でも今の私で2階層のモンスター倒せるのかな?
ライムいるから少しは心強いけど私自身が不安なんだよなー…
今度私の防具も作らなきゃなー…
ここは確か川と湖、鉱山が主なフィールドだったよね。
今日は川を登りながら薬草類とか食料探しかなー!
早速行こう!
「ライムおいでー」
「ごしゅじんよろしくなのー」
「行こっか!」
「しゅっぱつなのー」
………
この辺から上がって行こうかなー。
川沿い歩くとライムと会った所思い出すなー。
っと、魔物だね。
「ライム、行くよ!」
「りょうかいなのー」
まずはクリスタルダガーで魔法攻撃っと…
「ライム、次お願い!」
「りょかいっなのー」
いやいや、相変わらずライムの魔法の光剣は凄まじいね…
ライム攻撃の時これしか使ってないけど他の魔法使えるのかな?
今倒したのはアクアベアだって。
●水熊の毛×2 ●水熊の皮×3 水熊の爪×2
●水熊の肉×5
特徴 : 普通の熊と違い臭みも無く食べやすい
こんなのが手に入った!
あとで水熊料理しよ。
絶対美味しいよね!
そんな事言ってたら次来たね!
「ライム、行くよ!」
「がんばるのー」
………
この辺りは水熊しか出てこないのかな?
もう9匹は狩ったよ?
もっと上流の方行ってみよっか!
………
うわぁっ!
カニでかっ…
「そーれっ!」
「いくのー」
熊より弱かったね。
にしても…
●清流蟹の足×8 ●清流蟹の爪肉×2 ●清流蟹の味噌×1
●清流蟹の甲殻×5
蟹ときたらカニしゃぶでしょ!
じゃんじゃん狩っちゃおーーー!!!
………
いえい!討伐数28!合計数は
●清流蟹の足×218 ●清流蟹の爪肉×45
●清流蟹の味噌×21 ●清流蟹の爪×17 ●清流蟹の甲殻×117
ふー、食材調達となれば気合が入っちゃうね〜♪
ピコンッピコンッ
《ラッキースライムのレベルが条件に達しました》
《条件を満たしている為、個体進化を開始します》
「うわっ、ライム!」
ま、眩しい…
………
ピコンッ
《ラッキースライムは個体名インペリアルスライムに進化しました》
「ライム、大丈夫!?」
「大丈夫だよー!ご主人様♪」
なんか言葉ちゃんと喋れるようになってるし…
やっと見えるように…って!
見た目変わってなくない…?
ライムのステータスはっと…
ライム(インペリアルスライム) Lv1/99
●ステータス
HP 200 MP 1,500
STR 100 VIT 10
INT 30 DEX 20
AGI 200
●能力
剣術 Lv30 双剣術 Lv20 光魔法 Lv30 回復魔法 Lv20
物理攻撃軽減(大) 魔法攻撃無効化 状態異常無効化
人化術(極) 擬態術(極) 幸運(極)
●称号
奇跡を届けし者(パーティーメンバーに幸運(大)を付与)
フウの従魔
人化術と擬態術、剣術系を覚えたくらいでそんなに前と変わってないよね?
ライム魔法とはいえずっと剣使ってたし…
それはいいとして…
「ライム、人化術やってみて!」
「わかった!」
また光った…!
眩しいんだけど…
って、え…?
「か、可愛いっ♡」
身長どれくらいだろ、110cmくらいかな?
それに髪色は金髪でふわっとした感じで先端が軽く癖のついた感じの髪型。
透き通った碧眼に少し長めのエルフみたいな耳…
って、服着てないじゃん!
危ない危ない!
私を初期装備の冒険者の服に戻してライムに白いワンピースと狼皮の靴を…
「ライム、とりあえずこれ着て!」
「わかったー!」
と、とりあえずこれで一安心かな…
というかめちゃめちゃ可愛いんですけど!
「ライムそのままで状態でいれたりするの?」
「いられるよー!ずっとこのままでも大丈夫だよ!」
「今の方が一緒に戦いやすそうだし、そのままの方がいいかなって思ったんだけどう?」
「ご主人様はどっちの私がいーい?」
「私ー?んー、今の方がいいかな!可愛いし!」
「じゃあこっちにするね!でもこっちだと装備とか服が必要だけど大丈夫ー?」
「大丈夫!それくらいどうにかするから!」
「ありがとー!」
そう言ってライムがしゃがんでたフウの体に抱きついた時、ライムの身体は本物の人の身体のようだった。
「それじゃあレベル上げも兼ねてもっと上流行ってみようか!」
「しゅっぱーつ!」
ピコンッ
《固有クエストⅠ 『満月の夜に』が発生しました》
「あ、またなんか来た」
固有クエスト…?
これってもしかしてレイナがやったクエストと同じやつかな?
でもこれクエスト内容書いてないね。
どうやって進めてどうやったらクリアになるんだろ?
「ライム、満月の夜にっていうクエストが出たんだけどなんか知ってたりする?」
「知ってるよー!私とご主人様が会った場所だよー!」
「月光草の場所か!満月っていつだろ…って今晩じゃん!ライム満月今晩だったから一緒に行こうか!私覚えてるか不安なんだけど案内任せても大丈夫?」
「任せてっ!」
えっへん、と言わんばかりの顔。
「そしたらその時のためにも上流目指しながらじゃんじゃんモンスター狩ってこー!」
「おー!」
その前にこの辺で薬草とか色々採取しとこっと!
………
あれは猪かな?
でかいよ、うん。
ビックボアだって。
でも少し遠いな…
「ライム、届いたりする?」
「余裕だよー!えいっ!」
ありゃ、もう倒しちゃったよ。
ドロップは…
●大猪の皮8 ●大猪の肉×6 ●大猪の牙×2
おぉ!猪も料理色々やってみたいね!
もう目の前林か…って、ん!?まって!?
あれってもしかして!!
………
その後もね、ライムが魚介類(主に虹鱒に山女、鮎に海老)、あとは鴨が結構取れたり、さっきも出て来た熊と蟹と猪も結構狩った。
そんなこんなで…
「水源林にとうちゃーく!」
「とうちゃーく!」
「んーっ!水が美味しい!って、ライム飲んで平気なの!?」
「ん?大丈夫だよー!味もわかるよー」
そこまでいくと元がスライムって誰も分からないね…
ん?待てよ?って事は料理の味もわかるって事だよね!?
今日の夜は一緒にご飯食べられるって事だよね!
そういえば、見た事無い草が生えてる。
水源草って言うらしい。
これも取っとこーっと!
後これは山葵だよね!
って事はお刺身が食べらる!?
これはなかなかの感動じゃない!?
おっといけない、冷静に冷静に…
あとは木だね。
この辺の木はどうなんだろ?
まあ試しに切ってみよう!
●丸太(中)
お、中になった!
少し貰ってっとこうかな。
………
あれ、これ硬い…?
………
やっと切れた…
●マナウッド(小)
特徴 : 魔力を持った木。
説明まんまじゃん…
これ魔力を持ってるって事は杖作ったら強そう!
って、あーーーーー!!!
この間鉄シリーズに気を取られて杖作るのすっかり忘れてたよ!!
やる事やったら最優先で作ろう、うん。
そんなわけでもう少し木切ってこう!
………
こんなもんかな!
ここはこの辺にして1回街に戻ってから1階層の森に行かないと!
もうそこそこいい時間だしね!
「ライムー、そろそろ森の方に移動しよー!」
「わかったー!」
ささ、そうと決まったら行動あるのみだね!
街に戻れるアイテムとかあればいいのになー…
魔道具って言うんだっけ?
魔力を流すと使える道具だよね。
難しそうだけど今度作ってみようかなー…
あったら楽だしね!
それ以外にもいろんな魔道具あったら楽しそうだよね!
でもその前にまず現状の問題は私の防具もだけど、ライムの防具も作ってあげなきゃね!
可愛い防具がいいよね〜♪
これは腕がなるね!
メイド服とかワンピース、あとはお姫様っぽい服とかも着せたら可愛いかも!
楽しみがまた1つ増えたよ〜!
………
とりあえず街に到着!
あとは転移門に向かって…
1階層に到着!
あとはライムの案内で森に行くだけだね!
「ライム、この辺からならわかりそう?」
「大丈夫ー!任せてー!」
………
懐かしいなー!
「懐かしいね、ご主人様♪」
「そうだね!私全力で森の外まで走って逃げたなー笑」
………
っていうか、あれ?
あの草花なんて咲いてたっけ?
「ライム、あの草前来た時花なんて咲いてなかったよね?」
「咲いてなかったよー!あれはねー、本当は月光花っていう名前で私たちのご飯のうちの1つなんだよー!でもねでもね、満月の夜にしか咲かないのー!」
「あ、そういう事だったんだね!これも採取しといた方が良さそうだね!ライムこれ何に使うかわかる?」
「ごめんなさい、そこまではわからない…」
「気にしなくても大丈夫だよ。そしたらそろそろ帰ろっか!」
「わかったー!」
「その前に魔物きたよ!」
「はーい!えいっ!…倒したー」
「え…?」
本当だ…もうアイテムになってるし…
「ラ、ライム凄すぎだよ…」
「えへへ♪」
「じゃあ街に戻ろっか!」
「はーい!」
今回の外出は結構大きな成果多かったんじゃないかな!
熊に蟹に猪、魚に海老に鴨、色んな薬草類と山菜、きのこに山葵、木材も取れたし!
後は何と言っても例のアレ!
アレがあれば色んな事出来るし色々試したい事も多いしね!
街に戻ったら色々試そう!
………
もうすぐ街に着くけどライム噂になったりしないかな…?
確か18歳未満禁止だよね、このゲーム…
って、スライムに戻って貰えばいいのか。
でも服とかってどうなるんだろ?
「ライムー?そろそろ街に着くからスライムに戻って欲しいんだけど、戻ったら服とかってどうなるの?」
「んーとねー、スライムに戻ったら装備してない事になるけど人型に戻ったら装備してることになるから大丈夫だよー!でもスライムに戻らなくてもご主人様が言ってくれればこのままご主人様の中に戻れるよー?」
「凄い便利な機能!あ、そっか!その手があったんだね。見た目女の子だからすっかり忘れてたよ!そしたらライム、今は戻っちゃっていいよ!」
「わかったー!」
「また家に着いたら呼ぶね!ライムに私の家案内してあげる!」
『ありがとー!』
もう夜も遅いし案内とか試作は明日だねー…
私も疲れちゃったし…
ご飯食べてお風呂入ってもう寝よ。
明日はお店ミラ達に任せて研究をしよう!
………
やっと着いたーーー!!
やっぱ我が家だと落ち着くね〜…
あ、そうだ!
「ライムおいでー!」
「ご主人様ー!ここがおうちー?大きいねー!」
「そうだよー!あ、ねぇ。ライムさ、私の呼び方『フウ』に出来たりする?なんか人の状態でご主人様って言われるの凄い違和感感じちゃって…」
「ごしゅじ…フウがそれでいいなら私は大丈夫だよー?」
「うん!その方がしっくりくるね!これからはそっちでお願い!」
「わかったー!」
「もう今日は夜も遅いし、ご飯食べてお風呂はいったら寝よっか!」
「食べるー!」
何にしようかなー?
とりあえず今日は朝と一緒になっちゃうけどパンとシチュー食べようかな!
まあ空腹になったりするわけじゃないから食べる必要もないんだけどね…
………
「「ごちそうさまでした」」
片付けはゲームだからしなくていいからもうお風呂はいっちゃおっか!
「ライムー、お風呂はいるよー!」
「はーい!」
「そういえばライムって水の中に入っても大丈夫なの?」
「大丈夫だよー!」
それなら良かった。
早くライムの服作ってあげないとなー。
明日は私とライムの防具最優先だね!
「はぁー。宿屋じゃ湯船に浸かれないからこれはマイホームの特権だねー!生き返るよ〜」
「ごしゅ、フウー!これ凄い気持ちいいねー!あったかーい!」
「でしょー!お風呂って言うんだよー」
「私お風呂好きー!」
いくら広いとはいえはしゃぎすぎだよ、ライム…
まあ初めてだからしょうがないかな。
「ライム体洗うからおいでー!」
「わかったー!」
「フウー、これ凄いいい匂いするー!」
「シャンプーって言って頭を洗うための物だよ」
「私もフウの頭洗いたーい!」
「いいよー。でもその前にライムの体洗うからねー!」
「うん!」
「きゃっ…!フウ…そこくすぐったいっ…!」
「ごめんごめん…笑 人化してると人がくすぐったいところはくすぐったいんだね。流すからじっとしててね!」
「はーい!」
髪の毛もそうだったけど肌触りとかも本当に普通の女の子みたい。
極って確か最大値だよね?
ここまで来ると人にしか見えないね…
「じゃあ、次私がやるー!」
「うん、よろしくね!」
………
「フウ、おやすみー」
「ライムもおやすみー。明日ライムの服作るからねー!」
「ん、ありが…と……」
疲れてたのかな。
進化したばっかりだし、人化するのも初めてだったもんね。
私も寝て明日に備えないとね!
あ、関係ないけど明日ステータスの振り方考えないと!
今の今まで忘れてたからね…
それにお金がもう5,000万G超えたし、溜まってくだけだから使い道も考えないとね…
まあ何をするにもまた明日!
おやすみー…
おはよ…う…重い…
そっか、私の家だからライム人の姿なんだっけ。
「ほら、ライム。起きてー!」
「ぅん…フウ?おはよ〜…」
いっか。
ご飯できたら起こしに来よう。
ささ、朝ごはん作っちゃおー!
蟹もあることだしさっぱりと蟹雑炊なんか作ってもいいかもね!
鶏卵とか浅葱もあるし雑炊と蟹出汁で味噌汁も作ろっか!
まず昆布出汁を取るために水に昆布を入れておいて、炊いてあったご飯をを冷水で洗っておく。
アラが無いのがすごい残念…
いい出汁取れるのにね…
とりあえずもっと浸けておきたかったけど昆布の入った鍋を弱火で火にかけておく。
昆布は沸騰寸前に取り出して蟹足を入れてボイルした後、身と殻に分けて身はほぐして殻は戻して一応出汁を取る。
頃合いを見て出汁を濾した後半分を鍋に戻して洗っておいたご飯を鍋に入れて火にかける。
もう半分は蟹足を足して火にかけて沸騰し始めたら灰汁を取って蟹みそと味噌を入れて沸騰寸前で火を止める。
さっきのご飯の所にほぐした蟹身とといた鶏卵、切った浅葱を入れて完成だね!
●フウ特製蟹雑炊
評価 10
●フウ特製蟹の味噌汁
評価 10
ライム起こしに行こう。
「ライムー、ご飯できたよー!」
「ん…はーい…」
「ほら起きて!せっかく作ったのに冷めちゃうよ!」
インベントリ入れとけば冷めないけど…
そこは気にしちゃいけないとこだよ?
「フウ…おはよー」
「おはよー。ご飯食べるよー」
「ん…?ご飯!?食べるー!!」
お、ちゃんと起きた。
「わー!おいしそー!」
「じゃあ食べよっか!いただきます」
「いただきまーす!」
………
「ごちそうさまー」
「ごちそうさまでしたー!」
「ライム、今日この後いろいろ作るから外行かないかもだけどどうする?」
「フウのやること見てるー!」
じゃあ早速初めて行こっか!
まずはお店の商品をっと…
初級ポーション×200
中級ポーション×200
料理各10食
今日は品薄です。
最近完売はするけど鉄シリーズの売れるスピードが落ちてきてるからなー…
そろそろアヤカ達と話してたのを出す頃合いかな。
それにアヤカ達に会ってないから新しい素材も手に入らないからなー…
まあ自分で行けよって話なんだけどね…?
さて、開店時間まで昨日手に入れた食材の調理とポーションの研究しようか!
昨日取れた例のアレも使いたいしね!
じゃあまず料理からやって行こっか!
まあとりあえずさっきの蟹雑炊と蟹の味噌汁はさっきと同じように作ってレピし作っちゃって…
《フウ特製蟹雑炊 評価10のレシピを習得しました》
《フウ特製蟹の味噌汁 評価10のレシピを習得しました》
うん、これは簡単だよね!
とりあえず蟹足は焼きに蒸しに刺身にしゃぶしゃぶあたりがいいかもね〜!
蟹爪はもったいないから天婦羅にでもしよう!
熊肉は臭みがないって書いてあったから、熊鍋とハンバーグ、ローストあたりがいいなー。
猪はとりあえずチャーシュー作ろう!
牡丹鍋とかパテも作りたいけどまた今度かなー。
鴨はとりあえずローストだけ作っておこうかな!
じゃあまずは熊鍋だね!
まず昆布出汁とって、一口サイズに切った熊肉を鍋に投入したら軽く沸騰させながら灰汁を取る。
次に一度熊肉を取り出して、綺麗に掃除をする。
その間に取り出した鍋の火を止めて鰹節を入れたら、沈むまで待つ。
そしたら一回出汁を濾して綺麗な鍋に戻して熊肉も戻したら表面にポコポコしたから空気が出てくるくらいのとろ火で本当は3〜4時間なんだけどゲームは簡略化されてるから煮込みとか粗熱取りの時間が1/10で終わっちゃう。
その間にその他の食材のカット終わらせちゃおう!
入れるのは、大根、牛蒡、長葱、椎茸、占地、人参、焼豆腐の7種類くらいかな!
