前線はハレイン様ともう一人のインペリアルナイト様と見られる方によって、押し上げて帝国軍を蹴散らしているみたい。
もう安全そうなので、俺達はレボル街に戻って来た。
エホイ町はこの一件もあり、住民達を説得してレボル街に引っ越して貰う事になった。
中には惜しむ人もいたけど、そこはエホイ町よりも快適な生活を約束して、仕事に就くまで面倒を見てあげる事となった。
そして、俺達は一度集まって、今回の結果をまとめる事にした。
「はい。では、今回の戦いのまとめを行います」
ミリシャさんの司会から始まる。
「まず、ルナちゃんの活躍によって、大量の金貨を得ました!」
パチパチパチパチ。
「ルナちゃんありがとう!」
「えへへ~」
嬉しそうに照れるルナちゃんが可愛らしい。
「次は、ルリくん! ルリくんもルナちゃん同様に大変な仕事で、大きな報酬まで獲得してくれたのは大きい!」
パチパチパチパチ。
「ルリくんありがとう!」
「ううん! いつでも俺に任せてくれると嬉しい!」
凛々しいルリくんの笑顔が眩しい。
「あっ、ソラ兄さん。あの袋の中身って何だったの?」
「あ~、あれは、クリムゾン・ルビーという宝石が入っていたよ。しかも原石だから物凄く価値が高いものだったよ」
「そっか! それでソラ兄さんの為になったのなら嬉しいな」
「うん。とても為になるよ! ありがとう!」
優しくルリくんの頭を撫でると、ルナちゃんが膨れてルリくんにダイブして来る。
少し拗ねているルナちゃんもルリくんとまとめてなでなでしてあげる。
「では次は、ラビ! 俺達もそうだけど、エホイ町の住民達を逃がしてくれた功績は本当に凄いと思う! ルーもラビのサポートをありがとう!」
パチパチパチパチ。
ラビが空中で一回転して、ドヤ顔を決める。
上空のルーも嬉しそうに甲高い声をあげた。
「バタバタしてしまったけど、他にも沢山サポートしてくれてありがとう。それと、一つ言っておきたい事があるんだ」
皆が俺に注目する。
「今回の戦争で色々悩んだ。だから決断が遅れたりしたけど、運が良くて俺達は無傷だった。でも一歩間違えていたら、エホイ町の住民達は全滅していたと思う。それではもう遅い。だからこれからの方針を固めておこうと思う」
もしも、あのパーティーに帝国の転職士がいなかったら。
ルリくんの目算ならとっくに騎士達がエホイ町に着いていたという。
カシアさん達の時と違って、恐らく向こうの騎士達は容赦などしなかったと思う。
向こうの転職士のおかげで、足を引っ張ってくれて遅れてしまって誰も死なずに済んだ。
ただ、こういう運が次も起きるかというと、確証は持てない。
なので、全体的な方針を決めたいと思う。
「これから、『銀朱の蒼穹』に敵対する勢力があった場合、それが帝国だろうと、大勢だろうと――――もしゼラリオン王国だったとしても、俺は戦う事に決めた。これは『銀朱の蒼穹』の全員の考えでもある。だから、この事を関係者達に伝えて、先に抜ける人がいるなら止めはしない。でもこれから戦いになった場合、逃げではなく戦う選択肢を取ろうと思う。それできっと大きな犠牲もあるかも知れない。それでも極力犠牲が出ないように、皆で力を合わせて乗り越えたいと思う。だから残るメンバーはこれからもよろしくお願いします」
こうして、『銀朱の蒼穹』はこれから敵対する相手に対して、逃げるよりは戦う姿勢を取る事にした。
ただ、このままでは俺達だけではまだ戦力が低い。
なので、味方を付けたいと思うけど、中々いないのよね。
協力出来る相手はいないか、悩む事になった。
◇
今度は『銀朱の蒼穹』だけで集まった。
「さて、今度はルリくんが手に入れた情報ね。帝国の転職士のレベルは5。それと気になるのは、『経験値は32人まで』という文言ね」
アイザックと名乗ったエンペラーナイトは、帝国の転職士の情報としてレベルと制限と思われる言葉を残した。
「経験値は32人まで。単純に聞くなら、ソラと同じ『経験値アップ』のスキルかな?」
「ええ。私もそう思うけど、ソラくんはどう思う?」
ミリシャさんとフィリアはそう予想しているみたい。
「でも、俺の『経験値アップ』に制限はないですよ?」
「そうなんだよね~、それがとても不思議なんだよね」
