太一を好きになったのは小学校の時だ。
6年の時に修学旅行で同じ班になった。その時に、すごく優しいんだなって思って気が付いたら好きになっていた。
単純な奴だって思われるかもしれない。実際、私は単純だ。でも、好きになったものは仕方がないじゃん。
好きだから、思いを伝えて離れるんだ。
好きな人に避けられるって辛そうだから。
でも、今まで逃げてきた私にそう簡単にチャンスは来ない。

休校になった。

受験の一週間前、感染症が流行ってしまった。
受験は通常通りにやるけど、学校には行けない。
どうしよう。私、もう太一に会えないのかな?

受験の前日、私はお母さんの運転で志望校のある町に向かった。
外は雪が降っている。あたりまえだけど降ってくる雪は全部白い。
あたりまえだ。けど、私は学校に行けない。それはあたりまえのことが出来ないってことだ。

私にあたりまえの事はさせてくれないの?

私は満足にしたいことも出来ないの?

違う。あたりまえなんてあるわけ無い、存在しないんだ。
だったら、
私は入試を終えて家に帰るとすぐにある場所へ向かった。

あいつの家だ。

"あいつ"は地元の高校に行くからもう家にいるはず。
インターフォンを押す。
"あいつ"が家から出てきた。
「何の用?」
疲れた顔で"あいつ"はそう言った。

私は深呼吸して覚悟を決める。

あたりまえなんてあるわけ無いんだ

世界は奇跡でできている

誰かに私の運命が決められていても

そんなものはくそくらえだ

もし、運命に決められた道なら

どれだけ安全な道でも絶対に歩かない

自分の道を自分の足で

あたりまえを拒否して歩いていく

だから、



『太一、大好きです』

「太一、聞いて~」
「どうしたの?」
「高校授業速いしムズい~😭」
「ドンマイ、がんばれー」
「もっと慰めてよ~!彼氏でしょ!」
「お前めんどくさいなー」
「え、ひど、冷たくね?」
「あたりまえだろ、夜中だぞ?」


「あー!あたりまえなんて無いんだよ!」



     【完】
初めての公開がこんな思いつきの話の超短編で申し訳ないです。
どうも、嵐うさぎです。
この話は中学を僕が卒業するときに感じたことを物語にしてみた思いつきです。
作品として公開するには下手くそすぎるとは分かっていますが、どうしてもこの状況を知ってほしくて書きました。
これを機に長編作品も書いていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします!ということでデビュー作でした!

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