次に粗挽きにした熊肉に塩、黒胡椒、ナツメグ、五味子、少量の飴色玉ねぎペースト、少量の微塵生玉ねぎつなぎで軽く小麦粉加えて憎々しい感じのハンバーグにしようと思ってね!
そしたら一度フライパンで表面を一気に焼き上げたら、炭火の遠赤外線でじっくり焼いていく!
そろそろ煮込みが終わったから、次は冷却。
これもまあ、すぐ終わるよね。
本当は粗熱取った後にブラストチラーで一気に冷まして一晩冷蔵庫とかで寝かせるんだけどね。
熊肉のローストと猪肉のチャーシューは同時進行で行こう!
まず熊肉のローストは特製のシーズニングスパイスをまぶして少し寝かせる。
その間に醤油、酒、味醂、砂糖、五香粉、生姜、葱頭(長ネギの緑色の部分)と一緒に火にかける。
そしたらローストの肉をフライパンで焼き色をつけたら蒸し器に投入して少しの間蒸す。
熊鍋の寝かせタイムが終わったからそこに下ごしらえした野菜を投入して熊鍋は完成!
ローストもここからは寝かせタイム。
取り出した肉を網付きのバットの上に乗せて上からボウルを被せる。
これは中で熱が回転するようにとかいろんな意味があるんだよ!
そしたらここで猪肉の火を止めてこっちも寝かせタイム。
その間に鴨肉やっちゃおう!
まずは塩胡椒で下味をつけたら一度軽く蒸す。
次に炭火の遠赤外線でじっくり焼きながらたまに鴨の脂を別の容器でかけてあげたりすると表面が乾いたりしなくて済むよ!
ポワレの炭火焼きバージョンみたいな感じかな!
ちょっとめんどくさいけどね…
そしたら次はソースだね!
まず熊肉用は赤ワイン、味醂を煮切りした後にバルサミコ酢、醤油を入れて一度沸かす。
水、レモン果汁、バター、肉汁、にんにく、生姜を加えて一度沸かす。
最後に飴色少し前まで炒めた玉ねぎと細かく砕いたフライドオニオンを入れたら完成!
あ、どの工程も灰汁取りも忘れずにね!
次は鴨用!
カラメルを作ったら赤ワインを入れてさらに煮詰める!
赤ワインビネガーも入れたら同様に煮詰める。
そしてここで例のアレ!
そう、オレンジ!
料理に色々使えるしポーションの味変えたかったんだよねー…
オレンジの果汁を入れてこれまたさらに煮詰める。
オレンジの皮の白い部分を取って水で2〜3回お湯を変えながら茹でたらこれも投入!
最後にブイヨンを入れたら塩胡椒、醤油で味を整えたら完成!
そしたら猪のチャーシューはもう一回沸騰させて熱々にしとく。
蟹足の炭火焼と蒸し焼きも作っておこう!
蟹爪も少し炭火焼しちゃおっかな!
どうせ放置だしね〜!
蟹しゃぶはインベントリ化するのはなんか違う気がする…
最後は蟹爪の天婦羅!
冷やした小麦粉にキンキンに冷やした冷水を軽く混ぜて、油で揚げるだけ。
魚系はまた後日やろっか!
今日はやる事多いしね!
とりあえずこれで全部完成かな!
●フウ特製熊肉の炭火焼ハンバーグ
《フウ特製熊肉の炭火焼ハンバーグのレシピを習得しました》
●フウ特製熊鍋
評価 10
《フウ特製熊鍋のレシピを習得しました》
●フウ特製ローストベア
評価 10
《フウ特製ローストベアのレシピを習得しました》
●フウ特製ローストビーフのタレ
評価 10
《フウ特製ローストビーフのタレのレシピを習得しました》
●フウ特製オレンジソース
評価 10
《フウ特製オレンジソースのレシピを習得しました》
●フウ特製猪のチャーシュー
評価 10
《フウ特製猪のチャーシューのレシピを習得しました》
●フウ特製蟹足の炭火焼
評価 10
《フウ特製蟹足の炭火焼のレシピを習得しました》
●フウ特製蟹爪の炭火焼
評価 10
《フウ特製蟹爪の炭火焼のレシピを習得しました》
●フウ特製蒸し蟹足
評価 10
《フウ特製蒸し蟹足のレシピを習得しました》
●フウ特製蟹爪の天婦羅
評価 10
《フウ特製蟹爪の天婦羅のレシピを習得しました》
「今度一緒に味見しようねー!」
「するー!」
さて、料理もひと段落ついたし、ポーション作ろっか!
まずはこの間の治癒エキスを試して見ないとね。
まずは、普通のポーションの薬草の役割をしてもらって…
●初級ポーション
評価 10
能力 : HPを90回復する
久々に見たなー。
でも初級かー。
濃縮でもしてみようかな。
治癒エキスを出して、《スキル錬金》!
●濃縮治癒エキス
評価 10
よし、これをさっきと同じように…
●中級ポーション
評価 10
能力 : HPを120回復する
うん、なんとなくだけどわかってたよ。
早く上級ポーション作りたいなー…
そしたらさっき果汁を絞っておいたオレンジを錬金でさらに濃縮しよう!
《スキル錬金》!
●濃縮オレンジ果汁
評価 10
うん、出来た。
そしたらこれをポーション作るときに入れて…
●中級ポーション(オレンジ味)
評価 10
能力 : HPが120回復する
能力下がってないね!
一応試飲しとこっかな。
「ライムも一緒に味見するー?」
「するー!」
………
ん!?苦くない!
なんでだろ、少し苦味残っちゃうかと思ったのに全然気にならない!
「ライムはどう?」
「ん、これ美味しい!酸っぱいのに甘くて美味しい!さっきのお肉のとおんなじ感じの味するー!」
「それは良かった!どっちもオレンジって言う果物使ってるからね!」
「私これ好きー!」
ただ、これじゃあただのオレンジジュースだね…
まあ、美味しいからいいんだけどさ…
じゃあこれも量産だね!
………
《中級ポーション(オレンジ味) 評価10のレシピを習得しました》
このオレンジジュース売れるかな?
今日お店で出してみよっかなー!
試しに20本だけね!
試飲用でアヤカとレイナ、ファイスにも5本ずつ配布しよう。
あと1時間くらいで開店だしこの辺で開店準備始めちゃお!
「ライム、仕事してくるからここで待っててね!」
「はーい!」
………
ポーションはいつもの棚に乗せて、料理はミラに渡してインベントリにしまっておいてもらって、いつもの棚に料理の写真と名前、値段を書いた物を置いておく。
装備は今日は作ってないけどどうしよ、10個ずつくらい置いとこうかな。
お店の中なんかさみしいし…
次はオレンジジュース(ポーション)をカウンターに置いて、立て札に
中級ポーション(オレンジ味)
1本 3,500G
※お一人様1本限定
っと。
値段はオレンジが収穫量少ない上に在庫もないから少し高めに設定したよ。
今度アクセサリー作らないとなー。
あと、そろそろ付与装備も出したいけど量産が難しいんだよなぁ…
運営さん、そこの所アップデートお願いします!
「あ、みんなおはよー!」
「「「フウ様、おはようございます」」」
慣れないなー、この感じ…笑
「フウ様、少しお時間よろしいでしょうか?」
「ん?ミラ、どうしたの?」
「開店初日の開始10分でお辞めになっていた新規装備製作依頼の件、そろそろ再開してはどうでしょうか?お客様からの要望がとても多いので…」
そんな事もあったなー…
そう、最初に開店したあの日、装備依頼の看板出してたのはいいけどあまりにも人が多すぎて一旦中止にしたんだよね…
思い出すだけであの行列は恐ろしいよ…
「そうだね。そしたら製作の前段階までミラにお願いしてもいい?装備の詳細とか素材の件とか聞いて置いてほしいかも!条件はこの間のままで大丈夫だよ!」
「かしこまりました。応接室は使ってもよろしいでしょうか?」
「うん!いいよー!」
「ありがとうございます」
「それじゃあみんな、今日もよろしくね!」
「「「いらっしゃいませ!」」」
………
「すまん、あんたがフウか?」
「はい、そうですが」
「ギルド《ヘルヴェルゼ》のマスターやってるジュドラだ。レイナの紹介でちっと話がしたいんだが、時間あるか?」
「かしこまりました、そうしましたら応接室にご案内しますね」
「ああ、助かる」
「ミラ、私少しお客さんと話があるから少しの間お願い!」
「かしこまりました」
「ではこちらにどうぞ」
………
「お茶をお持ちしますので少々お待ちください」
………
「改めまして《フウ・アトラテスト商会》の商会長兼、ギルド《アトラテスト》のマスターをさせていただいてるフウと申します。それで、どういったご用件でしょうか?」
「あ、ああ。まず敬語はやめてくれないか?レイナの知り合いに敬語使われるのはなんというか…すげぇ違和感しか感じない…」
「一応こちらは仕事なのですが…わかった、それで?」
「端的に言えば装備製作の依頼なんだがちっとばかし厄介でな。これなんだが…」
●輝岩竜の黒紅石
●輝岩竜の皮
●輝岩竜の骨
でた、この間の双頭獣と同じ感じじゃない?これ。
「また凄そうな素材だね…これってもしかして…」
「ああ、恐らくレイナのオルトロスの時と同じ感じで固有クエスト関係の素材だ」
「これで装備を作って欲しいって感じ?」
「まあ、そういう事だな。レイナの装備を見た時からお前に頼みたいと思ってた。頼む!作ってくれないか…?」
「んー…いいけど、料金後払いの言い値にするけど大丈夫?」
「ああ、それで構わない。本当に助かる!」
「それじゃ、色々質問してくから答えてね」
「…?おう」
「じゃあまず普段武器は何使ってる?」
「斧だな!大きめの片手斧って感じだ。これもお前の所の武器だぜ?ちゃんとサインも入ってるしな!」
「お買い上げありがとうございます!それじゃあ次はステータスの振り方と戦い方だけど…」
………
「うん、これで全部終わりかな」
「おう、ここまで細かくやるんだな!流石に生産者のトップ張ってるだけはあるな!いい仕事見させてもらったぜ!」
「じゃあ完成でき次第連絡入れるから!」
「おう、ありがとな!」
さて、仕事ひとつ増えちゃったなー…
とりあえずお店戻らないとね。
………
よし、お店終わったから次いこ次!
次は鍵だね。
この間1階層のボス倒した時にドロップしたやつ。
アヤカが言うには亜空間で素材採取とか色々できるらしいよ!
まあ、モンスターは出ないらしいんだけど動物は出るって!
あと、1階層の鍵は1階層と同じ環境らしいから森と草原だね。
ガゼルさんに詳しいこと聞いたら答えてくれるかな?
あとで聞いてみよーっと。
とりあえず転移門から行けるらしいからマイホームの転移門からも飛べるって事だよね!
ライムも連れて行こうかな!
「ライムー?」
「はーい!…フウ、呼んだー?」
「外じゃないけどお出掛け行く?」
「お外じゃないのにお出掛け…?よくわかんないけど行くー!」
「じゃあ準備して行こっか!」
「はーい!」
………
「じゃあ行こっか!」
「しゅっぱーつ!」
うわっ、めちゃくちゃ広いじゃん!
本当に森と草原って感じだなー。
ここでやりたいことがあってね、薬草類とオレンジの栽培をしてみようかと思って!
NPCも許可したら入れるみたいだから栽培用の人員増やしてちょっとしたNPC用の村とかも作っていけたら面白いかなーって思って!
そのためにオレンジの種とか薬草類の根っこなんかも持ってきたんだからね!
まずは、オレンジは少し斜面になってる所に日陰が出来ないように等間隔に植えとく。
次は薬草類を植えるために耕さなきゃね。
ただ、農業と栽培師を持ってるNPC雇わないとね!
特殊能力持ってない人がやろうとすると1か2しか出ないし失敗の確率だってあるもんね!
と、いうわけで…
「ガゼルさんいますかー?」
「おう!って、フウじゃねーか!どうしたんだ?」
「ガゼルさんに話があったんですけど今お時間大丈夫ですか?」
「おう全然いいぜ!いつでも暇してるからな!」
ガ、ガゼルさん…それはそれで大丈夫なの…?
「あ、ありがとうございます」
「おう!それで話ってのは?」
「はい。鍵についてお話しできるのであれば知りたいのと、その話次第でNPCの新規雇用をしたいと思いまして」
「なるほどな!全然問題ないぜ!んじゃ、まずは鍵についてからだな。鍵ってのは各階層ボスの初討伐ボーナスでな、10万坪ある自分だけの亜空間世界だと思ってくれりゃいいさ。モンスターこそ湧かないが動植物は育てられるし、NPCの村でも作れば居心地よけりゃ勝手に増えて繁殖するし悪けりゃ居なくなる。ただ、村以上の町や街なんかにはならねーな。まだ実装されてないし実装するかもわからん。それに時間軸もずれててな、現実の1時間がゲームの中の24時間なのと同じ感じでゲームの中の1時間が亜空間の24時間になるわけだ。まあなんだ、現実時間での1時間はゲーム時間の24時間であり、亜空間時間の576時間になるってわけだ!ここまで大丈夫か?」
「は、はい…」
ついていけるんだよ。
ついていけるんだけどね?
ガゼルさんいつも『わっはっはっはー』って感じじゃん?
こうやって真面目な話してるとものすごく違和感が…
「んでな、2つ3つと増えてくと亜空間が増えて行くわけじゃなくてな。20万坪、30万坪と複合された世界で大きさが拡張されて行く感じになるな!後はNPCの新規雇用って事は農場作るんだろ?なら農業Lv30以上と栽培師Lv30以上、あとは適当にNPCかき集めときゃいいか?」
「はい!それでお願いします!」
「おう!じゃあまた明日寄ってくれ」
「わかりました。今日は色々ありがとうございました!」
ってなわけで鍵はまた明日だね。
今日できたらやっちゃいたかったけど…
じゃあ次は私とライムの装備もだし、ジュドラの装備も作らないとね。
ピコンッ
ん?なんかきた。
イベントのお知らせ
『第一回 3日間サバイバルイベント』
●開催日時
現実時間 9月25日 20:00〜23:00
●イベント内容
ゲーム時間で72時間の間、装備一式以外アイテム未所持状態でサバイバル生活をしていただきます。
各地にいくつかベースキャンプエリアが設置してあり、外側からも内側からもダメージが当てられないようになっています。
このステージでしか手に入らないアイテムを多数用意しておりますので皆様のご参加お待ちしております。
●詳細内容
ゲーム内時間10時までに第1階層の街噴水前に集合
↓
イベント専用世界に転移
↓
イベントスタート
↓
終了1時間前に鐘がなります
また、《アイディアルワールド・オンライン》の初のイベントとの事で下記日時より前夜祭を開催いたします。
『初イベント前夜祭』
●開催日時,場所
現実時間 20:25〜(ゲーム時間 明日10:00〜)
第1階層 噴水前
●イベント内容
第1階層の街で様々なミニイベントを開催いたします。
また、前夜祭記念アイテムの配布もありますので是非ご参加ください。
尚、今回のイベントでアップデートなどはございません。
そういえばそんな事も書いてあったね!
今日かー。
装備作り終わってたら行こうかな。
とりあえず装備作ろ!
「ライムー、おまたせ!これから装備作るよー!」
「やったー!楽しみ〜♪」
まずはライムの装備から作ろう!
まずはどんなのがいいかだよねー…
作りたい服の色の糸も無いしとりあえず熊の毛とマラカイトでも使って動きやすい感じのドレスワンピースみたいなの作ろうかな。
清流熊の毛とマラカイトのインゴットをとりあえず糸にしようかな!
毛の方はいいとして問題はマラカイトの方だよねー。
ある程度細くしたら錬金したら出来ないかな?
やってみよっかな!
まずは毛を錬金で糸にっと。
●清流熊の細糸
評価 : 10
うん、これはまあ出来るよね。
とりあえずレシピ作っちゃお。
………
《細糸生成 評価10のレシピを習得しました》
さて、次は問題のマラカイトの糸だね。
まずは鍛治で槍作ったときくらいの棒まで伸ばしたら、次にお店で売ってるミシンの糸をイメージしながら…スキル錬金!
…あ、失敗した。
やっぱ難しいかー…
もう一回!
糸がくるくる巻いてあるイメージで…スキル錬金!
ダメかー…
現状そこそこ貴重なマラカイトが…って!
ライムの可愛い姿のためなら『背に腹はかえられぬ』だね!
頑張ろ〜!
………
28回目でやっと出来た〜!
練習のためにインゴット1/4ずつ使っててよかったー…
ここからが本番だよ?
まずは…スキル錬金!
●マラカイトの細糸
評価 : 10
よっしゃ!
とりあえずこれもレシピ作っとかなきゃね!
………
《鉱石の細糸 評価10のレシピを習得しました》
ありゃ、10のレシピ作るのに17回もかかった…
これはレシピ作っといてよかったやつだね。
間違いなく…
そしたら次はさっきの糸と今の糸を合わせて…スキル錬金!
●錬金糸(清流熊.マラカイト)
評価 : 10
特徴 : 両者の特製を併せ持つ錬金糸
なんか凄そうなの出来た。
くるくる巻ければ良かったのにくっついちゃったね。
エメラルドグリーンですごい綺麗だからいいんだけど。
とりあえずくるくる巻いたやつも作ってみよ。
短いの作ってレシピ出来れば長いのも作れるよね…?
流石にあの長さ10個はきつい…
とりあえず30cmくらいで…
●合成糸(清流熊.マラカイト)
評価 : 10
特徴 : 裁縫により作られた複数の糸を合わせた糸
あれ、出来た。
あ、そういう事だったのね。
さっきのは錬金でこっちは裁縫なんだ!
