「君はめちゃめちゃ弱いじゃんよ!!」
安全地域に戻ったら、絡んで来た女の人から、またもや絡まれた。
「はい。俺は弱いですよ?」
「彼女に助けられて、男として恥ずかしくない訳!?」
なんか、妙に絡んでくる。
「ソラは弱くないです!」
「あはは……いいよ、フィリア。弱いのは事実だし。えっと、お名前をお聞きしても?」
「ふん! 私はこの『赤き紅蓮』パーティーの炎の魔法使い、メリッサよ! 覚えておきなさい!」
「メリッサさんですね。はい。ちゃんと覚えておきます。それとですね」
「ふん、なによ?」
「確かに俺は弱いです。ですが、俺には俺なりの強さがあります。いずれ……お見せしますよ」
「っ!? …………いいわ。その時を楽しみにしてるわ」
珍しく俺達に突っかかって来るメリッサさんは、「ふん!」と言い、パーティーの元に戻っていった。
俺と同じ赤い髪と赤い瞳の彼女は、俺とは真逆の強気な性格のようだ。
「フィリアが怒る事はないだろう」
「むぅ……ソラの強さを知りもしないで……」
「あはは、それをいずれ証明するんだから、今はいいよ。それに彼女達は敵じゃない。同じダンジョンで戦う良きライバルだから、あんまり威嚇しないでね?」
「うん…………」
休憩しながら、他のパーティーの戦いを見る為、残ろうとした時、違うパーティーの男性が一人、近づいてきた。
「中々良い事言うじゃねぇか。同じダンジョンで戦う良きライバルか」
「はい。だって、ここで争う理由はないですから」
「ふぅん~、争う理由ならあるさ」
「え? あるんですか?」
「ああ、狩りは効率が大切だ。だから狩りの途中で鉢合わせもよく起きる事だよ。そうなれば、獲物の奪い合いが始まるのさ。だから俺達は敵同士なんだよ」
「でもお互いに危なくなったら助け合うでしょう? 助けてくれたお礼はするんですけど、そもそも助けてくれなかったら、生きられないですからね。それは敵というよりは、良きライバルですよ」
「がーはははっ! 気に入った! 最近出会った若いのでは、一番まともだな! 俺はパスケル。『蒼い彗星』というパーティーのリーダーをしている。よろしく」
「俺はソラです。パーティーは組んでいますが、名はまだないです。よろしくお願いします」
握手を交わした青い髪と爽やかな笑顔が素敵なパスケルさんは、気に入ったらしく、二層について教えてくれた。
二層では三種類の魔物が出て、一番強いのはレッドスケルトン。単純に動きが速いのに、攻撃が重いらしい。
二番目に強いのはレイス。今回の目標である『フォースレイス』の劣化版だそうだ。浮遊している為、足を砕いて動けなくさせるなどの事が出来ない分、戦いでは厄介らしい。攻撃も魔法を使ってくるので、気を付けてないと、炎の魔法が急に飛んでくる事もしばしばあるそうだ。
三番目は水の精という魔物らしくて、水の玉のような魔物が浮遊しているらしい。攻撃した場合のみ反撃してくるけど、基本的には水魔法を撃って来るそう。剣などでは斬れず、魔法じゃないと倒せないそうなので、魔法がないパーティーは基本的に無視するといいそうだ。ちょいちょい水溜まりがあるのが、水の精がいる場所だそうだ。
「パスケルさん。ありがとうございます!」
「いやいや、君のような若者には頑張って欲しいからね。ぜひこれからも頑張ってくれよ!」
「はい!」
パスケルさんはメンバーを連れ、安全地域を後にした。
その後、メリッサさんが「ふん!」とわざわざ目の前で言い放ち、安全地域を後にした。
両方の戦い方を眺める。
今まで見て来たパーティーと戦い方は大して変わらない。
前衛が削りつつ、後衛の魔法使いがトドメを刺す。
連携の仕方はそれぞれ違うけど、最終的にトドメ役がトドメを刺すのは一緒だ。
暫く見て、レッドスケルトンとレイスとの戦い方を眺める。
一層やセグリス平原、沼地とは違い、魔物が基本的に一体ずつ飛んでいる事に気が付いた。
多くて二体だった。
それと魔法使いに余裕がある場合には、雷魔法で水の精を一撃で沈めていた。
一時間ほど、戦い方を眺めて俺達はセグリス町へ戻って行った。
◇
「メリッサ、何をそんなにイライラしてる?」
「んも! あんなカップルでダンジョンに潜って、ダンジョンを舐めているやつを見るとイライラするのよ!」
「はぁ……そんな……人によりけりだろうよ」
「ふん! なーにがソラは弱くないですーだ! ムカつく!!」
腹いせに雷魔法を水の精に放つメリッサ。
パチパチと雷の残滓残ってる場所に、水の精のコアが落ちる。
「おい! メリッサ! 珍しくコアが落ちたぞ! やるな!」
「…………はぁ、イライラしてたのに、こんな時に限って、こんなの落ちるもんな」
「いいじゃねぇか、今日は美味いもん食おうぜ!」
「「「「おー!」」」」
メリッサのパーティーメンバー五人が水の精のコアを見て喜びの声を上げた。
当人のメリッサは、小さく溜息を吐いて彼らの後を追った。
「…………ラミィ……」
メリッサは悲しそうな表情で小さく呟いた。
