最後に残ったのは五嶋若菜だった。ひったくり犯に遭遇しただけでなく、直属の先輩である旗本の死は彼女の心を深く抉った。目元は真っ赤に腫れて、給湯室の冷蔵庫から三津谷が持ってきた保冷剤で目を冷やしながら、聴取に応じてくれた。
「三日前の午前中に、次の案件について旗本さんと会社近くのカフェで打ち合わせしてました。その後、一緒に戻ってきて残りの仕事をして、定時の十八時ピッタリに旗本さんが退社されるのを見たのが最後です。私は仕事が片付かなくて、二十一時頃まで居ました」
「それで、夜の二十一時までここにいたと。その後はどこか寄りましたか?」
「いえ、その……真っ直ぐ帰ろうとしたら、ひったくりに遭遇してしまって……」
「ひったくり……?」
話を聞いていた刑事がふと、真崎の方を向く。「道理で探偵モドキと一緒にいる訳だ……」と愚痴をこぼすと、再び若菜に話を戻した。
「三日前の午前中に、次の案件について旗本さんと会社近くのカフェで打ち合わせしてました。その後、一緒に戻ってきて残りの仕事をして、定時の十八時ピッタリに旗本さんが退社されるのを見たのが最後です。私は仕事が片付かなくて、二十一時頃まで居ました」
「それで、夜の二十一時までここにいたと。その後はどこか寄りましたか?」
「いえ、その……真っ直ぐ帰ろうとしたら、ひったくりに遭遇してしまって……」
「ひったくり……?」
話を聞いていた刑事がふと、真崎の方を向く。「道理で探偵モドキと一緒にいる訳だ……」と愚痴をこぼすと、再び若菜に話を戻した。