ゴールデンウィークという連休は、中学生達はテスト勉強の予定で埋め尽くされる。

 時環もサボり魔という名の例外ではなく、両親の命令により無理やり勉強をさせられることとなった。中学一年の中間は最も簡単なテストであるため時環に点数を取らせておきたいのだ。


 しかし刻間夫婦は勉強が得意ではなく、教えるのも同様。その上時環が勉強に関心を示さないため、彼らは幸哉に家庭教師の依頼をした。

 その話を聞いたとき、幸哉は驚いた。引き取られた子供は親の顔色を窺って、良い子でいようと真面目に勉強に取り組む子が多いと聞くからだ。時環が勉強をしないのはそれだけ気を許している証だろう。


 良好な家族仲に幸哉は微笑ましく思ったが、それはそれとしても時環のサボり魔化には問題がある。とはいえ店を空ける訳にもいかず、店で勉強するならと引き受けることにした。

 幸哉という監視の眼の効果は絶大で、今日は何時間も休憩することなく時環は机の上の宿題達と戦った。机の上に完全に突っ伏したのは理科の宿題を倒した直後だ。難敵の数学はまだ倒せていない。


「はあ……。未来の教師に勉強を見て貰えてる俺って、真面目クンや真面目ちゃんからしてみれば幸せ者なんだろうなー」

「良い子。自分の幸せを自覚出来るヤツは幸せになれる。ほい、かき氷」