──ピコンッ
直後、スマホが鳴ってハッとする。
こんな時間に誰だよ……。
僕にメッセージを送る相手なんてほとんどいないから、母さんから買い物頼まれるとかか?
机の中からスマホを取り出して、画面を開く。
【今日の二限目あとの休み時間、屋上階段に来てね! 絶対だよ!
追伸、来なかったら教室まで迎えに行くから】
メッセージの送り人は、母さんなんかではなく、三日月さんだった。
今までは、放課後に呼び出されることが多かったのに、今日は午前中?
しかも学校の中で?
学校で会うとなると誰に見られるか分からないから、できることならこのまま無視をしたいし気づかなかったフリをしたい。
でも、最後の文を見て僕には拒否権などないと思った。
だってそれは、まるで脅迫めいていたのだから。
だから僕は、
【分かった】
それだけ打ち込むと、スマホをしまった。