「仮に『経験値アップ』が32人までだとするならば、『ユニオン』はどうなるのだろう? だって、あのスキルは『経験値アップ』を与えた人のみに『役職』を与えられるからね」
「そう言われるとますます不思議だわ」
ミリシャさんでも読めないその制限は一体何の事なのだろうか。
その時、フィリアが口を開いた。
「もしも……だよ? もしも、『経験値アップ』に人数制限があるとするならば」
「人数制限か……」
「レベルが5だという事は、『経験値アップ③』のはずね。③で32人だとするならば、多分だけど②でその半分の16人、①でその半分の8人の可能性があるかな?」
「もしそれなら…………少ないわね?」
ミリシャさんの言う通り、少ない。
「では経験値アップ④になった場合、その二倍だと考えて64人……?」
「――――と思ったんだけど、このペースの場合、予想されるのは『経験値アップ』は⑤まであるんじゃないかなと予想されるんだけど、その場合、64人から128人……それだと、『ユニオン』の300人を超える方法がないね」
『経験値アップ』で人数が変わるならそうなるけど、もし人数制限があるならば、それが増えるのはレベルアップというよりは『経験値アップ』が進化するタイミングだと思う。
となると、やはり『経験値アップ⑤』で最大人数だとした場合、③で32という人数から考えられるのは……。
「もし③で32人で、⑤で300を越えるなら、倍数的には4かな?」
「4?」
「ええ。①で2人、②で8人、③で32人、④で128人、⑤で512人。これで300人を越えられるわ」
ミリシャさんの計算にとても納得する。
何故かは分からないけど、帝国の転職士の経験値アップには制限があるという結論に達した。
今はまだレベル5で、『経験値アップ』は③。
恩恵を受けられる人数は32人。
それが時間が経ち、『経験値アップ』が④になれば、その人数が4倍に増えるかも知れない。
そうなってくると帝国も大きな力を得る事となるだろう。
さらには『ユニオン』というスキルを得た場合、エンペラーナイトがもっと大きな力を得る事となる。
帝国の動きにも気を付けながら、俺達は自分達の力を付ける事を優先させる事にした。
もう安全そうなので、俺達はレボル街に戻って来た。
エホイ町はこの一件もあり、住民達を説得してレボル街に引っ越して貰う事になった。
中には惜しむ人もいたけど、そこはエホイ町よりも快適な生活を約束して、仕事に就くまで面倒を見てあげる事となった。
そして、俺達は一度集まって、今回の結果をまとめる事にした。
「はい。では、今回の戦いのまとめを行います」
ミリシャさんの司会から始まる。
「まず、ルナちゃんの活躍によって、大量の金貨を得ました!」
パチパチパチパチ。
「ルナちゃんありがとう!」
「えへへ~」
嬉しそうに照れるルナちゃんが可愛らしい。
「次は、ルリくん! ルリくんもルナちゃん同様に大変な仕事で、大きな報酬まで獲得してくれたのは大きい!」
パチパチパチパチ。
「ルリくんありがとう!」
「ううん! いつでも俺に任せてくれると嬉しい!」
凛々しいルリくんの笑顔が眩しい。
「あっ、ソラ兄さん。あの袋の中身って何だったの?」
「あ~、あれは、クリムゾン・ルビーという宝石が入っていたよ。しかも原石だから物凄く価値が高いものだったよ」
「そっか! それでソラ兄さんの為になったのなら嬉しいな」
「うん。とても為になるよ! ありがとう!」
優しくルリくんの頭を撫でると、ルナちゃんが膨れてルリくんにダイブして来る。
少し拗ねているルナちゃんもルリくんとまとめてなでなでしてあげる。
「では次は、ラビ! 俺達もそうだけど、エホイ町の住民達を逃がしてくれた功績は本当に凄いと思う! ルーもラビのサポートをありがとう!」
パチパチパチパチ。
ラビが空中で一回転して、ドヤ顔を決める。
上空のルーも嬉しそうに甲高い声をあげた。
「バタバタしてしまったけど、他にも沢山サポートしてくれてありがとう。それと、一つ言っておきたい事があるんだ」
皆が俺に注目する。
「今回の戦争で色々悩んだ。だから決断が遅れたりしたけど、運が良くて俺達は無傷だった。でも一歩間違えていたら、エホイ町の住民達は全滅していたと思う。それではもう遅い。だからこれからの方針を固めておこうと思う」