安全地域に戻ったら、絡んで来た女の人から、またもや絡まれた。
「はい。俺は弱いですよ?」
「彼女に助けられて、男として恥ずかしくない訳!?」
なんか、妙に絡んでくる。
「ソラは弱くないです!」
「あはは……いいよ、フィリア。弱いのは事実だし。えっと、お名前をお聞きしても?」
「ふん! 私はこの『赤き紅蓮』パーティーの炎の魔法使い、メリッサよ! 覚えておきなさい!」
「メリッサさんですね。はい。ちゃんと覚えておきます。それとですね」
「ふん、なによ?」
「確かに俺は弱いです。ですが、俺には俺なりの強さがあります。いずれ……お見せしますよ」
「っ!? …………いいわ。その時を楽しみにしてるわ」
珍しく俺達に突っかかって来るメリッサさんは、「ふん!」と言い、パーティーの元に戻っていった。
俺と同じ赤い髪と赤い瞳の彼女は、俺とは真逆の強気な性格のようだ。
「フィリアが怒る事はないだろう」
「むぅ……ソラの強さを知りもしないで……」
「あはは、それをいずれ証明するんだから、今はいいよ。それに彼女達は敵じゃない。同じダンジョンで戦う良きライバルだから、あんまり威嚇しないでね?」
「うん…………」
休憩しながら、他のパーティーの戦いを見る為、残ろうとした時、違うパーティーの男性が一人、近づいてきた。
「中々良い事言うじゃねぇか。同じダンジョンで戦う良きライバルか」
「はい。だって、ここで争う理由はないですから」
「ふぅん~、争う理由ならあるさ」
「え? あるんですか?」
「ああ、狩りは効率が大切だ。だから狩りの途中で鉢合わせもよく起きる事だよ。そうなれば、獲物の奪い合いが始まるのさ。だから俺達は敵同士なんだよ」
「でもお互いに危なくなったら助け合うでしょう? 助けてくれたお礼はするんですけど、そもそも助けてくれなかったら、生きられないですからね。それは敵というよりは、良きライバルですよ」
「がーはははっ! 気に入った! 最近出会った若いのでは、一番まともだな! 俺はパスケル。『蒼い彗星』というパーティーのリーダーをしている。よろしく」
「俺はソラです。パーティーは組んでいますが、名はまだないです。よろしくお願いします」
握手を交わした青い髪と爽やかな笑顔が素敵なパスケルさんは、気に入ったらしく、二層について教えてくれた。
二層では三種類の魔物が出て、一番強いのはレッドスケルトン。単純に動きが速いのに、攻撃が重いらしい。
二番目に強いのはレイス。今回の目標である『フォースレイス』の劣化版だそうだ。浮遊している為、足を砕いて動けなくさせるなどの事が出来ない分、戦いでは厄介らしい。攻撃も魔法を使ってくるので、気を付けてないと、炎の魔法が急に飛んでくる事もしばしばあるそうだ。
三番目は水の精という魔物らしくて、水の玉のような魔物が浮遊しているらしい。攻撃した場合のみ反撃してくるけど、基本的には水魔法を撃って来るそう。剣などでは斬れず、魔法じゃないと倒せないそうなので、魔法がないパーティーは基本的に無視するといいそうだ。ちょいちょい水溜まりがあるのが、水の精がいる場所だそうだ。
「パスケルさん。ありがとうございます!」
「いやいや、君のような若者には頑張って欲しいからね。ぜひこれからも頑張ってくれよ!」
「はい!」
パスケルさんはメンバーを連れ、安全地域を後にした。
その後、メリッサさんが「ふん!」とわざわざ目の前で言い放ち、安全地域を後にした。
両方の戦い方を眺める。
今まで見て来たパーティーと戦い方は大して変わらない。
前衛が削りつつ、後衛の魔法使いがトドメを刺す。
連携の仕方はそれぞれ違うけど、最終的にトドメ役がトドメを刺すのは一緒だ。
暫く見て、レッドスケルトンとレイスとの戦い方を眺める。
一層やセグリス平原、沼地とは違い、魔物が基本的に一体ずつ飛んでいる事に気が付いた。
多くて二体だった。
それと魔法使いに余裕がある場合には、雷魔法で水の精を一撃で沈めていた。
一時間ほど、戦い方を眺めて俺達はセグリス町へ戻って行った。
◇
「メリッサ、何をそんなにイライラしてる?」
「んも! あんなカップルでダンジョンに潜って、ダンジョンを舐めているやつを見るとイライラするのよ!」
「はぁ……そんな……人によりけりだろうよ」
「ふん! なーにがソラは弱くないですーだ! ムカつく!!」
腹いせに雷魔法を水の精に放つメリッサ。
パチパチと雷の残滓残ってる場所に、水の精のコアが落ちる。
「おい! メリッサ! 珍しくコアが落ちたぞ! やるな!」
「…………はぁ、イライラしてたのに、こんな時に限って、こんなの落ちるもんな」
「いいじゃねぇか、今日は美味いもん食おうぜ!」
「「「「おー!」」」」
メリッサのパーティーメンバー五人が水の精のコアを見て喜びの声を上げた。
当人のメリッサは、小さく溜息を吐いて彼らの後を追った。
「…………ラミィ……」
メリッサは悲しそうな表情で小さく呟いた。