入院してから一ヶ月。
漸く傷も癒えて、退院する事が出来た。
知らなかった事なんだけど、入院費用を両親が払ってくれているらしい。
いつもギャンブルばかりしているのに、お金の支払いだけはキッチリ面倒見てくれる両親には複雑だが感謝している。
退院の日にはフィリアは勿論の事、今回関わった皆さんが出迎えてくれて、孤児院で小さなパーティーを開いてくれた。
ここまで狩りが効率良くなり、『経験値アップ②』のおかげで皆さんのレベルもどんどん上がり、狩りがとても捗っているそうで、パーティーを開く費用もかなり余裕との事だった。
パーティーが終わり、暫く俺をリーダーにこのまま狩りを進めたいとの意見があって、俺も快諾した。
メンバーからは基本的に全て全任するとの事なので、俺をリーダー、フィリアをサブリーダーとして暫くチームを組む事になった。
フィリア、カール、アムダさん、イロラさんと五人でこれからの会議を始める。
まず、俺が獲得した新しいスキル『キャリア』について、みんなに説明した。
- 職能『転職士』のレベルが4に上がりました。-
- 新たにスキル『キャリア』を獲得しました。-
『キャリア』
指定した人のサブ職能を選択出来る。
制約その①。
サブ職能はメイン職能より下のランクでなくてはならない。
制約その②。
設定したサブ職能は、ステータスは上昇しないが、スキルを獲得出来る。(別職に転職した場合、スキルは消える)
制約その③。
設定したサブ職能はメイン職能の獲得経験値の半分の獲得率で経験値を獲得出来る。(メイン経験値10を獲得した場合、サブ経験値は5となる、デメリットはない)
特例その①
スキル使用者が自分自身に使用(設定)した場合のみ、ステータスも上昇し、本来の二倍上昇する。
特例その②
サブ職能としてレベルが上がった職能はそのまま内蔵出来、転職させた場合でもそのままレベルが維持出来る。
非常に複雑なスキルだが、俺の感覚的にもフィリアからも言われたけど、恐らくこのスキルが『転職士』の真骨頂のスキルなのではないかと思われる。
まず制約が多い。
例えば、現在のアムダさんとイロラさんのメイン職能は下級職能だから、サブ職能を設定出来ない。
でも最上級職能のフィリアと、中級職能のカールは設定が出来る。
フィリアは現在『剣士』、カールは『武闘家』になっている。
フィリアに関しては、このまま両手で剣を持ちたいとの事だ。
カールに関しては、レベルが上がるまで強さを出しにくいが、晩成型と言われる『武闘家』をのんびり上げていけば、魔法が使えない場面や魔法に必要なMPが枯渇した場面で活用できそうな期待を込めて『武闘家』を選ばせた。
しかも、この『武闘家』。俺の普段のリサーチで知った事なんだけど、スキルの中に『集中』というスキルがあって、クールタイムという次にこのスキルを使うまで使用出来ない時間が長いが、その分効果が高いスキルがあって、そのスキルが魔法使いに活かせないか企んでいる。
最後の制約は経験値。
こちらは制約というか、メリットでしかない。
設定したサブ職能にも経験値が入るので、結果的には上乗せになる考えでいいだろう。デメリットが一切ないのがありがたい。
では次に、特例部分。
特例の一つ目は、俺の為の特例である。
実は俺が一人で『剣聖』アビリオに挑んだ理由。それが『剣士』を設定した俺のステータスが既に『剣士』を付けている人達より二倍程高かった。
更に『剣士』のレベルも上げてその幅を増やした。
だから……もしかして『剣聖』にも勝てるかもしれないなんて思ってしまった。全く歯が立たなかったけどね。
最後の特例。
恐らくこれがこのスキルの一番の真骨頂だろう。
サブ職能のレベルをそのままに転職させられるのだ。
カールが『武闘家』のレベルを5まで上げたとすると、途中違うサブ職能に変えたいとなった場合、『剣士』レベル1になったとしても、また『武闘家』に戻った場合はレベルが5に戻るのだ。
これを使えば、全員がレベル10にしておいて、その場面場面で切り替える事も出来るから使い道は非常に多そうだ。
欲を言えば、中級職能も選択可能ならMPを切らすまでずっと『魔法使い』にして、MPが切れたら『狩人』に変えるなどにすれば、ますます効率のいい魔物狩りが出来るはずなんだが……そんな夢物語を言っても仕方ない。
この特例からも分かるように、このスキルには唯一のデメリットがある。
それが、サブ職能にはこの特例効果が効くけど、メイン職能にはこの特例が効かないのだ。
まぁメイン職能って転職させたら全てリセットされてしまうからね。それが残ったら俺の経験値吸収が無くなってしまって、レベルが上げられないのもデメリットかな……自分にとってはね。
今回獲得したスキル『キャリア』について、みんなに説明を終え、これからの狩りをある程度決めた。
意外にもフィリアが全ての職能のレベルを最大まで上げてみたいと言っていた。
明日から俺達はゴブリンとスモールボアが生息している近場のゴブリン森を越え、セグリス平原に狩り場を移す事にした。
