゃないし……」
コウルは言ったがしかし。
「あら、コウル様。こちらの世界では15から酒を飲んでもいいんですよ?」
「えっ。じゃあ……一杯だけ」
コウルは杯をクイッと飲み干す。そしてむせた。
「ゲホッゲホッ。まずい……」
「コウル様にはまだ早すぎましたかね?」
「ならこっちの酒はどう?」
ワルキューレが別の酒を持ってくる。
(エイリーン助けてー!)
コウルは心で叫ぶが、その頃エイリーンもまた、他の神やワルキューレの相手をしているのだった。
数時間後……。
「うう……酷い目に遭った」
結局あの後。コウルはワルキューレに勧められるがまま酒を飲んでいた。
「気持ち悪い……」
すると向こうからエイリーンも向かってくる。
「コウル。大丈夫ですか?」
「あまり、大丈夫じゃない……」
二人で揃って、休憩する。
「コウル、水です」
「あ、ありがとう。エイリーンも疲れただろうに、ごめんね」
「いえ、わたしはそこまで飲んでいないので」
「そう?」
コウルはエイリーンを見る。確かに自分よりは元気そうだとコウルは感じた。
「あら、お二人さん。こんなところに」
エルドリーンも現れる。
「あなたたちが宴会って言い出したんだから。責任持ってちゃんと飲みなさい」
エルドリーンは酒の瓶を持っている。
「エルドリーン……酔ってます?」
「はあ、誰がよ。これは適当にあったのを持ってきただけよ」
エルドリーンはふたを開け、一気に口にいれる。そして吹き出した。
「何よこれ不味いわね! エイナール様やワルキューレはこんなもの飲んでるの!?」
コウルとエイリーンは笑った。
エルドリーンが睨む。
「あんたたちもこれ飲みなさい!」
二人にコップと酒を押し付けると。エルドリーンは去っていく。
「どうするこれ?」
「一杯くらい飲んでみますか?」
その後の結果は聞くまでもなかった。
神の塔。ベランダ。
そこにはいつの間にかマスターとリヴェルがいた。
「君は酒は飲まないのかい?」
マスターが聞く。リヴェルは首を振った。
「飲めなくはないが……やはり好かんものは好かん」
そういってリヴェルはコーヒーを飲む。
「そういうマスターこそ。さっきから紅茶しか飲んでないじゃないか」
マスターは香りを楽しむと紅茶を少しづつ飲んでいる。
「私は嫌いだから飲まないわけではないよ。今日はいい茶葉が手に入っただけさ」
「どうだか……」
マスターはニヤリと笑った
「あの少年がどおしてこう口が悪くなったかな」
「過去の事は今は関係ない」
「すまない、冗談だよ冗談」
マスターは真面目な顔になる。
「だが、いつか、君のことを彼らに話さなければいけない時が来る。その時は……」
「ああ、それくらいは受け入れるさ」
二人の間に沈黙が流れるのだった。
翌日。
「ううっ。頭がいたい。これは飲みすぎだよね……」
「最後のあの酒が強烈でしたからね……」
二人は二日酔いだった。
「昨日は申し訳ありませんでした」
ワルキューレたちも謝ってくる。
「いや、いいよ。それよりエイナール様は?」
「エイナール様ならいつもの場所に……」
それを聞き二人はエイナールの元へ向かう。
「よく来ましたね。コウル、エイリーン」
二人は驚く。エイナールはすごく飲んでいたはずだった。なのに今は全然いつもの状態である。
「どうかしましたか?」
「いえっ、なんでもありません!」
コウルはさすがに聞くのはやめた。
「さて、コウル、エイリーン。ここに来たと云うことは次の目的を探してですね?」
「「はい」」
二人で同時に返事をする。
「いいですか。二人とも。しばらくはこの世界を旅し力をつけなさい。その道中、自ずと道が見えるはずです」
「旅を……」
「はい。そして後に真の目的が出来るでしょう」
「わかりました。ありがとうございます」
二人はエイナールの元をあとにする。
「ふーん。もう行くわけ?」
下でエルドリーンが待っていた。
「待っていたわけじゃないわ。ちょうど今来たところよ。で、行くの?」
「うん」
「はい」
「わかったわ」
エルドリーンが二人に近づく。
「これ、持っていきなさい」
それはいつかカーズが持っていた闇の宝珠によく似ている。
「似ているけど別物よ。闇の質がちがうでしょう?」
エルドリーンがそう言うので、二人はよく見つめる。
確かに以前の暗い闇とは違う、純粋な明るい闇であった。
「お守り……なんて言いたくないけど、ま、そういうことにしておくわ。感謝しなさい」
「うん。ありがとう」
「大切にしますね。エルドリーン。わたしの妹」
「フン……」
そして二人は旅立つ
新たな地、新たな目的を求めて。
それをエイナールが出迎える。
「おかえりなさい。コウル、エイリーン。そして……」
居心地悪そうにしているエルドリーンの方を向く。
「おかえりなさい。エルドリーン」
「フン……」
エイリーンはエルドリーンの手を掴む。
「さあ、今日は一段落解決したのですから、宴会です!」
「宴会!?」
エルドリーンが嫌そうにする。
「宴会。たまにはいいですね」
エイナールも乗り気だ。
「ちょっとあんた。なにか言ってやりなさいよ!」
エルドリーンが、コウルに矛を向ける。
「僕はいいと思うよ。宴会」
エルドリーンは諦めた。
「エイリーン様。既に鍋の用意は出来ています」
「さすがです、ワルキューレ」
神の塔による豪華な宴会が始まろうとしていた。
神の塔の宴会は少人数かと思いきや、多数のワルキューレや他の世界の神様も来る大所帯となっていた。
ワイワイガヤガヤと、皆が騒ぎ立てる。
「コウル様も一杯いかがですか?」
多数のワルキューレに囲まれ、コウルは酒を勧められていた。
「いや、僕、まだ酒飲める歳じゃないし……」
コウルは言ったがしかし。
「あら、コウル様。こちらの世界では15から酒を飲んでもいいんですよ?」
「えっ。じゃあ……一杯だけ」
コウルは杯をクイッと飲み干す。そしてむせた。
「ゲホッゲホッ。まずい……」
「コウル様にはまだ早すぎましたかね?」
「ならこっちの酒はどう?」
ワルキューレが別の酒を持ってくる。
(エイリーン助けてー!)
