更に三か月が過ぎた。
最近では安定して『弐式』と『参式』の皆から経験値を貰えていて、少しずつだけど、俺の経験値も順調に貯まっていた。
そんなある日。
「むぅ」
「えっと……フィリア? どうしたの?」
「…………最近、ソラがしてくれない」
「ええええ!?」
それを聞いていたアムダ姉さんとイロラ姉さんも目を光らせて近づいて来た。
「ねえねえ、最近してくれないってどういう事?」
「ちょ、ちょっと! アムダ姉さん? 寧ろ、俺が聞きたいんですけど!?」
「むぅ」
ずっと膨らんでいるジト目のフィリア。
「昨日のソラ、嫌らしい目だった」
「嫌らしい目!? そんな事ないと思うけど、いつの話なの!?」
「……昨日、メイリちゃんの手を握っていた時のソラは嫌らしい目をしてました!」
あ…………もしかして、『同職転職』の時の話かな…………。
はぁ、一体何の話かと驚いた。
一応……その……定期的にキスは交わしていたつもりだったから……。
「あ、また嫌らしい目になった」
それは君のせいです!
「こほん。そう言えば最近フィリア達からは『経験値』貰えてないね?」
「そうだよ? そろそろ私の経験値も貰って欲しいな……」
「え! それなら私の経験値も貰って!」
「ソラ。経験値。どうぞ」
「まあ……最近は大きな戦いはないですから…………では、お願いします?」
真っ先にイロラ姉さんが俺の手を握る。
フィリアが膨らむ。
イロラ姉さんに『同職転職』を使いレベルを1にして、経験値を貰う。
次は流れ的にアムダ姉さんに同じ事をする。
フィリアが更に膨らむ。
そろそろフィリアに――――と思ったら、
「お~遂にこっちの経験値もか! ソラ、俺の経験値も貰ってくれ!」
丁度タイミングよく入ってきたカールに手を握られる。
カールの経験値も同じく貰った。
ふぃ、フィリア…………。
「私は今回が初めてね! ソ・ラ・く・ん! お姉さんの初めてもどうぞ!」
今度はミリシャさんに防がれた。
それはそうと、ミリシャさんの悪ふざけでフィリアとカールから、冷たい視線が注がれる。
漸くミリシャさんの経験値も貰って解放された。
「ふぃ、フィリア……」
「…………」
「お、怒らないでフィリア……」
「むぅ…………私が一番最後…………」
「あはは……ほら、最後に福があるって言うし??」
「そんなの言わない……」
「あはは…………でも、もしもの時の事を考えて、フィリアにはそのまま――――」
ガバッ!
目にも止まらぬ速さで両手を握られ、輝いている目で、早く早くと促される。
苦笑いが零れた。
フィリアの両手から、今までで一番大きな経験値の波が流れて来るのを感じる。
ずっと貯め続けてくれたからこそ、圧倒的な量の経験値を感じられた。
そして、
- 職能『転職士』のレベルが6に上がりました。-
- 新たにスキル『マネジメント』を獲得しました。-
『マネジメント』
①転職士以外で、メイン職能の経験値をサブ職能に移行出来る。
移行した際、経験値の量が1.5倍になる。
(通常サブ職能経験値は0.5倍分加算されるため、移行した場合、結果的に2倍となる計算になる)
②転職士の場合、サブ職能の経験値を獲得出来るようになる。(通常職能と獲得方法は同様)
サブ職能の経験値獲得倍率は通常の1.0倍となる。
③サブ職能からメイン職能で経験値移行は不可能。
「あ、レベルが上がった」
「え!?」
「「「「ええええ!?」」」」
あっけなく上がったレベルにみんなが驚いた。
寧ろ、俺も上がると思わず、驚いてしまった。
「ねえねえ、今回はどういうスキルなの!?」
フィリアが目を輝かせておねだりポーズをする。
うん。可愛い。
「今回も面白いスキルだよ! どちらかと言えば、俺に一番恩恵があるスキルかも」
新しく覚えたスキル『マネジメント』について、仲間に説明した。
これにより、俺のサブ職能の経験値も貯められるようになった。
今までだと、サブ職能ですら、皆から貰った経験値でしかレベルを上げられなかったけど、今回獲得したスキルのおかげで、魔物狩りでサブ職能のレベルを上げられるようになるのは、とても大きい。
これで一緒に狩りに行っても、俺にとっても意味が増えてくれるのはありがたい。
これを使ってサブ職能の経験値を貯めていこうと思う。
偶々だけど、フィリアの時にレベルが上がってくれて、拗ねていたフィリアがご機嫌になってくれたのが一番良かったかもね。
その時、徐にアムダ姉さんが疑問を口にした。
「そういえば、これでレベル10になって1に戻ったら、レベル10のスキル変わるのかな?」
そんな事、考えた事もなかった。
ミリシャさんから聞いているのは、レベル10で得られるスキルは、その人によって変わる……。
それは人それぞれで決まっているという説。
それが果たして本当の事なのかは、誰にも分からないはずだ。
「もしも、レベル10になった時に得られるスキルが、ランダムという事なら…………また1に戻ってやり直せるかも知れないですね」
ミリシャさんも大いに驚いた。
もしランダムなら……レベル10に到達した人でも希望が持てるからね。
いつか検証出来る時が来たら頑張ろうと思う。
最近では安定して『弐式』と『参式』の皆から経験値を貰えていて、少しずつだけど、俺の経験値も順調に貯まっていた。
そんなある日。
「むぅ」
「えっと……フィリア? どうしたの?」
「…………最近、ソラがしてくれない」
「ええええ!?」
それを聞いていたアムダ姉さんとイロラ姉さんも目を光らせて近づいて来た。
「ねえねえ、最近してくれないってどういう事?」
「ちょ、ちょっと! アムダ姉さん? 寧ろ、俺が聞きたいんですけど!?」
「むぅ」
ずっと膨らんでいるジト目のフィリア。
「昨日のソラ、嫌らしい目だった」
「嫌らしい目!? そんな事ないと思うけど、いつの話なの!?」
「……昨日、メイリちゃんの手を握っていた時のソラは嫌らしい目をしてました!」
あ…………もしかして、『同職転職』の時の話かな…………。
はぁ、一体何の話かと驚いた。
一応……その……定期的にキスは交わしていたつもりだったから……。
「あ、また嫌らしい目になった」
それは君のせいです!
