生産職から始まる初めてのVRMMO

イベントから戻った後、今私は自室で戦利品の整理をしてるの。

龍皇の秘焔玉は喧嘩にならないようになぜか私が預かることになった。

それで今後装備で必要になった人に使うってことで話がついた。

ちなみに今回の戦利品はというと…

まず何と言っても目玉は『焔龍皇の加護』。

この加護はなんでも完全版ではないらしいんだけど

火属性攻撃20%上昇
火属性ダメージ20%軽減
炎熱系地形ダメージ50%軽減

っていうなかなかの代物だったよ!

次は当然『龍皇の秘焔玉』。

これはまあ私の物ってわけではないけど。

あとはジュっくんが見つけた焔龍皇の抜け殻から取れた素材かな。

皮とか鱗とかその辺しか取れなかったけど結構いい戦利品。

その素材と私がボス戦で戦った火竜の素材使って今度展示用の装備を作ってみようと思ってるの!

次はやっぱりファフニール系の素材だよね!

私それに加えて『龍の書』っていう所持数によって効果が異なるらしいアイテム。

現状では龍の書Ⅰでは竜語話せるようになるとかなんとか…

あとはまあ『ミスリル』『ダマスカス魔鉱石』が新たに手に入ったり、今まで手に入れた事のある鉱石

その辺にいたモンスターの素材とか採集した植物とか。

で、最後のダンジョンで私がソロで討伐しちゃったあいつ。

なんか名前が《黒邪竜 グド・ランジェス》っていうらしいんだけど…

素材名で黒邪竜っていうんだけどまあ、こいつの素材はいいよ?

問題は初クリアボーナスに加えてソロ討伐ボーナスがあった事とその内容。

まず初クリアボーナスだけど《黒邪竜の呪剣》ってやつでなんでも呪われてる代物でして…

次がソロ討伐ボーナスなんだけど《邪竜教の大聖典》ってやつ。

なんかすごくいらないんだけど…

特に特殊効果も無いしよくわからない教団の説明書いてあるだけだし。

まあ両方とも倉庫行きだよね!

邪竜の素材使って武具とか作ったら呪い装備になるのかな?今度試してみよーっと!

とまあ戦利品の整理はこのくらいにして…

私のというより生産職専用の装備とか欲しいよね〜!

そんなわけで、とりあえず素材集めも兼ねて今まで行った事なかった二階層の鉱山に行ってみようと思います!

早速準備開始だね!

まずはもちろん飲食関係。

あとは鶴嘴にロープに…

よし!これでいいかな!

「ライム〜お出かけするよ〜!」

「はーい!どこ行くの〜?」

「んーとね、ここから見えるあの一番大きな山だよ!」

「山登り行くー!しゅっぱーつ!」

………

そこからはいつも通りを道中適当にモンスター倒したり採集したり何事もなくお散歩感覚で進んでいったの。

それでしばらくしてから鉱山の麓に辿り着いたんだけど…

「にしてもこの山、高すぎない…?」

「上が見えないねー?」

「これは富士山より高いかもね〜…」

どうしよう、山頂行ってみたかったけどこんなに高いと迷うなー…

まあとりあえず出発だね!

………

それから何時間経ったかはわからないけどロックタートルとか岩蝙蝠とかアクアスライム、リザードマンとか色々出てきたんだけどまあ苦戦することもなく倒しちゃったよね。

それよりも問題は採掘だよ!あれから色々採掘したんだよ?

でも全然…なんかイベントが良いの出過ぎててなんかもう…

今持ってる一番いい鉱石のミスリルまでの価値が

銅鉱石
鉄鉱石
ダマスカス鉱石
マラカイト鉱石
銅魔鉱石
鉄魔鉱石
銀鉱石
銀魔鉱石
ミスリル鉱石

こんな感じの順番になってるんだけど銀鉱石までしか出ないんだよ…

下に行く道が無くてずっと上に登ってるのも影響あるのかな?

まあ目的の鉱石は取れてるからいいんだけどさ…

あと所々に池とか湧き水、川っぽいのまであるんだよね。

さすがに水と鉱山のフィールドってだけはあるよね!

「フウ〜ご飯食べたーい」

「じゃあどこか安全そうな場所見つけて休憩にしよっか!」

「やったー!」

……さて、お腹も満たせたし!…って言っても空腹になってもなんかあるわけじゃ無いんだけど。

そういうシステムが追加された時怖いなー…

また私のお店忙しくなるじゃん。

今NPCの露店があるから私のお店くらいしか料理出してないらしいし、それをきっかけにみんなが料理の店出してくれればいいけど…

まあそれは私じゃ無くてガゼルさん達がなんか考えてくれるよね!

それよりも私は今この山をどうにかしないとね!

「行こっか!」

「はーい!」

それからさらに数時間歩いてたらここでやっと進展があったの。

少し先に明かりが見え始めたの!

「ライム!」

「うん!」

私達は山頂かと思って全力ダッシュしたの。

それでついに!と思って外に出たら山の中腹くらいかな。

まあそりゃそうだよね…

こんなにすぐ辿り着くわけがないよね。

ショックをを受けながらも登れる場所はないと周りを見渡すと少し上に行った所に一つの小屋があるのを見つけたの。

「ねえ、ライム。あそこにある小屋行ってみよっか」

「はーい!」

そもそもなんでこんな所に小屋なんてあるんだろ?

誰か住んでたりするのかな?

「すみませーん!」

「おや、こんな所にお客さんとは珍しいのぉ。そんな所ではなんじゃ入ってはくれんかのぉ。まあ茶ぐらいしか出せんがのぉ」

出て来たのは八十歳は軽く超えていそうな老婆だったよ。

中に入ってお茶をもらった後、そこからこの山に伝わる神話の話が始まったんだよね。

それで長かったからまとめると、この山には神鳥と呼ばれ祀られてる鳥型のモンスターがいるらしくてこの先へは進めさせないとの事。

「そういう訳じゃからのぉ。この先へは進めさせられんじゃて諦めて引き返してはくれんかのぉ。どうしても行くと…!?お主!もしやインペリアルスライムではないか!?」

「?そうだよー?」

「やはりか!ならばここを通る資格があるというものじゃのぉ。それが神鳥様のお告げじゃからのぉ」

「よくわからないけど、通って大丈夫って事だよね?」

「そういう事じゃのぉ」

ピコンッ

《固有クエストⅡ『神鳥からの招待状』が発生しました》

あ、なんか来た。

しかも固有クエストかー。

というかあれ招待状だったの…

「それじゃあ色々とありがとうございます!」

そうして小屋を後にして山頂に向かったんだけどこの後私達が想像もつかない出来事が待ってた。

山頂に着いて多分戦闘エリアに入ったんだと思う。

目の前に蒼白の羽根と巨大な翼、真紅の瞳をした鳥が姿を見せたと思ったら自宅のベットで寝てたの。

え、え!?どうなったの!?そういえばライムは!?

「ライムー!?」

ピコンッ

《デスペナルティタイムの為『後11時間59分57秒』具現不可能です》

ん?私達死んだって事…?一回も攻撃してないのに!?

うん、ライム復活したらもう一回行ってみよう…

その間にポーションとか準備しないとなー。

そういえばHPポーションあるのに未だにMPポーション作れてないもんなー。

今度二階層で取れた水源草とかマナウッドとかで色々試してみよ。

いや、今やっちゃおうかな。

まずは水源草だね。

●水源草
特徴 : 水源の近くに群生する、源水を大量に含む草

あー、つまり水源から水を持ってこなくても水源の水を使えるってことね。

微妙だなー…まあ見た目凄くいいから観賞用とかなのかなー。

あとはマナウッドだね、杖用にもとっておきたいからとりあえず一本だけ使ってやってみようかな!

作り方はこの前のHPポーションでやった緑茶風のと同じ感じで蒸したりいろいろして最後に乾燥させる。

それでとりあえず普通の水で抽出して…

●MPポーション
評価 6
能力 : MPを65回復する

あれ評価値低い。

水源草使ってみる?

同じ場所で取れたやつだしね。

水源草絞って水を抽出して…

●源泉水
特徴 : 抽出に適した純水だが、5分経つと普通の水に戻る

え!五分!?急がないとじゃん!

抽出して…

●初級MPポーション
評価 10
特徴 : MPを90回復する

できたー!

じゃあこれをあと9個だね…

《初級MPポーション 評価10のレシピを習得しました》

よし!MPポーションのレシピも出来たし、今日はもう買い出し行って寝よ。

………

「…ふあぁ〜……あ!ライムー!」

「フウー!おはようー!」

「元気そうでよかったよ!」

「ライム復活なの〜!」

「起きてすぐだけどご飯食べて早いとこ行っちゃおうか!」

「はーい!」

それから私とライムは前回と全く同じ道を通って山頂まで足を運んだ。

「よし、付与も終わったしいこうか!」

「うん!ライム頑張る!」

そうして前回何が起こったかわからず終わっちゃったボスエリアに入ってく私達。

前回は入った瞬間に攻撃された事も考えて全力ダッシュで左右に移動したの。

まあ私は足そんなに早くないんだけどね…

それでようやく本体をお目にかかることが出来た。

蒼白の羽根や羽毛をまとって、純白の冠毛3本、真青の尾羽が5本あってそのうち長いのが2本ある。

体は私からしたら巨大だけどこの前戦った火竜とか邪竜ほどじゃない。

「貴方達また私の住処を荒らしに来たのね。いいわまた追い返してあげる!!」

「ライム!来るよ!」

「うん!」

………

…負けました。

5分も戦えなかった…

でもだいぶ戦い方わかってきたよ!

次で勝てるとは思わないけど、もう少し戦える気がする。

それであの神鳥《イラ・エルニクス》っていうらしいよ。

あと今まで確認出来た行動パターンはね、正式名称わからないから私が感じたものになるけど…

最初の方舐められてたのか、滑空攻撃とか嘴、翼、尾羽、足なんかで物理攻撃されてたんだけど、途中から属性攻撃も始めたの。

まずは水ブレス。

これは広範囲散布型と高水圧直線型の2種類があった。

次は水の爆弾かな。

これは散弾式に爆発した水の刃が四方八方に飛んでいく感じ。

もう一つが粘着系のやつ、これは普通の水が体を纏わり付いて離れないの。

攻撃力低下とか弱体化系のいろんな妨害魔法を使ってきたりしたの。

5分も戦えてないにしてはいろんな攻撃見られたよね!

対策も練りやすいってもんだよ!

………

ってなわけでもう一回挑戦してきました!

結果は…まあ負けだよね…

こんなに負けたの初めてだよ…

あとね、半分減らせたと思ったら冠毛が光ってHP全回復するしさ…

そんなの聞いてないよ…って感じだよね!?

そしたらそのあと突然雨が降り出したりして。

その後また新しい攻撃が出てきて、集光した太陽光が雲の隙間から天使の梯子みたいに降り注いだり、羽根を飛ばしたかと思ったらその羽根が何かに触れたと思ったら触れたものに対して水の槍みたいなのが突き出てきたりで…辺り一面穴ぼこだらけだよ。

というかまだ絶対攻撃パターンあるよね…

でも攻略していく楽しさってこういう事なのかな!

少しずつ紐解いてく感じだよね!

リアルだったらって考えるとちょっと怖いけどゲームだもんね!

さて、話を戻してあいつどう倒すよ?

これはもうあれを先に作るべきなんだろうなー…

よし、覚悟決めて作っちゃおう!

………

よし!とりあえずこんなもんかな!

まさかこんな事になるなんて思わなかったけどね…

とりあえずマイホームの設定で地下7階を大きい何もない空間に設定して設備は全部でこんなのもつけてみたよ!

戦闘可能エリア
破壊不能エリア
戦闘終了時HP自動回復エリア
戦闘終了時MP自動回復エリア
戦闘終了時アイテム自動復活エリア
経験値取得可能エリア

こんな感じにしてみました!

値段は聞かないで…あとちょっとで9桁入りそうだったなんて言わないよ…?

ま、まあそれは置いといてみんなに連絡しとかなきゃね!

『手伝って欲しいことがあるんだけどみんな私の家来れたりする?』

っと。これであとは大丈夫かな!

………
「あ!みんな来てくれてありがと!」

「あはは…また盛大にやったね〜」

「ね、ねえ?フウ、それはいいんだけどここなに!?」

「そうっすよ!何すかこの巨大な空間は!?」

「また常識はずれなもん作ったな…」

「もうみんなのその反応慣れたよ…ここは戦闘可能エリア、破壊不能エリア、戦闘終了時HP自動回復エリア、戦闘終了時MP自動回復エリア、戦闘終了時アイテム自動復活エリア、経験値取得可能エリアに設定してある特別訓練場だよ!」

「フウ?あなたもう大貴族ね?」

「いくら使ったっすか…」

「ま、まあそれは置いといて本題に入ってもいい?」

(話はぐらかすって事はやばいって自覚はあるみたいだね〜。あとで問い詰めよ〜!うん。本当に)

「それで?話ってのはなんだ?」

「うん、まず順を追って説明してくね!」

………

まず、今までの固有クエストのボス戦の話をしたの。

話はそこから始まるよ!

さて、話を戻してあいつどう倒すよ?

これはもうあれを先に作るべきなんだろうなー…

よし、覚悟決めて作っちゃおう!

生産職専用武器をまずはなんの武器にするかだよねー…

既存じゃないもので戦いやすそうなもの!

うーん…候補は銃、本、鎌、鎖、札、投擲、ブーメランとかかなー。

私的に興味あるのは本と鎌かなー!

銃も興味あるけど扱うの難しそうだし…

ただ本も銃も遠距離タイプで私がやりたい近距離戦じゃないから鎌にしよう!

鎌ってどうやって作るんだろ?

まあ刀の刃と槍の持ち手と同じ感じで作ればいいかな!

今回ばかりは自分のだからって手を抜かないで本気でやらないとね!