とりあえず2つともレシピにしちゃって量産しようかな!
………
《錬金糸 評価10のレシピを習得しました》
《合成糸 評価10のレシピを習得しました》
さて、出来たし早くライムの服完成させてあげないとね。
まずは元となるワンピースを作って、その後にフリフリとか飾りつけてく感じで行こうかな!
服は家でも作ったことあるし、ちゃっちゃと終わらせちゃおうかな!
ゲームだから計測しなくていいんだよね。
大きさが勝手に調整されるってよくよく考えると凄いよね。
この間白いワンピース作った時は裁縫キットみたいなの使って作ったけど、これ布にするまで錬金でできたりしないかな?
一回やってみよっか!
とりあえず糸をいっぱい作ってやってみよう、《スキル錬金》!
●錬金布(清流熊.マラカイト)
評価 : 10
特徴 : 錬金で作ったため普通の布よりも丈夫
おー、これってもしかしたら錬金使って色んなもの作れたりするのかな?
また今度試してみよっか!
そしたら布作って一気に編んで終わらせちゃおー!
《錬金布 評価10のレシピを習得しました》
………
んー、ライム用だし胸元はあんまり開けないで…
………
袖はとりあえずつけなくていいかな…
………
スカート丈は膝上くらいで…
………
この辺で《スキル付与 剣撃速度増加 斬撃強化》!
………
こんな感じかな!
そしたら合成糸の方で今度はフリフリとかつけちゃお!
「まだ出来てないのー?」
「そうだよー。この後もっと可愛くするんだよー!」
「わかったー!」
………
肩にこれつけるでしょ…
………
あと、胸元とお腹周りにはこんな感じで…
………
スカートには少し多めに下に行くにつれて波を大きくして行く感じで…
………
最後に腰のところに大きめのリボンをつけて…
………
よし、こんなもんかな!
●清流のドレスワンピース
評価 : 10
能力 : DEF+15 MDEF+20 VIT+5 MADEF+5
水属性強化(小) 水耐性(中) 反射速度強化(小)
付与 : 剣撃速度強化(小) 斬撃強化(小)
おー、なんか強そう!
「ライムー、おまたせー!」
「やったー!」
「あっちで着替えておいで…って、もう脱いでるし…」
「これどう着るのー?」
「えっとね、ここをこうしてー、こうすると、ほら!」
「わー!着れたー!」
「フウ、似合うー?」
「うん!すっごく可愛いよ!」
ほんと良く似合ってるよ!
髪と瞳の色にもすごいマッチしててほんと可愛い!
「フウ、ありがとー!」
さて、次は自分のだね。
熊の毛でいいかなもう。
自分のとなるとめんどくさくなるんだよねー…
わかる人絶対いると思うんだよね、この気持ち。
おっと、それはさておき早く作っちゃわないとね。
熊と猪の素材でもういいかな。
あと、マラカイト使って。
この間の黒蛇のところにいっぱいいたもんね。
あっ!
黒蛇!
黒蛇の素材余ってたし使っちゃおー!
まずは熊と猪の皮錬金で合成できないか試してみよっか。
熊と猪の皮重ねて、《スキル錬金》!
●合成皮(清流熊.大猪)
評価 : 10
特徴 : 清流熊の弱点の耐久性を大猪の強靭さで補強した物
いい感じに上手くいったね!
そしたらマラカイトで基盤を作って…
合成皮と黒蛇の皮をこうして…
ここをこことくっつけて…
あ、ここもこうしておこうかな!…
最後に黒蛇の鱗をこうして…
ここもあったほうがいいよね!…
よし、できた!
●清流の髪飾り(黒蛇強化版)
評価 : 10
能力 : DEF+10 MDEF+20 DEX+20
水耐性強化(小) 水属性攻撃強化(小)
物理攻撃軽減(中) 属性攻撃強化(小)
付与 : 攻撃力強化(小) 魔法攻撃力強化(小)
●清流の軽鎧(黒蛇強化版)
評価 : 9
能力 : DEF+10 MDEF+15 DEX+15
水耐性強化(小) 水属性攻撃強化(小)
物理攻撃軽減(中) 属性攻撃強化(小)
付与 : 物理攻撃軽減(小) 魔法攻撃軽減(中)
●清流の腕当て(黒蛇強化版)
評価 : 8
能力 : DEF+10 MDEF+13 DEX+10
水耐性強化(小) 水属性攻撃強化(小)
物理攻撃軽減(中) 属性攻撃強化(小)
付与 : 生産速度強化(小) 生産効率強化(小)
●清流のスカート(黒蛇強化版)
評価 : 10
能力 : DEF+10 MDEF+20 DEX+20
水耐性強化(小) 水属性攻撃強化(小)
物理攻撃軽減(中) 属性攻撃強化(小)
付与 : 回避率強化(小) 回避速度強化(小)
●清流の靴(黒蛇強化版)
評価 : 7
能力 : DEF+10 MDEF+12 DEX+7
水耐性強化(小) 水属性攻撃強化(小)
物理攻撃軽減(中) 属性攻撃強化(小)
付与 : 移動速度強化(小) 跳躍強化(小)
●清流のマント(黒蛇強化版)
評価 : 10
能力 : DEF+10 MDEF+20 DEX+20
水耐性強化(小) 水属性攻撃強化(小)
物理攻撃軽減(中) 属性攻撃強化(小)
付与 : 物理耐性(小) 魔法耐性(小)
全部10じゃないのがなんか悔しい…
まあ私のだし、いっか!
次いこ、次!
次はジュドラの装備だね。
輝岩竜かー。
多分鎧とかにしたほうがいいんだろうなー。
鍛治か…
骨の時みたいな感じなのかな?
とりあえずカンカンするって事だね!
最近鍛治使うこと多いからだいぶ慣れたんだよね。
とりあえず始めちゃおうか!
まずは骨をインゴットにしなきゃね。
レシピ無いから打たないとだね…
カンッカンッカンッ…カンッカンッカンッ……
ふぅー…
●輝岩竜のインゴット
評価 : 10
やっぱ鉱石と違って骨は疲れるね。
ってか、最近ほとんど評価10しか出てない気がする…?
なんか理由でもあるのかな?
嬉しいからいいんだけどね〜!
ささ、気を取り直して全部作っちゃお!
カンッカンッ…カンッカンッ…カンッカンッ……
とりあえず終了。
あとちょっとでレシピ出来るね!
素材が少ないとやっぱり大変だなー。
この間兎の骨インゴットにしてみようとしたけど出来なかったからなー。
どんな条件があるかわからないけど、モンスターに格付けとかあるのかな?
まあいいや、早く作って前夜祭行かないとね!
ジュドラ、確か斧ぶん回すとか言ってたな…
そしたら付与は攻撃力強化と魔法防御強化でもつけようかな。
斧は…
何がいいかな…
とりあえず防具の原型皮で作っちゃおうか!
って言っても前作ったことあるし、原型は簡単だからすぐ終わるんだけど…
ちゃちゃっとね♪
………
よし、次は輝岩竜の素材!
黒紅石とインゴットだね。
普通にやればいいよね?
カンッ…カンッ…カンッ…カンッ…カンッ……
ここで《スキル付与 攻撃力強化 魔法防御力強化》!
カンッ…カンッ…カンッ…カンッ…カンッカンッ……
こんな感じかな!
レイナの時同じ感じで作ったから比較的簡単に出来たなー。
あとは斧だね…
付与何にしよう…
斧…斧…斧…うーん…
攻撃力強化と衝撃強化とか…?
付与できるもののリストが欲しい…
あ、でもそうすると自由感が無くなっちゃうね…
難しいことはガゼルさん達に任せよう。
付与も決まったし早く終わらせないとね!
カンッカンッカンッ…カンッカンッカンッ…カンッカンッ……
うーん…ここをこうかな?
この辺で《スキル付与 攻撃力強化 衝撃強化》!
そしたらこの辺でスキル彫金で…
こんな感じかなー。
なんか呆気ないというかなんというか…
完成したからいいんだけどね。
●竜戦斧・黒紅
評価 : 10
能力 : ATK+100 STR+20
火属性(中) 闇属性(小) HP吸収(小)
付与 : 攻撃力強化(小) 衝撃強化(中)
特殊能力 :
●輝岩の竜鎧・頭
評価 : 8
能力 : DEF+35 STR+8 MND+8
付与 : 攻撃力強化(小) 魔法防御力強化(小)
特殊能力 : 全身装備時『火属性吸収(小) 防御力強化(小)』
●輝岩の竜鎧・胴
評価 : 9
能力 : DEF+40 STR+10 MND+10
付与 : 攻撃力強化(小) 魔法防御力強化(小)
特殊能力 : 全身装備時『火属性吸収(小) 防御力強化(小)』
●輝岩の竜鎧・手
評価 : 9
能力 : DEF+40 STR+10 MND+10
付与 : 攻撃力強化(小) 魔法防御力強化(小)
特殊能力 : 全身装備時『火属性吸収(小) 防御力強化(小)』
●輝岩の竜鎧・腰
評価 : 10
能力 : DEF+50 STR+20 MND+20
付与 : 攻撃力強化(小) 魔法防御力強化(小)
特殊能力 :
全身装備時『火属性吸収(小) 防御力強化(小)』
●輝岩の竜鎧・足
評価 : 9
能力 : DEF+40 STR+10 MND+10
付与 : 攻撃力強化(小) 魔法防御力強化(小)
特殊能力 : 全身装備時『火属性吸収(小) 防御力強化(小)』
さて、ジュドラの一通り出来たし後はライムの装備だけだね!
ライム武器は私みたいに短剣じゃ無いから背中に装備2本ともつける感じで行こうかな!
あ、でもその前におまけで指輪作っておこうかな!
簡単にできるし。
ここをこうやって叩いて…
ここをくっつけて…
最後に磨いて模様つけたらもう完成!
●輝岩竜の指輪
評価 : 10
能力 : ATK+3% STR+15
おぉー、そこそこ良い出来になったんじゃない?
素材が良かったからかな!
とりあえず出来たし、ライムの武器作らなきゃね!
でも素材何使おう…?
今あるのはマラカイトとか黒蛇の骨とかしか残ってない…
ライムに合わなそうな素材しかない…
とりあえず保留かなー。
「ライム〜、武器とりあえず無くても大丈夫ー?」
「んー、そもそも無くても大丈夫だよー?」
「それはダメだから今度作るね!」
「はーい、ありがと!」
さて、終わった。
…前夜祭行こ。
「ライムー、お祭り行くよー!」
「お祭り!?行く行くー!」
とりあえずジュドラに連絡いれとこ。
『出来たから大丈夫な時連絡ちょーだい』
っと。
それじゃあ前夜祭行こうか!
………
ピヨピヨッピヨ…
さて、イベント本番だね!
前夜祭も楽しめたし、ジュドラに防具も渡せたし思い残す事なくイベントに臨めるね!
それじゃあ噴水前まで行こう!
「ライム行くよー」
「しゅっぱーつ♪」
うわー…
凄い人の数…
まあでも人気のゲームだしゲーム始まって初めてのイベントだしこんなもんだよね。
おっと、そろそろかな!
『皆さん初めまして!私はこのゲームのGMを勤めさせて頂いております、ストルフィと申します!ついに始まりました、始まってしまいました!長々しいことはなしにして今は初めてのイベントを皆さんと一緒に楽しむとしましょう』
流石に大歓声だね!
「うわっ、誰!?」
「こっちで会うのもお久しぶりって感じだねー」
「びっくりしたー、アヤカか…」
「チーム系のイベントになるってメールにあったからフウの事探してたんよー」
「そうなの?あ、発表されるよ」
「いやー、待ってましたとも!」
『それではみなさんお待ちかね!イベントを早速始めていきたいと思います!というわけで、まずは5人組パーティーを作ってください!』
えっ4人も知り合いいないんだけど!?
アヤカにレイナにファイスにジュドラに…
って居たわ。
ただアヤカ以外他の人と組むだろうメンバーだなー…
「アヤカ組めるー?」
「とーぜんっしょ!そのためにここにいるしメンバーも集めてきたんだからね〜」
「集めたの?私の知ってる人って…えっ!?」
いやいやいやいや、今私が思ってたメンバーじゃん。
「え、アヤカが集めたメンバーって全員トップギルドのメンバーじゃん!?」
「なーに言ってんのさー、うちらのギルド何もしてないけど人数も満足度もトップクラスだからね?」
「そうよ?ほとんどの話題の中心にいる人が何を言ってるのかしら?」
「あー、もしかしてフウは掲示板見てない感じか…」
「そんな感じだろうな。一気に追い上げてそのまま去って行ったもんな」
え、ねえ、待って?
みんな何言ってるの?
私が私のために作ったギルドがトップクラス!?
それに満足度って何よ!?
「私状況が全然わからないんだけど…」
「まーまー、それは後で説明するとして今はPT組んでイベント楽しみましょうやー」
「わかったけど、後でちゃんと説明してよ?」
「はいよー」
(やいやい、みんな後は任せたみたいな目でうちを見るんじゃないよ!)
「みんな、そろそろよ」
『さて、そろそろ組み終わりましたかね。4人以下でも1人でもPT扱いとなりますのでご了承願います。それではみなさん、ご健闘をお祈りしています!』
………
ここが今回のイベントエリアかー。
どっからどう見ても山頂なんだけど…
「わー、雲海が綺麗だー」
「ほんと、凄く綺麗ね」
「いやいや、レイナ?私棒読みしたよね?」
「姉さん!俺も綺麗だと思います!」
「おい…」
「え、待って!ハズレって思ってるのうちだけ!?」
「そんな事ないわよ?確かに綺麗だけど厄介なのに変わりはないわ」
「ファイスってレイナの前だとキャラ変わるよね」
「フ、フウ!今それは関係無いだろ!?ってかそんな事はない!」
「んー、あるね?」
「そうなの?私の中ではこれがファイスなのだけど…」
「なあ…」
「ファイスってもしかして…?」
「あるかもねぇ〜」
「え、どういう事?」
「お前らいい加減に…」
「おい!!!」
………
うわっ、びっくりした…
「俺を蚊帳の外にするな!あと、喋ってないで攻略はじめないとダメだろ!?」
「あら、寂しかったのかしら?それにジュっくん硬いわよ?」
「せ、先輩!その呼び方はやめて下さいって!」
「「「えっ!?」」」
「あー、ごめんなさい。私たち職場が同じなのよ」
「いやー、これは三角関係の完成かな〜?」
「アヤカ、揶揄うのも良いけどジュっくんの言う通り今は攻略始めないとだよ!」
「お、おまっ…」
「そうだね〜。確かにうちもジュっくんの意見に1票かなー」
「お前まで…」
「………」
「ファイス、そこは乗らなきゃダメっしょ〜」
「いや、遠慮しておく…」
「ジュっくんって呼び方そんなにおかしいかしら?」
……30分後………
いやー、楽しかったけどだいぶスタート遅れたなー笑
今の状況説明すると、お喋りの後改めて軽く自己紹介をした後、少し下った所に洞窟を見つけて分かれ道であえて風が抜けてない方に進んでる所。
風が出てる方は出口だろうしどうせなら、ね?
ってみんなの意見が一致して今の状況。
「にしても少しモンスター強くないか?」
「確かに2層目か3層目くらいの強さはありそうだな」
「でも、ファイスがフウ装備じゃないっていうのも理由の一つかもしれないわね」
「さっきも言ってたけどそのフウ装備って何?」
「あぁ、掲示板で話題なんだが、フウの量産装備じゃない特注装備の事をフウ装備って言ってるらしいな」
「なにそれ…」
「いやー、俺も早く欲しいっす!」
「なんでそんなブランドみたいになってるの…」
「いや、弓が売りに出されてからずっと話題になってて、最近名前がわかってからもうずっとフウの装備はブランド物よ…」
「確かにねー!フウは間違いなく化け物だからなー笑 そんな人と契約交わせてるうちらは幸せ者だからねー」
「いつの間に…」
「おっと、お話は一旦中止だ」
「多いっすね…」
「なにこの気持ち悪いの…」
「蛇蝙蝠っぽいね、2層の洞窟でこの前似たような奴見たなー」
「やるしかないわよっ!フウ、みんなに付与お願い!」
「まずジュドラの分ね《スキル付与 攻撃力強化 連携強化 溜め時間軽減》!次ファイスの分《スキル付与 攻撃力強化 斬撃強化 攻撃速度強化》!次アヤカ《スキル付与 魔法攻撃力強化 連携強化 移動速度増加》!最後レイナ《スキル付与 攻撃力強化 貫通力強化 状態異常強化》!」
「ありがと〜」
「助かる!」
「サンキュー!」
「ありがとね!」
「って、打合せでは思わなかったけどみんな攻撃強化系なんだね…」
「ファイス、アヤカ、頼んだ!」
「「りょーかいっ」」
「ジュっくん!後ろもちゃんと警戒しなさい!」
「すんません、助かります!」
「わー、私やる事ないなー…」
みんな凄いよ、ちゃんと連携してるしそれぞれ役割分担されてるんだね。
みんな攻撃ばっかって思ったけど、ジュドラが壁しながら攻撃やってファイスは物理特化、レイナが遠距離から補助攻撃、アヤカなんて魔法剣で攻撃しながら回復までやってるよ…
最初は戦い怖かったけど今は面白そうなんだよね。
ステータス的には厳しいんだけどね〜…泣
「ほい、次っとっ!」
「アヤカ乗ってるわね」
「とーぜんよっと!多数相手は一番得意だからね!」
本当にいつにも増して楽しそう。
根っからの戦闘狂だからね。
「俺もやる事がほとんど無いくらいにな…」
「ほんと、化け物が多いと違うもんなんすね…」
「フウのバフがあるだけで威力が桁違いだものね」
「終わった終わったー、これじゃ肩慣らしにもならないやー…」
「おつかれ、私なにもできてないけど…」
「安心して、フウがいなかったらここら辺のモンスター私たち苦戦すると思うわ」
「ああ、先輩の言う通りだ」
「ジュっくんもレイナの前だとキャラ変わるよね〜」
「アヤカ、また長くなるから…」
………
ここまで結構降りてきたし、結構モンスター倒してきたのにまだ先があるよ…
ダンジョンって訳でもないのにどこまで続くんだろ…?
