葛井の騒動の後教室に入ると、クラスメイト達がテンプレの如く、俺の机に花瓶を置きいたずらしていた。
……ったくよく飽きないな。他にする事あると思うぜ?
「お前らっ! 何やってんだよ!」
「本当だぜ!」
「しょうもない事すんなよな!」
俺の後からドカドカと教室に入ってきた葛井達が、机に置かれた花瓶を見て声を荒げる。
その姿にクラスメイト達は、何が起こったのか理解出来ずに固まった。
そりゃそうだろう。率先して虐めていた奴らが、急に何を言い出したんだって状況だ。
「さっ。これで大丈夫だ。如月座ってくれ」
葛井が俺の肩に手を置き、椅子に座らせる。
机の上のあった花瓶に死ねの落書き、さらに椅子には画鋲。それら全てを葛井達が撤去し、誉めてくれと言わんばかりに俺を見る。
お前ら……必死だな。
「いいかお前ら! 今度如月にこんな事したら、俺らが黙っちゃいねーからな!」
「本当だぜ!」
「分かったな?」
葛井達三人がクラスメイト達を睨む。
だが状況が理解出来ないクラスメメイト達は、まだ固まったままだ。
「おい! 返事は?」
葛井が机をダンっと叩き威嚇すると
「「「「「ははっはい!」」」」」
俺を馬鹿にし嘲笑っていたクラスメイト達は、一斉に自分の席に戻って行った。
「これでもうこのクラスで如月をいじめる奴はいないから! まだいたら俺らが締めるんで安心してくれ!」
「ソレハドウモ……」
いやいやお前らが率先して虐めていたんだろうが。と言ってやりたい。
さらに葛井達は俺の席の周りに陣取り、勝手に席替えをしやがった。
お前ら……やりたい放題だな。
放課後まで俺を見張るつもりだな。
はぁ。こうなって来ると逃げる方が面倒だな。
分かったよ。付き合ってやるよ。
ただ相手のレベルが高いと……レベル1の俺には太刀打ち出来ねーんだが。
あの奴隷紋は、前世の世界と遜色違わないから、入れた奴は俺と同じ転生者で間違いない。
尾崎って前世でどんな奴だったんだろうな。
★★★
「如月、じゃ一緒に行こうぜ」
「頼んだぞ?」
「尾崎の奴……本当に学校に迎えに来てるのか?」
放課後になると、葛井達の様子がソワソワと落ち着きが無くなってきた。
例の男が怖いんだろう。
教室から出て行こうとすると、廊下でアリスが待っていた。
「アベル様。帰ろ♪」
俺の横に並んでいる葛井達を邪魔者のように睨むと、間に割って入り腕を組んできた。
「アリス!? ちょっ?」
「どうかした? アベル様」
アリスがひょこっと顔を出し、あざとく微笑む。
いや……そのう……胸が当たってるんだが。
何だろう……それを指摘すると負けな気がするのは。
「結局、葛井くん達に付き合うことになったんだね。面倒な事になりそうなら、すぐに帰ろうね」
アリスが、葛井達なんかほっとこうね~っと言ったのを聞いた葛井達は、半泣きで俺の腕に縋って来た。
葛井よ。俺の腕にしがみ付くな。
「アリスちゃん! それはないよ~っ」
「はぁ? 何が? 当然だと思うけど?」
アリスが俺の右腕に抱きついたまま葛井を睨む。
「ええ~っ冷たいこと言わないでくれよ」
左腕側には葛井達が、ピッタリとしがみ付いている。
またこのパターンか……美少女と男のサンドイッチ。
側から見たら奇妙なんだろう。すれ違う生徒がみんな振り返って見ている。
アリスの存在でただでさえ目立つって言うのに、ほんと勘弁してくれ。
校門が近づくと、葛井達が俺の後ろに隠れた。
おいっお前の相手だろ?
校門を出てすぐの場所に、賢そうな青藍高校の制服を着た男達が、五人立っていた。
なんだ尾崎一人じゃねーのか。
その姿を見た葛井の脚がピタリと止まった。
尾崎達も葛井に気付いたんだろう。ニヤニヤしながらこちらに向かって歩いて来た。
……ったくよく飽きないな。他にする事あると思うぜ?