まずはなんの素材使うかだよねー!

今ある最高の素材で鎌に使えそうなのは、龍皇の秘焔玉とか焔龍皇の鱗、あとはミスリルとかボス戦の火竜から出らいろんな部位の素材とかかなー。

宝玉はまあ使わないとして防具用の素材も残しときつつその辺りの素材使っていこうかな!

まずはミスリル、焔龍皇の鱗、火竜の骨、火竜の鱗を一緒に高温、高圧力で溶かして鋳型の中に流して棒の部分を作る。

焼き入れとかも忘れずにね!

次はミスリル、ミスリル、焔龍皇の角、火竜の角、火竜の牙を溶かさないで柔らかくしてクロワッサンみたいに…

カンッカンッカンッカンッカンッ…

焼いて折り曲げて…

カンッカンッカンッカンッカンッ…

同じように…

カンッカンッカンッカンッカンッ…

これを何度も繰り返して徐々に鎌っぽい形にしていく。

細かい作業は前に刀作ったから割愛しちゃうね。

鎌っぽくなったらここから刃をつけてー。

砥石で綺麗に研いで刃を付けてもちろん鏡面加工もして…

便利技の錬金で持ち手と刃をくっつけてー…

彫金で紅葉の彫刻でも入れとこうかな!

あとは最後に火竜の翼を鎌の刃より小さくして鎌の反対側にくっつけちゃえー!

とりあえずこんなもんかな!

最後の最後に付与してー…出来た!

………

まさかこんな事になるなんて思わなかったけどね…

●紅炎の竜鎌(焔龍皇強化版)
評価 : 10
能力 : ATK+70 MATK+60 INT+20 DEX+10
火属性(中) 跳躍強化(中)
付与 : 火属性攻撃強化(中) 斬撃力強化(中)

ピコンッ

いや、ここまではいいんだよ?

性能は明らかにおかしいけどさ…

それよりも問題はピコンッだよ!

なにこれ…

《特殊武器 鎌がプレイヤー名 フウの固有武器になりました》

どういう事よ!?

私しか装備出来ないって事はわかるんだけどさ…

なんでこうなっちゃったの!

まあいいか、もう気にしない気にしない。

気にしたら負けだよ!

あ、そうそう。

みんな疑問に思ってるかもしれないけどなんでこんなに連戦出来るかってね。

ちょっとズルしてるんだよね〜!

ライムが死んじゃう前に戻ってもらってるの!

だからデスペナルティ発生しないから一日中連戦出来るよ!

明日はオフ会だしね!

その前にちゃっちゃと倒しに行こう!

ってその前にやらなきゃいけない事あるでしょ!

とりあえずマイホームの設定で地下7階を大きい何もない空間に設定して…

あと設備は全部でこんなのもつけてみたよ!

戦闘可能エリア
破壊不能エリア
戦闘終了時HP自動回復エリア
戦闘終了時MP自動回復エリア
戦闘終了時アイテム自動復活エリア
経験値取得可能エリア

こんな感じにしてみました!

値段は聞かないで…あとちょっとで9桁入りそうだったなんて言わないよ…?

ま、まあそれは置いといて…

「ライム〜」

「フウー!あいつ倒しに行くの!?」

「ごめんね、まだなの」

「わかったー。ねーフウ?ここどこなの?」

「ここは家の地下7階だよー!ライムにはこれから私と戦ってほしいの!あいつを倒すためにもね!」

「フウに攻撃…しなきゃだめ?」

「私が強くなるためにもお願いできない?死んでもすぐ復活できるし!」

「んー、フウが言うならわかった」

「ありがと。じゃあ始めよっか!」

「うん!」

そこから私とライムの戦闘が始まったよ。

最初は全然手も足も出なかったの鎌の使い方とかわからないし!

徐々に立ち回りとか回し方、使い方とかわかってきて2時間経った頃にはもう…

「フウどんどん強くなってる!これで一緒に戦えるねー!」

「そうだね!まあまだライムに1回も勝ててないけどね〜…」

ピコンッ

《新たに『大鎌術』の能力を獲得しました》

あ、なんか覚えた!

初めての戦闘系能力だよ!

これで私もやっと戦えるよ〜!

でもまだまだだよね、モンスターとか倒してレベル上げなきゃだね!

「ライムー、山登り行こっか!」

「うん!行くー!」

それから山頂に至るまで私はモンスターを嫌という程倒して倒して倒して…

それで山頂に着いた。

それにもうすぐ夜になるから挑戦はこれで最後だね!

明日のオフ会のことを考えるとゲーム内では明日が最後になるかな〜。

流石にこれなら勝てるよね…?


フウ Lv53 所持金 : 約200万G

●ステータス ステータスポイント 0p
HP 350 MP 2420

STR 0(+19) VIT 0(+35) INT 185(+47)
MND 100 DEX 80(+105) AGI 50

●装備

・武器 : 紅炎の竜鎌(焔龍皇強化版)
評価 : 10
能力 : ATK+70 MATK+60 INT+20 DEX+10
火属性(中) 跳躍強化(中)
付与 : 火属性攻撃強化(中) 斬撃力強化(中)

・包丁 : クリスタルダガー
評価 : 9
能力 : STR+15 INT+25 魔力放出(中)
付与 : 風属性(小) 斬撃強化(小)

・頭 : 清流の髪飾り(黒蛇強化版)
評価 : 10
能力 : DEF+10 MDEF+20 DEX+20
水耐性強化(小) 水属性攻撃強化(小)
物理攻撃軽減(中) 属性攻撃強化(小)
付与 : 攻撃力強化(小) 魔法攻撃力強化(小)

・胴 : 清流の軽鎧(黒蛇強化版)
評価 : 9
能力 : DEF+10 MDEF+15 DEX+15
水耐性強化(小) 水属性攻撃強化(小)
物理攻撃軽減(中) 属性攻撃強化(小)
付与 : 物理攻撃軽減(小) 魔法攻撃軽減(中)

・体 : ×

・手 : 清流の腕当て(黒蛇強化版)
評価 : 8
能力 : DEF+10 MDEF+13 DEX+10
水耐性強化(小) 水属性攻撃強化(小)
物理攻撃軽減(中) 属性攻撃強化(小)
付与 : 生産速度強化(小) 生産効率強化(小)

・腰 : 清流のスカート(黒蛇強化版)
評価 : 10
能力 : DEF+10 MDEF+20 DEX+20
水耐性強化(小) 水属性攻撃強化(小)
物理攻撃軽減(中) 属性攻撃強化(小)
付与 : 回避率強化(小) 回避速度強化(小)

・足 : 清流の靴(黒蛇強化版)
評価 : 7
能力 : DEF+10 MDEF+12 DEX+7
水耐性強化(小) 水属性攻撃強化(小)
物理攻撃軽減(中) 属性攻撃強化(小)
付与 : 移動速度強化(小) 跳躍強化(小)

・背 : 清流のマント(黒蛇強化版)
評価 : 10
能力 : DEF+10 MDEF+20 DEX+20
水耐性強化(小) 水属性攻撃強化(小)
物理攻撃軽減(中) 属性攻撃強化(小)
付与 : 物理耐性(小) 魔法耐性(小)

・アクセサリー
① : 紅炎竜のネックレス
評価 : 10
能力 : MDEF+20 DEF+10 MND+30 AGI+20
火属性攻撃強化(小) 火耐性強化(中)
付与 : 火属性攻撃強化(小) 物理耐性(小)

② : ミスリルリング・クリスタルガラス
評価 : 10
能力 : MATK+20 MDEF+10 INT+20
魔力操作(小) 消費MP-2%
付与 : 回避率強化(小) 魔法耐性(小)

③ : 黒蛇の腕輪
評価 : 8
能力 : ATK+20 STR+30
攻撃力強化(小)
付与 : 攻撃力強化(小) 移動速度強化(小)

●特殊能力
鍛治職人 Lv93 裁縫職人 Lv89 木工職人 Lv67
彫金職人 Lv86 錬金術師 Lv92 薬剤師 Lv71
調理師 Lv95 付術師 Lv47 従魔師 Lv52 魔力操作 Lv68

●能力
大鎌術 Lv28 幸運(大) 生活魔法

●従魔
ライム


これで負けたら私もうなす術無くなっちゃうよ?

付与も掛けたし、これが最終決戦であってほしいよ…

「ライム!行くよ!」

「はーい!」

まず、ボス部屋に入ると開始速攻で下から水の刃が出てきてこれに当たると即死しちゃうからこれを全力で避ける。

このゲーム回避行動がステータスに影響されないから助かったよ…

影響されてたら間違いなく私このボス倒せないしね…

そこから最初は物理攻撃のみ。

「ライム!一緒に行くよ!」

「はーい♪」

二人で特攻。

みんなの事脳筋なんて言えないね…

いろんな種類の物理攻撃をギリギリまで見極めて躱し、私は鎌、ライムは光魔法の光剣まあ正式名称ライトソードっていうらしいんだけどそれを7本出して攻撃。

あれ3本見極められるようになるまでどれだけ時間掛かったか…

あんなのが7本なんて考えたくもないよ…?

それでそこからボスの体力が2割減るとそこからさらに水ブレスと水魔法の攻撃が追加されて物理攻撃だけでも厄介だったのにここからさらに厄介になる。

2種類の水ブレスに水の爆弾、行動を制限してくるネバネバにデバフっていうんだっけ?それも使ってくるし…

「ライム!ネバネバくるよ!」

「はーい!」

………

「フウー、細い方のブレスがくるー!」

「わかった!」

そこから体力半分減らして全回復された後は雨の中での戦闘になるの。

天使の梯子だったり飛ばした羽根に触れたら地面えぐれるくらい強い槍みたいなものが飛び出てくるし…

前回はこの辺で死んじゃったんだよねー…

だからここからは未知の領域だよ!

私は流石に梯子と羽根の槍は躱しきれないからできる限る避けてライムに回復してもらう形になった。

ライムは全部綺麗に躱してるよ…流石に慣れてきたのかな!

私もライムみたいに真似できればいいんだけどね。

まずは水ブレスを躱してそこから追加で飛んでくる羽根の槍をできる限り躱して鎌で連撃する。

私がそんな感じで戦ってた時、陽は傾いて綺麗な夕陽でお天気雨の珍しくも綺麗な景色に変わった頃、夕陽の方からなにか…!?

「ライム!避けてっ!!!」

「フウ…?うわっ!?」

天使の梯子、まあ集光線が真横からレーザーみたいに一直線に飛んできた。

集光線が通った跡はマグマのように煮えたぎり雨で冷やされ固まっていくのがわかる。

「ライム、大丈夫!?」

「うん、ちょっと当たっちゃったけど大丈夫!」

「ちゃんと回復しておいてね!」

「はーい!」

そうして次第に夜になって真上には巨大に見える満月と天の川とか無数の星とか戦い中じゃなかったらすごい魅入っちゃったんだろうなー。

というかまたあいつ回復してるし…せっかく3分の1まで減らしたのに…

そんな事を思ってたら、大きな翼を伸ばしすごい風と共に星空に羽ばたいたの。

なんかすごい嫌な予感がするんだけど!…

「ライム!今すぐこっち来て!」

「…?はーい!」

…ん?なんか寒い…!

なんて思ってた瞬間、上から巨大な氷の塊が降ってきたんだよ。

「やばい!《スキル付与 魔法耐性 水属性耐性》!」

咄嗟に付与掛けたから私とライムは平気だったけど、気づいたら辺り一面に砕けた氷解が広がって一番外側は砕けた氷解で薔薇の花みたいになってた。

「あ、雪だ…さむっ!」

「フウーこれ綺麗だねー!」

「そうだね!」

というかなんで雲ないのに雪降ってるんだろう。

名付けるなら月下氷雪戦!なんてね…

そこからは少し変わったけど前と同じ感じ。

水ブレスは氷ブレスになって飛んできたり、水系の攻撃が全部氷系に変わったの。

そこから半分くらいまで減らした時、また出たんだよ…

冠毛が光って全回復されるって思うじゃん?

そしたらHP継続回復だって。

場合によっては全回復よりタチ悪いよね…?

そこからはもう地獄だったんだよ。

攻撃しては回復されての繰り返し…一応回復量以上にはダメージ与えられてるけど…

そんなのがしばらく続いてやっと残り2割まで減らした時また空に飛んだの。

またなんか強い技使ってくるのかと思ったら、今までずっと降ってた雪が何かに当たると薔薇みたいに咲き始めたの。

しかもその雪が私たちに体に当たって花が咲くとほんの少しだけどHPが減ってくし…

「ライム!これはスライムに戻ったほうがいいかも!」

「わかったー!」

というか降りてこないし…

空に逃げたって所かな?

対空戦かー…ライムの射程距離ではあるけど、私どうしようかなー…あっ!

そういえば鎌に跳躍強化ついてたっけ、使ってみよっと!

それっ!

「いやぁぁぁーっ!こんな高く飛ぶなんて聞いてないよー!」

でもこれなら上から攻撃出来るから狙いやすいよねっ!

えいっ!

私は鎌を大きく振りかざして縦に振り下ろしてそのまま鎌を持ち替えて横にそんで最後に上へと振り上げるっとー!

んー、鎌って空中戦難しいなー…

とりあえず一回降りないと。

今までは一回の回復量の半分くらいだったけど今は2割くらいってとこかな…

こりゃ相当持久戦になるね…

「ライム!一気に畳み掛けちゃおっか!」

「はーい!ねーフウー。ライムもあのぴょーんって飛ぶのやりたい!」

「ん?あ、跳躍の事ね。いいよ、じゃあ私に捕まっててね!」

「うん!」

そう言って抱きついてきたライムを抱き返して私達は空に向かって跳んだ。

空中で二手に分かれてライムは光剣で、私は鎌で攻撃する。

私達はただジャンプしてるだけだから空中で攻撃されたら避けられない。

だから攻撃受けたら落ちる前にライムに回復してもらってるんだ。

あ、空中では物理攻撃と氷ブレスがメインで地上にいるときは羽根の氷槍とかデバフなんかがメイン。

攻撃を躱して跳んで攻撃して、ダメージ入ったら回復。

こんなエンドレス状態が続いてしばらくした辺りで私たちにも限界が近づいてたの。

それでも神鳥のHPもあと僅かに迫ってあと1回か2回飛んで攻撃したら倒せそ…!?

