心の底から合コンなんてものは参加したいとは思わなかった。
 だが、充からの強引な誘いで、仕事が終わってから渋々出ることを了承させられてしまった。

「俺、二次会とかあってもぜってえ出ないからな?」

 合コン会場になっている居酒屋に向かっている間、朋也は何度同じことを充に言っただろうか。

 だが、当の充は、「分かった分かった」と、明らかに適当に返事をしている。
 だからこそ、しつこく念を押してしまう。

「ほんとに気が進まねえな……。つうか、俺はただの人数合わせだろ? 他にいなかったのかよ?」

「他にも何も、女子達がお前をご指名だったんだから仕方ねえだろ」

「はあ? なんで俺が指名されるわけ……?」

「自覚がまるっきりねえな……」

「どういう意味だよ?」

「言ってる通りだ」

「だからそれが分からないっつうの……」

「かあーっ! お前ってほんと罪な男だねえ!」

 嘆かわしい、と充が大袈裟に(かぶり)を振る。

 朋也は朋也で、やっぱり充の言わんとしていることが理解出来ずにいるから頭が混乱していた。