アクアソル王国は、自領に街が一つ、砦が一つしか存在しない国だそうだ。
『シュランゲ山脈』に囲まれていて、その間に唯一続いている『シュランゲ道』と呼ばれている緩やかに曲がり続いている道を、帝国領ワンド街から進むと、唯一の砦が一つあり、そこからがアクアソル王国領となる。
道は馬車で数時間という距離があるので、意外と遠い。
砦には数人の兵士が立っていて、アインハルトさんに向かって敬礼ポーズをしていて無事に通れた。
「今の砦は殆ど形だけのものだ」
「形だけのものですか?」
「ああ、あそこから王国に入る観光客は、基本的に誰も止められない」
「止められない……」
「それがこの国の現状の一つだ」
アインハルトさんの厳しい表情から現状が垣間見れる。
アクアソル王国の女王様が俺達に会いたいと話した事や、交流を持ちたい事に繋がっているのだろうと想像がつく。
ただ、アインハルトさんも、以前来てくれたセリアさんも、送ってくれた女王様の手紙からも、悪い気配は一切してない。
以前俺達を利用したゼラリオン王国の面々とは雰囲気も感覚も全然違うね。
ただ、それもあくまで俺の感覚だし、だからといって向こうの言い分だけを信じる気はない。
それにうちには最高の頭脳の持ち主がいる。
ミリシャさんが感じた事も大きな答えになると思う。
アクアソル王国内を進んで思ったのは、ゼラリオン王国ではどこに向かっても魔物がいることだ。
なのにアクアソル王国では魔物が全く見当たらず、ただただ広く畑が広がっている。
なんだかこういう光景を見た事がないので、ワンド街よりもずっと不思議に外を眺めていた。
どうやら俺だけでなく、みんなもそうみたいで、広がる畑を見つめている。
「ソラくん。畑は初めて見るかね?」
「はい。とても不思議な光景です」
「外は魔物のフロアが広がっているからな。魔物のフロアがないのは、ここと魔女の森くらいなものだ」
「え? 魔女の森?」
意外な言葉に、俺は思わずアンナを見る。
「そだよ~あの森には魔物はいないね~」
「ん? 彼女は魔女の森に詳しいのかい?」
「アンナは魔女だからね~詳しいよ~」
「!?」
ほんの一瞬だけど、アインハルトさんの顔に初めて緊張感が見えたけど、ゆっくりしているアンナを見て、すぐに現状を理解して表情を戻す。
アインハルトさんって歴戦の戦士の雰囲気があるだけあって、落ち着くのも早くて驚いた。
「まさか……仲間に魔女がいるなんて、ソラくんは俺の予想を遥かに超えているんだな」
「あはは……たまたまなんですけどね…………でもアンナはとても優しくて悪さもしないし、噂のような魔女ではないので心配しないでください」
「私はソラくんが生きていれば何でもいいよ~」
い、生きて…………。
「アンナちゃん。ソラは死なせないわ」
「うふふ、フィリアも頑張ってね! フィリアなら最強のガーディアンになれると思うから」
「うん! 頑張る!」
意外にも初日バチバチしていたフィリアとアンナだけど、アンナに殺意がない事だったり、もう魔女王様の下に行くのが確定していて、威嚇する意味もないと諦めたフィリアは、それならばとアンナに色々アドバイスを求めた。
アンナは俺のためになるならいいみたいで、色々アドバイスをしてくれていた。
それもあってか、『銀朱の蒼穹』のメンバーとも打ち解けてきて、アンナも楽しそうに寄り添っていたから、俺達の中の魔女のイメージが良い方向に変わっている。
「アインハルトさん。ここでは何が作られているんですか?」
「うむ。麦というモノが作られている。ワンド街にもあったと思うが『バクシュ』という飲み物を見たかい?」
「あ~黄色いお酒ですね?」
「そうさ。あれの原材料となるのが、麦というもので、それを作るのがここの畑なのだよ…………」
「……アインハルトさん」
「うむ」
「女王様に呼ばれた理由の一つに、これも入ってますか?」
「…………ああ。これも大きな問題の一つだ」
何となく畑を眺めているアインハルトさんの視線に、どこか寂しさを感じていて、やはりそれも理由の一つなんだと納得した。
王国領を進み、広い街並みが見え始める。
イメージとは全く違うその美しい街並みに思わず声が出る。
真っ白い建物が規則正しく並んでいて、外から見える街並みの美しさを引き立てている。
色も白に統一されていて、さらに奥に見える美しい青い色の海という無限に広がっている湖が広がっている。
アインハルトさん曰く、あの水はしょっぱいらしい。
あれで大量の塩を作れるらしく、アクアソル王国の主な収入の一つになっている。
もう一つは麦と観光で三大収入源だそうだ。
王都に近づいて街並みに入ると、王城と思われる建物まで真っすぐ続いている道は美しく彩られている。
ただ、ゼラリオン王国の王城に比べると、アクアソル王城は王城にしては控えめだ。
それに他にも高い建物が一切ない。
高くて二階建てかな?