「ライム!光魔法で障壁作れる!?」

「うん、ライムもおんなじこと考えてた!」

「私達包んだらすぐ防御体制とって!」

「はーい!」

今までずっと咲き積もった氷薔薇が一斉に花びらになって舞い始めたんだよ、これは見るからにもうまずいよね…

ただそんな花吹雪は月光に照らされてダイヤモンドダストみたいにすごい綺麗だよ!

なんて思ってたらその花吹雪が一斉に私達めがけて飛んできたんだよ…

最初はライムが作ってくれた障壁でどうにかなってたんだけど、徐々ににその障壁が薄くなっていくのに気づいたから私も私の魔力で障壁を作ったの。

それとほぼ同時にライムの障壁が無くなっちゃって…

ほんと間一髪だったよ…

そんな私の障壁も長く持つはずも無くて…

「ライム、ごめんね。ダメだったらもっと強くなってからまた来ようね…」

「うん、ライムももっともっと強くなってこいつ倒すもん!」

私達にダメージが入り始めて少ししたら花吹雪は砕け散って月光に照らされる砕けた花が降り始めたの。

「「綺麗だね」」

二人で同じ事を同じ事を言って、私が雪月花を同時に楽しんだ気分だなーなんて思ってたら神鳥が降りてきた。

「ライム」

「うん」

この言葉だけでお互い戦闘体制に入るって私達の息が合ってるのか戦い慣れてきたのか…

「あれを耐えきるとは流石ですね。もう私に戦う力は残ってないから武器を下ろして話を聞いてもらえないかしら?」

「フウ?」

「わかった。それで話っていうのは?」

「ええ、実はこの子の為に私に勝てる相手を探していたのよ」

そう告げた神鳥の表情には決断の中に寂しさを感じた気がした。

「聞いていいことかわからないけど、自分ではもう育てられないって事?」

「ええ、恥ずかしい話なのだけれど…溺愛しすぎて魔力も生命力もほとんど使い果たしちゃったのよね…あなたと戦う前は2割くらい残ってたのだけれど、もうほとんど残ってないのよ」

「じゃあライムと戦った時は本気じゃなかったのー!?」

「こらっ、ライム!」

「いいのよ、本気の私とはやめたほうがいいわよ?世界だって滅ぼせるんだもの」

「この鳥さん笑ってるのになんかこわーい…」

ま、まあ2割であれだもんね…

「そういえば勝てる相手を探してたって事は…」

「ええ、貴方達にあの子を育てて欲しいの。それで死んだ私であの子の装備を作って欲しいのよ。余ったものは貴方達が使って構わないわ。貴方の得意分野でしょう?」

そんな重大な事私に出来るのかな…それでもそれが私に出来る事なら…!

「うん、そういう事ならわかったよ!」

ピコンッ

《エクストラアイテム『神鳥の卵』を入手しました》

いや、入手って…

まあゲームだからしょうがないんだろうけどさ…

「そうそう!5階層の森と9階層の渓谷に私の友達がいるから合ってみるといいわ!」

「わかった、覚えておくね!」

「あ、そうだわ!最後に貴方にも渡したいものがあるの!これよこれ!」

「…私に?」

ピコンッ

はい、来ましたピコン。


●天巫女の神鎌
評価 : 10
能力 : 重力操作(小)
特殊能力 : 生産の境地
『生産職Lv10につき全ステータス+1』

●天巫女の小太刀
評価 : 10
能力 : 空間操作(小)

●天巫女の天冠
評価 : 10
能力 : MP継続回復(小)
特殊能力 : 全身装備時『生産の境地 生産速度上昇(小) 生産効率上昇(小)』

●天巫女の羽衣
評価 : 10
能力 : HP継続回復(小)
特殊能力 : 全身装備時『生産の境地 生産速度上昇(小) 生産効率上昇(小)』

●天巫女の領布
評価 : 10
能力 : 魔力放出
特殊能力 : 全身装備時『生産の境地 生産速度上昇(小) 生産効率上昇(小)』

●天巫女の空靴
評価 : 10
能力 : 跳躍
特殊能力 : 全身装備時『生産の境地 生産速度上昇(小) 生産効率上昇(小)』

●天巫女の天翼
評価 : 10
能力 : 飛翔
特殊能力 : 全身装備時『生産の境地 生産速度上昇(小) 生産効率上昇(小)』

●天巫女の指輪
評価 : 10
能力 : 全状態異常軽減(小)
特殊能力 : 全身装備時『生産の境地 生産速度上昇(小) 生産効率上昇(小)』


もう見るからにやばそうだよ…?

これでまたさらに周りから化け物呼ばわりだよ…

「これでやるべき事はやっただけれども、最後に貴方達に会えて本当に良かったわ。子供の顔が見られないのは残念だけれども…これでお別れね。さようなら…」

「うん、こちらこそありがとう。子供の事は任されたよ!さようなら…」

「フウー?鳥さん死んじゃったの…?」

「うん、そうだよ」

「なんか悲しいねー…」

そんなライムの瞳からはぽろぽろと雫が垂れてた。

ピコンッ

《固有クエストⅡをクリアしました》

そうして私達は素材を回収した後、最後にお墓を作って自宅に戻ってきた。

………

「まあ、そんな事があったからみんなを呼んだって訳!」

まあその前に新装備でライムと一回戦ったんだけどね!

「そんないい話を聞かされた後に私達は何をしたらいいのかしら?」

「新しい仲間の紹介って感じか?」

「そういう訳じゃないよー、まだ生まれてないしね…」

「自分もそれだと思ってたっすよ!?」

「うちはフウがやりたいことわかるけどな〜」

「うん!私の戦闘訓練して欲しいの!」
私は今新宿駅西口の地上にある宝くじ売り場の前にいるの。

なんて言ったって今日はオフ会だからね!

昨日の訓練は面白かったなー!

私が天巫女シリーズを手に入れたからみんなに戦闘訓練お願いしたんだよねー!

見た目は簡単に言うと巫女服に天使と天女の要素が合わさった感じ。

天女は女神だった気がするけどどこの神の使いだよって感じだよね。

まあどんな感じだったかは話に出てくるだろうからまた後でだね。

そろそろ彩華来る頃だし!

「おはよー!いやー相変わらずゲームでもリアルでも早いねー」

「あ、来た。おはよー!そろそろ来る頃かと思ってたー」

「ふう、そのトレンチコート可愛いね!」

「そう言う彩華は相変わらずボーイッシュだね〜」

そんな会話をしながら数分が経って…

「そろそろ待ち合わせの時間だしレイナ達探さない?」

「そだねー、まあ見つけやすいと思うけどね〜」

彩華がなんでそんな事を言ったのかわからなかったけど、とりあえず辺りを見渡したら宝くじ売り場を挟んで私たちの反対側に睨み合う二人の男性。

とその間に呆れた顔をする女性の3人組がいた。

「あ、そういう事か」

「ねぇ、ふう?」

「ん?」

「えっとね………」

「…それ面白いかも!」

そうして私達は小声で「せーの」と合図をして…

「「ジュっくーん!」」

と軽く叫んだ。

「お、おい!?」

「あ、やっぱりそうだったね〜」

「あなた達がフウとアヤカかしら?」

「そうだよー!レイナはわかるとしてさっきびっくりした方がジュっくんで反応しなかった方がファイスだね」

「お、おう…」

「ジュっくんもしかして照れてるのー?」

「そ、そんなんじゃねー!…」

「とりあえずカフェかどっか入らないっすか…?」

「そうだね〜。フウどっかおすすめの場所ある?」

「私この間彩華と見つけた歌舞伎町のカフェかなー」

「あー、あそこね!」

「逆にみんなはどっかおすすめとかある?」

「私はあまり新宿に来ないからわからないわね…」

「自分もっすね」

「俺もとくにねぇな」

そんな感じで歌舞伎町の入り口?の近くにある雰囲気の落ち着いたカフェに私達は入った。

「5名様でよろしいですか?」

「はい」

「おたばこは吸われますか?」

「たばこ吸う人いる?」

「私と隼人は吸わないわ。隆太くんは?」

「す、吸わないです」

「じゃあ禁煙席でお願いします」

「かしこまりました。ご案内いたします」

席に案内された私達は店員がおすすめを紹介し、立ち去った後なぜかレイナ、ファイス、ジュっくんが無言になっていた。

(え、何でこんな高いの!?リッチとかアロマとか色々あるけれど何が違うのかさっぱりわからないわよ!?)

(おいおい…いつも飲んでるコーヒー何杯飲めるんだよ!?そんなに味違うもんなのか…?)

(なっ、なんすかこれ!会社のコーヒーくらいしか飲まない自分が来ちゃいけないところな気がするっすよ!?)

そんな近くでメニューまじまじ見るものかな…?

「みんな決まったー?」

「うちはいつも通りふうと一緒でいいやー!」

「え!?ええ…(そうよその手があったわ!)」

「俺も大丈夫だ(アヤカ、その手に乗らせてもらうぜ)」

「じ、自分もオッケーっす!(その考えがあったっすね!)」

みんな大丈夫って言うから、私が手を上げて店員を呼んだんだけど…

「私、プレミアムリッチとモンブランで」

「「「「同じく」」」」」

「合計5セットでお間違いないですか?」

「え、えっと…みんな私と一緒…?」

なぜかみんな一緒だったの。

そこからこのなんかよくわからない空気をどうにかしようとした彩華が自己紹介しようって言い出してくれたの。

「じゃあまず言い出しっぺのうちからだね〜!名前は春谷彩華、もうわかってると思うけどキャラはアヤカだねー!高2の17歳だよ〜」

「次は私だね。名前は暁月ふう、キャラはふうで彩華とクラスメイトだよー」

「それじゃあ次は私ね。大代麗奈。に、24歳よ。キャラはレイナで普通の会社員よ」

「自分はファイスこと西野隼人っす!姉さんとは幼馴染みたいなもんすかね?歳は23っす!」

「最後は俺だな。十勝隆太、ジュドラだ。麗奈さんは同じ職場の先輩だな。同じく23だな」

「みんな呼び方は下の名前でいいわよね?」

みんなの自己紹介も終わって頼んだ物も来てここからお茶してスタートって感じになった。

「そういえばふうさんや?あの施設はいくら使ったのかな〜?あとあの装備なに!?」

「そうよ、呼び出されたから何かと思ったらあんな施設あるし、なんかふう巫女みたいな姿してるし…」

「え、えっと…施設はまあ、あと少しで9桁に…」

「9桁って事は、一十百…あと少しで1億使うところだったって事っすか!?」

「前にも先輩が言ってたが本当に大貴族だな…」

「それであの装備は前の話に出てきた神鳥から貰ったものって事でいいのかしら?」

「あ、うん。なんか生産職のための装備って感じだったよ?能力はね…」

「「「「はあぁぁぁーーー〜…」」」」

「つまりあれか?レベル10のボーナス考えねーと、レベル1につき5だろ…って事は…」

「今のふうのステータスだと武器と防具で合わせて112になってステータスが6種類あるわけだからステータスだけで言えばレベルが130以上差があることになるわね…」

「どこのラスボスっすか…」

「そりゃ当然あんな戦いになるよね〜…」

そう、あやかが言ったあんな戦いっていうのはみんなを訓練場に呼んだ時のこと。

まず最初に一対一で全員と戦ったんだけど、何でか全勝しちゃったの。

流石に全員には勝てなかったけどファイスとレイナだけには勝つことが出来たの。

ま、まあそんな事があって喫茶店では私攻略の話題で終わった。

「そろそろでよっか〜」

「そうだね、そろそろ麗奈に料理を…あ、そういえばどこで料理する?」

「そうね、それは考えてなかったわ…私の家吉祥寺にあるアパートだし…」

「うちも世田谷区だしなー?あれ〜誰かさん新宿じゃなかったかなー?」

「…え?私の家!?あ、でも器具も調味料もあるからやりやすいかも」

「じゃあふうの家って事で〜!」

「なあ、隼人?私の家って事は一人暮らしだよな?犯罪にならないよな…?」

「大丈夫っすよ!きっと…」

小声で話してた隆太と隼人を置いて私達は席を立って会計に向かっていた。

「ほら、貴方達なにやってるの?行くわよ!」

「会計は分割でいいか?」

「ちょっ…隆太さん!?いいっす!自分会計払います!」

「え?いいよ。ここ選んだの私だし」

「そんなこと言わずに…!?いや、いいっすよ出します!会計カードでお願いするっす」

「じゃあお言葉に甘えて…ありがと」

「ありがと〜」

(その笑顔反則っすよ!?それに相手は女子高生女子高生…というか自分には姉さんがいるっす!)