「おいおい、これって…」
「ちょっと待って、これミスリルじゃない!?」
「わー、またいっぱいあるね〜」
「確かにこりゃ凄い量だな」
「腕がなるね!」
………
「やっと終わったね〜」
「そうね、今だけで5セットと40個くらい集まったわね」
「ん?1セット確か99個だから…って、そんなに集まったの!?」
「面白いくらい集まったわよね。ちなみに私の分は全部フウに預けるわね」
「もちろんうちも預けるよー」
「まあ当然だな」
「当然っすね」
「え、?みんないらないの?」
「みんな欲しいわよ?でも、私たちが欲しいのはミスリル鉱石じゃなくてミスリル製のフウ装備なの。持っていても宝の持ち腐れって所よ」
「みんながいいならいいんだけど…」
そんなポンポン譲っちゃっていいものじゃ無い気がするんだけどなー…
確かまだ見つかってないんでしょ?ミスリル。
「それよかだいぶ時間掛かったし、先進んじゃおー?」
「そうだな」
「山頂が雲の上だったあたりちょうど中腹くらいかしら?」
「かもね〜。こりゃ足が疲れるわ」
ほんと足が疲れるよ。
戦いながらって言うのもあるかもしれないけど、それを言ったらみんなの方が疲れてるよね。
弱音吐いてないで頑張らなきゃ!
………
外ではその頃…
「おい、噂のフウが見当たらないぞ!」
「知らねーよ、スキャンにも引っかからないんじゃどっかでのたれ死んだんだろ」
………
「トップギルドのマスターがほとんどいないって噂本当なの?」
「全員揃ってる所1回でも拝みたかったのになー…」
………
「でもあの化け物連中が死ぬなんて事あるか?」
「そんな事ないと思うけど…」
………
「フウ様はいったい今どこでなにをしているのでしょ〜」
「あぁ、早くお会いしたいですね〜。我らが天使に!」
そんなこんなでフウ達はイベント参加メンバーの話題となっていた。
それも今回は別の意味で。
………
その頃フウ達はというと。
「くそっ、こいつ他の奴らと別格すぎやしないか!?」
「なかなか厳しい戦いっすね…」
このガーゴイル、本当に強い。
私戦ってないからあれだけど、みんなの表情が今までと違って本気だし、みんな凄い楽しそう。
あー、この気持ち。
凄いもどかしいというかなんというか…
めちゃくちゃ戦いたいんだけど!?
みんなの連携とかもそうだけど、こうなんと言うか目の前でこんなにも楽しそうな戦闘見せられたらそりゃね?
「門番くせーこいつがこんだけ強いんじゃあのデケェ扉の中にいる奴はどんだけ強いんだよっ!?」
「ジュっくん、つべこべ言わないで。ここまで来た以上あの扉の中の倒さないと帰れないんだから!」
「まあまあ〜、ボスがどんな奴にせよ通ってきた道ふさがれたら進むしかないよねっと!危ないな〜」
「こいつ消耗してきたみたいっすよ!」
「一気に畳み掛けるわよ!」
………
「疲労感半端じゃないな…」
「そうね…流石に私も疲れたわ」
「みんなお疲れ様。あんまり役に立てなくてごめんね」
「いやいやー、十分十分」
「間違いないな」
「サポート系は居たら心強いけど貢献出来てるかはわからないものね」
そうなのかなー…
何かないかな、生産職専用の武器みたいな物。
今は短剣、短刀しか装備出来ないからなー…
やっぱ専用武器欲しいよね!
今度考えてみよー!
サポートだけじゃなくて戦闘もやってみたくなっちゃったんだからしょうがないよね!
私もみんなと一緒に戦いたいし!
「みんなありがと、そろそろ扉の中入る?」
「そうね」
「準備はできてるぜ!」
「うちもオッケー!」
「俺も大丈夫っす!」
「それじゃあ行きましょうか!」
この緊張感、今までにない感じ。
私でもこの奥に強いのがいるってわかるよ…
「おもっ!?」
「ジュっくん、しっかりして?」
「先輩、本気ですって!」
「ファイス、手伝ってあげて?」
「わ、わかりました!」
「いくぜ?」
「「せーの!」」
「姉さん、これマジのやつです…」
「アヤカ、私達も手伝いましょ…」
「はいよー!」
「いくわよ!」
「「「「せーのっ!!!」」」」
「あー、これはダメだね〜」
「ほんとピクリともしないわね…」
「だろ?」
「アヤカ、どうしたの?」
「ひらけ〜ごま〜!」
………
「は…?」
「アヤカ、急にどうしちゃったのよ?」
「いやー、こういう扉の定番かと思ってさー。まあ、そう簡単にはいかないか〜」
こんな巨大な扉開くわけ…ってあれ?
少しだけど魔力が流れてる…?
気のせいかもしれないけど、そんな気がする。
「ん、ちょっといい?」
「お、フウもチャレンジか!」
「うちら4人でもダメだったんだよ!?」
「何か考えがあるのかもしれないわよ?」
「姉さんの言う通りっすよ!」
扉に手を当てて、扉に魔力を流し込むイメージでっ…!
「「「「!!!??」」」」
「う、嘘だろ…!?どんだけ馬鹿力なんだよ…」
「いやいやー、本当にやっちゃったよ…」
「でもどうして?」
「えっとね、扉に魔力が流れてる気がしたからもしかしたらと思って魔力を流しながら押してみたの」
まさか自分でも本当に開くなんて本気では思ってなかったんだけどね。
「「「そんな考えが…」」」
「扉の中はすごい広い空間みたいっすよ」
「間違いなくボス部屋だろうな…」
「ここからが本番だからな〜」
「フウ、みんなに付与お願い」
「りょーかい!」
………
「それじゃあ行くっすかね!」
「そうね!」
本当に何も見当たらない。
それに扉が大きいだけに中もすごく広い。
「ねえ、なんか風強くない?」
「てかこれ翼で羽ばたいてる風圧じゃねーか!?」
『コノ我ノ眠リヲ邪魔シタ挙句、我ノ住処二侵入シ宝マデ奪オウトシタ虫ケラハ貴様ラカ!我ノ力デ消シ炭二シテクレル!』
「こいつっ…」
「うっ…」
「2人とも大丈夫!?」
「いや〜、これは想定外中の想定外だよ…」
「ほんとっすよ…まさか…」
「ああ、まさかファフニールが出てくるなんて聞いてないぞ…」
「ファフニールってあの宝を守ってる竜の事だよね!?」
「ああ、これは厳しい戦いになるぞ…」
「とにかくまずはいつも通りやるしかないわ!行くわよ!」
「「「りょうかい!」」」
「ファフニールの鱗は硬いから気をつけてねっと!」
………
「っ!!?あぁ、こりゃ打撃が欲しい硬さだな…」
………
「速さが売りの俺は厳しいっすね…」
………
「私の矢も柔らかそうなところでやっとって感じだわ…」
………
「効いてる感じの攻撃はうちの魔法剣だけっぽいねー…」
「何か作戦考えないと、このままじゃ勝てないわよ…!」
どうしよう、このままじゃみんな負けて全滅しちゃうよ…
せっかくの最初のイベントなのにそんな結果で終わっちゃうなんて絶対につまらない。
私に何かできることがあればいいんだけど…
あ、ライム呼んだら少しは違うのかな…?
こんな所で隠して出し惜しみしてる場合じゃないよね!
「フウ、ライム呼ばないときついかもしれなっ…こうなっちゃった以上全滅よりかはマシだと思う!」
「うん、私もちょうど同じこと思ってた!ライム、お願い!」
「フウ〜?どうしたのーって、わっ!?」
「戦いの途中に呼んじゃってごめんね!私達じゃ倒せなさそうだったからライムに手伝ってもらいたいの!」
「まっかせるのー!」
「まっかせるのー!」
「だ、誰だよそいつ!?どっから出てきやがった!?」
「とりあえずその話は後よ!とりあえずこいつ倒さないと!」
「ねえ、ライム。光剣操りながらみんなの回復出来たりする…?」
「もっちろん!余裕なの〜♪」
「じゃあライムそれでお願い!タイミングとかわからなかったらアヤカに聞いて!」
「わかったのー!」
「アヤカ!ライムに回復任せたから全力でやっちゃって!」
「…っと、りょーかい!」
「俺らはどうしたらいい、さっきまで客観的に見てたフウが指示してくれ!」
「えっ!?私!?」
何がどうして私になったの!?
客観的にって言っても私ゲーム経験そんなにないよ?
って言ってもみんな戦闘で忙しそうだしやるしか無いのかな…
「フウ!フウなら出来るよ!」
「っちょ、アヤカ!?はぁ〜。わかった、少しだけ時間ちょうだい!」
どうしよ、まずみんなのメイン戦闘スタイルからだよね。
まず私は支援、ライムは全距離魔法火力と回復、アヤカは近距離魔法火力と回復、レイナは遠距離物理火力、ファイスは中距離高速物理火力、ジュドラは近距離物理火力+壁って感じかな。
…ただの脳筋パーティじゃん…
ライム呼ぶ前は私とレイナはほとんどダメージ入ってなかったから、これしかないよね!
「ライムはさっきの指示通りに!アヤカは近距離から、ファイスは中距離から、レイナは遠距離からもう全力でやっちゃって!あと、アヤカはライムが手に負えなかったり見落とした回復補って欲しいかも!ジュドラは壁しながら攻撃お願い!」
「りょうかいなの〜」
「難しいこと言うね〜、まあゲーマーの腕の見せ所だしやってやりますか!」
「りょうかいっす!」
「わかったわ!」
「それくらい出来なきゃギルメンに合わせる顔がねぇ!」
これで倒せなかったら責任重大だけど、私だってパーティの一人なんだからそれくらいの責任負わないとね。
………
「ちょっとまずいな〜、そろそろMP切れるわー…」
「ライムも危ないかもー…っ!?みんな広域麻痺毒ブレスが来るの!」
「なっ!?」
まずい!今そんなの直撃したらダメージだってまずいのに、麻痺毒なんて食らったら全滅しちゃう…
なにか、何か私に出来ること…
そうだ!
「《スキル広域付与 状態異常耐性強化(中)》!」
「みんな!防御態勢!!」
うっ、毒だけ入っちゃったか…みんなは!?
「毒だけだった人は麻痺入った人回復するまでカバーして!」
「すまん、一番入ったらまずい俺が麻痺入っちまった…」
「そういうの後にして、とりあえず耐性立て直さないとね〜っと!」
「私もクリスタルダガーあるから少し参戦するね!」
「おっけー!麻痺入ってないのうちとフウとファイス、あとはライムかな。ファイスとライムで麻痺入った二人にダメージ入らないように立ち回って!うちも出来る限る限りヘイト稼いで壁やるから!フウはとりあえず死なないで!」
「おうよ!」
「は〜い!」
どうしよう、不意に戦闘しなきゃいけなくなったからすごい緊張する…
でもなんでかすごいワクワクもしてるんだよね。
というかクリスタルダガー何が出来るか試してないよね…
まず属性は風属性、魔力放出って武器の魔力なのか私の魔力なのかどっちなんだろ?
まあ両方やってみるしかないよね!
「えいっ!………」
「何してるの?」
「ねえアヤカ、武器の魔力放出ってどうしたらいいの?」
「自分の魔力を武器に込めるだけだよ!おっとっ…!」
「ありがとー!」
私えいっ!とか何恥ずかしいこと言ってんだ…
何か作る時みたいに体に流れる魔力を物に流し込む時と同じ感じで武器にこんな感じで…
「すごい、圧縮された空気が剣の先から伸びてる感じ?周りは風強いしどうなってるんだろ?」
「フウ!?それって魔剣だったの!?」
「魔剣?ってなに?」
「はぁ〜、とりあえず後で説明するから今はそれでやっちゃって!」
「う、うん」
ライムが剣持って戦ってる時みたいにこんな感じかなっ!
「ちゃんとダメージ入ってるね!そのままやっちゃって!」
「りょーかいっ!」
おぉー!これって私ちゃんと戦えてるよね!?
まだちょっと怖いし、慣れてないからどう動けばいいか全然わからないけど楽しいかも!
「フウー、一緒に戦うの楽しいねー!」
「そうだね!ライム、今度戦い方教えてくれる?」
「いいよー!ライム、フウの先生するー!」
そんな会話をしていたフウ達を見ていた麻痺組はというと…
「ものすごくほのぼのしいわね…」
「ああ、強敵と戦ってる感じは全くないな」
「まあ、二人が楽しいならいいんじゃないかしら?」
「死んじまったらそこまでなんだがな…」
「でも、逆に私達は見習うべきなのかもしれないわね」
「どういう事だ?」
「だって、私達も昔はああやって楽しくやってた時期があったのに今じゃ攻略攻略って必死でしょ?」
「確かにそれはあるな…」
「ごめん、私はそろそろ動けるようになったから先に行くわよ」
「ああ、すまん。俺もすぐに追いかける」
………
「こいつ強過ぎだよ〜…」
「だね…ブレスしてから全然ダメージ与えられてる気がしないよ…」
「ごめんなさい!回復したから私も参戦するわ!」
「お、ようやっと復活かな!意外と早かったね!?」
「姉さん、お帰りなさいっす!!」
「遅くなってごめんなさい!ジュッくんのもう少しで回復すると思うわ!」
これで私の出番も終わりかなー。
「わりぃ、遅くなった!」
「これで全員復活かな!全員で一気に畳み掛けるよ!」
「わ、私も!?」
「当然でしょ!」
「わ、わかった」
………
「………」
「俺は死を覚悟した…」
「安心して、私もよ」
「流石にうちも覚悟はしたね〜」
「俺もっす…」
「ライムも危なかったかもー」
確かに、ここまでメンバーが完璧に揃っててピンチになるほどの敵だったって事だもんね。
「あー、うちさ。みんなに1つ謝らなきゃいけない事があるんだよねー…」
「どうしたの?」
「えーっと、実はファフニール別のゲームでも戦ったことがあるんだけど、今回同様そのゲームも逸話を忠実に再現されてたの。それで攻略法なんだけど、本来ファフニールって回復魔法をあえてかけて解呪してから戦うものなんだよねー…。それで倒せば本来通りの報酬は貰えるんだけど、解呪前の状態で倒すと理不尽なほど強いからそのゲームだと特別報酬が入るんだよ。だからごめん、自分の欲でみんなを危険に晒しちゃって」
アヤカとジュドラが互いになにかを確認したかと思ったら。
「ごめんんなさい、アヤカに言わせてしまって…」
「すまん、実は俺らも知っててそのまま戦ったんだ…」
「フウやライム、ファイスには悪いことしちゃったわね」
「いいよ、倒せたんだし!」
「ライムも楽しかったから、大丈夫ー!」
「いい報酬貰えるのは嬉しいっすからね!」
「とりあえず私はフウに素材渡しておくわ、契約もあるしね!」
「そんならうちも〜」
「あ、俺も渡しとくっす!」
「お、おい!待て待て、その契約ってのはなんだ!?」
「ただの専属契約だよ〜」
「ええ、素材を渡して作って欲しいものがある時、直して欲しい時に協力してもらうって感じよ」
「なっ、おい!フウはそれでいいのかよ!?」
「フウ、普通の人ならこの反応が正解よ」
「あ、うん。流石にわかってきたよ…」
「ジュっくんは装備作ってもらって気づかなかった?」
「なにを気づ……いや、待てよ…って!確かに受け取った時が前夜祭真っ只中だったから考えもしなかったが、言われてみれば異常だな…」
「異常って…」
「少ししか残らないはずの素材で全身防具に武器、アクセサリーまでおまけに付きって事は失敗なしって事か!?加えて評価も平均で8を超えてやがる…フウ、お前どんなチート使ったらこんな事になりやがるんだよ!」
「どんなって私普通にやってただけだよ?それをチートって言われるのはなー…」
「わりぃ、頭に血が上ってた…そのー、すまん。あんなこと言った後であれなんだが俺も契約していいか?」
「大丈夫だよー」
「一件落着だねー!とりあえず初回討伐ボーナス貰っちゃおっか!」
「いくわよ、せーの!!」
「うち、金護竜の竜血だってー」
「私も同じね」
「俺も竜血だな」
「ライムも〜」
「私、龍の書Ⅰってやつ。龍語が話せるようになるらしいよー。全部で10まであるらしいよ」
「フウらしい物が出たね〜」
「あれ、ファイスは?」
「あ、姉さん。俺、金護竜の呪宝って名前のアクセサリーでしたね」
「「「!!!!!」」」
「どうしたの?3人とも驚いて」
「??フウー、呪宝ってなあにー?」
「そのままの意味なら呪われた宝って事かな?」
「竜血は1時間HPとMPが500増えるみたいだけど、呪宝はなんて書いてある?」
「あ、えっと…使用回数制限無しのアクセサリーで5分間竜人化か1分間竜化出来るらしいっすね!」
「なっ…!?」
「またデタラメな物出したわね…」
そんな感じでファフニール討伐も終わって奥の部屋にあったポータルで外に出た。
「予想はしてたけどやっぱ山頂だね〜」
「これは無駄に時間食いそうね…」
「ちょっといいっすか?呪宝試しに使って乗って降りちゃうのはどうっすか?」
「お、名案じゃねーか!!」
「それは確かにありだなー」
「でもどんな竜になるんだろうね?」
「「「あっ…」」」
「貴方達はもう少し考えましょうよ…何か説明欄に書いてないの?」
「お、書いてあったっすね!えっとー、ある一定種の中から自分の想像した物に一番近い種になるらしいっす!」
「これは間違いなく飛竜だな」
「間違い無いわね」
「じゃあいくっすよ!!!……」
「「「「っっ!!!?」」」」
「おぉー!これは面白いっすね!時間ないんで乗っちゃってくださいっす!」
「ライムは戻ってよっか!」
「はーい!」
「とりあえず街の前まででいいかしら?」
「そうだな」
「私もそう思う!」
「じゃあしっかり掴まってて下さいね!」
すごい!私達、飛んでるよ!
