思い当たることはひとつ、誓約の首輪だ。おそらくこれをリュカとフェリスに与えたことで、もたらされた効果に違いない。これは強い武器になりそうだ。
しかし――フェリスが叶わなかったという、迷宮攻略の一手としては弱い気がする。俺はリュカに話しかけた。
「迷宮について、少しでも情報が欲しいんだ。リュカは何か知らないか?」
「え……あ、ああ、私? えっと……」
リュカはなんだかぼんやりした様子で、ミュウを抱えていた。
「私は……森を出ようなんて思ったことはなかった……縄張りを守って、魔物を導くのが私の使命だから……」
そう言って、ミュウを膝にぎゅっと抱いた。
「ん……なんかヘンな感触。ミュウはどうしたの?」
「どれどれ」
ミュウを覗いてみると、身体が白っぽくなっている。触ってみると、
「ゴムみたいになってるな……どうした?」
「ゴム! ゴム!」
新しい能力を身につけたらしい。
「そうか、前にモグモグマツの樹脂を食べさせたんだったな」
モグモグマツの樹脂は少し甘みがあって、ガムみたいにいつまでも噛んでいられる。このあいだ見つけたので、ミュウにも食べさせたのだ。しかしミュウは噛むことなしに、ゴクンと飲み込んでしまった。それで得た能力ということか。
「面白い感触だ、なあリュカ」
「ああ……うん、そうね…」
リュカは、相変わらず心ここにあらずだ。
しかし――フェリスが叶わなかったという、迷宮攻略の一手としては弱い気がする。俺はリュカに話しかけた。
「迷宮について、少しでも情報が欲しいんだ。リュカは何か知らないか?」
「え……あ、ああ、私? えっと……」
リュカはなんだかぼんやりした様子で、ミュウを抱えていた。
「私は……森を出ようなんて思ったことはなかった……縄張りを守って、魔物を導くのが私の使命だから……」
そう言って、ミュウを膝にぎゅっと抱いた。
「ん……なんかヘンな感触。ミュウはどうしたの?」
「どれどれ」
ミュウを覗いてみると、身体が白っぽくなっている。触ってみると、
「ゴムみたいになってるな……どうした?」
「ゴム! ゴム!」
新しい能力を身につけたらしい。
「そうか、前にモグモグマツの樹脂を食べさせたんだったな」
モグモグマツの樹脂は少し甘みがあって、ガムみたいにいつまでも噛んでいられる。このあいだ見つけたので、ミュウにも食べさせたのだ。しかしミュウは噛むことなしに、ゴクンと飲み込んでしまった。それで得た能力ということか。
「面白い感触だ、なあリュカ」
「ああ……うん、そうね…」
リュカは、相変わらず心ここにあらずだ。