「すまん、あとで半分渡すから値段教えてくれ」

と隆太が隼人に小声で言った事は私達は知らない。

「じゃあ私はお昼代出させてもらうわ。授業料払ってないしこれくらいしかできないけれども…」

「わかったー。じゃあ買い物して私の家行こっか」

そんな感じで喫茶店を後にした私達はスーパーに向かった。

「あ、麗奈なんか作りたいものとかある?」

「いえ、特にないからふうに任せるわ」

「じゃあ無難にオムライスとかにしとくかなー。あとはサラダにスープに…」

「な、なあ。ふうの目輝いてねーか?」

「あー、あれね。料理するときはいつもあんな感じだよー!」

「前にもイベントの火山でこんな事あったっすね」

「うん!これでいいかな!」

買い物を済ませて私達はタクシーに乗って私の家に向かった。

お金を払って私の家の前についたんだけど…

「な、なあ。ここってタワーマンションだよな…?」

「そうね、何かの間違いかしら…?」

「まさかここって事はないっすよね!?」

そんな驚いてる3人に気づかなかった私と彩華は先に進み私がオートロックを開けて私と彩華は中に入っていった。

「「「ここなの!?」」」

と叫んだ3人も慌てて中に入ってきた。

エレベーターに乗って38階まで登って私の家に入る。

「ねえ、ふう?流石に実家よね?」

「え?一人暮らしだよ?」

「そうよね…」

「それより早くお昼作っちゃお!彩華達はリビングで待っててー。お茶とか持ってくから!」

「おっけー!隆太も隼人も行くよー」

………

なんか色々あったけどようやく私と麗奈の料理教室が始まったの。

「じゃあまずブイヨンでご飯炊いちゃおっか!」

「前から気になっていたのだけれどもブイヨンって何かしら?」

「んー簡単に言ったらフランス料理でよく使う出汁かなー」

そんな感じでご飯を炊いてる間にケチャップライス用とスープ用の玉ねぎ、自家製の鶏肉ベーコンをカットしてシーザーサラダとオニオンスープ、ケチャップライス用の飴色まで炒めた玉ねぎを作った頃にご飯が炊けた。

「麗奈やっぱり手際いいねー!本当に私から料理教わる必要あった?」

「それはふうの教え方が上手いからよ。これでも料理教室行ってもダメだったんだもの…」

「私からしたらそんな風には見えなかったんだけどなー。とりあえずソースの解凍も終わったしそろそろ今日のメインのケチャップライスと卵作っちゃおっか!」

「ええ、よろしくお願いするわね!先生、いえ。師匠!」

「ちょっ、流石に師匠はやめてー」

………

「あっちは二人で楽しそうだね〜」

「あぁ。それよりさっきからいい匂いがしてたまんねぇな!」

「そうっすね。それよりさっきの話の続きっすけどやっぱりふうに勝つにはプレイヤースキルで押し勝つか修正入るの待つしかないっすかね…?」

「そうだと思うなー。今はまだ力を使いこなせてないし持て余してる感じがあるからいいけどマスターしちゃった時点でただのラスボスだよね〜…」

「はは、ラスボスか。そりゃいい例えだ!」

本人のいないところでラスボス認定されてしまった事は当然ふうが知る事はない。

………

「そうそう!ケチャップライス振る時は両手で持ってご飯をひっくり返すイメージで上にあげるの」

「こ、こうかしら…?」

「うーん、なんて言ったらいいんだろうなー。こればっかりは見て練習して覚えてもらうしかないんだよなー」

「そうね、私もふうのを見ていたけれどもなんて伝えたらいいかわからないもの。でもどうやるか理解はしているわよ!」

「それなら良かった。まあ後4回もあるしね!」

(それにしてもふうのキッチンすごいわね…温蔵庫って言ったらいいのかしら?ウォーマーみたいな機械とふうはブラストチラーと言っていたかしら?急速冷却器みたいな機械にそのほかにもどれも業務用みたいで見た事ないものばかりだわ…)

「どうかしたの?」

「いえ、なんでもないわ!後4回終わらせちゃいましょう」

………

それからというもの、麗奈は凄まじい勢いで上手くなっていって4回目をするときにはアドバイスしなくてもできるようになってたの。

飲み込み早すぎて怖いよね…

ま、まあここからは本番の卵だし、気を取り直して次いこ次!

「じゃあとりあえず洗い物やって整理してから卵作っちゃおっか!」

「そうね!私ふうのおかげで今、初めて料理が楽しいって思えてるわ!」

「それならよかった!麗奈飲み込み早いから教えがいがあるよー!」

なんてそんな話をしてたら洗い物も終わっていよいよ今回のゲームで言う所のボスの登場って感じだね!

「これがオムレツ専用のフライパンなんだよね。今回はこれ使ってやってみよっか!」

「専用のフライパンなんてあるのね!」

「うん!これだとトントンしやすいし丸めやすいのー!」

(トントンって何かしら…?)

「じゃあまずは一回手本でやるねー!」

卵に塩胡椒、生クリームを入れて白身がほぐれるまでひたすら混ぜる混ぜる混ぜる!

「液はこんな感じー!次にフライパンに油入れて馴染ませながら表面を煙が出るまで火にかけてー………で最後にまた火にかける。これ鍋焼きっていうんだけどこれやらないと卵くっついちゃうんだよね!」

「卵焼くにもいろいろあるのね…」

「まあね、でも鉄製じゃなければやらなくても大丈夫だよー!それで、ここからが時間との戦いなんだけど…フライパンに卵入れたら急いでかき混ぜてー、ある程度ダマができてきたら持ち手の方持ち上げて傾けた方向に卵寄せてー、最後に持ち手のとこトントンして丸める。で、最後に継ぎ目に軽く火を通してー、これで完成だよ!」

ふうが作ったオムレツは綺麗にフワフワと丸まり、焼き目ひとつない鮮やかな黄色をしていた。

「え、えっと…私これできるかしら…?」

「これも練習あるのみかなー。まあ今回は何回か練習してもらったらオムライス用の卵は裏技使っちゃうけどね〜」

「そうね、裏技がきになるけれども後でのお楽しみにしておくわ」

そこから10回くらい練習したけど流石にここはうまくいかなくて結局裏技を使う事になっちゃった。

「じゃあ裏技教えるね!普通のフライパンにー、油引いて卵乗せてー、混ぜる!」

「…え?それだけ…?」

「?うん、そうだよ?ダマ作って半熟の状態で一枚の卵にしたらフライパンからずらしてさっき作ったケチャップライスの上に乗せるだけだよー」

「本当に簡単なのね…裏技っていうのも納得だわ」

「まあ包んだやり方よりはふわふわしないんだけどね…」

「そ…そうなのね…」

あれ、もしかしてちょっと引いちゃったかな?

ま、まあ。これが私だしなー?

「とりあえず人数分作って盛り付けしちゃおっか!向こうの3人も待ってるだろう事だし!」

「それもそうね!」
「じゃあテーブルの準備の整った事だし食べましょうか!」

「まじっすか!?こ、これを本当に姉さんが…?」

「この間会社で見た先輩の弁当と比べ物にならないな…」

「ふ、た、り、と、も?いらないのかなー?」

ちょっ、麗奈!?顔が笑ってるのに笑ってないよ!?

「ち、違いますよ!上達ぶりに驚いてただけですって!」

「そ、そうっすよ!いくら料理教室行ってもダメだったって言ってたじゃないっすか!」

「そ、そうかしら?それならいいのだけれども…」

うん麗奈ちょろい。

(いやー、本当にアニメと間違えそうなくらいちょろいなー)

「それじゃあ…」

「「「「「いただきまーす!」」」」」

まずは隼人と隆太が一口。

「な、な…なんすかこれ!めちゃくちゃうまいっすよ!?」

「あぁ、卵もトロトロしてて店で食べててもおかしくない旨さだな…」

男性二人は最初に感想を言ってそのあと無言で食べ続けてる。

次に彩華はというと…

「いやー、これが料理教わって最初に作ったものって言われても信じられないくらい美味しいよ〜!」

と、まあみんな高評価でめでたしめでたし…って思ったんだけどね?

「みんな喜んでくれてありがとう。でもごめんなさい…卵は丸められなくてふうに裏技教えてもらっちゃったし、ソースもふうが作ってあったやつを使っただけなのよ…」

ずっと麗奈が俯いてたのって心配だったからじゃなくてそういうことか…

「ねえ、麗奈?私卵裏技って言ったけど、実際あのやり方で出してるお店もあるからね?」

「え!?そうなの!?裏技なんて言われたからてっきりタブーか何かと思ってたわ…」

「そうだねー。それにソースまで作ってたら日が暮れちゃうよー!」

「あぁ、初めてでこれは十分すぎると思うぜ?」

「そうっすよ!もっと自信持つっすよ!」

本当に私もそう思う。

なにせ料理苦手な人が初めて作ったら焦がしちゃったり穴だらけになったり、ケチャップライスだって振ったら落としちゃうくらいなんだから…

「みんなありがとう。すごく嬉しいわ…」

………

食べ終わってからしばらくして私たちは情報交換してた。

「やっぱりあのフウの装備は対策入ると思うわね」

「それは俺も同感だな」

「だねー、今のうちに無双楽しんでおいたほうがいいかもねー!多分だけど生産の境地ってスキル二つ取れる事を想定してないと思うんだよねー」

「無双ってモンスター倒しまくるって事?」

いやいや、私そんな残虐趣味ないよ!?

「まあそうなんだけれども…難しいわね。決闘の場合も最初はいいのだろうけど、噂が広まればみんな受けなくなるのが目に見えているものね…」

決闘ってそれこそ一方的になっちゃう気がするんだけど…

「確かに決闘はえぐいかもな…ただ、この前聞いた噂じゃ次の階層でコロシアムが実装されてるかもしれねーって話だとよ」

「こんなラスボスいちゃトップ狙うのは厳しいっすね…それにこのゲーム課金ないっすもんね」

こんな調子でひたすらラスボス扱いされた私はご飯も食べ終わって麗奈と洗い物してたの。

「ふう、今日は本当に助かったわ!また色々教えてちょうだいね、先生」

「先生もやめてー。あ、そうだ!みんな夜まで空いてる?もし空いてるなら私が夜ご…」

ガタンッ!

私が夜ごはんって言おうとした時テーブルを叩いたのかなんなのかわからないけどすごい音がしたの。

まあ結果から言えばガタンッの正体は彩華だったんだけどね。

「待って!本当に!?それまたふうが本気で作ってくれるの!?」

「おいおい、突然どうしたんだよ!」

「彩華が取り乱すなんて珍しいっすね」

そう、彩華が突然テンション上がって取り乱したのは他でも無い私が原因。

「そのつもりだよー!今日は楽しかったしね、そのお礼も兼ねてって事で!」

「待って待って!それなら私全員分食費出すから!お願いするから作って欲しい!」

「わかったわかった。とりあえず落ち着こ?みんながびっくりしちゃってるから…」

「あ、ごめんね〜ついつい笑」

「それで、どういうわけか説明してもらえないかしら?」

「あ、うん。まあ…彩華が私の手料理が好きすぎるだけなんだけどね?」

その後みんなの頭の上には?がたくさん浮かんでるような気がしたのは置いておいて、結局夜ごはん代を出すって言うこと聞かない彩華から食費を貰って私が夜ご飯作ることになったの。

というわけでまた買い出しに来たんだけど…

「そういえば何料理が食べたい?」

「私は特に無いわね」

「自分もないっすねー」

「俺はふうの得意なジャンルがいいな!初めて食べるわけだしな!」

「それならふうのふうスペシャルにしよ!うちもあれが一番好きだし!」

彩華の言ってるふうスペシャルの説明をするとね、いろんな国の料理を合わせて私が考えた料理を彩華がふうスペシャルって言ってるの。

「わかったー。まだ二時過ぎだし、私が作ってる間の飲み物とかお菓子も買っておいてー」

それから買い物を済ませて私たちは部屋に戻ったの。

みんなには私がご飯作ってる間に待っててもらっちゃう形になるけどここからは私も本気でやらなきゃね!

それから私はコンロ3つをフルに使って、煮ながら、焼きながら、蒸しながら、切りながら、冷やしながら頭と手をフル稼働して作業を始めたの。

今回作るのは、和食を主軸にしてフレンチとかイタリアンとかいろんな料理のいい所を引き出して、掛け算とか引き算とか色々複雑に噛み合わせてコース料理を一品ずつ完成に近づけていったの。

今までみんなワイワイ喋ってたのに、一品目を出して食べてもらった瞬間からみんな黙り込んじゃった。

それから二品目、三品目って順番に出してくんだけどみんな無言。

料理の感想も言ってくれないし、みんなどうしちゃったんだろう?

それから結局最後までみんな無言で食べ切ってようやく口を開いてくれたんだよ。

「いやー、やっぱふうスペシャル食べちゃうと口が肥えちゃうね〜。うちは満足だよ〜!ふうありがとー」

「な、なんて言ったらいいんっすかね…なんというか、語彙力なさすぎなんすけどただただやばかったっすね。次元がぶっ飛んだ感じっすかね?」

「これはあれだな。こういう時こそほっぺが落ちるだの言葉を失うだのの言葉が出て来るやつだな…」

「ええ、どう言ったらいいのかしら。私達の持ってる言葉じゃこの料理をどう表したらいいのか分からないのだけれど…彩華の言う通り今までの料理の常識が丸々ひっくり返された気分だわ」

「びっくりしたよー。みんな食べてる時無言なんだもん、あんまり美味しくなかったのかと思ったよ?」

「「「「それは無い!!!」」」」

みんなが揃って私にそう言うとその後にご馳走さまって言ってくれたし本気で作った甲斐があったってもんだよね!

そのあと少し休憩してたんだけど時計見たらもう21時だったから、今回のオフ会はそこでお開きする事になったの。

それから数週間が経って私達は今コロシアムにいるの。

「アヤカ、今日が第一回なんだよね?」

「ん?そうだよ〜」

「それにしては人多く無い?」

「ああ〜。それはね、3階層に開放されてなくてもコロシアムは来れれるんだってさー」

「あ、そう言う事なんだ」

『それではー!第一回、コロシアムランキング決定戦を開幕いたしま〜す!司会はこの私ー!GMが執り行わせていただきま〜す!』

「なんかあの人前とキャラ変わってない!?」

「GM今日はテンションたけーなー」

なんて言葉がちらほら聞こえて、確かにとか思っちゃったけど気にしない気にしない。

『ランキング戦はベスト10までは別空間で中継ありの総当たり戦となりま〜す!ベスト10からはなんと!この会場で生試合で盛り上がって行こうぜー!っと。そう言うわけで参加者の皆さんは10分後にワープしますので準備の方よろしくお願いしま〜す!!』

わあぁぁー!!!!

