「あ、あの! ちょっと調べたいことがあるんで、もう一度コレを破壊してもらえますか?」
エルサさんに破壊してもらおうと、別のサビた剣を差し出す。
「え!? ちょっと、ロルフ君!?」
「お願いします。確かめたいんです!」
「もう、強引な子。サビた剣を破壊すればいいのね?」
ちょっと困惑したエルサさんだったが、サビた剣を受け取ると素手で触れ、破壊スキルを発動させた。
先ほどと同じように剣が淡い光を帯びて、エルサさんの手の上でバラバラの部品に変わる。
「じゃあ、エルサさんの手に触れさせてもらいますよ」
「ちょ!? ロルフ君、あたしに触れたら――」
「僕はきっと大丈夫ですから、信じてください!」
息を止めると破壊された剣の部品を持つ、エルサさんの手に触れる――
────────────────
>スキル発動条件が整いました。
>再生スキルを発動しますか?
────────────────
やはり、思った通りだ。
再生スキルが発動したことを告げる声が聞こえる。
「や、やっぱり。エルサさんが破壊した物に、僕の再生スキルが反応する! 反応するよ!」
「そ、そうなの? ロルフ君、身体は何ともないの? 本当に大丈夫なの? 痛いところとかない?」
エルサさんは、とても心配そうな顔をして、こちらを見ていた。
彼女は自分が持つ【破壊】スキルが、僕の身体に影響を与えていないか心配してくれてるんだろうけど……。
なぜだか知らないけど、身体には影響は全くない。
「大丈夫です! ピンピンしてますよ! 与えられてから一度も発動しなかった『再生』スキルが、エルサさんのおかげで発動してるんですよ!」
淡い光を放つサビた剣の部品を、エルサさんから受け取ると、先ほどと同じような文字が浮かび上がった。
―――――――――――
再生スキル
LV:1
経験値:1/12
対象物:☆鉄の剣(廃品)
>鉄の剣(普通):90%
>鉄の剣(中品質):70%
>鉄の剣(高品質):50%
>鉄の剣(最高品質):20%
>鉄の剣(伝説品質):10%
―――――――――――
浮かびあがった文字の中から、鉄の剣(伝説品質)に目をやる。
>鉄の剣(伝説品質)に再構成しますか?
問いかけてくる神の声に対し、了承を意識した。
自分の手が触れた剣の廃品が一気に輝き始め、周囲が光に包まれる。
さっきと同じ光!
やっぱり僕の再生する気を発動させるには、エルサさんが破壊スキルで破壊した物が必要なんだ!
しかし今回はさっきと違い、眩い光が途中で消え、剣の廃品から黒い煙が発生していた。
「おわっ! なんだこれ!」
「煙!? ロルフ君! どうなったの?」
手の中にあったサビた剣の廃品は、煙がおさまると、灰になって風に飛ばされ消えていった。
灰になって消えた剣の部品を見ていた、エルサさんの顔色が変わっていた。
「あたしが素手で触れた物。あの淡い光が消えると、今みたいに灰になって消えちゃうわ。やっぱり、こんなスキルを持つあたしは、全てを破壊する忌み子よね」
彼女は素手となっている自分の手を見て、泣き出しそうな顔をしていた。
やたらと頑丈そうな手袋をしてたし、もしかしたらエルサさんは、破壊スキルのせいで色々と周りの人から言われてきたのかもしれない。
僕は発動しないスキルのせいで蔑まれてるけど、エルサさんももしかしたら自分と同じなのかも。
未知のスキル持ちと、そのスキルのせいで苦労をしたという共通点が、僕の中で急速に彼女のことを身近に感じさせていた。
「今のはエルサさんのせいじゃなくて、僕の再生スキルが失敗だけだと思います!」
「ロルフ君の再生スキルが失敗した? それっていったいどういうこと?」
「表示されてた後ろの数字は成功率だったんだと思います。伝説品質は10%と表示されてましたし、それで失敗したのかと。次は成功率の高いのを選ぶんで大丈夫です! もう一回お願いできますか!」
さきほどの失敗を気にして、エルサさんは落ち込んでいる様子だった。
そんなエルサさんの顔を見ていることに心が痛み、ゴブリンたちが落としていった最後の一本を拾い上げ彼女に剣を差し出す。
「分かった。ロルフ君がそこまで言うなら」
エルサさんの素手が剣に触れ、破壊され部品になると、再び再生スキルが発動した。
今度は成功率90%の普通品質の鉄の剣を選択する。
今度はさっきと違い黒い煙は出ず、最初と同じように光が収まった。
>鉄の剣(普通品質)に再構成に成功しました。
>鉄の剣(普通品質)
攻撃力:+5
資産価値:二〇〇〇ガルド
手には最初のとは違い、鈍い光を放つ作りの粗い剣ができていた。
エルサさんに破壊してもらおうと、別のサビた剣を差し出す。
「え!? ちょっと、ロルフ君!?」
「お願いします。確かめたいんです!」
「もう、強引な子。サビた剣を破壊すればいいのね?」
ちょっと困惑したエルサさんだったが、サビた剣を受け取ると素手で触れ、破壊スキルを発動させた。
先ほどと同じように剣が淡い光を帯びて、エルサさんの手の上でバラバラの部品に変わる。
「じゃあ、エルサさんの手に触れさせてもらいますよ」
「ちょ!? ロルフ君、あたしに触れたら――」
「僕はきっと大丈夫ですから、信じてください!」
息を止めると破壊された剣の部品を持つ、エルサさんの手に触れる――
────────────────
>スキル発動条件が整いました。
>再生スキルを発動しますか?
