緊張の朝。今度こそはと静葉を捕まえて、相談に乗ってもらった。
「ねえ、私の取り柄ってなんだと思う?できれば私だけの個性?みたいな」
「え〜華花の個性はねー。優しいとこ!あと、みんなをまとめるのが上手だし、いろんなことができる!大体の事やり遂げちゃうじゃん華花って。そういうとこじゃない?」
「ほんと?ありがと!」
それから、二組のことも尋ねてみた。
「あーうちはね、確か六人くらいいたと思うよ。」詳しく聞いたところ、二組で一番友達が多い千堂さんも立候補者の一人らしい。そういえば静葉には立候補することを言っていなくて「もっと早く教えてくれれば二組のみんなにも華花のことアピールしたのに〜」と言われて今日も相変わらずデレデレ加減は変わらないなと思った。今日だけでもアピールしとくと本気で言われたものだから全力で拒否した。
そういう所こそが静葉の取り柄だと思った。人の個性はすぐに見つけられるのに自分のこととなると途端にわからなくなってしまう。そういうものだろうか。
ついにこの、意気込み発表の時が来た。先生は選ぶ人にも責任は大きいと言った。大袈裟すぎるんじゃないかと思ったがこれもいつもと同じく先生の「熱さ」だろう。何事も熱血だ。
「ねぇ華ちゃん。めっちゃ緊張するね。」
同じく立候補してる子から声をかけられ、もっと緊張してしまう。体育館で喋るのはいつぶりだろう。家でも、両親ともに協力してもらって近所の人の配慮を忘れず大きな声を出すことを練習してきた。だから、大丈夫だろう。心だけは冷静で、私の体は心臓はうるさいわ、手は震えるわで悲惨な状況だった。
みんなが座ったことを確認して私たちは体育館、今日の舞台となる場所に入った。同時に今までのことが思い出される。先生に声をかけてもらったことがきっかけでこのことを決めたこと。初めは本当に決めてしまって良かったのか心配だったけどどんどん本気で練習するようになってきたこと。私が一人、立候補しただけで他の子が一人落ちてしまうことがあること。委員会の数、八つに対し立候補者は十三人。
「…五人が落ちる。」
そう思っただけでもう心配になってくる。できれば早く終わってほしい。静葉が見てる。蘭々ちゃんも。やるしかない!
続々と発表が終わり私の番が近づく。中には緊張で声が小さい子や原稿の内容を忘れてしまった子もいて、大変だった。
「私が委員長になったら、委員会を楽しくします。そのために自分から和やかな雰囲気を作り誰もが気軽に会話できるような環境作りをするので…投票よろしくお願いします。」
まばらな拍手が送られる。お、終わったんだ。私にとっては一瞬の出来事に過ぎなくて時間が過ぎてもなお、緊張はとけずにいた。
終わったら、静葉と蘭々ちゃんが「良かったよ!」「絶対なれてる!」と言ってくれて安堵の息を漏らした。
結果発表の翌日。朝立候補者全員が集められた。ここで結果が聞かされる。名前が呼ばれなかったら、ダメだったということだ。
「…さん。倉坂華花さん。…さん。」
あ。呼ばれた!名前だけだから早くて聞き間違いかと思ったけど本当のようだった。良かった。ここでダメだったらみんなに見せる顔がなかった。結果、一組は全員受かることができた。二組は落選者がかなり多かったぽい。でもまだ終わったわけではない。これから、担当の委員会が発表される。私たちが自分の委員会を選ぶことはできない。先生が割り振りそれに従わなければいけない。
「…さん、給食委員会。華花さん、放送委員会。」
放送委員会に決まった。放送委員会はこの性格上躊躇われるため自分では絶対に選ばない委員会の一つだった。でも、誰もが一度はあの放送器具に触ってみたいと憧れを持つはず。そういう意味では決めてもらって嬉しいと思う。
後から先生に言われたことなのだが、立候補者の中で一番私の声が大きかったらしい。だから放送委員に。たくさん練習した成果が出て良かった。
これからがどうなるか楽しみだ。
その一週間後に、初めての委員会があった。なんとか、副委員長の手を借りながらも一回目を終わらせることができた。