って一気に会場が盛り上がった。

私も準備しなきゃ!

今回のルールを簡単に説明すると装備品以外のアイテムの持ち込みが禁止で全員と戦った勝敗数でベスト10が決まるんだって。

その後に10人が生試合でまた総当たり戦してランキングが決まるんだって。

ランキング毎に豪華景品も用意されてるらしいよ!

それから10分経って私含めた約300人が別空間に飛ばされて1vs1の総当たり戦がついに始まったの!
第一回ランキング戦、それは希望者300人の総当たり戦。

イベント限定の加速世界での超大規模戦。

ルールは簡単、相手のHPを0にするのが勝利の条件。

ただし5分をすぎたらHPの割合が多い方が勝ち。

装備以外のアイテムの使用が禁じられてるため、HPやMPの管理が重要になってくる。

現在、戦闘職の平均レベルは50前後と言われている。

上が85、今回参加しているプレイヤーの中での下はレベル30台、そしてフウのレベルは42、いつも一緒にいるメンバーは70台が多い、ジュドラだけ67なのだ。

そんな彼らの戦いの火蓋が切られた。

んーっと、私の第一回戦の相手はっと。

63レベルの人かー。相手がどんなスキル持ちとか本気の人たちみたいに調べたりしてないからなー…

まあ、70前後のみんなと戦えたから多分大丈夫だよね。

「わわっ!?」

視界が…?急に明るくなったと思ったらここ闘技場か!

あれだね、コロッセオだっけ?の形してるね。

鐘の音がなったらスタートなんだっけ?

「はっ、一回戦からついてっやがるぜ!まさかあの生産職のふうかよ。なんで生産職如きがこんなところに居やがるんだよ?ここぁ神聖なランキング戦の闘技場だぜ?生産職如きは街で引きこもって俺らのサポートしてりゃいいんだよっ!」

なんか言ってるけど面倒くさいから無視でいいよね?

早く鐘ならないかなー。

ごーん。

「あ、鳴った」

「いくぜ!俺様のスピードについて来られないだろうから気づいたらキルされて控え室にいると……」

そう言ってこのなんか生意気な人が向かってきたんだよ。

スピードについて来られないとか言ってたけど私見えるんだよなー。

アヤカに言われて隠してた鎌を出してっと。

「そーっれっ!」

「ーーっは!?」

生意気な人が真っ直ぐ私に向かって突っ込んできたから股下に鎌の刃先が入った瞬間に頭に向かって鎌を振り上げたんだよ。

ブーーーー。

始まりの鐘じゃなくてこの音は終わりのブザー。

って事はもしかして一撃!?嘘でしょ!?

もっと楽しみにしてたのになー。速さでの勝負ならまだファイスとやったほうが楽しかったよ?

レベル差20くらいあるんだよね?なんでこうなったんだろう…装備がなぁ。

こうして私の初戦は開幕5秒で幕を閉じた。

はぁーっと大きなため息を吐きながらフウは控え室へと転送された。

控室って確か終わった選手がみんな転送されてくる場所だよね?

もしかして私達二人だけなの?

「ーーひっ!?お、お前さっきのなんなんだよ!お前生産職じゃなかったのかよ!あんなに強いなんて聞いてないぞ!」

「聞いてないよって言われても困るよ?私これでもスキルはほとんど生産職系しか取ってないし…それに自慢じゃないけど私そんなに戦闘上手くないと思うよ?」

「ーーなっ!?お前どの口がいいやがる!」

そんな時誰かが転送されてきたんだよ。

大量発注があった白と赤の巫女服に少し似た鎧を纏った人。

しかも一人分だけその鎧に龍っぽさを出して欲しいと頼んで来た素材も見た目も違う鎧を身に纏った人がいた。

「こ、これはフウ様!?お疲れ様です!」

「ん?お疲れ様です」

「何やらお困りのご様子ですね!私めにお任せくださいませ!」

「は、はい…?」

なんか私に対して執事みたいな態度のその人は私に怒鳴りつけてた人を連れて去って行っちゃった。

それからいつものみんなも戻ってきて徐々に人が増え始めてきた。

「そうだ、アヤカ。あの固まってこっち見てる赤と白の鎧の人たちなんなの?さっき私が絡まれてた所2回も助けてもらったんだけど?」

「そっかー、フウは知らないんだったよね。前に話してたファンクラブの人たちだよ~。ギルド『フウ様親衛隊』っていう…」

最後笑い堪えながらギルドの名前言ったよね!?

「そ、そんなのがあるんだ…」

「そうっすね、自分もあそこまで集団になってるのは初めて見るっすけど…」

「なんでも人数は100人余裕で超えてるらしいわよ?」

「な、何それ…ちょっと怖い」

私芸能人じゃないんだから…

それから1回目の5分が終了して2回目の転送が始まったの。

「フ、フウ様!?お会いできて光栄です!『フウ様親衛隊』でサブマスターをしてるカウシェラと申します。あぁ、ついにこの日が来たのですね!!私にとってフウ様にやられる事がどれほどありがたき事かっ…!」

私の次の対戦相手はさっき団体でいた私の親衛隊らしく、顔を赤らめてはぁはぁしながら私に攻撃される事が嬉しいと叫ぶ変態だった。

「はっ!すみません!私としたことが興奮を抑えられずフウ様の前で何とはしたない事を…如何様にも罰して下さいませ!」

面倒くさいなー。

親衛隊全員がこんな人ばっかりじゃないといいんだけど…

「じゃあ素直に殺されないで、ちゃんと私と戦ってよ。親衛隊なら私をがっかりさせないでね!」

(はうぅ!何と素敵な微笑み!私のために微笑みかけていただけるとはっ!これは何としてもフウ様のご期待に応えなければ!)

ごーん、と鐘がなり杖を構え、詠唱を始めるカウシェラ。

「戦ってくれるの嬉しいな!それじゃあ行くよっ!」

鎌を構えて猛スピードで突っ込んでいく私。

今回はカウンターじゃないから鎌を左から右へ時計回りに振りかざして体を捻って回転させて遠心力も使ってみよう!

鎌が左から右へ振りかざされると同時に体を一回転させる私。

詠唱中に攻撃されそうになってるのに満足そうな満面の笑みを浮かべるカウシェラ。

攻撃を終えて私がカウシェラの後ろで振り返るとブーーーという音と共にありがとうございますと言いながらカウシェラは可愛く笑い消えていったよ。

「はぁー、なんかトラウマ残りそう」

そう言いながら私も会場を後にした。

3回、4回…22回、23回って進んでくうちに1~3回攻撃するだけの戦闘にも飽きてきちゃったなー。

今までよりまともな戦いができたのは100回を超えたあたりで出会したファイスとの戦闘だったよ。

「フウじゃないっすか!?」

「ファイスさっきぶりー」

「お、お手柔らかに頼むっすよ?」

「え、私さっきまでの戦闘あんまり楽しく無かったからファイスとは楽しみたいんだよねー」

「ほ、本当にお手柔らかに頼むっすよ!?」

ごーーん。

「いっくよー!」

ファイスの戦闘スタイルは素早さに特化してて手数で稼ぐタイプ。

先に仕掛けても躱されちゃうけどそれでも立ち止まってるよりかは全然良いから動いたけど…

この間の訓練場では躱されちゃった後は慣れなくってファイスの攻撃を頑張って目で追いながら攻撃を弾いたり避けたりするしかできなかったんだけど…

今は違うんだよねー。つまらなかったって言っても無駄に100回以上戦ってきたわけじゃないって事なの!

STR特化の力任せな戦い方で相手の盾破壊とかフィールド破壊をしながら戦う練習をしてみたり、VITとMND特化の防御任せな戦い方で一歩も動かずノーダメージで耐え抜いて反撃する練習をしてみたり、INT特化の魔力任せな戦い方で付与全種バフ、デバフに加えて魔力操作で体に魔力を纏いながら戦う練習をしてみたり、AGI特化の素早さ任せな戦い方で相手の攻撃を交わす練習をしてみたり、逆に素早さで翻弄させる戦い方も練習してみたりしてどのやり方も20回以上練習して来たから今までの私とは一味違うよ?

まずは私に全部バフをかけて、ファイスにはデバフを。

魔力を濃縮させながら全身に纏ったらファイスを追いかける感じでスピードを調整して追いかけたんだけど、ファイスがスキルを使って一気にスピードを上げると壁を蹴ってそのまま反転してこっちに向かって来たの。

「今度はこっちがいくっすよ!」

私はファイスの攻撃見極めて、ギリギリの所で無駄がないように躱して、力を入れるタイミングとか力を入れる方向を決めて攻撃を躱した絶好のタイミングで反撃を仕掛けたの。

まあ、ファイスも元々素早さ特化だから完璧なタイミングで攻撃しても躱されちゃったの。

でもそれも予想済み。

私が力を入れた方向は下向き。

そう躱されるのを予想してフィールド破壊の衝撃波でファイスの体制を崩す事に成功したの!

「ま、まじっすか!?」

その瞬間に私は2回目の攻撃を仕掛けにかかるわけなんだけど、みんなと戦った後にライムといっぱい練習した鎌術の連続攻撃。

まずは振り下ろした時は2パターン考えたの。

1つ目は鎌に魔力を纏わせておいて地面に当たる瞬間に魔力をクッションにして、鎌を一瞬で回転させて振り上げの攻撃に移すやり方。

2つ目は振り下ろした時に鎌が地面に刺さらないようにして鎌の刃の根本を軸にして私がジャンプして、敵の後方に回って次の攻撃に移行するか、空中から再度攻撃を仕掛けるやり方。

振り上げの時は私の後方まで振り上げてピッケルみたいに反動を利用して次の攻撃に移行するやり方と、振り下ろしとは逆に後ろに飛んで再度攻撃をするやり方。

左右のなぎ払いの時はさっきやった回転してなぎ払った後に反対側になぎ払うやり方と、なぎ払った後に持ち手側の方で突き攻撃をするやり方。

手持ち側の突き攻撃からは振り下ろしを、鎌側の突き攻撃からは振り上げに連携させるのがやりやすかったよ。

そんなわけで5回くらい連続で攻撃したら終了のブザーが鳴ってファイスとの戦いが終了した。

「いやー、前戦ったときとは比べものにならなかったっすねー…手も足も出なかったっすよ?」

「お疲れー、無駄に100回以上連勝してないからねー」

「まじっすか!?自分これで負けたの3回目っすよ…」

「私も運が良かっただけできっとどっかで負けちゃうよー?」

「それはないっす!って言いたいところっすけど1人やばいのがいるので注意したほうがいいっすよ?」

そんな話をしている中、休憩室の隅っこでフウの戦いを見ていた1人の女性がいた。

「ふふっ、あの子面白そう。あの子ならもしかしたら…」
私がファイスに勝ってからしばらくして、状態異常攻撃を操るレイナには全状態異常軽減を持ってたから勝つことが出来たし、ジュっくんはSTR型な上にユニークシリーズが無いから難なく勝つことが出来た。

ただ問題はアヤカ。

一言で言うとこの戦いが最後を除けば一番苦労した戦いになったの。

なんでかって?私に勝つためにアヤカが神具を手に入れてた事を黙ってたからなんだよね…

後から聞いた話によるとなんでも災禍の覇龍ってボスを倒したらしくって『空統ベル覇龍』の神具シリーズを手に入れてたらしいの。

これも後から聞いた話なんだけど、私あんまりランキングとか気にして無かったから知らなかったんだけど、アヤカ実はランキング2位だったらしい…

そんなわけで何にも知らない私はここから天才プロゲーマーの本気を身をもって体験することとなった。

例の如く待機エリアから闘技場に向かうと目の前にはアヤカの姿があった。

「あちゃー、ついにフウと戦うことになっちゃったかー」

「私も来ちゃったーって感じだよ?それよりアヤカその防具どうしたの?」

アヤカが身に纏ってたのは、全体的に白寄りの水色の竜鎧。

「あー、これね〜!このイベントで使うのが初めてだからみんな知らないんだったね!」

アヤカがそう言うと鎧が急に色々纏い始めたの!

青白くバチバチと光る二本の角、小さい竜巻みたいなのを纏った大きな爪、翼膜水みたい変わって骨格には氷を纏った横に広がる翼、触れた地面がマグマに変わる程熱を持った細長い尻尾。

ただ唯一変わらなかったアヤカの両腰にある長剣も気になるけど…

「こんなことが出来ちゃうフウと一緒の神具『空統ベル覇龍』のシリーズだよ〜!」

稲妻、風、雲、雨、雪、雹、気温とか色々天気を全て自在に操れる災禍をも生み出す起源とも言える能力なんだよねー…

私…こんなのと戦わなきゃいけないの!?

そんな話をしてたら始まりの鐘が鳴り、レベル差130以上を生み出す巫女天使の神具と、あらゆる災禍を操る覇龍の神具、ついに今戦いの幕が切って落とされちゃったの!

「それじゃあうちから行くよっ!」

アヤカがそう言った瞬間、空を真っ黒な雲、中で轟く稲妻、寒くて凍えそうな気温、雪と雹も同時に降って来るしどうなってんの!?

「次はこれだよ!」

アヤカが剣を抜いた瞬間、来ると思った私は鎌を構えたんだけどなんでか左手に持ってた剣を地面に突き刺し始めたの。

なんかやばいと思ってアヤカを止めようと突撃した時にはもう遅かったの。

地面が地震みたいに揺れ始めて、それを回避するかのように私が足に付いてる跳躍と、翼についてる飛翔のスキルを使って空を飛んだ時、私の視界に目を疑う光景が広がった。

闘技場全体が赤く染まり始めたと思った次の瞬間、山でもないのに地面からマグマが吹き出してきたの…まあ、噴火だよね、うん。

寒いのに暑いっていうよくわからない気温で空には黒雲と絶え間なく落ちる稲妻、地面にはたまにマグマが噴き出す火口で覆われてて…これどこの地獄だろう…私飛べなかったら死んでたよ?

