私、藤井夜華(ふじい よるか)。小学六年生。


 家族構成は、母の真昼(まひる)、妹の朝姫(あさき)。


 朝姫は小学三年生。休み時間はいつも私の教室に来て、


「ねーたん!ねーたん!あーしょーぼー‼︎」


 って言うからもう大変!


 朝姫ったら、元気いっぱい!


 そうそう。イチゴなんて、貰った(もしくは買った)その日になくなるんだよ!



 そして犯人はいつも朝姫。“イチゴアサキン”ってあだ名を勝手につけられたほど(母命名)。


 









 で、ここからは。


 ちょっと言いにくい事が二つ。


 一つ目は、朝姫はうまく喋れない呪いをかけられていると言う事。


 二つ目は……。


 どこから話そうかな?


 じゃ、“クロ”について話すか。


 朝姫が産まれた五月十八日。


 その日は、偶然“Blue moon(ブルームーン)”の日で、朝姫はその月が一番大きく青くなった時に産まれたの。


 そしたら、赤ちゃんの朝姫がいる部屋の窓から、突然真夜中の空のような真っ黒な服(軍服?)を着た人が現れた。


 スッ…。と窓枠に音を立てずに立って、私はこう聞いた。


「貴方は、誰なの?」


 母さんはトイレに行っていて、私が朝姫を見ていた。


 だから私が朝姫を守らなきゃいけなかったのに。


 

 なのになのになのになのになのにィ‼︎‼︎




 








 守れなかったから、朝姫は世界を巻き込めるほどの強い魔法を使えるようになってしまったんだ。