────────────────
やはり、思った通りだ。
再生スキルが発動したことを告げる声が聞こえる。
「や、やっぱり。エルサさんが破壊した物に、僕の再生スキルが反応する! 反応するよ!」
「そ、そうなの? ロルフ君、身体は何ともないの? 本当に大丈夫なの? 痛いところとかない?」
エルサさんは、とても心配そうな顔をして、こちらを見ていた。
彼女は自分が持つ【破壊】スキルが、僕の身体に影響を与えていないか心配してくれてるんだろうけど……。
なぜだか知らないけど、身体には影響は全くない。
「大丈夫です! ピンピンしてますよ! 与えられてから一度も発動しなかった『再生』スキルが、エルサさんのおかげで発動してるんですよ!」
淡い光を放つサビた剣の部品を、エルサさんから受け取ると、先ほどと同じような文字が浮かび上がった。
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再生スキル
LV:1
経験値:1/12
対象物:☆鉄の剣(廃品)
>鉄の剣(普通):90%
>鉄の剣(中品質):70%
>鉄の剣(高品質):50%
>鉄の剣(最高品質):20%
>鉄の剣(伝説品質):10%
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浮かびあがった文字の中から、鉄の剣(伝説品質)に目をやる。
>鉄の剣(伝説品質)に再構成しますか?
問いかけてくる神の声に対し、了承を意識した。
自分の手が触れた剣の廃品が一気に輝き始め、周囲が光に包まれる。
さっきと同じ光!
やっぱり僕の再生する気を発動させるには、エルサさんが破壊スキルで破壊した物が必要なんだ!
しかし今回はさっきと違い、眩い光が途中で消え、剣の廃品から黒い煙が発生していた。
「おわっ! なんだこれ!」
「煙!? ロルフ君! どうなったの?」
手の中にあったサビた剣の廃品は、煙がおさまると、灰になって風に飛ばされ消えていった。
灰になって消えた剣の部品を見ていた、エルサさんの顔色が変わっていた。
「あたしが素手で触れた物。あの淡い光が消えると、今みたいに灰になって消えちゃうわ。やっぱり、こんなスキルを持つあたしは、全てを破壊する忌み子よね」
彼女は素手となっている自分の手を見て、泣き出しそうな顔をしていた。
やたらと頑丈そうな手袋をしてたし、もしかしたらエルサさんは、破壊スキルのせいで色々と周りの人から言われてきたのかもしれない。
僕は発動しないスキルのせいで蔑まれてるけど、エルサさんももしかしたら自分と同じなのかも。
未知のスキル持ちと、そのスキルのせいで苦労をしたという共通点が、僕の中で急速に彼女のことを身近に感じさせていた。
「今のはエルサさんのせいじゃなくて、僕の再生スキルが失敗だけだと思います!」
「ロルフ君の再生スキルが失敗した? それっていったいどういうこと?」
「表示されてた後ろの数字は成功率だったんだと思います。伝説品質は10%と表示されてましたし、それで失敗したのかと。次は成功率の高いのを選ぶんで大丈夫です! もう一回お願いできますか!」
さきほどの失敗を気にして、エルサさんは落ち込んでいる様子だった。
そんなエルサさんの顔を見ていることに心が痛み、ゴブリンたちが落としていった最後の一本を拾い上げ彼女に剣を差し出す。
「分かった。ロルフ君がそこまで言うなら」
エルサさんの素手が剣に触れ、破壊され部品になると、再び再生スキルが発動した。
今度は成功率90%の普通品質の鉄の剣を選択する。
今度はさっきと違い黒い煙は出ず、最初と同じように光が収まった。
>鉄の剣(普通品質)に再構成に成功しました。
>鉄の剣(普通品質)
攻撃力:+5
資産価値:二〇〇〇ガルド
手には最初のとは違い、鈍い光を放つ作りの粗い剣ができていた。