「どう?これだけじゃないけどすごいでしょ!うちまだこの装備で本気で戦ったことないから、フウとの戦いが楽しみでしょうがなかったんだよね〜!それに、フウだってまだ本気で戦ったこと無いでしょ?」

「………どういう事?」

「うちの勘だけどまだフウ、スキル使った事ないでしょ?翼生えてるからなんとなくはわかってたけど飛べるのだって知らなかったわけだしね〜」

バレてる…

私がこの装備になってから特殊能力の『生産の境地』とHPとMPの自動回復効果の話をして戦ったりはしたけど、『重力操作』『空間操作』『魔力放出』『跳躍』『飛翔』のスキルに関してはライムとの練習以外では今まで一回も使った事なかったんだよね。


『生産の境地』は根本的なステータスを底上げするスキル。

『HP継続回復』『MP継続回復』は文字通りだよね。

『重力操作』は文字通りなんだけど、一定空間、もしくは対象の重力を操作したり、武器を軽くしたり重くしたり、後は私の重さも変えられるの!

まあまだ小だから振り幅は小さいんだけどね…

『空間操作』は空間を歪ませて姿を見えなくさせてみたり、転移をすることもできるようになるみたい。

『魔力放出』は『魔力操作』今まで自分とか自分の持ってる武器に纏わせたり自分から魔力を切り離せなかったのが、鎌に魔力を乗せてかまいたちみたいに遠距離に飛ばせるようになる能力みたい。

『跳躍』はジャンプする力を強化してくれたりするみたい。

『飛翔』は文字通り飛べるようになる。

これが一番嬉しいよねー!

自由に空を駆け回れるって凄くない!?

まあ翼あって今まで楽しかったのに救われたなんて思ったのは今が初めてなんだけどね…

ここから私とアヤカの熾烈な空中戦が始まったの。

今私の目の前にいるのは圧倒的な力を持って、天候とか天災を操るまさしく覇龍そのもののアヤカ。

まず私が対抗するために使ったのは魔力操作で全身に魔力を纏って身体強化みたいにする。

次に私自身と鎌の重力を軽減、空間操作で空中を蹴れるようにしたらアヤカに向かって全力で跳躍。

最後にアヤカの目の前まで来たら空間操作でアヤカの後ろに転移して鎌を振り下ろす。

振り下ろした瞬間に鎌の重力を増大させて一気にしとめにかかったの。

流石のアヤカも警戒してたとはいえ、この攻撃は防ぎ用もなく直撃。

「なかなかやるね〜!そんなことまでできるようになっちゃったんだー…今ので体力半分以上持ってかれちゃったし本当にラスボスって感じだねー。まあ、このままやられっぱなしはなんだし、次はこっちから行くよっ!!」

その瞬間、アヤカの二つの剣から放たれた二つの異なる光。

なんとか空間転移で避けようとしたけどそれも叶わず直撃とまではいかないけど被弾しちゃったの。


「今のなに!?私よけられなかったんだけど…」

「んー、フウだから教えるけど…片方は超圧縮した高濃度なプラズマと水素と酸素の爆発だよ!」

「水素と酸素って理科の実験とかでやるやつ?」

「そうそう!それを超圧縮して高濃度にしたあと爆発の方向性をいじっただけだよー」

「なにそれ怖いんだけど…でも、負けないよ!」

「うちこそっ!」

そこからは無言の攻め合いが始まっちゃって…

かれこれ体感では1時間以上経ったんじゃないかって思って確認するとまだ3分しかたってなかったの。

「はぁはぁ…な、なかなかやるね、うちはフウが強くなってくれて嬉しいよ…」

「私こそ、今までサポート側だったからこうやってアヤカと戦えるの凄く楽しい!」

私がHP残り半分くらい、アヤカはもう残り少ないと思う。

「私今すっごく楽しい!だからこうやってアヤカともっと戦ってたいけど…」

「うん、そろそろ時間だね〜。みんな待ってるだろうし、決着つけよっか!」

アヤカは自分の周りに、火、マグマ、水、氷、風、プラズマ、圧縮空気、雷、の玉みたいなのを作って二つの剣を構えて高速で私の方に向かってきた。

私は、鎌術の5連斬を使って最初と同じように空間を跳躍で飛んでアヤカの方に向かった。

飛ばされた斬撃を空間転移でアヤカの上左右前後に転移させて私はアヤカの下に転移。

その瞬間、ごーんという音がして決着がついたの。

「はーあぁ。負けちゃったかー。うちら最後だから転移後すぐに次の試合だと思うからアドバイスしておくけど、今のフウの攻撃のレパートリーだとあの子には勝てないかもしれないから気をつけなねー!」

ってアヤカが消えながら去って行っちゃったの。

同時に私も消えて、そのまま次の試合に行く事になった。

また一撃で終わっちゃって、控室にいるとアヤカが戻ってきたからさっきの言葉の意味を聞いてみたの。

「ねー、さっきのあれってどういう事?」

「ん?あー、じゃああんまり話すとネタバレになっちゃうから少しだけね。うちが全然歯が立たなかったランキング1位の子の事だよ。戦闘経験少ないから仕方ないのかもしれないけど、フウはまだ先読みしたり駆け引きみたいな頭脳戦があんまり得意じゃないっぽいから、その子と当たったら今の攻撃パターンの数で教科書通りみたいに戦ってたら負けちゃうかもしれないよーって事!」

「そんなに強いんだ!」

「そりゃランキング1位だからね〜!2位のうちですらHP半分削れなかったんだからね〜」

私は驚きよりも楽しみと思っていた自分に後悔する事になる。

その試合はラスボス戦というかのように最終戦で顔合わせする事になった。

この戦いが過去最悪の敵であんなに苦戦するとも知らずに私は凄いワクワクしながら闘技場の通路を歩いて広場に向かった。
光差し込む通路を抜けて、円形に整地された闘技場に入った私。

ここで最後の戦いが始まるんだよね!

楽しみでしょうがないよ〜。

そんな事思ってたら、前から出てきたのは私と同じくらいの身長なのに出るとこ出てる…ごほんっ!

光を浴びて煌く透き通った白銀の髪を腰下まで降ろして、純白のローブに水色の飾りや刺繍が入った姿の女の子だったの。

いけないいけない、ちゃんと挨拶しないとだよね。

「あ、初めまして。フウです!よろしくお願いします!」

「ん。ファセリア。負けない」

お互い自己紹介が終わったと同時に、試合開始の鐘が鳴ったの。

その瞬間、だったの。

「…ニブルヘイム」

ファセリアが何かぼそっと言ったなって思った瞬間、空気が極限まで冷やされて、なんか結晶降ってきたし、闘技場全体は凍って一瞬にして白銀の世界に変わっちゃったの。

これがアヤカから聞いてた凍結っていう状態異常なのかな?

まあ私の場合状態異常軽減付いてるから動けなくはならなかったんだろうけど、寒いとかそんなレベルを通り越してもう瞬間冷凍されてるみたいに全身痛いしじわじわHP減ってくし…

まあでもHP自動回復も付いてるからほんとに少しずつしか減ってかないんだけどね。

「これ。平気なんだ。びっくり」

「は、ははは…」

こんなのどうやって勝つの!?

アヤカも今まで通りじゃ勝てないってこういう事!?

なんて呑気に私が考えてたら。

「…ヘル・バレー」

その瞬間地面が割れて巨大な谷が出来て、そのまま私も落下。

やばっ、どうにかしなきゃ!

バレーって事は谷だよね、って事は飛翔で浮けば完璧!

体制も立て直せて、これから登るぞって時に息つく暇もなく立て続けに攻撃をしてきたの。

「…アバランシェ。…コラプス・クリフ」

「きゃーーー!」

もー!次から次へとなんなのもう!

雪崩のおまけに崖壊すってやめて欲しいよね。

やばいなー、HP半分くらいまで一気に削られた…

これは確かにステータスとスキルでゴリ押ししても勝てないよねー。

飛翔は空飛ぶでしょ?跳躍は蹴って加速するでしょ?重力操作と空間操作を組み合わせてどうにかするしか無いよね…

とりあえずアヤカに使ったやつ一通り使うしか無いか!

戦いながら考えるしか無いよね!

「これも平気。びっくり。あなた面白い」

「あんまり嬉しく無いけど、ありがとう!」

お礼を言いながら空間魔法と釜の斬撃を兼ね合わせて死角から不意打ちさせる技を命中させたんだけど…

今のでHP半分減っちゃうの!?

「不覚。あなたも。回避だけ。違うのね。あの子の。言う通りだわ」

「あの子ってアヤカの事?」

「そう。あの子も楽しかった。けど。あなたの方が。面白いわ」

「アヤカそんなこと言ってたんだ…」

「そろそろ。もう決着。つけるわ」

そう言って、多重詠唱って言うんだっけ?なんか物凄い数詠唱始めたの。

氷で出来た塊に弓に槍に剣に…ざっと百は超えてそうなんだけど…

「いくよ。トラッキング・ダンス」

ファセリアがそう呟いた瞬間全部が私目掛けて一直線に飛んできたの。

逃げても逃げても追いかけ回してくる百を超える氷。

こんなの無理だって〜…

ん?一直線に飛んでくるんだよね?

障害物あったらどうなるんだろ?

試しにやってみよっと!

鎌を地面に向かって本気でえーい!

私が鎌を当てた所を中心に円形状に大地が割れてそのままの勢いで破れたい地面の破片が宙を舞ったの。

そのまますかさず重力魔法で操れば…

出来た!名付けて即席ロックブラスト!

これを私の前に集めて巨大な岩を作ってっと。

岩ができた瞬間私は目を疑う光景を目の当たりにしちゃったの。

貫通してきちゃったよ!?

まあでもこれでわかったね。避けてくるんじゃなくって一直線に追尾してくるってこと!

って事はつまり…

そのまま私は再び破壊された地面の破片を縫うように転移を繰り返してファセリアの背後に気付かれない様に転移することに成功したの。

本当は一回で転移できればいいんだけど、まだまだレベルが上がってないからね…

よし!

ファセリアの近くまで転移できたし、次はファセリアの周りをランダムに全方位転移を素早く繰り返したら…

できた!これで私向かって飛んでくる氷の武器がファセリアの周り全方位埋め尽くしたね!

「これは。少し。想定外かも」

これでどうだ!って思ったんだけど…

私の逃げ道まで無くなっちゃったよ!

確か四面楚歌って言うんだったよね…

これもうギリギリのタイミングで転移するしかないね…

来る!3、2、1…えいっ!

そのまま全部ファセリアに直撃したんだけどまだ少しHPバーが残ってたの。

これはまずいって思って跳躍使って一気に距離を縮めよう。

それから転移ですぐさまファセリアの後ろに移動して…

最後にファセリアの首元に鎌を当てたの。

「はぁ、はぁ…これで、私の勝ちだね…」

「そう。ふふふ、もっと遊びましょ?」

今まで表情を変えなかったファセリアが急に楽しそうに笑い始めたと思ったら急に魔法が発動したの。

「これ。使うの初めて」

「な、なにこれ…」

なにがやばいって動きが遅くなってるんだけどたぶんそんな簡単な話じゃない!

「説明。欲しい?これ。エネルギー凍結結界。ヘル・コキュートス」

やばいやばい、なんかHPもじわじわ減ってるしこれは早く決着つけなくっちゃ!

「これで。今度こそ」

まずいってまた多重詠唱始めちゃったよ、転移で後ろに…

えっ…?転移できない!?

これもこの結界のせいなの?

これはもう打つ手なしかな…

「さようなら。トラッキング・ダンス」

流石に諦めちゃって、思わず目を閉じちゃったの。

なにも考えられなくなってたんだけど、なんかおかしいと思って目を開けたら目の前にはライムとライムから伸びた手の先に、私とライムを庇ったであろうバキバキに崩れ落ちた卵の殻の破片が残ってたの。

「え…?ライム!?なんでここにライムがいるの!?っていうかなんで卵持って…それってあの時の神鳥の卵じゃないの!?」

「フウ、だいじょうぶだよー?うえにいるよー!」

ライムがそう言ってすぐ私は上を見たの。

そこにはその卵から出てきたのかと疑うような大きな影があったの。

私が気づいたのに気づくとその大きな影は急降下してきたの。

降りてきた影はたちまち姿を変えちゃって人型みたいになってたの!

「ままーーー!!!」

「ま、まま!?っていうかもう人型になれるの!?」

急降下して私に抱きついてきた少女は体格は小学生高学年くらいかな?

白から青へとグラデーションされたサラサラの長い髪を靡かせて、サファイアみたいに真っ青で綺麗な瞳を輝かせながら私に話しかけてきたの。

《『神鳥の卵』よりエンシェント・エルニクスが生誕した為、従魔契約が成立しました》

「ねぇ!ままー!名前は?私の名前!」

「え!?えっとー…」

今思い出したけど、私戦ってる途中なんだよね…

えーーっとー…

エンシェント・エルニクスだよねー。

うーん…エルク?エルス?違うなー。

いっその事エルとか?

なんかライムの時も名前から取ってたけど大丈夫だよね?

「じゃあエルでどう?」

「うん!エル、エル…私はエルだよー!」

喜んでもらえたみたいでよかった!

って、服服!!

とりあえず初期装備だけど裸よりは全然マシだよ!

「エルとりあえずこれ着れる?」

「わかったー!えへへ、ままの匂いがするー」

私の初期装備に顔を埋めた後安心した表情で私ににっこり笑ったの。

「か、かわいい…」

思わず声に出ちゃった…って!

