レイの右側に座っているミトが急に口を開いた、レイの風下でかつ隣に座っている彼女はとても涼しい顔をしている。先ほどまでは少し汗をかいていたがアデルの一言でレイがコントロールギアを上げた事により今まで以上にひんやりとした風を受ける様になっていた。
「まだ時間かかるのなら、いくつか知りたいことがあるんだけど」
「何だよ貧乳」
「ひ……まぁ良いわ、いい加減あなたの言葉に一々イラつくのも疲れたわ。――この世界の情勢について聞きたいんだけど教えてくれる?」
握りしめた右手を左手で押さえながらゆっくりと戻していく、ガズルもその右手を見てビクっとしたが胸を撫でおろす。反射神経とでも言うべきか? ミトが口を開けばガズルが突っかかる光景をこの馬車に乗ってから何度見てきただろうか、数えるのも馬鹿馬鹿しい位である。
「世界情勢って、具体的にどんなことが知りたいの?」
二人の様子を交互に目で追って何度目かの苦笑いをした後レイが質問をする。
「そうね……例えば貴方達がいう帝国って何? どんな事してるの?」
ミトが聞きたい事、それは世界情勢と言うより武力均衡であった。
初日の騒動で何度か出てきた帝国というキーワードがずっと気になっていたようだ。それについて今度はガズルが答える。
「帝国、正しくは武装国家スティンツァ帝国。現皇帝の『マッド・ガルボ』よりずっと昔から何年も何年もこの中央大陸を統治と言う名の武力支配してる組織だ。その歴史は古く千年以上とも二千年とも言われている。詳しくは帝国の幹部のみ知ると言ったところだな」
どんな物にも歴史はある、だがこの帝国はその歴史がいくらかあやふやな点が存在していた。起源が一体何年前なのか、創設者は何と言う人物だったのか。どんな目的で作られたのか。これが何故不明なのか?
「まだ時間かかるのなら、いくつか知りたいことがあるんだけど」
「何だよ貧乳」
「ひ……まぁ良いわ、いい加減あなたの言葉に一々イラつくのも疲れたわ。――この世界の情勢について聞きたいんだけど教えてくれる?」
握りしめた右手を左手で押さえながらゆっくりと戻していく、ガズルもその右手を見てビクっとしたが胸を撫でおろす。反射神経とでも言うべきか? ミトが口を開けばガズルが突っかかる光景をこの馬車に乗ってから何度見てきただろうか、数えるのも馬鹿馬鹿しい位である。
「世界情勢って、具体的にどんなことが知りたいの?」
二人の様子を交互に目で追って何度目かの苦笑いをした後レイが質問をする。
「そうね……例えば貴方達がいう帝国って何? どんな事してるの?」
ミトが聞きたい事、それは世界情勢と言うより武力均衡であった。
初日の騒動で何度か出てきた帝国というキーワードがずっと気になっていたようだ。それについて今度はガズルが答える。
「帝国、正しくは武装国家スティンツァ帝国。現皇帝の『マッド・ガルボ』よりずっと昔から何年も何年もこの中央大陸を統治と言う名の武力支配してる組織だ。その歴史は古く千年以上とも二千年とも言われている。詳しくは帝国の幹部のみ知ると言ったところだな」
どんな物にも歴史はある、だがこの帝国はその歴史がいくらかあやふやな点が存在していた。起源が一体何年前なのか、創設者は何と言う人物だったのか。どんな目的で作られたのか。これが何故不明なのか?