俺たちが通う高校は、新潟市の中でも繁華街である万代の近くにある。そのため、帰りに立ち寄るような場所がたくさんあるのだ。
 新潟駅は、新潟市の玄関口と言えるだろう。それだけに、ある程度拓けている。駅前は混雑していて、俺たちのような学生や、仕事中のサラリーマン、主婦のような人たちでいっぱいになっていた。
「なぁ、駅前のどこに行くんだ?」
「う~ん、まだ決めてない……」
「決めてないのかよ。俺帰るぞ」
「ねぇ、健君はお腹空いてる?」
「まぁ空いてるけど」
 高校の昼食は十二時頃である。今午後四時過ぎだから、当然だけど、腹は減っている。俺は運動部に入っているわけではないけれど、一応食べ盛りだから、この時間帯になれば腹が減るんだよね。
「じゃあさ、何か食べない?」
「まぁいいけどさ。何を食べるの?」
「何でもいいよ。健君何が食べたい?」
「俺も何でもいいよ。駅の中にあるフードコートに行けばいいんじゃない?」
「うん。じゃあそうしよう」
 新潟駅の中には、一応飲食街みたいなところがあって、結構賑わっている。俺たちは、比較的空いていたパン屋に入って、適当にパンとコーヒーを買って、店内にある飲食スペースで座ることにした。
「座れてよかったね」
 と、瑞希が告げる。
 もう少し時間が過ぎて、夜も近くなると混雑するかもしれない。今の時間帯は、丁度空いているらしい。
「あぁ、そうだな」
 俺はカレーパンとコーヒーを買って、徐に食べ始めた。どこにでもある普通のカレーパンだ。可もなく不可もなく、そんな感じ。
 対する瑞希はクリームパンと紅茶を頼んでいた。それをリスのようにもぐもぐさせながら食べている。
「ねぇ、健君。ちょっと聞いてもイイ?」
「何だ?」
「健君って高校卒業したらどうするの?」
「進路ってこと?」
「そう」
 進路か。俺たちはまだ高校二年生。だけど、そろそろ進路を考えないとならないだろう。例えば、大学に進学するのなら、受験勉強しないとならないよね。でも、俺って何がしたいんだろう?
 特に目標があるわけではない。これまで何となく生きていて、夢ってものがあるわけじゃない。それはまぁ、小さい時はサッカー選手になりたいとか、そういうのに憧れたけれど、今はそんな感じではない。自分の能力の限界に気づき、身の丈に合った世界に飛び込もうとしている。