「悠長に名前決めてる場合じゃなかったよ!?」

ってあれ?まだ一瞬すぎて周りの煙晴れてなかった…

「エル、この煙吹き飛ばせる?」

「できるよー!えーーーいっ!」


………


「はぁ、はぁ、はぁ…」

あれで…倒れて…もう…MPが…

「なっ影!?」

消えた?なんだったの。今の。

まだ。生きてるの?あ、煙が…


………


「なんで。子供が二人…?」

(もう。HPも。MPも。ほとんど。ないのに…あんなの。勝てない、よ。)

「あ、二人戻しておくの忘れてた…」

「二人ともごめんね。私今あそこにいる子と戦ってるから一回戻っててもらってもいい?」

「わかったのー!」

「えぇー。せっかくままと会えたのにー…」

「フウの言うこと聞かないとダメなのー」

「はーい…」

「ごめんね。また後でいっぱいお話ししようね!」

(消えた。人じゃない。従魔なの?)

「ごめん。お待たせ!」

「構わない。あの子達。従魔なの?」

「そうだよ。それより、試合再開しよっか!」

「その必要は。ないわ。MPの尽きた魔法使い。なにも出来ないから。時間もないわ。早く。トドメを」

「う、うん。わかった」

「次は。本気のあなたと。戦ってみたいわ」

「ん?私本気で戦ったよ?」

「違う。従魔師は。従魔も参加できるのよ」

え?今なんて言った?従魔も参加できるの!?

聞いてないよ〜…

あ、でもよく考えればそうしなきゃ従魔師のスキル以外で戦闘できない人が参加出来ないもんね。

「そうだったんだ…」

「うん。それより。時間ない」

「あ、ごめん!それじゃあ楽しかったよ!」

「私もよ…」

そう言って消滅エフェクトと共に消えたファセリアを追いかけるように私も控え室に転移したの。

そういえば後で知ったんだけど、あのヘル・コキュートスって技、ファセリアのHPが10%を切ると発動するスキルらしいの。

なんでも、
 自身に全ステータス30%アップ
 相手に全ステータスが30秒で10%減少
があってバフ、デバフ関係は、あらゆるエネルギーが凍って
 相手に光が届きにくくなる関係で自身に認識阻害効果
 相手に対して移動阻害
 絶対零度が発生して毎秒1%のHP減少効果
なんかががあるらしいよ。

しかもレベルがあってまだまだ強くなるんだとか…

どう考えてもおかしいでしょ…

そんなこんなで控え室に戻った私たちだったんだけど、待ってたのは本戦じゃなくてエンディングムービーだったの!

『えー、おほんっ。盛り上がってる所申し訳ない。本来ここから本戦だーっ!っとなる所だったんですが。あれ、結果出ている試合を再戦する意味が無いなと気づきました為、私どもでまとめさせていただいた見所映像総集編とエンディングムービーをもって終了とさせていただきたい次第です』

「ま、まあそうだよな…」

「あんなの厄災みたいなものよね…」

「ああ、また死神と戦うのはちょっとな…」

なんていう声が聞こえたけど死神なんていたかなーとしか思ってなかったの。

この時の声がまさかあんな結末にするなんて思ってもいなかったよ…

それからまとめ映像が流れた後、エンディングムービーでランキングと報酬が発表されたの。

結果だけ言うと、1位が私、2位がファセリア、3位がアヤカ、4位がレイナ、ファイスが13位でジュっくんが21位って結果になったよ。

『それではみなさんお待ちかね!報酬タイムだーーー!』

流石に今までで一番大きい歓声だね!

もういっそうるさいよ…

『下から順番に発表していきまーす!!!』

  順位 100位〜76位
  報酬 称号『ファイタークラス』
     闘技コイン『1枚』 ゴールド『1万G』

  順位 75位〜51位
  報酬 称号『グラディエータークラス』
     闘技コイン『3枚』 ゴールド『3万G』

  順位 50位〜26位
  報酬 称号『レンジャークラス』
     闘技コイン『5枚』 ゴールド『5万G』

  順位 25位〜11位
  報酬 称号『チャレンジャークラス』
     闘技コイン『10枚』 ゴールド『10万G』

  順位 10位〜4位
  報酬 称号『マスタークラス』
     闘技コイン『30枚』 ゴールド『30万G』

  順位 3位
  報酬 個人称号 『   』 称号『闘技ノ龍王』
     闘技コイン『50枚』 ゴールド『50万G』

  順位 2位
  報酬 個人称号 『   』 称号『闘技ノ霊王』
     闘技コイン『100枚』 ゴールド『100万G』

  順位 1位
  報酬 個人称号 『   』 称号『闘技ノ神王』
     闘技コイン『500枚』 ゴールド『500万G』

『そして更になんと!1位の方には限定称号に付随した限定装備が贈られます!それではまずは限定称号の発表から参りましょー!まずは第3位のアヤカさん。空を支配して天候を操り天災を生むその姿を讃え『空の支配者』を進呈します!続きまして第2位のファセリアさん!ニブルヘイムや氷の武器の操作など氷に特化した戦いが素晴らしかったですね!極め付けは最後のヘル・コキュートス。あれはやばいですね、文字の如くまさしく地獄そのもの!そんな姿を讃え『氷獄の大魔女』を進呈します!最後は、第1位のフウさん。まあ、みなさんご存知の通り化け物でしたね。純粋な力もなのですが、可愛らしい装備からは想像もつかない攻撃とそれを補う数々のスキル!装備から取って巫女や天使なんかの名前を組み込もうかとも思ったのですが、プレイヤーの方々から厄災という言葉や死神という言葉が数多く聞こえてきたので『厄災の死神』を進呈させていただくこととなりました!』

「なんでそうなっちゃうの!?」
私がログインしてすぐに、ピコンッて通知の音がしたから確認してみたの。

で、そこに書いてあった内容なんだけど、要約すると…

運営からの調整メールとそのお詫び
ランキング選の報酬

の二つだったの。

それで、調整の方は両方とも私だけに送られてる通知みたいなんだよねー。

闘技場の報酬はランキングで違うからわかるんだけど、なんで修正の通知が私だけに?

まあ読めばわかるよね!



いつもご利用いただきありがとうございます。
この度、先日のランキング戦におかれまして発覚いたしました不具合について説明させていただきます。

現在、プレイヤーネーム『フウ』様が所持されている
スキル『生産の境地』についてですが、
専用武器である鎌との親和性が高かったようで
本来二つ所持できないスキルが重複してしまう
不具合を確認いたしました。

フウ様の努力によって得られたスキルではありますが
ゲームバランスの崩壊を招いてしまうと共に
今後のフウ様がゲーム攻略をより楽しんでいただく為
修正させていただく事になりました。

今回の不具合の補填についてですが、
天巫女の神鎌に付与されている『生産の境地』を天巫女の小太刀との連携能力としまして『生産の神業(生産時低確率で特殊能力を付与)』へと修正させていただきました。
また、初代ランキング戦王者限定装備の能力を出来うる限りで上方修正させていただきましたのでご確認いただきたく思います。
こちらはおまけなのですが、フウ様の所持されております特別訓練場に闘技場で開放されたコンテンツと同様のものを設置させていただきました。
詳細につきましてはランキング戦の報酬通知を見ていただければと思います。

これからもアイディアル・オンラインをよろしくお願いいたします。



ま、まあそうなるよね。

レベル130も盛れちゃったらバランス崩壊もいいところだよね…

まあそれは置いといて、次は本命の報酬だね!



この度、第一回ランキング戦第一位を獲得されました事、心よりお祝い申し上げます。

つきましては、下記報酬を贈呈させていただきます。

個人称号『厄災の死神』
 能力『称号セット時、全ステータス20%』

称号『闘技ノ神王』
 能力『称号フレームが金の王冠に変更可能』

闘技コイン『500枚』

ゴールド『500万G』

限定装備『厄災の死神シリーズ』
●死神の鎌
 評価 : 10
 能力 : 魂を刈り取る一撃『低確率で即死攻撃』
 特殊能力 : 厄災『全身装備時+ソロプレイ時+イベント、闘技場使用不可』『全ステータス+50%、物理・魔法攻撃20%軽減、全状態異常無効』

●死神の骸面
評価 : 10
能力 : 死神の恐怖『確率で相手に恐怖、威圧の状態異常を付与する』
特殊能力 : 厄災『全身装備時+ソロプレイ時+イベント、闘技場使用不可』『全ステータス+50%、物理・魔法攻撃20%軽減、全状態異常無効』

●死神のローブ
評価 : 10
能力 : 存在の消失『無音、無臭になり存在をも消す』
特殊能力 : 厄災『全身装備時+ソロプレイ時+イベント、闘技場使用不可』『全ステータス+50%、物理・魔法攻撃20%軽減、全状態異常無効』

●死神の浮遊靴
評価 : 10
能力 : 死せし者の宿命『浮遊状態となる』
特殊能力 : 厄災『全身装備時+ソロプレイ時+イベント、闘技場使用不可』『全ステータス+50%、物理・魔法攻撃20%軽減、全状態異常無効』



うん。凄いね…

使える状況の制限があるとはいえなかなか強いんじゃないかな?

まあ、現状だと天巫女シリーズの方が強そうだから試運転したら倉庫行きかなー。

大器晩成型って感じかな?

ピコンッ

あ、アヤカからメールだ。

《今から大物ゲスト連れてフウの家行くね!》

来るのは全然いいけど大物ゲストって!?

それからしばらくしてアヤカが来たの。

「やっほー。来ちゃった!」

「おはよう。それより大物ゲストって誰なの?」

「ん、おはよう」

「ファセリアさん!?」

「そ!付き添ってほしいって言われて連れて来ちゃった」

そんなてへっって顔されても…

「それでファセリアさんはどんな用事?」

「ん、フウに用事があって。ふたつ」

な、なんだろう…

「ギルドに、その。入れてほしい。一つ目」

「私の?大丈夫だけど、ギルド入ってなかったんだ」

「ん、私に勝った人に、入れてもらうつもりだった」

「なるほどね。そういう事なら全然大歓迎だよ!それで二つ目は?」

「ん、本気のあなたと戦いたい」

「あの時も言ってたもんね!いいけどその前にエルの服作っていい?」

「大丈夫」

「フウ、エルって?」

「あ、もしかしてあの時も土煙で見えてなかったのかな?神鳥の卵がファセリアと戦ってる時に羽化したの!」

「なるほどねー」

「ライムー、エルー!」

「フウー!」

「ままー!」

私が呼び出したらすぐに出て来て抱きついてくるライムとエルがすっごくかわいい!

「改めて紹介するね。エンシェント・エルニクスのエルです!エル、自己紹介できる?」

「うん!えーっと、エ、エルです!…」

「アヤカだよー!よろしくねー」

「ファセリア。よろしく」

「じゃあエルのお母さんからの遺言もあるし、装備作っちゃおっか!」

まずは素材の確認!

零天鳥の素材みたい。

嘴とか羽毛、皮とか骨なんかがあるみたい。

お肉もあるみたいだけど、これはエル的にはどうなんだろう…?

あとは…

零天タル神鳥ノ冠毛と零天タル神鳥ノ天翼。

貴重品に分類されてて使えないみたいだけど明らかにやばいやつだよね…

まあ現状どうにもできなし、いっか!

「これから作り始めるけど、アヤカとファセリアの二人はどうする?」

「うちはレベル上げに行くかなー!フウに負けちゃったし…」

「邪魔じゃなければ残る。見てみたい」

「わかった。ライムとエルは下で遊んでおいでー!」

「「はーい」」

じゃあ始めますか!

どうしよう?

ひとまず羽毛の一部を錬金術を使いつつ魔力を編み込みながらで糸に変換して。

残りの羽毛は後で使いたい事があるんだよね!

腕当てには皮と嘴使おうかな!

服はドレス風のローブにしてー。

あとは皮で靴、羽毛でアクセサリー作ってー、骨は溶かした後インゴットにしてライムの鎧でも作ろうかな。

あ、インゴット化してから錬金で糸にしてエルのローブに刺繍みたいに模様刻もうかな!

最初は一番時間かかりそうな骨のインゴット化からだね!

それじゃあ実験開始!

まず骨を炉に入れて、どれくらい熱したらいいか試してみよう。

骨自体は白いからとりあえず鉄と同じ容量で赤色になった時ともう少し高温のオレンジ色になった時で試してみよう。

……うーん。

どっちも失敗だなー。

ハンマーで叩いた瞬間粉砕したよね…

こりゃ本腰入れてもっと熱々にしないとダメかもね!!

それから色が白くなるまでやって試してもだったから、さらに高温を試す以外ないよね。

まあ、白より先色が変化するかはわからないし、逆に熱で崩れちゃう可能性もあるしね。

なんて思った側から粉砕したよね…

どうしよう…?

うーん、急激に温度上げてみる?

でもなー、ダメな気がするんだよねー。

それかあえて冷やしてみる?

ボスが使ってたの氷系だったしね!

確かエルが使えたはずだから地下の特別訓練場に行こうかな。

そこから私は二人が遊んでる地下7階の特別訓練場に向かったの。

中に入ったらライムとエルが遊んでるかと思ったんだけど、まじめに二人で戦闘訓練みたいな事しててびっくりしたよ…

まあ、あの二人はあれで遊んでるつもりかもしれないんだけどね。

「エルー!ちょっとお手伝いお願いしてもいいー?」

「ままー!いいよー」

「フウー、終わったのー?」

「ううん、上手くいかなかったからちょっとエルにお手伝い頼みに来たの」

それで私たちは鍛冶場に戻って作業に取り掛かったの。

「じゃあエルこれを冷やしてもらってもいい?」

「はーい!」

そう言ってエルは骨に向かって氷系統のブレスを吐くと、周りにダイヤモンドダストみたいにキラキラしてて、でもすごく眩しく輝き始めたの。

しばらくしたら輝きも収まってきて、ようやく中がどうなってるか見える様になってきたんだけど、ついにインゴット化に成功したの!

