次に向かった目的地は、地元の有名観光施設。

スペインをモチーフにした遊園地のような場所だ。
全国的にはあまり有名ではないが、スペインを連想させる園内は人気が高い。

ジェットコースターが一番人気だ。
あとパレードもすごく人気のスポット。

そんな遊園地がちょっぴり楽しみな私。
胸が膨らみ、遊園地内で遊ぶ自分を少し想像してみる。

『そういえば昔、ここに来たことがあるなー』って思い出しながら。

小学生の遠足で、一度だけ来たことある。
何年生の頃かは忘れたけど、ここに来た覚えはしっかり残っている。

他の生徒と上手く馴染めない私は、ずっと施設内のベンチに座って本を読んでいた。
楽しいはずの遠足も、ずっと一人の私。

そして決められた班で行動しないから、先生にも何度か怒られた。
『こんなところに来てまで本を読むな』って、私の気持ちを知らない先生に、本を没収されそうになったっけ。

私も『読書の邪魔をするな』って、心の中で何度も怒っていたし。
思い出したら、イライラする記憶しか残っていない・・・・。

遊園地内に入るため早速チケットを買った私達は、先程の水族館のように手を繋いで園内に入っていく。

お昼御飯を食べた後だからか、それとも昼間で気温が上がったからか分からないけど、さっきより誠也さんの手が暖かい。

それとも私の手が暖かいのかな?
最近ずっと冷えていた私だし。

でも園内に入った直後、誠也さんは強い力で私の腕を引っ張ってきた。
この遊園地一番人気のアトラクションである、ジェットコースターに無理矢理私を連れていこうとする。

だけどジェットコースターなんて乗りたくない私は全力否定。
死んでも乗りたくないから、私は大声で嫌がり抵抗する。

「ま、待ってください誠也さん!私、高いところが苦手なんです!」

私の必死の声に誠也さんは笑った。
まるで悪魔のような笑み。

「まあまあ大丈夫だって。目を瞑っていればすぐに終わるって」

この人は意地でも私をジェットコースターに乗らせるつもりだ。
抵抗する私の手を簡単に振り払い、強引に私のもう片方の手を引っ張る誠也さん。

本当に頭のおかしい誠也さん。
ってか『ジェットコースターは乗らない』って約束したのに・・・・。

私達はアトラクションの待ち時間を知らせてくれる掲示板を確認。
誠也さんが乗りたいと言うジェットコースターは、一時間とかなりの待ち時間が必要みたいだ。

でも正直言って一時間なんて待ってられないし、それなら空いているアトラクションに乗った方がマシだと感じた私は、笑顔で『違う乗り物に乗りましょう!』と誠也さんに提案した。

でも何故だか誠也さんから不気味な笑顔が止まらない。
ちょっと気持ち悪い誠也さん。