私語彙力あんまり無いから上手く伝えられないけどとにかくこれは最高だよ!
景色すごいし、ちゃんと空気抵抗無いしすっごい快適かも!
「これは凄いわね!」
「最高に気持ちいいね〜」
「街が見えたんでそろそろ降りるっすよ!しっかり掴まってて下さい!」
………
『ヘレヴィラの街へようこそ』
街を囲う様に壁が張り巡らされ、アーチ状にくり抜かれた壁の上にそう書いてあった。
「ここが今回のイベント唯一の街か、1つしか無いだけあってでかいな」
アーチを潜るとそこは大通りを中心として様々な店舗や住宅の立ち並ぶ西洋風の街並みが広がっていた。
高い建物は無く、高くても3階建ての建物しか見当たらない。
「ね、ねえ!あれって…」
「まじか!」
「ほらやっぱり!生きてるって言ったろ?」
「きゃー!トップギルドのマスターが勢ぞろいしてるよ!」
「まじ神!スクショしとこ!」
なんかアニメとかでよくある騎士団の帰還みたいに人で列が出来てるんだけど…
「いや〜、予想はしてたけどやっぱこうなるか〜」
「しょうがないっすよ、しばらく洞窟に籠ってたんでサーチもされなかったみたいですし」
「にしてもここまで来るとやりづらいわよね」
「これじゃまるで芸能人だね…」
「とりあえず宿屋っすかね?」
「私ははアイテム整理して外でちゃった方がいいと思うけどなー。宿屋に居る間に噂でも広まって余計に人増えても面倒だし…他のみんなはどう思う?」
「私はファイスに賛成して休みたい所だけれど、この状態の街に長居するのも難しそうって考えるとやっぱり私もフウに賛成って所かしら」
「俺は休めりゃどっちでも構わねー。まあ、宿屋の方が休みやすいって考えりゃファイスに賛成ってとこか」
「うちもフウに一票かなー」
「確かにちゃんと考えればフウの言う通りっすね…」
「じゃあとりあえずアイテム整理していいとこ街から出ちゃいましょ」
「そうだね〜。ポーションとかの必需品もうちのパーティには天才がいるしね〜」
「あぁ、サバイバル環境においてこれほど頼れる人材はそうそういないからな…」
とりあえず素材屋に着いていらないものを全員片っ端から売って素材屋の外に出たわけ。
まあ予想通り人だかりはまだあったんだけどね?
街を出ようと歩いてたんだけど…
「ねえ、この人だかりはいつまでついてくるのかしら…」
「なんのパレードだよって話だな…」
「それはそうとこの後の行き先は?」
「それなんだけどね〜!さっき小耳に挟んだんだけど、難易度が恐ろしく高い火山があるらしいんだよね〜。しかも入口が2種類あるらしくて、下は普通に入れるらしいんだけど、上は山登りの道中も強いしほとんどHPの減らない門番が居て入れないんだってさー。そこでね!」
「あ!私アヤカがなに言うかわかった」
「俺もだ…」
「うん、ファイスに竜になってひとっ飛びっしちゃえばいいじゃん!ってね」
「確かにそれなら人も振り払えるっすもんね!」
「確かに名案ね」
「そうと決まれば出発っすね!いくっすよ!」
「え…え!?ファイス様が竜に!?」
「おい、なんだよあれ…」
「あんなアイテムあったっけか?」
「おい、現ファイブトップの4つが集結してるんだぞ?俺らにわからないことなんて一つや二つどころじゃないだろ…」
「あんな化け物連中勝てる気がしねーや…」
「バトルだけで言えばフウには勝てるだろ」
「おい、バカ!辞めとけって!フウのファンクラブギルドに狩られるぞ!」
…ん!?今なんかすごいことが聞こえたような気がする…
ファンクラブギルドってなに!
いや…聞かなかったことにしよ…
………
「近づくにつれて亜竜とか小型飛竜が多くなってきたね〜」
「時間もやばいんでちょっと飛ばすっすよ!」
「お、おい!待て!バカァーーー………」
………
「最後のあれ楽しかったね!」
「どこかの誰かさんは腰が砕けちゃったらしいけどね。ジュっくんったら可愛いんだから」
「もしかしてジュっくんずっと我慢してたのー?」
「う、うるせぇ…止まった状態で高い所は平気なんだが動いてるとダメなんだよ…」
「ジュっくん動けそう?」
「あぁ、問題ない」
「それじゃあいくっすか!」
にしても活火山の火口だけあって暑いよ…
地形ダメージって言うんだっけ?少しずつダメージ食らってるし大丈夫かな?
ん?先に見えるあれが例の入り口かな?
「こりゃまた随分とでっかい扉だね〜」
「両端にいるのってもしかして火竜かしら…?」
「ありゃ、ちょっとばかしまずいな…」
「そうなの?」
「そうっすよ、恐らくっすけどファフニール級2匹って考えるべきっすね…」
「あ、はい…」
いやいやいやいや、、、
どう考えてもダメでしょ!?
あれが2対って…しかもここ天井ないからあの2匹は自由に空飛ぶわけでしょ?
「どうしましょうか、逃げるべきかしら?」
「それは俺も賛成だな…こりゃ勝てる見込みがない」
「そうだね〜確かにイベント期間まだ残ってるのにこんな所で死んじゃもったいないしねー」
でもなんだろ、なんか引っかかるような気がするんだよなー…
「………」
「フウ、どうかしたっすか?」
「ん、気になることがあって…」
「どした〜?」
「あの2匹って飛べるんだよね?」
「そうね」
「ファイスに飛んで乗ってる時も今もそうだけどなんで襲ってこないんだろうなーって思って」
「「「「っっっっっっ!!!?」」」」
「いや、その考えは一理あるな。確かに引っかかる」
「確かに言われてみればその通りね…火竜がここの門番ならもう縄張り…いえ、戦闘エリアに入っていてもおかしくない距離だわ」
『オイ』
うわっ!?
「みんな気をつけて!」
「コチラニ攻撃ノ意思ハナイ。人ノ子ラヨ、コチラへ来テハイタダケナイダロウカ」
「どうしましょうか」
「いや、もうこの際いくしかないだろ」
「ちょっと待って、私行って来てもいい?」
「フウだけじゃ危ないっすよ!」
「大丈夫だよー。私、龍語話せるし!」
「そう言えばそうだったわね…」
「いや、それでもみんなで行こう。うちも何かあったら心配だし」
「わかった」
「んじゃ、みんなでとっとと行こうぜ!」
「急ニ呼ビ出シタリシテ申シ訳ナイ。我ハ火竜ガ一対《フレビア》ト申ス」
「同ジク火竜ガ一対《マデルヴァ》ダ。ファフニールヲ滅ボシテクレタ事、感謝スル」
「ソンナソナタラニ願イガアル。コノ扉ノ中ノダンジョン、ソノ最奥地ニイラッシャル我ラガ火竜族ノ王《焔龍皇 グラデヴィナ》様を助ケテ頂キタイ」
《緊急クエスト 焔龍皇の危機》が発生しました
「緊急クエストかー、うちはやるに一票かなー」
「私も!」
「俺も異論なしだ」
「私も異論はないわ」
「もちろんやるっすよ!」
『そういう事なので、ご協力させていただきます!』
『おぉ、そなた龍語が話せるのか』
『という事は龍の書をお持ちなのかね』
『ええ、まあ』
『龍の書は持っている数で内容が変わるものじゃ。大事にしなされよ』
『それでは門を開けるので後は任せたぞ』
『わかりました』
あっ、普通に龍語で話しちゃってた…
「なんか違和感ね…」
「あぁ…」
「そうだね〜。まあ今は進もー!」
「それじゃあみんな!行こっか!」
………
こうしてイベント2つ目のダンジョンが始まった。
………
暑い!!!
暑すぎる…
火山だからしょうがないのはわかるよ?
それにしたってマグマ近すぎじゃない?
まだ門を潜ってから1つも下に降りられてないし…
それにモンスターにも会ってないし、鉱石もない。
ちょっと期待してたんだけどなー…
「いや〜、こりゃ予想以上に暑すぎるよ〜…」
「確かにこれじゃあすぐにバテちゃうわね…」
「おい、フウ。確か付与に炎熱耐性無かったか?」
「え…!?」
そんなものあるの!?
もっと早く行って欲しかったよ〜…
「あ、ほんとだ…《スキル付与 炎熱耐性》!」
「これなら快適っすねー!」
「涼しくさえ感じられるわね…」
「ジュっくん教えてくれてありがとね!」
「お、おう…」
「破壊力抜群だね〜」
「そうね…」
「どうしたの?」
「なんでもないわよ」
なんだったんだろ?
あ、そういえば…
「話変わるけどさ、強いって言われてた火竜戦わなかったね。私、ちょっと興味あったんだけどなー」
「あー、それね。多分ファフニールがキークエストだったんじゃないかなーって」
「キークエストって?」
「名前の通り鍵だな。今回の場合、ファフニールを倒す事が鍵でこの門に入る為にその鍵が必要だったって訳だ」
「まあ簡単に言うとあれやらないとこれ出来ないよーって感じ?」
「そういう事か。ん?そしたら今回の場合、私たち以外ここには入れないって事?」
「そうなるっすねー」
「でも、暑さと寒さの対策アイテムが現状まだ出てないから付術師必須ダンジョンって事になるから多くのパーティが攻略できるわけでもなさそうよね」
「あぁ。それにファフニールの時もフウの付与が必須だったしな」
「これは付術師が今後必要になってくる運営からの警告っすかね〜」
「そうだね〜。今後は武具への付与も調整入って必須になってくるだろうしね〜」
「調整入ったらフウの店はもっと繁盛するわね」
「え…今でも忙しいから流石にやめてほしいかも…」
「お、階段見つけたっすよー!」
「アヤカ、マッピングの方は問題なさそう?」
「んー、あと2箇所行ってない所あるからそっち行ってからかなー。ただ階段はここだけしかないと思うよ〜!ここ多分だけどマップの中心だし!」
「なら、一応そっち行ってからだな」
この前も思ったけど、マップって全部埋めるものなんだね。
でもよく考えたら当たり前なのかな?
道に迷わなくて済むし行ってない所になんかあるかもしれないしね。
「それにしてもアヤカのマッピングはさすがとしか言いようがないわね」
「あぁ、完璧すぎて怖いくらいだ」
「そんな褒めるなって〜!まあ、別のゲームで探索者っていう職業やった事あるから慣れてるだけだよ」
………
「結局なんも無かったっすねー」
「まあだ概ね予想通りってとこね」
「そんじゃB1に降りちまおうぜ」
「フウは降りたらライム呼んでから付与の掛け直しお願い!」
「りょーかーい!」
………
予想はしてたけど景色全く変わらないね。
「ライムー、おいでー!」
「はーい、なの〜!」
「おはよー」
「フウ、おはよー。ここ暑いねー?」
「うん、ちょっと待っててね!《スキル付与 炎熱耐性》!」
「暑くなくなったー!!」
「おい、結局そいつなんなんだ?」
「自分も知らないっすね」
「そうだね、前回読んだ時ファフニールの戦闘中だったもんね。この子はスライムのライムで私の従魔だよー」
「「ス、スライム!?」」
「スライムだよー?ほら〜!」
「お、おぉ…マジでスライムだ…」
「人化っすね、自分も初めて見たっすよ」
「ほら、わかったら行くわよ」
「しゅっぱーつ!」
………
「おい…このダンジョン何階層まであるんだよ…すでに地下11階層だぞ…」
「一番スタミナありそうな人が真っ先にへばってどうすんのよ!ほら、敵が来たわよ!」
「あー、めんどくせーなっ!」
あの後2階層からモンスターが出始めて今地下11階層まで来たんだよ。
道中で鼠やら恐竜っぽいのやらマグマの中泳いでる魚みたいなのとか、カブトガニみたいな奴もいたし。
それになんかよくわかんない宙に浮いた石ころの集合体みたいなのもいた。
でもね!
10階層辺りから、ちらほら鉱石が出てくるようになって来たの!
これは期待できそうだよね〜!!
それから地下15階層まで来たけど、今まで手に入れたことのある鉱石しか手に入らなかった。
「ボス部屋見っけー!」
「「「「!!!!?」」」」
「これで最後だと良いんだがな…」
「あ、それフラグっすね!」
「間違い無いわね…」
「あーあ、ジュっくんやっちゃったね」
「お前ら揃いも揃って…」
「でもアヤカが何も言わないのは珍しいわね?」
「アヤカ?」
「ん?ごめん、聞いてなかった」
「なんかあったっすか?」
「いやー、ちょっと考え事してただけ〜」
アヤカが黙ってるなんてこれは本格的に何かあるかもね…
ただ、いいことなのか悪いことなのかわからないのがアヤカなんだよなー…
いつも直前まで考え込んでるからね。
あ、って事はもしかしてこの階最後じゃない…?
「とりあえずここ突破しちまおうぜ」
「そうね、何してても時間が惜しいわ」
「そうだね、貴重なイベントの時間だもんね〜!」
「じゃあみんなでしゅっぱーつ!」
………
「中ボスって感じだったな」
「ええ、ちょっと拍子抜けだわ」
「ジュっくんはがっつりフラグ回収したね〜!」
「うるせー!」
「それにしても、さっきのが中ボスならほんと何階層まであるんだろうね…」
「んー、あと15〜25階層くらいじゃないっすかね?」
「そうね、他のゲームも大体それくらいだと思うわ」
つまり最低でもあと今までの倍はあるって事ね…
ここからが長い気がするよ〜…
15階層までも徐々に難易度上がってたから絶対次までも上がるよね。
ただやっぱり鉱石には期待したいかな!
ミスリル以上の鉱石とか出てきたらテンション上がるんだけどねー!
「そろそろ行くっすか?」
「そうね。小休憩も出来たし出発しましょうか」
「ここからまた面倒くなるのか…」
「しゅっぱーつ!」
「ライムはいつでも元気ね」
「あぁ…無邪気ってのも恐ろしいな…」
………
それから着々と階層を降りて行ったフウ達は30階層でとある難関に直面していた。
「お…おい…」
「何もないわね…」
「罠ならあるんだけどねー…」
「行き止まり〜」
30階層に降りたらそこは、降りてきた階段とアヤカが言う罠以外何もなくって、ただ整地された広い空間だけが広がってたの。
「降りる場所間違えたっすかね?」
「それはないと思うよ〜。隠し階段でもない限りはね…」
「ん?アヤカ、逆にこの部屋に隠し階段あるんじゃない?」
「その可能性は十分にあり得るが、あった所でこの馬鹿みたいに広い所からどうやって見つけるんだよ…」
「一番手っ取り早いのは罠を全部発動させる事だけれど…」
「うん、リスクが高すぎるね…そういうものだったらやるしかないけど」
ここまで来て降り方が分からないなんて…
まあでも裏を返せばここの奥がボス部屋って事だよね!
罠ってこともあるかもしれないけどあんまりネガティブな事ばっかり考えてても何も進まないし、とりあえず頑張って探すしかないよね!
それにゲームの難しいことはわたしにはよく分からないしね…
「とりあえず何かないか探さない?私は罠とか見つけられないから手分けしてとかは出来ないけど…」
「いや、多分アヤカ以外出来ないだろ…俺も出来ないぞ?」
「ここはみんなで団体行動ね。アヤカに任せっきりになってしまうのはなんだか気がひけるけど…」
「だいいじょーぶ、だいじょーぶ!任せちゃいなよ!♪」
「頼もしい限りだな」
「まあただ私は盗賊本業じゃないからスキル無しだから出来る事にも限度があるけどね〜」
「能力無しでここまで出来るのが凄いんじゃないっすか!」
「アヤカすごーい!」
「なんかもう、フウといいアヤカといいこのパーティだと私達の存在が霞むわね…」
「そうっすね…これでもこのゲーム含め他のゲームでもトッププレイヤーって言われてきたメンバー揃いっすからね」
「あぁ…間違いないな。こうも見せられると負けられねーって思うがそれ以上に自信なくすな…」
「あー、この話は終わり終わり!そんなに謙遜しなくても私達より十分すごいから!」
「そうだよ!私なんてなんで私が比べられてるのか分からないくらいだよ」
「アヤカはフウの事言ってたけどあなたも人の事言えないわね…」
………
「おい…こりゃ本格的に詰んだんじゃねーか?」
「ええ、何もなかったわね」
「この階もそうっすけど一個上もなんもなかったっすね…」
「だね〜。さてっ、どうするかね〜…いっそ罠全部やっちゃう?」
あっ、そういえば…
「ねー。アヤカさ、15階だったっけ?何考えてたの?」
「あっ!ちょっと待って!」
………
「うん、やっぱり間違いじゃなかったよー」
「何かわかったって感じね」
「ちょっとこっち来て〜。えっと…この辺かな?」
「ここに何かあるっすか?」
「まあ見ててよ。多分ここのスイッチを踏めば…」
「あっ!おい!」
「大丈夫だよー。ほら!」
えっ…と、ん!?なにこれ、部屋の中央にいきなりでかすぎる扉が出てきたよ!?
