それでも、

「二人で行くランチの予約したよ」

 とだりあは、大介に少しでも好意を持ってもらいたい部分はあったらしく、はたで見てもいじましいぐらいに健気なところさえ見せた。

「先生はだりあさんのことを、どう見てますか?」

 みのりに問われた大介は、

「まぁ素直やし、自分の意見はしっかり持っとるし、タイプに近いと言やぁ近いんやけど、やっぱり百合香と比べてまうし、百合香を超えるほどではないというか」

 関係性を知るみのりに大介は、殻を割ったような話し方をした。

「百合香さん、優しかったもんね…」

 みのりも百合香がいなくなって、喪失感だけは拭えずにいた。

「人は見た目だという者もあるけど、話してみな分からんことかてある。百合香は最初おとなしそうやったけど、あれでパキパキ物は言いよるし、でも腹が立たんかったんは、何か血がかよってる感じがあったからなんかなって最近は思う」

 だりあには、それがあまり感じられなかったらしい。