もしも、あのパーティーに帝国の転職士がいなかったら。
ルリくんの目算ならとっくに騎士達がエホイ町に着いていたという。
カシアさん達の時と違って、恐らく向こうの騎士達は容赦などしなかったと思う。
向こうの転職士のおかげで、足を引っ張ってくれて遅れてしまって誰も死なずに済んだ。
ただ、こういう運が次も起きるかというと、確証は持てない。
なので、全体的な方針を決めたいと思う。
「これから、『銀朱の蒼穹』に敵対する勢力があった場合、それが帝国だろうと、大勢だろうと――――もしゼラリオン王国だったとしても、俺は戦う事に決めた。これは『銀朱の蒼穹』の全員の考えでもある。だから、この事を関係者達に伝えて、先に抜ける人がいるなら止めはしない。でもこれから戦いになった場合、逃げではなく戦う選択肢を取ろうと思う。それできっと大きな犠牲もあるかも知れない。それでも極力犠牲が出ないように、皆で力を合わせて乗り越えたいと思う。だから残るメンバーはこれからもよろしくお願いします」
こうして、『銀朱の蒼穹』はこれから敵対する相手に対して、逃げるよりは戦う姿勢を取る事にした。
ただ、このままでは俺達だけではまだ戦力が低い。
なので、味方を付けたいと思うけど、中々いないのよね。
協力出来る相手はいないか、悩む事になった。
◇
今度は『銀朱の蒼穹』だけで集まった。
「さて、今度はルリくんが手に入れた情報ね。帝国の転職士のレベルは5。それと気になるのは、『経験値は32人まで』という文言ね」
アイザックと名乗ったエンペラーナイトは、帝国の転職士の情報としてレベルと制限と思われる言葉を残した。
「経験値は32人まで。単純に聞くなら、ソラと同じ『経験値アップ』のスキルかな?」
「ええ。私もそう思うけど、ソラくんはどう思う?」
ミリシャさんとフィリアはそう予想しているみたい。
「でも、俺の『経験値アップ』に制限はないですよ?」
「そうなんだよね~、それがとても不思議なんだよね」
「仮に『経験値アップ』が32人までだとするならば、『ユニオン』はどうなるのだろう? だって、あのスキルは『経験値アップ』を与えた人のみに『役職』を与えられるからね」
「そう言われるとますます不思議だわ」
ミリシャさんでも読めないその制限は一体何の事なのだろうか。
その時、フィリアが口を開いた。
「もしも……だよ? もしも、『経験値アップ』に人数制限があるとするならば」
「人数制限か……」
「レベルが5だという事は、『経験値アップ③』のはずね。③で32人だとするならば、多分だけど②でその半分の16人、①でその半分の8人の可能性があるかな?」
「もしそれなら…………少ないわね?」
ミリシャさんの言う通り、少ない。
「では経験値アップ④になった場合、その二倍だと考えて64人……?」
「――――と思ったんだけど、このペースの場合、予想されるのは『経験値アップ』は⑤まであるんじゃないかなと予想されるんだけど、その場合、64人から128人……それだと、『ユニオン』の300人を超える方法がないね」
『経験値アップ』で人数が変わるならそうなるけど、もし人数制限があるならば、それが増えるのはレベルアップというよりは『経験値アップ』が進化するタイミングだと思う。
となると、やはり『経験値アップ⑤』で最大人数だとした場合、③で32という人数から考えられるのは……。
「もし③で32人で、⑤で300を越えるなら、倍数的には4かな?」
「4?」
「ええ。①で2人、②で8人、③で32人、④で128人、⑤で512人。これで300人を越えられるわ」
ミリシャさんの計算にとても納得する。
何故かは分からないけど、帝国の転職士の経験値アップには制限があるという結論に達した。
今はまだレベル5で、『経験値アップ』は③。
恩恵を受けられる人数は32人。
それが時間が経ち、『経験値アップ』が④になれば、その人数が4倍に増えるかも知れない。
そうなってくると帝国も大きな力を得る事となるだろう。
さらには『ユニオン』というスキルを得た場合、エンペラーナイトがもっと大きな力を得る事となる。
帝国の動きにも気を付けながら、俺達は自分達の力を付ける事を優先させる事にした。