「おー、出た出た」
「アヤカ、これどういう原理なのか説明してくれねーか?」
「結果に言うとトラップの中にスイッチがあったわけなんだけど、実は15階層の時から気になってた事があってね」
「アヤカが何か考えてた時よね?」
「うん。うちがマッピングする時って罠の位置も一緒に印付けとくんだけどね、あの時点では可能性でしかなかったから言わなかったけどマップを重ねると一箇所だけ罠が重なる場所があったんだよね。こんな感じで」
本当だ、綺麗に同じ場所に印がつけられてる。
「なるほどね、ただこれは本職の人かアヤカにしかできない事だと思うわ」
「そんな事ないと思うけどな〜」
「そんな事あるっすよ!まずこんなに綺麗にマッピング出来ないっすよ!それに…」
「あぁ。さっきも言ったがまずスキル無しで罠なんて探すの至難の技だぞ?それを簡単にやってる時点で規格外だっつーの…」
「ま、まあまあ!とりあえずはあの扉どうにかしちゃお!ね?ライム!」
「ふぇ!?う、うん?」
あ、話逸らして遊んでたライムに話振ってるし…
ぐぎゅるるるるるぅ〜
「「「「………」」」」
ん、ん?今のって…
「ねえ、ジュっくん?」
「お、おう…なんだ?」
「ねー、フウー。今のおっきい音なにー?」
「誰かさんのお腹が鳴った音だよー。お腹空いちゃったんだって」
「ライムもご飯食べるー!」
「ジュっくんライムにも言われちゃったね〜」
「まあでもここで一回ご飯食べよっか。ライムも食べたいみたいだし」
「そうっすね!タイミング的にもこの場所もちょうどいいっすもんね!」
「でも、食材になりそうな魔物いたかしら?」
「ちゃんとあるよー!ほら」
「「「「「え…?」」」」」
うん、知ってた。
これ13階層で大量発生してた魔物なんだけど溶岩魚(マグマフィッシュ)っていうやつらしいよ。
口から溶岩吐き出してたし鱗は固まった溶岩みたいだしみんながそういう反応になるのも無理はないよね。
説明欄に美味しいって書いてあるから食べるけど、書いてなかったら確実に捨てちゃう様な見た目。
「一応美味しいって書いてあるから大丈夫だと思うよ。多分…とりあえず料理しちゃうねー!」
まずは鱗?だね。
岩みたいで大きいから枚数も少ないし手で引っこ抜いちゃおうかな。
お、意外と簡単に取れる!
これは素材として残しとこーっと。
次に頭を落としてー…
お、意外と肉質は硬くないんだ、この頭も一応…
そしたら内臓だね!
中を傷つけないように…
ん?なんか光ってるものがある、これなんだろ?
えーっと、溶岩袋?って言うらしいよ。
これは一番使えそうだし残しとこう!
最後に三枚におろして…
骨と尻尾も一応…ね?
さて、まずは焼きと茹ででどんな感じか味見してみよう!
街が騒ぎの中どうにか買えた調理器具セットと調味料セットもあることだしねー!
まずは焼きから!
…んー、いくら焼いても火が通らない…もしかしてこれって…
…やっぱり、茹ででも火が通らない…
食べた感じだと鮫に近い感じの肉質かなー。
どうしよう、火が通らないとなると生食だよね、温かくはなるんだけどなー。
熱々の生食なんて地球にはないから未知すぎるよ…!
「なあ、あいつすげー目が光ってるけど大丈夫か?」
「あー、フウは料理してる時いつもあんな感じだよ?」
「フウがこの顔の時、お話しできない時ー…」
「凄いわね…私フウに料理教えてもらおうかしら」
「この会話も多分聞こえてないっすね…」
そんな話をされてる事など聞こえてないフウは順調にメニューを考えていた。
まずは刺身でしょー、次に昆布の出汁で溶岩魚の骨を沸騰させないようにゆっくりと火にかける。
おっと、ご飯炊いとかないとね!
出汁を取ってる間に溶岩魚の肉を擂り身にして繋ぎに片栗粉を入れて丸くして置いておく。
次にかえしを作って出汁、味醂、砂糖を加えてとろみがつくまで煮詰める。
そしたら骨とかを取って2回くらい濾したらつみれみたいなやつを出汁に入れて火にかけしっかりと灰汁を取ったら最後に塩で味を整える。
最後は、冷水と卵を混ぜて小麦粉を加えたらさっと混ぜてあとは切り身にした溶岩魚をつけて揚げる!
あと、冷凍卵も天麩羅にしとこう!
炊いておいたご飯にタレ、中央に卵、周りに溶岩魚、最後に上からタレをかけたら…完成だね!
《火山で作る簡単ランチ!》
・溶岩魚と卵の天丼
・溶岩魚のつみれ風汁
・溶岩魚の刺身
野菜ないのは許して〜…
ここまで空で飛んできたから葉物関係の食材何も持ってなかったんだよ…
まあ形にはなったから良しって事で!
「みんなー、出来たよー!」
「お!待ちくたびれたぞ!」
「やった〜!ごはんだー!」
「ライムはお行儀良くねー。冷めないうちに食べちゃおー」
「それもそうね」
「いただきまーす!」
………
「なんだこの刺身、食べた事ない味と食感だが脂が乗ってて意外と美味いな」
「あ、うん。それリアルの方で例えるなら鮫の刺身に似てるかも」
「こっちの天丼は不思議な感じっすね…周りは凄いサクサクして中身は熱々なのに食感は刺身と変わらないっすね。味はめちゃくちゃ美味いっす!!」
「こっちのスープもだわ。出汁もつみれみたいなのも美味しいのだけれど食感が生なのね」
「そうなの。この魚、火を通しても熱々になるのに火が通らないの」
「ライム、おかわりー!」
………
すごい、結構多めに作ったのに全部無くなっちゃった!
ジュっくんが3回、ファイスとライムが2回、アヤカとレイナが1回おかわりしたの。
6人前しか作ってなかったら足らないところだったよ…
まあでも、みんながこうやって美味しいって綺麗に残さず食べてくれるのは凄い嬉しいけどね!
「自分、食べすぎたんで少し休みたいっす…」
「そうね、少し休憩したら扉調べましょうか」
「そうだね〜!ここまでほとんど休み無しだったしねー」
「ねぇ、フウ?」
「ん?」
「私あなたに料理を教えてほしいんだけど何か方法はないかしら?」
レイナ、急にどうしたんだろう?
なんか凄い深刻そうな顔してるし…
「ゲームの中の能力の話?それとも現実!?」
「ゲームで上手くなるならいいのだけれど…出来ればリアルで教わりたいわ」
「ゲームじゃ難しいかなー…アヤカ、何かいい方法ない?」
「ん、ごめん!聞いてなかった。なんの話?」
「レイナが料理教えてほしいらしいんだけど、どうしたらいいかなーって」
「あー、なるほどね!それならいっそこのメンバーでオフ会しちゃえば?うちはそれが早いと思うけどな〜」
「オフ会って何?」
「オフラインミーティングっていうんだけどね、ゲームとかSNSとかのインターネット上で知り合った人達がオフライン、つまりリアルで会う事って言えばわかるかな?まあこれにはみんなの同意が必要だけどね〜」
そういう意味でオフ会なんだね。
それならだめっていうか、なんか凄い楽しそうなんだけど!
「なるほどね、私は全然いいよー!」
「本当に!?凄く助かるわ!ジュっくんとファイスはもちろん来るわよね?」
「フウとアヤカが大丈夫ならってとこだな」
「自分は行きたいっす!」
「そこで許可取るのがジュっくんらしいな〜。みんなで集まろうよ!って話なのにー!」
「アヤカの言う通りだよ!みんな居た方が絶対楽しいよー!」
「お、おう。2人がそう言うなら俺も行くぜ」
「ごめんね、2人とも。普段ジュっくんの周りに女性が居ないから緊張してるのよ…」
「なっ!?」
「それはしょうがないっすね…」
「ねえ、ファイス。あなた口調が素に戻ってるしそれに第一印象良くしようと口調変えるのやめたら?」
「うっ…」
「あー、だからか。ファイスの喋り方最初の方ジュっくんみたいな感じだったもんね」
「まー、とりあえずイベントお疲れ様会兼ねてオフ会決定って事で!」
「それはいいけが、都道府県どこだ?ちなみに俺とレイナは東京だ」
「自分もっすね!」
「あ、私達も東京」
「じゃー、待ち合わせは新宿駅って事でー!」
「わかったわ。日時はどうするの?」
………
「それじゃあリアル時間明後日の10月9日の午前10時新宿駅西口の宝くじ売り場前集合って事で!」
「ええ、詳細も決まったしそろそろ行きましょうか」
「そうだな」
「ライムーおいでー!」
「んー!ふぁ〜……フウおはよ〜…」
(やっぱライム可愛いな〜)
(な、何この可愛い生き物!?)
「少しはゆっくりできた?」
「うん、だいじょうぶー。もうしゅっぱつー?」
「うん、もう行くって」
「ライムおっはよー!」
「ライムちゃん、おはよ。出発しても大丈夫?」
「ん、おはよー。だいじょぶだよー」
「なんかほのぼのしいっすね」
「そうだな」
この扉全員でやってやっと開いたよ…
初めに裏側っぽい方からやって見たけど動く気配すらなかった。
次は表側っぽい方をやってギリギリ開いたところに急いで中に入って今に至るわけだけど…
「これはなかなかしんどいね…」
「そうだねー…多分だけど竜が通るための門だろうからそれに合わせてあるんじゃないかな?人用の重さだと壊れちゃいそうだしー」
ん?竜が開ける門って言った…?
それを私達6人で開けちゃったって事?
それもそれでどうかと思うんだけど…
それはそうとここから先はまた一段とすごそうだよ…
一本道の通路があって通路の両端にはマグマ垂れ流れてるし、通路の方のちょくちょく何か噴き出してるし。
これはリアルじゃ確実には入れない場所だね、まあこの祠そのものも入れるかどうか怪しいけど…
「そろそろ進むっすか?」
「あぁ、早く終わらせてとっとと出ちまおうぜ…」
「そうね、フウ達は準備いいかしら?」
「大丈夫だよー」
「ライムもー!」
「うちもいつでもー」
………
「おい、これいつまで続くんだよ…」
「ジュっくん、それすっごいデジャブ…」
「だらしないわよ!ほら!」
「いや、そうでもないっぽいよー。ほらー!」
「いや、おい…」
「えっと、溶岩海…?」
「これは流石に…」
「手詰まりっすね…」
「…うん…うん。…はーい!」
「ライムどうしたの?」
「えっとね、龍皇さん?がちょっとの間加護を与えるから降りていいよーって言ってるよ?」
「えっ?ライム何か聞こえたの?」
「うん、いまお話ししてたよ?」
「とりあえず飛び降りてみるー?」
「じ、自分高い所ダメなんすよ…飛び降りるだなんて、そんな…」
「ほら、行くわよ!」
「ちょっ!姉さん!?うぎゃぁーーーー!!」
「先輩!俺まで巻き込まないでくださいよーーー!!!」
レイナ、今落としたよね…
(うわ~レイナもよくやるなー…)
「楽しそー!フウもいこー?」
「うん、そうだね。じゃあ一緒にせーの!!」
「あー、まさかのうちが最後かー。最初に飛ぼうと思ってたのになー…えいっ!!」
………
「……あ、姉さん…死ぬかと思ったっすよ…」
「ファイス、安心しろ俺もだ…」
「あっちの楽しそうな3人と違ってこっちの男性陣2人は情けないわね…」
「そう言われてもな…」
「苦手なものは苦手っすからね…」
『よくぞここまで来てくれた…人の子らよ…』
「どこから喋っているのかしら?」
「溶岩の中とかー?」
『姿を現せずにすまないな…今はそれすら難しいのじゃ…』
「それで、どうしてそんなんになってるんだ?」
「そうっすね、危険な状態ならなおさら時間が惜しいっすよ?」
『簡単なことよ…火竜種の一部がとある龍に寝返った…裏切られたのじゃ…』
「そいつら消しちゃえばよかったんじゃないっすか?」
『いや…そう思わせてしまった環境を作った儂…そして裏切ってしまうまで気付いてやれなかった儂…結果的に儂の責任じゃ…』
「そうだな、恨むより気付けなかったと後悔する方が断然いいと思うぜ」
「そうだね~。それで、どうしたら元に戻れるの?」
『復活にはいくつかやらねばならぬことがある…まずは…この火山の活性化じゃ…これには此処より下にある焔龍皇の神殿…まあ儂の家なのじゃが…そこの最下層…といっても三階層しかない…のじゃが…そこから一本道で…マグマ溜まりのような場所に繋がる…道がある…そこで火山活動を停止させている…原因を突き止めてほしい…』
「なるほど。でも何かしらの方法で塞き止められてるなら一気に爆発して噴火しそうじゃない?」
「それは確かにあるわね。でもここの近辺街とか無いから大丈夫じゃ無いかしら?」
「うん、周りの生き物のこと考えてたけど、人為的とはいえ本来の流れに戻すだけだもんね」
『そうじゃ…それに…噴火は確かに…甚大な被害をもたらすとはいえ…その後の恵にもなるのじゃ…それで二つ目…じゃがな…龍皇の秘焔玉…というものがあってな…ここへ持ってきて欲しいのじゃよ…いわば魔力の塊なのじゃが…儂の封印されてしまった力の回復に必要なのじゃ…』
「それでその龍皇の秘焔玉っていうのはどこにあるっすか?」
『そ…それがな…お…覚えてないのじゃよ…二つあるのじゃがな…』
「んなっ…!?おいおい、そう来たか…」
「なんと無くもわからないのー?」
『す…すまない…それでじゃな…三つ目なのじゃが…』
あ、話逸らした…
(逸らしたわね…)
(こいつ…)
『三つ目は…儂の復活の時の…護衛を頼みたい…生まれたばかりの赤子の様に…無防備に…なる…でな…すまぬ…喋り…す…ぎたせい…か…そろそろ…限界…の…ようじゃ…頼んだ…ぞ…』
………あ、大雑把に言うだけ言って本当に寝ちゃったの!?
「しょうがないわね…元々弱ってたみたいだし…」
「あぁ、でもどうすんだ?」
「どうするって探索するしか無いでしょう」
「そ…そうだが…」
「まあ探すものは多いけどマグマ溜まりと龍皇の秘焔玉探すしかなさそうだね~」
「とりあえず出てきたこの階段降りちゃう?」
龍皇が寝ちゃった後、上の方にある飛び降りて来た穴とちょうど反対あたりに下る階段の穴出来てたの。
まあ、ライムが教えてくれたんだけどね!
「…えっと、フウ?階段なんてどこにあるの…?」
「え…?そこにあるじゃん?」
「ごめんなさい、私も何も無いと思うわ…」
「あるもーん!!ね!フウ?」
「うん」
「二人で降りちゃおー?」
「え、でも…っちょ、ライム!引っ張らないでー」
「みんなも来てー!」
「お、おう…」
「二人も行くっすよ、目の前壁っすけどね…」
私とライム以外は階段が見えてないから壁に向かってダイブする羽目になったの。
まあちゃんとみんな階段にたどり着けたんだけどね。
階段を一番下まで降りたらそこには地下なのに誰が見ても神殿と思えるすごく…凄く立派な?建造物が建ってたの。
「これが龍皇さんのおうちー?」
「そ、そうみたいだね…」
「なんというかすげー人間サイズじゃねーか?」
「ま、まあダンジョンにイレギュラーは定番っすからね!」
ここまではまだよかったよ?問題だったのはこの先。
「ダンジョンって言うよりこれは豪邸ね」
「うん、ただの家だよこれ」
「いや~これには流石に不意打ちだったねー…」
確か三階建てって言ってたもんね。
「危険はなさそうだしみんなで散らばって散策でもする?」
「そうね」
………
「みんなは何か見つかった~?うちはなんも見つからなかったよー」
「私も収穫なしだわ」
「俺はゴミ箱っぽい所に抜け殻が入ってたぞ」
「自分ベットの下に赤い宝玉見つけたっすよ!」
「あら、自分がエロ本隠してる所だから見つけられたのかしらね?」
「ちょっと姉さん…!」
「「ファイスも男の子だね~」」
私とアヤカが口を揃えてそう言うとファイスは顔を真っ赤にして伏せちゃった。
「ほら、照れてんじゃないわよ!」
「姉さん、鬼っすか!?」
(おいおい、それって先輩があいつの家に入ったって事じゃねーか!どういう事だ!?)
「アヤカ、ジュっくんもジュっくんでわかりやすいねー」
「そうだね~」
「まあ気付いてないレイナもレイナだけどねー」
「女性側が鈍感ってのも珍しいからね~」
「それで話戻すがフウ達は何か見つけたのか?」
今のジュっくんの切り替えは考えたくなかったのかな?
