あぁ、ねみぃぃぃ。
崩れかけた前髪をセットし直し、手を洗う。
ドラッグストアで新登場と謳われていたワックスは、想像以上に落ちてくれない。
今日は試験期間だからってことで、いつもあるはずの0限はなく、ゆったりと登校できた。
特に朝練はないようだが、自主的に朝練をしているサッカーキラーとの登校は次第に回数が減っていった。
身体を休めるのもアスリートだろ?というオレの心配をスルーしやがって。
イケてるメンズ系で発信してるユーチューバーがイケてる10カ条を出していた。
その中で一際目を疑ったのが冷水シャワーだった。
ドーパミンが250%くらい上がるらしい。
ただ、温度は20℃以下でという条件付きだったが。
ほんとかよと思って、そういう系の本を読み漁っていたら、科学的に証明されてる健康法の一つである事を知った。
冷水シャワーは合法ドラッグだということが論文を読むことで確信に変わり、ついにオレのモーニングルーティンが一つ増えた。
冷水を浴びて死ぬかと思ったが、想像以上に効果を実感できた。
最高にハイになり、スッキリして見える。
だから、アイツの不審な挙動にもすぐ気づけた。
「おはよ。朝飯何食べた?オレ、バナナと卵モリモリ。」
「あー、おはよ。僕はいつもの。熱々味噌汁かなー。」
いつも醸し出す雰囲気はそこにない気がした。
お、あぶねっとスマホを両手で握りしめる。
「なんかあった?オマエいつもとちがうじゃん。」
なんでお前わかんだよ?!みたいな顔をするのも、やつらしい。
「いや、そのさ、だれにも言うなよ?僕さ、新しく入ったマネージャーに告られて。」
まぁ、そんな感じだろうとは思っていたが的中したことにオレ自身が驚いた。
「はぁ?!まぢかよ!オレすげぇーな!」
「いやいや何言ってんだよ!お前何もしてないだろ!」
サッカーキラーの顔が綻んだところに直球でかました。
「で?オマエなんて言ったん?」
唇をキュッと引き締めて出てきた言葉は可愛らしかった。
「お願いします!って言ったよ。そりゃ、可愛い子に告られたらそれしかないじゃん。」
どこか照れくさそうにモジモジするやつの脚を蹴って、教室へと向かう。
あ、そうだ自販に用があるんだったと言って、やつとは別れた。
アイツはまだ知らないんだよな。
オマエのこと、ずっと前から見てるやつがいるのにな。
いつかそいつも報われてほしいと、青空を見上げる。
今日は晴れのち曇りってとこか。
プシュッといわせたキャップから甘い香りが漂った。
崩れかけた前髪をセットし直し、手を洗う。
ドラッグストアで新登場と謳われていたワックスは、想像以上に落ちてくれない。
今日は試験期間だからってことで、いつもあるはずの0限はなく、ゆったりと登校できた。
特に朝練はないようだが、自主的に朝練をしているサッカーキラーとの登校は次第に回数が減っていった。
身体を休めるのもアスリートだろ?というオレの心配をスルーしやがって。
イケてるメンズ系で発信してるユーチューバーがイケてる10カ条を出していた。
その中で一際目を疑ったのが冷水シャワーだった。
ドーパミンが250%くらい上がるらしい。
ただ、温度は20℃以下でという条件付きだったが。
ほんとかよと思って、そういう系の本を読み漁っていたら、科学的に証明されてる健康法の一つである事を知った。
冷水シャワーは合法ドラッグだということが論文を読むことで確信に変わり、ついにオレのモーニングルーティンが一つ増えた。
冷水を浴びて死ぬかと思ったが、想像以上に効果を実感できた。
最高にハイになり、スッキリして見える。
だから、アイツの不審な挙動にもすぐ気づけた。
「おはよ。朝飯何食べた?オレ、バナナと卵モリモリ。」
「あー、おはよ。僕はいつもの。熱々味噌汁かなー。」
いつも醸し出す雰囲気はそこにない気がした。
お、あぶねっとスマホを両手で握りしめる。
「なんかあった?オマエいつもとちがうじゃん。」
なんでお前わかんだよ?!みたいな顔をするのも、やつらしい。
「いや、そのさ、だれにも言うなよ?僕さ、新しく入ったマネージャーに告られて。」
まぁ、そんな感じだろうとは思っていたが的中したことにオレ自身が驚いた。
「はぁ?!まぢかよ!オレすげぇーな!」
「いやいや何言ってんだよ!お前何もしてないだろ!」
サッカーキラーの顔が綻んだところに直球でかました。
「で?オマエなんて言ったん?」
唇をキュッと引き締めて出てきた言葉は可愛らしかった。
「お願いします!って言ったよ。そりゃ、可愛い子に告られたらそれしかないじゃん。」
どこか照れくさそうにモジモジするやつの脚を蹴って、教室へと向かう。
あ、そうだ自販に用があるんだったと言って、やつとは別れた。
アイツはまだ知らないんだよな。
オマエのこと、ずっと前から見てるやつがいるのにな。
いつかそいつも報われてほしいと、青空を見上げる。
今日は晴れのち曇りってとこか。
プシュッといわせたキャップから甘い香りが漂った。