「こほん。そう言えば最近フィリア達からは『経験値』貰えてないね?」
「そうだよ? そろそろ私の経験値も貰って欲しいな……」
「え! それなら私の経験値も貰って!」
「ソラ。経験値。どうぞ」
「まあ……最近は大きな戦いはないですから…………では、お願いします?」
真っ先にイロラ姉さんが俺の手を握る。
フィリアが膨らむ。
イロラ姉さんに『同職転職』を使いレベルを1にして、経験値を貰う。
次は流れ的にアムダ姉さんに同じ事をする。
フィリアが更に膨らむ。
そろそろフィリアに――――と思ったら、
「お~遂にこっちの経験値もか! ソラ、俺の経験値も貰ってくれ!」
丁度タイミングよく入ってきたカールに手を握られる。
カールの経験値も同じく貰った。
ふぃ、フィリア…………。
「私は今回が初めてね! ソ・ラ・く・ん! お姉さんの初めてもどうぞ!」
今度はミリシャさんに防がれた。
それはそうと、ミリシャさんの悪ふざけでフィリアとカールから、冷たい視線が注がれる。
漸くミリシャさんの経験値も貰って解放された。
「ふぃ、フィリア……」
「…………」
「お、怒らないでフィリア……」
「むぅ…………私が一番最後…………」
「あはは……ほら、最後に福があるって言うし??」
「そんなの言わない……」
「あはは…………でも、もしもの時の事を考えて、フィリアにはそのまま――――」
ガバッ!
目にも止まらぬ速さで両手を握られ、輝いている目で、早く早くと促される。
苦笑いが零れた。
フィリアの両手から、今までで一番大きな経験値の波が流れて来るのを感じる。
ずっと貯め続けてくれたからこそ、圧倒的な量の経験値を感じられた。
そして、
- 職能『転職士』のレベルが6に上がりました。-
- 新たにスキル『マネジメント』を獲得しました。-
『マネジメント』
①転職士以外で、メイン職能の経験値をサブ職能に移行出来る。
移行した際、経験値の量が1.5倍になる。
(通常サブ職能経験値は0.5倍分加算されるため、移行した場合、結果的に2倍となる計算になる)
②転職士の場合、サブ職能の経験値を獲得出来るようになる。(通常職能と獲得方法は同様)
サブ職能の経験値獲得倍率は通常の1.0倍となる。
③サブ職能からメイン職能で経験値移行は不可能。
「あ、レベルが上がった」
「え!?」
「「「「ええええ!?」」」」
あっけなく上がったレベルにみんなが驚いた。
寧ろ、俺も上がると思わず、驚いてしまった。
「ねえねえ、今回はどういうスキルなの!?」
フィリアが目を輝かせておねだりポーズをする。
うん。可愛い。
「今回も面白いスキルだよ! どちらかと言えば、俺に一番恩恵があるスキルかも」
新しく覚えたスキル『マネジメント』について、仲間に説明した。
これにより、俺のサブ職能の経験値も貯められるようになった。
今までだと、サブ職能ですら、皆から貰った経験値でしかレベルを上げられなかったけど、今回獲得したスキルのおかげで、魔物狩りでサブ職能のレベルを上げられるようになるのは、とても大きい。
これで一緒に狩りに行っても、俺にとっても意味が増えてくれるのはありがたい。
これを使ってサブ職能の経験値を貯めていこうと思う。
偶々だけど、フィリアの時にレベルが上がってくれて、拗ねていたフィリアがご機嫌になってくれたのが一番良かったかもね。
その時、徐にアムダ姉さんが疑問を口にした。
「そういえば、これでレベル10になって1に戻ったら、レベル10のスキル変わるのかな?」
そんな事、考えた事もなかった。
ミリシャさんから聞いているのは、レベル10で得られるスキルは、その人によって変わる……。
それは人それぞれで決まっているという説。
それが果たして本当の事なのかは、誰にも分からないはずだ。
「もしも、レベル10になった時に得られるスキルが、ランダムという事なら…………また1に戻ってやり直せるかも知れないですね」
ミリシャさんも大いに驚いた。
もしランダムなら……レベル10に到達した人でも希望が持てるからね。
いつか検証出来る時が来たら頑張ろうと思う。