「私はファイスが見つけたやつが二つ置けそうな燭台みたいなの見つけたよー」
「二つありゃなんか起きそうだな」
「そうね、そのためにももう一つ見つけなくちゃいけないわね」
「ライムは何か見つけたのー?」
「ライムはね、階段を見つけたのー!」
ライム…そんなぴょんぴょんしながら褒めてみたいな顔でこっちを見ないで!…可愛すぎるから…
(あれはもう反則ね)
(うちも従魔術師取ればよかったかなー。まあフウが例外なのは間違いないんだけどさー)
「ライムは探索の天才だねー!」
そんなことを言いながらライムの頭をわしゃわしゃしながら褒める私を眺める四人。
この構成すっごいデジャブなんだよなー。
まあそんな緩い会話をしながら次の地下一階?もともと地下だからそう呼んでいいのかわからないけどそのエリアも探索したけどやっぱり普通の家。
それでもって階段を見つけるのはやっぱりライム。
なんかの能力なのかな?それとも幸運値の問題とか?
私なんかはライムの恩恵受けてるだけだしね。
それで問題だったのは次の地下二階、龍皇さんが言ってた最後の階だったんだよ。
「なんなんっすかこれ…」
「ここだけは完全にダンジョンって感じだな…」
「それにこれはただのダンジョンじゃないねー。この黒くて赤い線の入った鼓動してる変なやつが壁を覆っちゃってるって感じだしね~」
「なにこれ気持ちわるっ!」
「ここ凄く嫌な感じがするよ?」
アヤカの言ったように黒いのが木の根っこみたいに壁を覆っててその黒いのに赤い血管みたいなのが巡ってて鼓動してるの、気持ち悪いの。
「でも逆に言えばこれを辿っていけば黒幕を突き止められるって訳よね?」
「まあそういう事っすね」
「とりあえず進んでくしかねーって訳だな」
「そうだね~。明らかにこの黒いのが衰弱の原因で間違いなさそうだし」
………
それからしばらく探索してたんだけど、なんの部屋かわからないけど扉を開けた途端そこで事態が急展開しちゃって。
この黒い塊が千切れていろんな形したモンスターになって私たちに抵抗し始めたの。
黒い塊は剣や弓、魔法なんかも使って多彩な攻撃を仕掛けてくる厄介な敵だったのだが…
「アヤカ!ジュっくんのサポート任せた!ジュっくんはそのまま敵の気を引きつけてて!」
「「りょうかい!」」」
「レイナとライムは後ろからじゃんじゃん攻撃しちゃって!ファイスは抜けてきた敵の牽制お願い!」
「はーい!」
「了解っす!」
「任せて!フウはそろそろバフが切れ…ってさすがね!」
「フウもバフが切れる前に更新が出来るようになったか~」
「ありがと!でも次くるよ!!」
………
「ひとまずは落ち着いたみたいだな…」
「フウは完璧な采配だったわ。ありがと」
「あれはマジ助かったっす!」
二人がが言ってるのは第二波が来た少し後の話。
三分の一くらい倒した時に第三波が来てみんなの態勢が崩れちゃったから戦力を分担して二人一組にして采配したの。
ジュっくんとレイナは引きつけ役とバックアタック、アヤカとファイスは二人で暴れてもらって、私とライムはいつも通り。
この作戦がうまくいったみたいで形勢逆転出来てそのまま勝つことができた時の事。
「そう言ってもらえると嬉しいな。少しでも役に立てならよかったよ!私攻撃できないしね」
「ライム、楽しかったのー!」
それから明らかにここから黒い塊が出て来てるだろうって階段を降りて行ったの。
一番下まで降りた所は下が一面マグマの部屋の天井だったんだよね…
「これは…マグマ溜まりなのでしょうけど…」
「あぁ、こっからどうしろってんだよ」
「でもさ焔龍皇の話から変だと思ってたんだけど、普通マグマ溜まりって空洞あるのかな?」
「あー、確かに言われてみればそうだね~」
そんな話をしてた時にね、ライムが教えてくれたんだ。
「ねー、フウ。下の赤いの無くなっちゃったよー?」
「えっ!?」
当然驚くよね、他のみんなも驚いてたし。
「こりゃ相当妙っすね…」
「いや~、真下の穴からこの黒いの出てるっぽいね?」
「なあ、もしかしてまた飛び降りたりしないよな…?」
「さぁ?どうかしらね?」
「あ、姉さん!?顔が怖いっすよ!?イデッ!」
そりゃそんな事言ったファイスが悪いよ、うん。
「でも飛び降りるにしても着地はどうするの?」
「そ、そうだよな!」
「ねえ、フウ?物理耐性の付与、出来るかしら?」
あー、レイナさんの目が本気です。
私も少し怖いです。
「出来るけどそれで飛び降りた時の衝撃って緩和されるものなの?」
「まあ一か八かやってみるしかないんじゃないかな~。ファイスの竜化も使用制限で使えないし」
「ま、マジっすか…?」
「《広域スキル付与 物理耐性(中)》!ライム、いこっか!」
「はーい!せーのっ」
「うちも行くよーっと!」
「ほら、女の子達が飛んだんだからあなた達も早くいきなさい!」
「ちょっ、姉さん!またっすかあぁ~~~…」
「先輩!?うぎゃーーーーー…」
「私もそれっ!」
こうして二人の叫び声は黒い塊が出て来ている深い穴へと消えていったのだった。ってね!
この時はまだみんな気づいてなかったんだよ。
ある大切なことに…
「無事だったね〜」
「死ぬかと思ったぜ…」
「自分もっす…」
「もう!情けないわね!」
「んな事言ったってなー…突き落とされたらそりゃな?」
「そうっすよ!せめて飛び降りさせてくださいっす!」
「あれ、っていうかフウとライムは?」
「「「っ!?」」」
「そういえばいねーな…」
「どこ行っちゃったのかしら?」
「リアルを追求しすぎたサバイバルだから今回のイベントってチャット機能無いからね〜」
「探すしかなさそうっすね…」
………
「ライムー…大丈夫ー?」
「フウ。だいじょうぶー」
「ここどこだろうね?」
一番最初に飛び降りた私達はどうやら別の場所に飛ばされちゃったみたい。
この辺り黒い塊無いし、結構離れちゃったのかな?
「とりあえず移動しよっか!」
「はーい!」
………
「くそっ!なんでこんなに黒い塊が出てきやがるんだよっ!」
「しょっ、しょうがないっすよっ!中心部に向かってるっすからねっ!」
「二人とも、戦いながらっ愚痴言ってんじゃ無いわよっ!」
全員トップギルドのマスターやサブマスターでゲーマーなだけあってなんだかんだで倒しひと段落するのだが…
「いやぁ〜にしても、フウとライムが居ないとなかなか厳しいねー…」
「ええ、本当にね。フウのサポートとライムの攻撃と回復の存在感は凄かったのもね…」
「あぁ、当たり前は無くしてから気付くってこういう事なんだな」
「ちょっ、ちょっと皆さん!?その流れお二人がリタイアしちゃたみたいな流れになってるっすけど、逸れちゃっただけっすよね!?」
「ファイス、あんまり騒がないの」
「そうだぞ、あんまり冷静さを欠くと良く無いぞ?」
「ファイスは考えすぎなんだよ〜」
「いや!自分何も変なこと言ってないっすよね!?ね!?」
「ま、まあ。冗談はさておき、フウ達がリタイアしちゃった可能性は視野に入れといた方がいいかもね〜」
「そ、そうね…」
………
「フウー!石いっぱいあるねー」
「みんなには申し訳ないけどここすごく楽しい!」
ここミスリルとダマスカス魔鉱石の宝庫だよ!
でもなんでだろ?
ミスリルは自然に存在する魔力が結晶化した鉱石だよね?
ダマスカス魔鉱石はダマスカス鉱石が強い魔力に当てられた時に生成されるんだったよね?
って事はここがそんなに自然な魔力と他に強い魔力を持った何かがいるって事だよね。
これはちょっと調べる人用がありそうだね!
「ライム〜この辺にして先に進もっかー!」
「はーい!」
…
「ねえフウ?この扉すっごく嫌な感じがする…」
「これは明らかに怪しいね…」
さて、私達がここに来た時にこの道が一方通行でライムと二人で決めて左に行く事になったんだけど…
まさかあたり側引くなんて思ってなかったからなー…
二人で勝てる保証ないけど進まない事には意味がないんだもんね!
「どうするのー?」
「二人でどうにかできるかわからないけど行こうか!」
「ライム頑張るね!」
「うん!じゃあいつも通りって事で!行こうか!」
「しゅっぱーつ!」
そう言って扉を開け、部屋に入るフウ達を待ち構えていたのはあの黒い塊が鎧のように光沢を帯び、黒光りする一つの巨大な…
………
その頃アヤカ達一行は相変わらずの黒い塊に苦戦するもとある一つの大きな広場に辿り着いていた。
「これは…流石にしんどいわね…」
「ああ、アイテムが万全じゃないだけにHPもMPもそろそろ危なくなってくる頃か?」
「そうっすね…強いて言うなら黒い塊の戦闘アルゴリズムが全く変わらないことくらいっすか…?」
「いや〜ほんとも…!?みんな戦闘態勢!今までで一番多いかもね…」
アヤカ達がいた広場は中央に下りの螺旋階段があり、そこから黒い塊が伸びていたのだが…
「あの螺旋階段の下がボス部屋で間違いなさそうね…」
「よっしゃ!ボス前最後の一踏ん張りやったるぜ!」
「このあとボスすっからね、無理しない程度に頑張るっすよ!」
こうして今までで一番多い黒い塊との戦闘を開始した一方でフウ達はアヤカ達が知る間も無くボスと戦っていた。
………
黒光りする塊は寝ていたらしく、フウ達が入ると目を覚まし大きな翼を広げて大きな咆哮を上げた。
「また龍!?今度はまた強そうな…」
ここに来て何個かわかったことがあるんだけど、まず黒い塊は恐らくこの龍の体の一部という事。
あの赤い線はこいつがここに来て散々吸収したマグマじゃないかなって。
あと後ろの二頭は門番の火竜が言ってた裏切ったっていう竜のことで間違いないと思う。
あの黒い塊に寄生されて操られてるんじゃないかな…?
「フウー?」
「か、勝てるかな…」
「三体もいるもんねー、ライムもちょっと自信ないな〜…」
「まあ、入っちゃったものはしょうがないしやるしかないよ!」
「うん!がんばる!」
そんな流れで戦う事になったのだが…
「ライム!次またブレスくるよ!」
「は、はーい!」
「次尻尾攻撃!」
「は…はーい!」
まずい、ライムがさばききれなくなってきてる…
私がサポート以外できたらいいんだけどな…
「ライム!とりあえず取り巻きの二体だけ片付けちゃお!」
「りょーかい!なのっ!」
「私も前に出るね!」
「フウと一緒に戦えるの!?やった〜」
いや、ライムさん?そんなに目を輝かせないで…?
それはそれとして、私が入ったところでこの状況、どうにかなるのかな…?
「私が出来るだけライムに攻撃いかないようにするからライムは出来るだけダメージ入らないように回復お願い!」
「はーい!それじゃあいっくよ〜!」
それからは今までゲームやってきた中で一番苦しい戦いな気がする。
ボスの攻撃を躱しながらひたすら取り巻きを倒す事に専念してたんだけど、ブレスが飛び交ったり爪に尻尾に噛みつきに、空中からの攻撃もあった。
ライムは私が攻撃食らっちゃった時には回復魔法掛けてくれたりしてようやく…
「やっと…やっとだよ…あとは本命のこいつだけだね…ここからが本番だよ!」
「ライム頑張るー!」
………
「数が減らないどころか増えてないかしら…?」
「これはちょっとやばいかもね〜?」
「ちゃんとこれ戦いに終わりあるっすかね?」
「そんなみんなで疑問ぶつけても仕方ねーだろ…やばいのには間違いないんだが…」
トップギルドのマスター、サブマスター達が四人も集まって戦っているこの戦いは黒い塊に圧倒的な数に押されて苦戦を強いられていた。
ま、まあパーティーのバランスには目を瞑るとして…
「このままじゃジリ貧よね…」
「そうだな…ボス戦用にアイテム多少温存してるからHPもMPも心もとないしな…」
「ここであのラッキーガール達がタイミング良く帰ってきてくれたりしないかね〜」
「それは確かに形成逆転できそうっすもんね!…」
そんな期待を寄せられているフウとライムは未だに戦闘を続けていた。
………
「全然HP減らせてる気がしないよ…」
「フウ〜…こいつ強いよー…」
こりゃリタイアも覚悟でやるしかないかな…
せっかくのイベントまだ時間残ってるし、焔龍皇まだ復活させてないけどここが私の正念場だね!…
「さぁ!ライム、きついけどラストスパート頑張ろっか!」
「うん!強いけどフウと一緒だから楽しいもん!」
私AGI高くないからなー…攻撃当たるんだよなー…
回避率にダイレクトに影響してくるわけじゃないらしいけど…
なんで詳しいかって?
もちろん、調べました!
ま、まあ。それはそれとして…
「ライム、攻撃受けながら攻撃してたまに回復できたりする…?」
「まっかせるのー!ちょっと難しいけどフウのために頑張るのー!」
「ありがと!私はその間にできるだけ攻撃するからね!」
それから戦いは長く続き突然今までにない大きな咆哮を上げたと思ったら敵の行動に変化があったの。
突然大きな翼を広げて滞空状態に変わったの。
これってアヤカが言ってた残りのHPが二割くらいまで減った時にボスの行動パターンが変化するって言ってたやつか!
「ライム!あいつのHPあと少しだからがん…あ、どうやって攻撃しようね…?」
「ライムの光剣は当てられるけど難しいのー…でもライム頑張る!」
その瞬間竜が纏ってた黒い塊が宙に浮かび、無数の大きな針となり雨のように降ってきた。
「わかった…ってライム!!」
「フウーー!!」
………
私…まだ生きてる、みたいだね…ライムは!?
「ライム!?大丈夫!?」
「…ん、だいじょーぶ…なのー」
ライムは流石にHP残ってるね。
って私もうほとんどHP残ってない!
これで最後だけどポーション使うしかないか…
「こく、こく、こく…ぷはぁー!」
これは付与かけてなかったら確実に死んでたね…
「ライムいけそう?」
「大丈夫なのー!」
「じゃあ対空戦始めよっか!」
「はーい!」
対空戦って言っても私また戦えない状況になっちゃったんだけどね…
それからは最初のスタイルで私が攻撃とか見極めて指示をしつつ援護する感じだったんだけど…
「フウー!MP無くなっちゃった!」
「え!?」
今このタイミングでそれ来る!?
多分あと少しってところなのに…
「ちょっと考えるから待ってね!その間攻撃避けてられる?」
「だいじょーぶー!」
さて、私に何かできることないかな…?
何か…何か…んーーー…んー…うん。
可能性があるとしたらやっぱり魔力操作しかないよね。
魔力操作で私の魔力をライムの魔力に移せないかな?
考えてる暇はないね、やるしかないよ。
「ライム!ちょっとこっちにきてー!」
「はーい!」
「ちょっ!ライム後ろ後ろ!」
竜が急降下して突進して来てるんだけど!?
「んー?あー、だいじょーぶだよ?ほらー」
ライムは急降下してくる竜を見る事もなく見事に躱し壁に激突させたのだった…なんてね。
「あ…うん」
まあ急降下して壁にぶつかる竜も竜だけどね…
「そうそう、ちょっと手出して」
「こうー?」
まずはライムの魔力の流れを見つけて…
あった!次はそこに魔力を流すイメージ…魔力を流すイメージ…
短剣に魔力流すのとやってる事は同じだよね。
流し方がちょっと難しいだけで。
点滴をイメージすればいいんだよね!
「ライム、どう?魔力回復してる?」
「うん!どんどん回復してるの!」
こんなもんかな!一応付与一回分残しておいたし大丈夫!なはず…
「じゃあ最後の付与いくよ!《スキル付与 … … …》」
これもいちいち一個一個掛けるのめんどくさいし今度どうにかしたいなー…
「ありがとなのー!ライム行ってくるの〜」
さて私も魔力無いし、ライムの魔力無くなったら今度こそ終わりだね…
でもライムの光剣の命中率もどんどん上がってる気がするしこのまま一気に倒し切っちゃいたいな。
「フウー?あと二回しか打てないのー…」
「大丈夫!ライムなら出来るよ!」
「頑張るの〜」
あ、あいつ避けたな!…
「もういいもん!えーーーーいっ!!!」
………
た、倒した…?