「ねえ、私の取り柄ってなんだと思う?できれば私だけの個性?みたいな」
「え〜華花の個性はねー。優しいとこ!あと、みんなをまとめるのが上手だし、いろんなことができる!大体の事やり遂げちゃうじゃん華花って。そういうとこじゃない?」
「ほんと?ありがと!」
それから、二組のことも尋ねてみた。
「あーうちはね、確か六人くらいいたと思うよ。」詳しく聞いたところ、二組で一番友達が多い千堂さんも立候補者の一人らしい。そういえば静葉には立候補することを言っていなくて「もっと早く教えてくれれば二組のみんなにも華花のことアピールしたのに〜」と言われて今日も相変わらずデレデレ加減は変わらないなと思った。今日だけでもアピールしとくと本気で言われたものだから全力で拒否した。
そういう所こそが静葉の取り柄だと思った。人の個性はすぐに見つけられるのに自分のこととなると途端にわからなくなってしまう。そういうものだろうか。
ついにこの、意気込み発表の時が来た。先生は選ぶ人にも責任は大きいと言った。大袈裟すぎるんじゃないかと思ったがこれもいつもと同じく先生の「熱さ」だろう。何事も熱血だ。
「ねぇ華ちゃん。めっちゃ緊張するね。」
同じく立候補してる子から声をかけられ、もっと緊張してしまう。体育館で喋るのはいつぶりだろう。家でも、両親ともに協力してもらって近所の人の配慮を忘れず大きな声を出すことを練習してきた。だから、大丈夫だろう。心だけは冷静で、私の体は心臓はうるさいわ、手は震えるわで悲惨な状況だった。
みんなが座ったことを確認して私たちは体育館、今日の舞台となる場所に入った。同時に今までのことが思い出される。先生に声をかけてもらったことがきっかけでこのことを決めたこと。初めは本当に決めてしまって良かったのか心配だったけどどんどん本気で練習するようになってきたこと。私が一人、立候補しただけで他の子が一人落ちてしまうことがあること。委員会の数、八つに対し立候補者は十三人。
「…五人が落ちる。」
そう思っただけでもう心配になってくる。できれば早く終わってほしい。静葉が見てる。蘭々ちゃんも。やるしかない!
続々と発表が終わり私の番が近づく。中には緊張で声が小さい子や原稿の内容を忘れてしまった子もいて、大変だった。
「私が委員長になったら、委員会を楽しくします。そのために自分から和やかな雰囲気を作り誰もが気軽に会話できるような環境作りをするので…投票よろしくお願いします。」
まばらな拍手が送られる。お、終わったんだ。私にとっては一瞬の出来事に過ぎなくて時間が過ぎてもなお、緊張はとけずにいた。
終わったら、静葉と蘭々ちゃんが「良かったよ!」「絶対なれてる!」と言ってくれて安堵の息を漏らした。
結果発表の翌日。朝立候補者全員が集められた。ここで結果が聞かされる。名前が呼ばれなかったら、ダメだったということだ。
「…さん。倉坂華花さん。…さん。」
あ。呼ばれた!名前だけだから早くて聞き間違いかと思ったけど本当のようだった。良かった。ここでダメだったらみんなに見せる顔がなかった。結果、一組は全員受かることができた。二組は落選者がかなり多かったぽい。でもまだ終わったわけではない。これから、担当の委員会が発表される。私たちが自分の委員会を選ぶことはできない。先生が割り振りそれに従わなければいけない。
「…さん、給食委員会。華花さん、放送委員会。」
放送委員会に決まった。放送委員会はこの性格上躊躇われるため自分では絶対に選ばない委員会の一つだった。でも、誰もが一度はあの放送器具に触ってみたいと憧れを持つはず。そういう意味では決めてもらって嬉しいと思う。
後から先生に言われたことなのだが、立候補者の中で一番私の声が大きかったらしい。だから放送委員に。たくさん練習した成果が出て良かった。
これからがどうなるか楽しみだ。
その一週間後に、初めての委員会があった。なんとか、副委員長の手を借りながらも一回目を終わらせることができた。