漸く傷も癒えて、退院する事が出来た。
知らなかった事なんだけど、入院費用を両親が払ってくれているらしい。
いつもギャンブルばかりしているのに、お金の支払いだけはキッチリ面倒見てくれる両親には複雑だが感謝している。
退院の日にはフィリアは勿論の事、今回関わった皆さんが出迎えてくれて、孤児院で小さなパーティーを開いてくれた。
ここまで狩りが効率良くなり、『経験値アップ②』のおかげで皆さんのレベルもどんどん上がり、狩りがとても捗っているそうで、パーティーを開く費用もかなり余裕との事だった。
パーティーが終わり、暫く俺をリーダーにこのまま狩りを進めたいとの意見があって、俺も快諾した。
メンバーからは基本的に全て全任するとの事なので、俺をリーダー、フィリアをサブリーダーとして暫くチームを組む事になった。
フィリア、カール、アムダさん、イロラさんと五人でこれからの会議を始める。
まず、俺が獲得した新しいスキル『キャリア』について、みんなに説明した。
- 職能『転職士』のレベルが4に上がりました。-
- 新たにスキル『キャリア』を獲得しました。-
『キャリア』
指定した人のサブ職能を選択出来る。
制約その①。
サブ職能はメイン職能より下のランクでなくてはならない。
制約その②。
設定したサブ職能は、ステータスは上昇しないが、スキルを獲得出来る。(別職に転職した場合、スキルは消える)
制約その③。
設定したサブ職能はメイン職能の獲得経験値の半分の獲得率で経験値を獲得出来る。(メイン経験値10を獲得した場合、サブ経験値は5となる、デメリットはない)
特例その①
スキル使用者が自分自身に使用(設定)した場合のみ、ステータスも上昇し、本来の二倍上昇する。
特例その②
サブ職能としてレベルが上がった職能はそのまま内蔵出来、転職させた場合でもそのままレベルが維持出来る。
非常に複雑なスキルだが、俺の感覚的にもフィリアからも言われたけど、恐らくこのスキルが『転職士』の真骨頂のスキルなのではないかと思われる。
まず制約が多い。
例えば、現在のアムダさんとイロラさんのメイン職能は下級職能だから、サブ職能を設定出来ない。
でも最上級職能のフィリアと、中級職能のカールは設定が出来る。
フィリアは現在『剣士』、カールは『武闘家』になっている。
フィリアに関しては、このまま両手で剣を持ちたいとの事だ。
カールに関しては、レベルが上がるまで強さを出しにくいが、晩成型と言われる『武闘家』をのんびり上げていけば、魔法が使えない場面や魔法に必要なMPが枯渇した場面で活用できそうな期待を込めて『武闘家』を選ばせた。
しかも、この『武闘家』。俺の普段のリサーチで知った事なんだけど、スキルの中に『集中』というスキルがあって、クールタイムという次にこのスキルを使うまで使用出来ない時間が長いが、その分効果が高いスキルがあって、そのスキルが魔法使いに活かせないか企んでいる。
最後の制約は経験値。
こちらは制約というか、メリットでしかない。
設定したサブ職能にも経験値が入るので、結果的には上乗せになる考えでいいだろう。デメリットが一切ないのがありがたい。
では次に、特例部分。
特例の一つ目は、俺の為の特例である。
実は俺が一人で『剣聖』アビリオに挑んだ理由。それが『剣士』を設定した俺のステータスが既に『剣士』を付けている人達より二倍程高かった。
更に『剣士』のレベルも上げてその幅を増やした。
だから……もしかして『剣聖』にも勝てるかもしれないなんて思ってしまった。全く歯が立たなかったけどね。
最後の特例。
恐らくこれがこのスキルの一番の真骨頂だろう。
サブ職能のレベルをそのままに転職させられるのだ。
カールが『武闘家』のレベルを5まで上げたとすると、途中違うサブ職能に変えたいとなった場合、『剣士』レベル1になったとしても、また『武闘家』に戻った場合はレベルが5に戻るのだ。
これを使えば、全員がレベル10にしておいて、その場面場面で切り替える事も出来るから使い道は非常に多そうだ。
欲を言えば、中級職能も選択可能ならMPを切らすまでずっと『魔法使い』にして、MPが切れたら『狩人』に変えるなどにすれば、ますます効率のいい魔物狩りが出来るはずなんだが……そんな夢物語を言っても仕方ない。
この特例からも分かるように、このスキルには唯一のデメリットがある。
それが、サブ職能にはこの特例効果が効くけど、メイン職能にはこの特例が効かないのだ。
まぁメイン職能って転職させたら全てリセットされてしまうからね。それが残ったら俺の経験値吸収が無くなってしまって、レベルが上げられないのもデメリットかな……自分にとってはね。
今回獲得したスキル『キャリア』について、みんなに説明を終え、これからの狩りをある程度決めた。
意外にもフィリアが全ての職能のレベルを最大まで上げてみたいと言っていた。
明日から俺達はゴブリンとスモールボアが生息している近場のゴブリン森を越え、セグリス平原に狩り場を移す事にした。