部屋に籠もった私は、ベッドにゴロンと横になって加瀬くんのことを考えた。
私たちは、所謂『両想い』ってやつだ。
普通なら、このままおつきあいってことになんだろな。・・普通なら。
だけど私にはどうしてもそうすることができない。
なぜって自分のことが信用できないからだ。
自分自身が一番怖い。
私がやらかす可能性のある「なにか」によって加瀬くんを傷つけることが、失望させることが怖いのだ。
例えばよく言われる『虐待の連鎖』ってやつ。
あれは、血の遺伝なんかじゃない。
日々繰り返される生活の中で、無意識に染み付いた『心の癖』とか『刺激への反応のパターン』みたいなものが、世代を跨いで『文化』として親から子へ刷り込まれ、受け継がれるために起こる現象だ。
パブロフの犬みたいに、長ーい時間をかけて私は両親にロクでもないものを刻まれた。
もちろんそんなものを後生大事に抱えとく気なんてないから、あやしげなものは片っ端からぜーんぶ削って捨ててきたつもり。
だってあの人たちみたいにはなりたくない。
自分自身が本当に納得のできる生き方をしたいって思うから。
私たちは、所謂『両想い』ってやつだ。
普通なら、このままおつきあいってことになんだろな。・・普通なら。
だけど私にはどうしてもそうすることができない。
なぜって自分のことが信用できないからだ。
自分自身が一番怖い。
私がやらかす可能性のある「なにか」によって加瀬くんを傷つけることが、失望させることが怖いのだ。
例えばよく言われる『虐待の連鎖』ってやつ。
あれは、血の遺伝なんかじゃない。
日々繰り返される生活の中で、無意識に染み付いた『心の癖』とか『刺激への反応のパターン』みたいなものが、世代を跨いで『文化』として親から子へ刷り込まれ、受け継がれるために起こる現象だ。
パブロフの犬みたいに、長ーい時間をかけて私は両親にロクでもないものを刻まれた。
もちろんそんなものを後生大事に抱えとく気なんてないから、あやしげなものは片っ端からぜーんぶ削って捨ててきたつもり。
だってあの人たちみたいにはなりたくない。
自分自身が本当に納得のできる生き方をしたいって思うから。