隣で気づいてくれたアインハルトさんは、街の向こうに見える海を街のどこからでも眺められるような作りになっていると話してくれた。
そんな話をしながら、俺達はお城に入る。
念には念を入れて、俺の影にメンバー全員を待機させていてアインハルトさんも了承済みだ。
馬車から降りて、美しい扉の先に進み、道の脇に立っているクラン『エデン』のメンバー五人、そして美しい女性が玉座に座って待っていた。
『シュランゲ山脈』に囲まれていて、その間に唯一続いている『シュランゲ道』と呼ばれている緩やかに曲がり続いている道を、帝国領ワンド街から進むと、唯一の砦が一つあり、そこからがアクアソル王国領となる。
道は馬車で数時間という距離があるので、意外と遠い。
砦には数人の兵士が立っていて、アインハルトさんに向かって敬礼ポーズをしていて無事に通れた。
「今の砦は殆ど形だけのものだ」
「形だけのものですか?」
「ああ、あそこから王国に入る観光客は、基本的に誰も止められない」
「止められない……」
「それがこの国の現状の一つだ」
アインハルトさんの厳しい表情から現状が垣間見れる。
アクアソル王国の女王様が俺達に会いたいと話した事や、交流を持ちたい事に繋がっているのだろうと想像がつく。
ただ、アインハルトさんも、以前来てくれたセリアさんも、送ってくれた女王様の手紙からも、悪い気配は一切してない。
以前俺達を利用したゼラリオン王国の面々とは雰囲気も感覚も全然違うね。
ただ、それもあくまで俺の感覚だし、だからといって向こうの言い分だけを信じる気はない。
それにうちには最高の頭脳の持ち主がいる。
ミリシャさんが感じた事も大きな答えになると思う。
アクアソル王国内を進んで思ったのは、ゼラリオン王国ではどこに向かっても魔物がいることだ。
なのにアクアソル王国では魔物が全く見当たらず、ただただ広く畑が広がっている。
なんだかこういう光景を見た事がないので、ワンド街よりもずっと不思議に外を眺めていた。
どうやら俺だけでなく、みんなもそうみたいで、広がる畑を見つめている。
「ソラくん。畑は初めて見るかね?」
「はい。とても不思議な光景です」
「外は魔物のフロアが広がっているからな。魔物のフロアがないのは、ここと魔女の森くらいなものだ」
「え? 魔女の森?」
意外な言葉に、俺は思わずアンナを見る。
「そだよ~あの森には魔物はいないね~」
「ん? 彼女は魔女の森に詳しいのかい?」
「アンナは魔女だからね~詳しいよ~」
「!?」
ほんの一瞬だけど、アインハルトさんの顔に初めて緊張感が見えたけど、ゆっくりしているアンナを見て、すぐに現状を理解して表情を戻す。
アインハルトさんって歴戦の戦士の雰囲気があるだけあって、落ち着くのも早くて驚いた。
「まさか……仲間に魔女がいるなんて、ソラくんは俺の予想を遥かに超えているんだな」
「あはは……たまたまなんですけどね…………でもアンナはとても優しくて悪さもしないし、噂のような魔女ではないので心配しないでください」
「私はソラくんが生きていれば何でもいいよ~」
い、生きて…………。
「アンナちゃん。ソラは死なせないわ」
「うふふ、フィリアも頑張ってね! フィリアなら最強のガーディアンになれると思うから」
「うん! 頑張る!」
意外にも初日バチバチしていたフィリアとアンナだけど、アンナに殺意がない事だったり、もう魔女王様の下に行くのが確定していて、威嚇する意味もないと諦めたフィリアは、それならばとアンナに色々アドバイスを求めた。
アンナは俺のためになるならいいみたいで、色々アドバイスをしてくれていた。
それもあってか、『銀朱の蒼穹』のメンバーとも打ち解けてきて、アンナも楽しそうに寄り添っていたから、俺達の中の魔女のイメージが良い方向に変わっている。
「アインハルトさん。ここでは何が作られているんですか?」
「うむ。麦というモノが作られている。ワンド街にもあったと思うが『バクシュ』という飲み物を見たかい?」
「あ~黄色いお酒ですね?」
「そうさ。あれの原材料となるのが、麦というもので、それを作るのがここの畑なのだよ…………」
「……アインハルトさん」
「うむ」
「女王様に呼ばれた理由の一つに、これも入ってますか?」
「…………ああ。これも大きな問題の一つだ」
何となく畑を眺めているアインハルトさんの視線に、どこか寂しさを感じていて、やはりそれも理由の一つなんだと納得した。
王国領を進み、広い街並みが見え始める。
イメージとは全く違うその美しい街並みに思わず声が出る。
真っ白い建物が規則正しく並んでいて、外から見える街並みの美しさを引き立てている。
色も白に統一されていて、さらに奥に見える美しい青い色の海という無限に広がっている湖が広がっている。
アインハルトさん曰く、あの水はしょっぱいらしい。
あれで大量の塩を作れるらしく、アクアソル王国の主な収入の一つになっている。
もう一つは麦と観光で三大収入源だそうだ。
王都に近づいて街並みに入ると、王城と思われる建物まで真っすぐ続いている道は美しく彩られている。
ただ、ゼラリオン王国の王城に比べると、アクアソル王城は王城にしては控えめだ。
それに他にも高い建物が一切ない。
高くて二階建てかな?
隣で気づいてくれたアインハルトさんは、街の向こうに見える海を街のどこからでも眺められるような作りになっていると話してくれた。
そんな話をしながら、俺達はお城に入る。
念には念を入れて、俺の影にメンバー全員を待機させていてアインハルトさんも了承済みだ。
馬車から降りて、美しい扉の先に進み、道の脇に立っているクラン『エデン』のメンバー五人、そして美しい女性が玉座に座って待っていた。