「フウー!やっつけて来たの〜!」
「うん!うん!ありがとう!お疲れさま〜」
流石に私達は疲れて抱き合ったままそのままその場に倒れこんだよ。
「少し休憩しよっか…」
「は〜い…」
………
その一方でひたすら黒い塊と戦い続けるアヤカ一行はフウ達がボスを倒す少し前に…
「いい加減こいつらと戦うの飽きて来たぜ…」
「そうね…経験値もそんなに美味しくないし『謎の黒い塊』ってアイテムしか落とさないものね…」
「もう軽く二百体は超えてるね〜『謎の黒い塊』ってやつも確定ドロップみたいだし、抽選は個人だからもうそろそろ千個越えてそうだしね〜」
「何かしらギミックがあるはずなんすけどね?」
と、その時まだ数百体はいたであろう黒い塊が一瞬にして一欠片も残す事なく灰になったように消えていったのだ。
「「「「なっ!?」」」」
「これ多分一定以上倒すとボスの所に戻るギミックじゃないかしら?」
「多分そんな所だろうね〜」
「合計で三百体くらいか?」
「無茶なギミックっすね…ところで一方通行でもうボス部屋の前っすけど…」
「そうね…フウとライム見つからなかったわね…」
「こりゃもうリタイアしたパターンかもね〜」
「あぁ、フウは俺たちと違ってゲーム慣れしてないんだもんな…」
「まあなんにせよとりあえず態勢整えてボスちゃっちゃと倒しちゃおっか〜!」
「そうね」
………
「準備も整ったし行きますか〜!」
「ええ!」
「そうだな!」
「はいっす!」
大きな扉を開きいざボスへと意気込む四人の目の前に飛び込んできた光景は待ち構えるボスではなく、中央に倒れる少女が二人いるだけだった。
「お、おい…これどういう状況だ…?」
「自分にも理解不能っすよ!?」
「これってまさかと驚くべきなのかしら?とりあえずリタイアしてなかった事は喜ぶべきなのだけれど…」
「いや〜…やっちゃったのかー!これはまさかとしか言いようがないよねー…」
「まさか従魔がいるとはいえソロでボス攻略するとはな…」
「そうなるとあの塊が消えたのもフウのおかげって事っすよね…」
「ええ、そうなるわね…」
「ほら、そろそろ二人の所に行くよ〜」
「あぁ。そもそも二人ともリタイアしてないとはいえ倒れてる訳だしな…」
「そっそうじゃないっすか!早く行ってあげないとっすよ!」
そのまま順にフウ達のもとに駆け寄った。
「フウー、ライムー。生きてるかー」
「生きてるよ〜。HPとMPもうほとんど無いの〜」
「ライムもMPもう無くなっちゃったのー」
「本当にギリギリ倒したって感じなのね」
「それにしてもよくやったもんだな…ほれ、ポーションだ」
「お、気が効くねー!ありがとー!こく、こく、こく、こく…はあぁー…」
「くぴくぴ、くぴくぴ、くぴくぴ…ぷはぁぁー!」
あー、このライムの可愛さをどう表現したらいいものか…
なんというかこう、ポーションの瓶を両手に抱えてちょっとずつ瓶を傾けながら飲み干して満面の笑みで「ぷはぁぁー!」って!
もう可愛すぎだよ〜!おっと、いけないいけない…ここまでにしとこう。
「それよりもほら!秘焔玉見つけたよ!」
「やっぱりボスが持ってたのね」
「早いとこ二つともはめてみよーぜ」
「これ渡しとくっすよ!」
そう言って渡された秘焔玉と持っていた秘焔玉を持っていた燭台に秘焔玉を二つはめた途端全員が光に包まれたのだった。
「きゃー!なっなにこれ!?」
「フウーー!」
「あっははーこうきたか〜」
「おいおいおいおい!どうなってんだよ〜!」
「きゃっ!やだ、なにこれ!」
「こここっこれ!大丈夫なんっすかーーー!」
………
そうして飛ばされた場所はどことなく見覚えのあるマグマに囲まれた広場だった。
「なぁここって…」
「そうっすね」
「それよりもうちは誰かさんの「きゃっ」の方が気になるかな〜」
「誰かさんってレイナー?」
「ライム、しー」
「ちょっ!アヤカにフウ!?ライムまで!」
珍しく私たちがレイナをからかってると男性陣二人が何やら小声で話しをしていたのだ。
「さっきの姉さんは確かにレアっすね!」
「あぁ、先輩のあんな声は初めて聞いたぜ」
などと本人達は小声で話しをしてたつもりだったんだろうけど、まあ筒抜けだよね。
「はぁ、もういいわ…早く行きましょ!」
「アヤカ?行くって言っても目的地ここな気がするんだけど…」
「アヤカが動揺するなんて珍しいね〜」
「…っっっっ!………」
「ま、まあそれは置いといてだ。さっきから思ってたんだがこれ地震だよな…?」
「そうっすね、これは明らかに噴火するっすね…」
「…うん…うん。わかったー。フウー?焔龍皇さんが燭台をこの広場の中心に置いて欲しいってー!」
「ん、わかった」
その瞬間また私達を光が包み込んだと思ったら目の前に巨大で尋常じゃない迫力と圧力を放つ龍が現れたの。
しかもその龍が咆哮をあげると鼓膜が破けそうなほどの轟音に身体中が震えるほどの振動。
そして巨大な揺れ、まあ地震とか噴火だと思うんだけどそれも併発してるありさま。
「儂を復活させてくれた事、感謝してもしきれないのじゃ!それより褒美をやらねばならんの!今は全員に加護と秘焔玉を一つしか渡せぬがそれで良いかの?」
「私はなんでもいいよー。それより復活おめでとー!」
「うちもなんでも〜。復活できて良かったよ〜」
「俺もなんでもいいぜ」
「私もなんでもいいわよ」
「自分も任せるっすよ!報酬欲しさにやったわけじゃ無いっすからね!」
「加護はここへのパスにもなっとるでの、また遊びにきてくれれば大歓迎するのじゃ!」
全員でタイミングよく「はい!」と返事をすると焔龍皇に街まで送ってもらったよ。
その後は特にこれといったダンジョンに出会う事もなく採掘や採集、外のモンスターなどを狩ったりしてイベントは無事リタイアするメンバーが出る事なく幕を下ろしたの。
そしてここから私、フウの第一幕が幕を下ろしまた新たなる挑戦が始まるのだった!
イベントから戻った後、今私は自室で戦利品の整理をしてるの。
龍皇の秘焔玉は喧嘩にならないようになぜか私が預かることになった。
それで今後装備で必要になった人に使うってことで話がついた。
ちなみに今回の戦利品はというと…
まず何と言っても目玉は『焔龍皇の加護』。
この加護はなんでも完全版ではないらしいんだけど
火属性攻撃20%上昇
火属性ダメージ20%軽減
炎熱系地形ダメージ50%軽減
っていうなかなかの代物だったよ!
次は当然『龍皇の秘焔玉』。
これはまあ私の物ってわけではないけど。
あとはジュっくんが見つけた焔龍皇の抜け殻から取れた素材かな。
皮とか鱗とかその辺しか取れなかったけど結構いい戦利品。
その素材と私がボス戦で戦った火竜の素材使って今度展示用の装備を作ってみようと思ってるの!
次はやっぱりファフニール系の素材だよね!
私それに加えて『龍の書』っていう所持数によって効果が異なるらしいアイテム。
現状では龍の書Ⅰでは竜語話せるようになるとかなんとか…
あとはまあ『ミスリル』『ダマスカス魔鉱石』が新たに手に入ったり、今まで手に入れた事のある鉱石
その辺にいたモンスターの素材とか採集した植物とか。
で、最後のダンジョンで私がソロで討伐しちゃったあいつ。
なんか名前が《黒邪竜 グド・ランジェス》っていうらしいんだけど…
素材名で黒邪竜っていうんだけどまあ、こいつの素材はいいよ?
問題は初クリアボーナスに加えてソロ討伐ボーナスがあった事とその内容。
まず初クリアボーナスだけど《黒邪竜の呪剣》ってやつでなんでも呪われてる代物でして…
次がソロ討伐ボーナスなんだけど《邪竜教の大聖典》ってやつ。
なんかすごくいらないんだけど…
特に特殊効果も無いしよくわからない教団の説明書いてあるだけだし。
まあ両方とも倉庫行きだよね!
邪竜の素材使って武具とか作ったら呪い装備になるのかな?今度試してみよーっと!
とまあ戦利品の整理はこのくらいにして…
私のというより生産職専用の装備とか欲しいよね〜!
そんなわけで、とりあえず素材集めも兼ねて今まで行った事なかった二階層の鉱山に行ってみようと思います!
早速準備開始だね!
まずはもちろん飲食関係。
あとは鶴嘴にロープに…
よし!これでいいかな!
「ライム〜お出かけするよ〜!」
「はーい!どこ行くの〜?」
「んーとね、ここから見えるあの一番大きな山だよ!」
「山登り行くー!しゅっぱーつ!」
………
そこからはいつも通りを道中適当にモンスター倒したり採集したり何事もなくお散歩感覚で進んでいったの。
それでしばらくしてから鉱山の麓に辿り着いたんだけど…
「にしてもこの山、高すぎない…?」
「上が見えないねー?」
「これは富士山より高いかもね〜…」
どうしよう、山頂行ってみたかったけどこんなに高いと迷うなー…
まあとりあえず出発だね!
………
それから何時間経ったかはわからないけどロックタートルとか岩蝙蝠とかアクアスライム、リザードマンとか色々出てきたんだけどまあ苦戦することもなく倒しちゃったよね。
それよりも問題は採掘だよ!あれから色々採掘したんだよ?
でも全然…なんかイベントが良いの出過ぎててなんかもう…
今持ってる一番いい鉱石のミスリルまでの価値が
銅鉱石
鉄鉱石
ダマスカス鉱石
マラカイト鉱石
銅魔鉱石
鉄魔鉱石
銀鉱石
銀魔鉱石
ミスリル鉱石
こんな感じの順番になってるんだけど銀鉱石までしか出ないんだよ…
下に行く道が無くてずっと上に登ってるのも影響あるのかな?
まあ目的の鉱石は取れてるからいいんだけどさ…
あと所々に池とか湧き水、川っぽいのまであるんだよね。
さすがに水と鉱山のフィールドってだけはあるよね!
「フウ〜ご飯食べたーい」
「じゃあどこか安全そうな場所見つけて休憩にしよっか!」
「やったー!」
……さて、お腹も満たせたし!…って言っても空腹になってもなんかあるわけじゃ無いんだけど。
そういうシステムが追加された時怖いなー…
また私のお店忙しくなるじゃん。
今NPCの露店があるから私のお店くらいしか料理出してないらしいし、それをきっかけにみんなが料理の店出してくれればいいけど…
まあそれは私じゃ無くてガゼルさん達がなんか考えてくれるよね!
それよりも私は今この山をどうにかしないとね!
「行こっか!」
「はーい!」
それからさらに数時間歩いてたらここでやっと進展があったの。
少し先に明かりが見え始めたの!
「ライム!」
「うん!」
私達は山頂かと思って全力ダッシュしたの。
それでついに!と思って外に出たら山の中腹くらいかな。
まあそりゃそうだよね…
こんなにすぐ辿り着くわけがないよね。
ショックをを受けながらも登れる場所はないと周りを見渡すと少し上に行った所に一つの小屋があるのを見つけたの。
「ねえ、ライム。あそこにある小屋行ってみよっか」
「はーい!」
そもそもなんでこんな所に小屋なんてあるんだろ?
誰か住んでたりするのかな?
「すみませーん!」
「おや、こんな所にお客さんとは珍しいのぉ。そんな所ではなんじゃ入ってはくれんかのぉ。まあ茶ぐらいしか出せんがのぉ」
出て来たのは八十歳は軽く超えていそうな老婆だったよ。
中に入ってお茶をもらった後、そこからこの山に伝わる神話の話が始まったんだよね。
それで長かったからまとめると、この山には神鳥と呼ばれ祀られてる鳥型のモンスターがいるらしくてこの先へは進めさせないとの事。
「そういう訳じゃからのぉ。この先へは進めさせられんじゃて諦めて引き返してはくれんかのぉ。どうしても行くと…!?お主!もしやインペリアルスライムではないか!?」
「?そうだよー?」
「やはりか!ならばここを通る資格があるというものじゃのぉ。それが神鳥様のお告げじゃからのぉ」
「よくわからないけど、通って大丈夫って事だよね?」
「そういう事じゃのぉ」
ピコンッ
《固有クエストⅡ『神鳥からの招待状』が発生しました》
あ、なんか来た。
しかも固有クエストかー。
というかあれ招待状だったの…
「それじゃあ色々とありがとうございます!」
そうして小屋を後にして山頂に向かったんだけどこの後私達が想像もつかない出来事が待ってた。
山頂に着いて多分戦闘エリアに入ったんだと思う。
目の前に蒼白の羽根と巨大な翼、真紅の瞳をした鳥が姿を見せたと思ったら自宅のベットで寝てたの。
え、え!?どうなったの!?そういえばライムは!?
「ライムー!?」
ピコンッ
《デスペナルティタイムの為『後11時間59分57秒』具現不可能です》
ん?私達死んだって事…?一回も攻撃してないのに!?
うん、ライム復活したらもう一回行ってみよう…
その間にポーションとか準備しないとなー。
そういえばHPポーションあるのに未だにMPポーション作れてないもんなー。
今度二階層で取れた水源草とかマナウッドとかで色々試してみよ。
いや、今やっちゃおうかな。
まずは水源草だね。
●水源草
特徴 : 水源の近くに群生する、源水を大量に含む草
あー、つまり水源から水を持ってこなくても水源の水を使えるってことね。
微妙だなー…まあ見た目凄くいいから観賞用とかなのかなー。
あとはマナウッドだね、杖用にもとっておきたいからとりあえず一本だけ使ってやってみようかな!
作り方はこの前のHPポーションでやった緑茶風のと同じ感じで蒸したりいろいろして最後に乾燥させる。
それでとりあえず普通の水で抽出して…
●MPポーション
評価 6
能力 : MPを65回復する
あれ評価値低い。
水源草使ってみる?
同じ場所で取れたやつだしね。
水源草絞って水を抽出して…
●源泉水
特徴 : 抽出に適した純水だが、5分経つと普通の水に戻る
え!五分!?急がないとじゃん!
抽出して…
●初級MPポーション
評価 10
特徴 : MPを90回復する
できたー!
じゃあこれをあと9個だね…
《初級MPポーション 評価10のレシピを習得しました》
よし!MPポーションのレシピも出来たし、今日はもう買い出し行って寝よ。
………
「…ふあぁ〜……あ!ライムー!」
「フウー!おはようー!」
「元気そうでよかったよ!」
「ライム復活なの〜!」
「起きてすぐだけどご飯食べて早いとこ行っちゃおうか!」
「はーい!」
それから私とライムは前回と全く同じ道を通って山頂まで足を運んだ。
「よし、付与も終わったしいこうか!」
「うん!ライム頑張る!」
そうして前回何が起こったかわからず終わっちゃったボスエリアに入ってく私達。
前回は入った瞬間に攻撃された事も考えて全力ダッシュで左右に移動したの。
まあ私は足そんなに早くないんだけどね…
それでようやく本体をお目にかかることが出来た。
蒼白の羽根や羽毛をまとって、純白の冠毛3本、真青の尾羽が5本あってそのうち長いのが2本ある。
体は私からしたら巨大だけどこの前戦った火竜とか邪竜ほどじゃない。
「貴方達また私の住処を荒らしに来たのね。いいわまた追い返してあげる!!」
「ライム!来るよ!」
「うん!」
………
…負けました。
5分も戦えなかった…
でもだいぶ戦い方わかってきたよ!
次で勝てるとは思わないけど、もう少し戦える気がする。
それであの神鳥《イラ・エルニクス》っていうらしいよ。
あと今まで確認出来た行動パターンはね、正式名称わからないから私が感じたものになるけど…
最初の方舐められてたのか、滑空攻撃とか嘴、翼、尾羽、足なんかで物理攻撃されてたんだけど、途中から属性攻撃も始めたの。
まずは水ブレス。
これは広範囲散布型と高水圧直線型の2種類があった。
次は水の爆弾かな。
これは散弾式に爆発した水の刃が四方八方に飛んでいく感じ。
もう一つが粘着系のやつ、これは普通の水が体を纏わり付いて離れないの。
攻撃力低下とか弱体化系のいろんな妨害魔法を使ってきたりしたの。
5分も戦えてないにしてはいろんな攻撃見られたよね!
対策も練りやすいってもんだよ!
………
ってなわけでもう一回挑戦してきました!
結果は…まあ負けだよね…
こんなに負けたの初めてだよ…
あとね、半分減らせたと思ったら冠毛が光ってHP全回復するしさ…
そんなの聞いてないよ…って感じだよね!?
そしたらそのあと突然雨が降り出したりして。
その後また新しい攻撃が出てきて、集光した太陽光が雲の隙間から天使の梯子みたいに降り注いだり、羽根を飛ばしたかと思ったらその羽根が何かに触れたと思ったら触れたものに対して水の槍みたいなのが突き出てきたりで…辺り一面穴ぼこだらけだよ。
というかまだ絶対攻撃パターンあるよね…
でも攻略していく楽しさってこういう事なのかな!
少しずつ紐解いてく感じだよね!
リアルだったらって考えるとちょっと怖いけどゲームだもんね!
さて、話を戻してあいつどう倒すよ?
これはもうあれを先に作るべきなんだろうなー…
よし、覚悟決めて作っちゃおう!
………
よし!とりあえずこんなもんかな!
まさかこんな事になるなんて思わなかったけどね…
とりあえずマイホームの設定で地下7階を大きい何もない空間に設定して設備は全部でこんなのもつけてみたよ!
戦闘可能エリア
破壊不能エリア
戦闘終了時HP自動回復エリア
戦闘終了時MP自動回復エリア
戦闘終了時アイテム自動復活エリア
経験値取得可能エリア
こんな感じにしてみました!
値段は聞かないで…あとちょっとで9桁入りそうだったなんて言わないよ…?
ま、まあそれは置いといてみんなに連絡しとかなきゃね!
『手伝って欲しいことがあるんだけどみんな私の家来れたりする?』
っと。これであとは大丈夫かな!
………