コウルは心で叫ぶが、その頃エイリーンもまた、他の神やワルキューレの相手をしているのだった。
数時間後……。
「うう……酷い目に遭った」
結局あの後。コウルはワルキューレに勧められるがまま酒を飲んでいた。
「気持ち悪い……」
すると向こうからエイリーンも向かってくる。
「コウル。大丈夫ですか?」
「あまり、大丈夫じゃない……」
二人で揃って、休憩する。
「コウル、水です」
「あ、ありがとう。エイリーンも疲れただろうに、ごめんね」
「いえ、わたしはそこまで飲んでいないので」
「そう?」
コウルはエイリーンを見る。確かに自分よりは元気そうだとコウルは感じた。
「あら、お二人さん。こんなところに」
エルドリーンも現れる。
「あなたたちが宴会って言い出したんだから。責任持ってちゃんと飲みなさい」
エルドリーンは酒の瓶を持っている。
「エルドリーン……酔ってます?」
「はあ、誰がよ。これは適当にあったのを持ってきただけよ」
エルドリーンはふたを開け、一気に口にいれる。そして吹き出した。
「何よこれ不味いわね! エイナール様やワルキューレはこんなもの飲んでるの!?」
コウルとエイリーンは笑った。
エルドリーンが睨む。
「あんたたちもこれ飲みなさい!」
二人にコップと酒を押し付けると。エルドリーンは去っていく。
「どうするこれ?」
「一杯くらい飲んでみますか?」
その後の結果は聞くまでもなかった。
神の塔。ベランダ。
そこにはいつの間にかマスターとリヴェルがいた。
「君は酒は飲まないのかい?」
マスターが聞く。リヴェルは首を振った。
「飲めなくはないが……やはり好かんものは好かん」
そういってリヴェルはコーヒーを飲む。
「そういうマスターこそ。さっきから紅茶しか飲んでないじゃないか」
マスターは香りを楽しむと紅茶を少しづつ飲んでいる。
「私は嫌いだから飲まないわけではないよ。今日はいい茶葉が手に入っただけさ」
「どうだか……」
マスターはニヤリと笑った
「あの少年がどおしてこう口が悪くなったかな」
「過去の事は今は関係ない」
「すまない、冗談だよ冗談」
マスターは真面目な顔になる。
「だが、いつか、君のことを彼らに話さなければいけない時が来る。その時は……」
「ああ、それくらいは受け入れるさ」
二人の間に沈黙が流れるのだった。
翌日。
「ううっ。頭がいたい。これは飲みすぎだよね……」
「最後のあの酒が強烈でしたからね……」
二人は二日酔いだった。
「昨日は申し訳ありませんでした」
ワルキューレたちも謝ってくる。
「いや、いいよ。それよりエイナール様は?」
「エイナール様ならいつもの場所に……」
それを聞き二人はエイナールの元へ向かう。
「よく来ましたね。コウル、エイリーン」
二人は驚く。エイナールはすごく飲んでいたはずだった。なのに今は全然いつもの状態である。
「どうかしましたか?」
「いえっ、なんでもありません!」
コウルはさすがに聞くのはやめた。
「さて、コウル、エイリーン。ここに来たと云うことは次の目的を探してですね?」
「「はい」」
二人で同時に返事をする。
「いいですか。二人とも。しばらくはこの世界を旅し力をつけなさい。その道中、自ずと道が見えるはずです」
「旅を……」
「はい。そして後に真の目的が出来るでしょう」
「わかりました。ありがとうございます」
二人はエイナールの元をあとにする。
「ふーん。もう行くわけ?」
下でエルドリーンが待っていた。
「待っていたわけじゃないわ。ちょうど今来たところよ。で、行くの?」
「うん」
「はい」
「わかったわ」
エルドリーンが二人に近づく。
「これ、持っていきなさい」
それはいつかカーズが持っていた闇の宝珠によく似ている。
「似ているけど別物よ。闇の質がちがうでしょう?」
エルドリーンがそう言うので、二人はよく見つめる。
確かに以前の暗い闇とは違う、純粋な明るい闇であった。
「お守り……なんて言いたくないけど、ま、そういうことにしておくわ。感謝しなさい」
「うん。ありがとう」
「大切にしますね。エルドリーン。わたしの妹」
「フン……」
そして二人は旅立つ
新たな地、新たな目的を求めて。