「お前らっ! 何やってんだよ!」
「本当だぜ!」
「しょうもない事すんなよな!」
俺の後からドカドカと教室に入ってきた葛井達が、机に置かれた花瓶を見て声を荒げる。
その姿にクラスメイト達は、何が起こったのか理解出来ずに固まった。
そりゃそうだろう。率先して虐めていた奴らが、急に何を言い出したんだって状況だ。
「さっ。これで大丈夫だ。如月座ってくれ」
葛井が俺の肩に手を置き、椅子に座らせる。
机の上のあった花瓶に死ねの落書き、さらに椅子には画鋲。それら全てを葛井達が撤去し、誉めてくれと言わんばかりに俺を見る。
お前ら……必死だな。
「いいかお前ら! 今度如月にこんな事したら、俺らが黙っちゃいねーからな!」
「本当だぜ!」
「分かったな?」
葛井達三人がクラスメイト達を睨む。
だが状況が理解出来ないクラスメメイト達は、まだ固まったままだ。
「おい! 返事は?」
葛井が机をダンっと叩き威嚇すると
「「「「「ははっはい!」」」」」
俺を馬鹿にし嘲笑っていたクラスメイト達は、一斉に自分の席に戻って行った。
「これでもうこのクラスで如月をいじめる奴はいないから! まだいたら俺らが締めるんで安心してくれ!」
「ソレハドウモ……」
いやいやお前らが率先して虐めていたんだろうが。と言ってやりたい。
さらに葛井達は俺の席の周りに陣取り、勝手に席替えをしやがった。
お前ら……やりたい放題だな。
放課後まで俺を見張るつもりだな。
はぁ。こうなって来ると逃げる方が面倒だな。
分かったよ。付き合ってやるよ。
ただ相手のレベルが高いと……レベル1の俺には太刀打ち出来ねーんだが。
あの奴隷紋は、前世の世界と遜色違わないから、入れた奴は俺と同じ転生者で間違いない。
尾崎って前世でどんな奴だったんだろうな。
★★★
「如月、じゃ一緒に行こうぜ」
「頼んだぞ?」
「尾崎の奴……本当に学校に迎えに来てるのか?」
放課後になると、葛井達の様子がソワソワと落ち着きが無くなってきた。
例の男が怖いんだろう。
教室から出て行こうとすると、廊下でアリスが待っていた。
「アベル様。帰ろ♪」
俺の横に並んでいる葛井達を邪魔者のように睨むと、間に割って入り腕を組んできた。
「アリス!? ちょっ?」
「どうかした? アベル様」
アリスがひょこっと顔を出し、あざとく微笑む。
いや……そのう……胸が当たってるんだが。
何だろう……それを指摘すると負けな気がするのは。
「結局、葛井くん達に付き合うことになったんだね。面倒な事になりそうなら、すぐに帰ろうね」
アリスが、葛井達なんかほっとこうね~っと言ったのを聞いた葛井達は、半泣きで俺の腕に縋って来た。
葛井よ。俺の腕にしがみ付くな。
「アリスちゃん! それはないよ~っ」
「はぁ? 何が? 当然だと思うけど?」
アリスが俺の右腕に抱きついたまま葛井を睨む。
「ええ~っ冷たいこと言わないでくれよ」
左腕側には葛井達が、ピッタリとしがみ付いている。
またこのパターンか……美少女と男のサンドイッチ。
側から見たら奇妙なんだろう。すれ違う生徒がみんな振り返って見ている。
アリスの存在でただでさえ目立つって言うのに、ほんと勘弁してくれ。
校門が近づくと、葛井達が俺の後ろに隠れた。
おいっお前の相手だろ?
校門を出てすぐの場所に、賢そうな青藍高校の制服を着た男達が、五人立っていた。
なんだ尾崎一人じゃねーのか。
その姿を見た葛井の脚がピタリと止まった。
尾崎達も葛井に気付いたんだろう。ニヤニヤしながらこちらに向かって歩いて来た。