例の彼女――若葉ちゃんと奇跡的な再会をして一週間が過ぎた。
 未だに信じられない。あれから僕は、毎日若葉ちゃんと連絡を取り合っている。
 実はあれからプライベートで一度、彼女とディナーデートをした。ロゼさんにはもちろん、このことは誰にも秘密だ。

 それはそれは、夢のような時間だった。
 誰にも邪魔されたくなくて、わざと遠い街外れの店まで彼女を連れ出すのには勇気がいったが。何とか家の車も確保し、遠出には十分な材料は揃った。そして今日は二度目のデート。僕は急いで帰宅し、着替えて車で彼女の講義が終わる時間に大学構内の駐車場で待ち合わせ、今は郊外の港町まで来ている。