「エル、大成功だよー!」

「ほんと?ママの役に立った?」

「もちろんだよ!このまま全部お願いしちゃってもいい?」

「はーい」

そんな感じでみんなにっ見守られながらエルは予定してた分の骨を全部インゴット化してくれたの。

「さて、じゃあここからは私の仕事だね!二人はどうする?また下で遊んでる?」

「ライムは見てるー!」

「エルも見てたーい!」

「わかった、じゃあ始めるね!」

「ようやく鍛冶、始まるのね」

さて、インゴット化したら扱いは金属だし加熱して大丈夫だよね?

とりあえずエルの近接護衛用に包丁でも作っとこうかな!

零天鳥の骨インゴットっていうまんまな名前のインゴットを炉の中に入れて、温度が上がるのを待つ。

途中から鉄とかとは違って青白い光に変わったからここで試しに出して打ってみることにしたの。

これが大正解!硬すぎず柔らかすぎずですごく打ちやすいの!

ここからは流作業で熱しては打って伸ばして折り曲げては叩いて、熱してはの繰り返し。

妥協しないで一から金属を育てるように強く優しく素早く丁寧に。

ここから本当は焼刃土っていうのを塗って土置きっていう作業をしてから焼き入れをするらしいんだけど、今回はゲームだから省略して焼入れしちゃおう!

いつか一から本格的に作ってみたいなー!またアヤカに怒られる様なものができなければいいんだけどね…

さて、焼き入れも終わったしあとは研ぐだけだね!

これもゲームじゃなかったら相当大変なんだろうけど砥石を使ってしばらく研いだら刃がついて完成しちゃう。

てか、研いでて思ったけど、光に当たると青白く光ってすごい綺麗な包丁が出来ちゃった!

「ふぅー。こんなものかな」

「ママすごーい!」

「これは、美しいわ」

「ふふーん!フウはすごいんだよー!」

最後にあらかじめ量産してあった柄をつけたら完成だね!

それじゃあお待ちかねの!

「鑑定!」
それじゃあお待ちかねの!

「鑑定!」


●零天鳥の包丁
 等級:R
評価 : 10
能力 : ATK+90 INT+10 DEX+30
氷属性(小)
 特殊能力:冷凍切断『切り口を凍結させる』


う、うわー…

包丁なのにATKが90もあるよ?

しかもなんか特殊能力までついてるし…

これがあればドリップとか血とか気にしなくて楽だね!

…とはならないよ!?

サブウェポンみたいに武器として使ったら恐ろしい能力じゃん…

まあ出来ちゃったものはしょうがないし、次行こ次!

それで私は包丁のことを忘れて、まずは錬金でインゴットを糸に変換してー。

あとは包丁の時と同じ要領でインゴットを鍛えて皮と一緒にライムのライトアーマーと三人お揃いの指輪も彫金で作っちゃった。

で、能力がこちら!


●零天鳥のマジッククラウン(軽)
 等級:R
評価:10
能力:INT+5 DEX+5 MATK+5% DEF+3% MDEF+3%
    氷属性魔法強化+5% 氷攻撃耐性+5%
 特殊能力:零天鳥の祝福『全部位装備時 獲得経験値+5%』

●零天鳥のマジックメイル上(軽)
 等級:R
 評価:10
 能力:MATK+15 DEF+5 MDEF+10 INT+2% DEX+1%
    氷属性魔法強化+5% 氷攻撃耐性+5%
 特殊能力:零天鳥の祝福『全部位装備時 獲得経験値+5%』

●零天鳥のマジックアーム(軽)
 等級:R
 評価:10
 能力:MATK+15 DEF+5 MDEF+10 INT+2% DEX+1%
    氷属性魔法強化+5% 氷攻撃耐性+5%
 特殊能力:零天鳥の祝福『全部位装備時 獲得経験値+5%』

●零天鳥のマジックメイル下(軽)
 等級:R
 評価:10
 能力:MATK+15 DEF+5 MDEF+10 INT+2% DEX+1%
    氷属性魔法強化+5% 氷攻撃耐性+5%
 特殊能力:零天鳥の祝福『全部位装備時 獲得経験値+5%』

●零天鳥のマジックグリーブ(軽)
 等級:R
 評価:10
 能力:MATK+15 DEF+5 MDEF+10 INT+2% DEX+1%
    氷属性魔法強化+5% 氷攻撃耐性+5%
 特殊能力:零天鳥の祝福『全部位装備時 獲得経験値+5%』

●零天鳥の細工指輪
 等級:R
 評価:10
 能力:MATK+5% MDEF+5% INT+2%
    魔法攻撃強化+5%
 特殊能力:零天の障壁『光の障壁を出し、低確率で状態異常を無効化する』


…んー…

なんというか…

ライム用に作ったつもりだったんだけど。

これは完全にエルの氷属性特化用かファセリア用だね…

ま、まあ…気を取り直して次は…

真っ白な羽根糸と白銀の骨のインゴットで光に照らされて白銀に輝く雪原をイメージしたワンピースと他の部位の防具もまとめて作っちゃおっかな!

まずは錬金のスキルで羽根糸と金属糸を使って布を作るところからだね。

と、いうわけで合成したんだけど…

これってゲームに私の心読まれてたりするのかな?


⚫︎零天鳥の雪原布
 評価:10
 特徴:光を吸収して輝く美しくとても頑丈な布


私の想像通りの物が出来ちゃったよ…

まあありがたいんだけどさ…

これのレースバージョンも作っちゃおう!


⚫︎零天鳥の雪原布(レース)
 評価:10
 特徴:光を吸収して輝く美しくとても頑丈なレース布


よし!パパッと作っちゃおうかな!

まずは裁断からだねー!

とりあえず二着分作ろうかなー

……

まずあらかじめ作ってあった型紙通りに裁断してー

……

それで、ここ縫い合わせてー

……

この辺からレースでフリル作って付けていこうかなー

……

下は二重にして外側は透ける感じのレース生地してもいいかも。

……

あ、ウエストに紐あってもいいかも!

……

ミスリル糸も使って刺繍を入れて、よりドレスっぽく仕上げようかな!

そういえば、さっきからなーんか忘れてる気がするんだよなー…

まあいっか!

今回のイメージは貴族が着ててもおかしくない感じのちょっと豪華な感じにしようと思ってるの。

ミスリルの刺繍はピッタリかもしれないね!

あとはどんな刺繍にするかだけど…

まず場所は首周りから正面縦一直線に降りてく感じにして、あとは袖周りにも入れようかな!

形はどうしよう?無難に薔薇とかにしておこうかな?

いや、せっかくだから一枚一枚羽根の刺繍を入れていこう!

そうと決まれば早速…

……

このまま頭、手、足、背中も作っちゃおう!

まず頭はベールをイメージして両サイドに付けられる髪留めみたいにしようかな。

留める部分は羽根糸と骨インゴットの金属糸、それからミスリルの金属糸を駆使してふわふわな触り心地をイメージして羽根の束にしようかな。

手はドレスの未飴と合わせて透けるレース生地に軽く刺繍入れるだけにしとこうかな!

足は皮とミスリルを使って戦闘に支障がないくらいの低めのヒールにしよう。

最後は背中だね!今回ドレスにリボンつけなかったのは背中にこれを付けたかったからなんだよね!

そう、純白の翼!

実用性はないだろうけど可愛いは大事だもんね!

あ、でもエルはもし合う装備だったら翼四枚になっちゃうか。大丈夫かな?

とりあえず作っておけばいいよね。

よし、防具は出来たし、最後は武器だね!

包丁の時と同じ容量でライムの剣作って、エルは魔法系だから杖とか?

まずはライム用の剣をパパッと終わらせちゃってー

……

完成!

次は杖だね。

まあ剣と同じ要領でしょ!

……

とりあえず原型は完成だね!

次は装飾つけていこうかな。

彫金使って杖の頭部分に翼を二枚羽ばたく感じで左右につけようかな!

頭の先端部分、なんかつけたいなー。

宝石系は今持ってないし、彫金でなんか作る?

本当は宝石系が良かったんだけどガラスじゃ杖部分と釣り合わないしなー。

まあしょうがないよね…

あんまり思いつかないからミスリルで王冠みたいなの作ってつけておこうかな。

……

よし、これでようやく全部完成かな?


●零天鳥の剣
 等級:R
 評価:10
 能力:STR+20 INT+20 ATK+%5 MATK+5%
    光属性攻撃強化+5% 氷属性攻撃強化+5% 物理攻撃強化+5%

●零天鳥の杖
 等級:R
 評価:10
 能力:INT+30 DEX+15 MATK+10%
    光属性攻撃強化+5% 氷属性攻撃強化+5% 魔法攻撃強化+5%

●零天鳥のツインベール
 等級:R
評価:10
能力:INT+8 DEX+5 MATK+5%
    光属性魔法強化+5% 氷属性魔法攻撃+5%
 特殊能力:零天鳥の加護『全部位装備時 魔法攻撃強化+10%』

●零天鳥のドレス
 等級:R
 評価:10
 能力:INT+8 DEX+5 MATK+5%
    光属性魔法強化+5% 氷属性魔法攻撃+5%
 特殊能力:零天鳥の加護『全部位装備時 魔法攻撃強化+10%』

●零天鳥のアームスリーブ
 等級:R
 評価:10
 能力:INT+8 DEX+5 MATK+5%
    光属性魔法強化+5% 氷属性魔法攻撃+5%
 特殊能力:零天鳥の加護『全部位装備時 魔法攻撃強化+10%』

●零天鳥のパンプス
 等級:R
 評価:10
 能力:INT+8 DEX+5 MATK+5%
    光属性魔法強化+5% 氷属性魔法攻撃+5%
 特殊能力:零天鳥の加護『全部位装備時 魔法攻撃強化+10%』

●零天鳥の翼
 等級:R
 評価:10
 能力:VIT+15 INT+15 DEF+5% MDEF+5%
    光属性攻撃耐性+5% 氷属性攻撃耐性+5%


うん、とりあえず剣と杖はいいとして防具だよね…

欲しかった光属性攻撃強化はついたけど氷属性攻撃強化も一緒だし攻撃強化系の能力に特化しすぎてる気がするなー…

氷属性攻撃強化もついてるからライム専用って感じでもないしなー。

まあ強い事には強いんだけどエル専用の攻撃特化型装備って感じがするなー

とりあえず二つ作っちゃったし、今のライムの装備よりかは強いしエルとお揃いで着てるところ見たいから装備はしてもらうけどね。

その代わりに翼がセット装備になってない代わりに防御特化って感じになってるね。

防御は翼とアクセサリーで補うしかないかな。

あ…

あああぁぁぁーーー!!!

なんか忘れてると思ったら、今日作った装備全部付与するの忘れてるじゃんっ!!!

やっっっちゃったぁ…

うわぁーもったいない…

今更後悔しても遅いけどやっちゃったなー。

この性能に付与させたらもっと強く…

ん?

んん???

今気づいたけどこの等級Rってなんだろう?

特に説明ないし現状わからないから今度アヤカにあったら聞いてみようかな。

「あなた、本当にすごい」

「うわっ」

びっくりしたー…

みんなが居るのすっかり忘れてた…

「ありがと。お待たせ」

「フウー、ライムの服出来たー?」

「ママ終わったのー?」

「うん、終わったよ。向こうで着替えておいでー」

「「はーい!」」

「エルちゃん行こー!」

「うん!」

かわいいなー。それにしても、二人とも仲良くなれたみたいで良かったよ。

「あ、そうそう。ファセリア、これ使ったりする?」

そう言って私は最初に作った防具の零天鳥の軽鎧シリーズを見せたの。

「…こんなに強い防具、初めて見た。いいの?」

「うん、本当はエルのために作ったんだけど、エルにはお母さんと同じように光と氷両方使って欲しいから」

「そう。それなら、使う」

そう言いながら装備を受け取ったファセリアはわかりやすく顔が微笑んでたの。

かわいいなー!

「そう、今日はもう一つお願い、あるの」

「ん?どうしたの?」

「あなたと戦いたいの。本気の」

「大会の時、別に手抜いてないよ?」

いやいや、あの戦いで手なんて抜けるわけないじゃん!

「うん。わかってる。違うの、従魔術師でしょう?仲間全員と、戦いたいの」

「あ、そういうことね。そういう事なら全然構わないよ!私もそうだけど、ライムとエルのいい戦闘訓練にもなるし!」

「ありがとう」

「じゃあ今から地下の訓練場行く?」

「うん」

そのまま私たちは地下訓練場まで行って対戦準備をしてたの。

「ねえ、ライムは人とも戦った事あるし戦闘経験もそれなりにあると思うけど、エルはまだ戦った事ないけど大丈夫?」

「ライムは大丈夫ー」

「ままのために頑張るよ!それにね…卵の中にいた時ね、お母さんがね。戦い方とかー、獲物の取り方とかー、お母さんが今まで経験してきた事とかー、いっぱいいーっぱいね、教えてくれたの!だから大丈夫だよ!」

え…?卵の中にいた時…?教えてくれた?スパルタ教育か何かかな…?

「そっか、エルもちゃんと産んでくれたお母さんの記憶あるんだね。良かった」

「うん!」

可愛いなー!頬を赤らめながらにっこり笑うエルほんと天使みたいっ!

「ままの事もお母さんの事も大好きっ!」

「あー!ずるーい!ライムもフウの事大好きだもん!」

そう言いながら抱き付いてくる二人を可愛さに悶えそうなのを必死に堪えながらぎゅっってし返したの。

「…はぁ…。尊いわ…」

ボソッとファセリアが呟いたその声は私たちに届くことはなかったよ。

「よし!じゃあそろそろ戦い始めようか!」

こうして私たちの熾烈な戦いの火蓋が切られたの!